ドライアイス洗浄でガソリン直噴のカーボン除去。 トヨタ クラウンGRS182 GR系エンジンは要注意。
トヨタ・レクサスのV6 GR系直噴エンジンはインテークバルブにカーボンが蓄積する事はご存じですか??
輸入車、国産車問わず、ガソリン直噴エンジンはエンジンのインテークバルブにカーボン(煤)が蓄積しやすい。
最新のエンジンはデュアルインジェクター搭載やバルブ形状等の関係でカーボン蓄積が改善しているエンジンもありますが、少し前の搭載エンジンになると依然蓄積は多いですね。
ガソリン直噴のGR系エンジンはトヨタならマークX・クラウン180系以降などのFR系セダンに搭載されています。
レクサスならIS250~GS350までの同じくFR系セダンが該当します。
エンジン型式なら2GR-FSEや4GR-FSEなどでしょう。
ちなみにアルファード20系などに搭載されているFF用GR系エンジンは直噴ではないので除外してください。
本来クラウン180系以降のトヨタFR車両は信号待ち時は非常に静粛性が高く、微振動もほぼありません。
ですが10年・10万キロ以上走行した場合は、そうでは無くなる。
・信号待ち時にハンドルやボディに伝わる微振動。
・加速はするが高回転までスムーズに吹き上がるエンジンフィーリング低下。
・エンジンの息付きや加速不良。
・マフラーやバンパーに付着する黒い煤。
それは経年劣化による症状でインテークバルブの周辺に大量のカーボンが蓄積している可能性が高いです。
クラウンGRS204 http://minato-motors.com/blog/?p=28999
マークX GRX130http://minato-motors.com/blog/?p=25476
レクサスIS http://minato-motors.com/blog/?p=23600
兵庫県からお越しいただいたのはトヨタ クラウン GRS182 走行距離11万キロ
エンジンインテーク系に蓄積するカーボン除去に予約来店をしていただきました。
今回行う作業は、
・DSCドライアイスショットカーボンクリーニング
・ATF完全圧送式交換
・デフオイル、LLC交換
・カーエアコンリフレッシュα
1泊2日お預かりで作業をさせていただきます。
試運転をしてから作業を開始しますが、やはりこの車両も本来のエンジンフィーリングや静粛性と素早いシフトチェンジなどはかなり低下しているようです。
早速作業を始めましょうか。
エンジンのインテークバルブが見えるまで分解していきます。
スワールコントロールバルブを外せば、やっと確認が出来ますね。
バルブの傘部に固着したカーボン固着。
テカッと光っているのはブローバイのオイルが付着しているからで、こうなると燃焼熱でカッチカチに硬化しています。
艶が消えたように付着しているカーボンも、バルブ傘の金属にカッチリ張り付いている。
そしてポート内径には厚さ1mmほどのカーボン膜が張り付いたように付着しており、シャフトにはカマキリの卵状に固まっていますね。
これでは吸気が入りづらく、また理想的な吸気渦は形成されないでしょう。
従来型のポート噴射式であれば、燃料噴射から気化して混合気になり点火燃焼するまでに時間があります。
ですが直噴式の場合は燃料噴射から混合気になり、点火燃焼までの時間が短い。
精密なフューエルコントロールが出来る直噴は、高出力・省燃費が両立できるエンジンですが、燃焼までの時間が短い故にどうしても微細なカーボンが発生しやすいのです。
高圧で微細な燃料噴霧をして、(タンブル・スワール)の吸気渦を発生させてガソリンを気化し混合気にする。
混合気になった時に点火燃焼すれば理想的。
吸気渦が乱れて燃料の粒が気化する前に、液体の状態で高温燃焼するとガソリンが焦げて微細な個体のカーボン(煤)になる。
という事はガソリンの一部が燃焼せずにパワーにも変換されない無駄が生じていますよね。
今の車両はドライバーが分からない所で、精密なエンジン制御をしているので気が付かない。 ですがある一定の許容量を超えると制御しきれないので弊害が表面化してきます。
このような状態の車両が増えれば、ディーラーなどでは頻繁にこの個所のカーボンを除去作業をしているのかと言えば答えはノーです。
理由はいろいろあるのですが、一番の理由は(O/H以外で完全除去するのが容易ではない)ことでしょうか?
そうなんです。 このカーボン蓄積の弊害は、一部の敏感な整備士は知っている。 ですが手作業では完璧な除去が出来ないので(そっと伏せている)のが現状でしょう。
ディーラーも(もう距離も走っていますし、そろそろ乗り換えを・・・)と新車カタログを手渡されるのが普通で、(わざわざ寝てる子を起こす)事はしないでしょう。
弊社では6年前から直噴エンジンのカーボン蓄積に取り組み、完全除去作業をアナウンスしています。
DSC ドライアイスショットカーボンクリーニングはドライアイスの特性を利用したカーボン除去作業。
(エンジンにノーダメージで、短時間に完璧に)をキャッチコピーにし、ガソリン・ディーゼル合わせて千台以上のエンジンを洗浄済み。
今からこのクラウンにもドライアイス洗浄で完全除去をしていきますね~。
完全防備のマスキング風景の途中。
3M社製の高性能マスカーを使用して、飛び散るカーボンからボディを守ります。
この状態から完全マスキング状態にしていくのですが、これ以上は企業秘密でお見せ出来ません。
指で潰れるほど柔らかいドライアイスペレットを、圧縮空気で高速噴射。
直撃したペレットが熱収縮と昇華爆発力で強固なカーボン塊を除去します。
硬いメディアを噴射してはいないので傷が付く事も無く、ドライアイスは昇華して消えるので残留する可能性はゼロ。
(遅い事は牛でも出来る)昔に私がぺーぺーだった頃によく言われました。
仕事はゆっくり丁寧は誰でも出来ると。
仕事は早く確実に丁寧にしないと意味がない。
短時間で完璧にカーボン除去をする為に、弊社が独自で開発したDSC専用ノズルと専用アダプターをドライアイス洗浄機のガンに接続。
これで短時間で完璧に除去をしますよ~。
軽くワンショット。
ドライアイスが直撃した箇所だけ、キレイになりましたね。
圧縮上死点にセットしてバルブ全閉にし、順番に全てのポートにドライアイスを撃ち込んでいきます。
と言いながらもカーボン固着が酷いので、複数あるノズルとアダプターを組み替えながら少しづつ除去します。
作業中は完全非公開で見学も不可。
代わりに写真は多く撮影していますので、ご理解の程宜しくお願い致します。
(納車時に画像をお見せしています。)
全6気筒12ポート全て完璧にキレイになりました。
傘部もシャフト裏も全て完璧に洗浄が出来ましたね。 手作業ではここまでキレイにはならないと思いますよ~。
スワールコントロールバルブもドライアイス洗浄でキレイになりました。
これぐらいなら一瞬でキレイになりますよ~。
サージタンクもオイルとカーボンをケミカルで洗い流して、新しいガスケットで組付けていきます。
スロットルボディも清掃して、熱劣化で割れている樹脂カプラーも補修しました。
これぐらいの年式になるとカプラーはパキパキ割れますので、補修用カプラーは常時ストックしておかないと(早いイイ仕事)は出来ません。
GRエンジンのDSC作業は基本的には日帰り作業で納車です。
(それに合わせて複数のオプション整備を追加しても日帰り納車は可能。)
・LLC圧送式交換・
ラジエターリフレッシャーで脈動圧送しながら、エンジン・ラジエター・ヒーター内にあるLLCを全量交換します。 (ドレンから抜いて、つぎ足すだけの部分交換ではありません。)
またLLC再生強化剤注入で劣化した消泡・防錆を強化。
ラジエターキャップの状態が悪かったので同時交換しました。
・カーエアコンリフレッシュα・
年々減少していくAC冷媒ガスを全量回収・再生・再充填しますね。
劣化したコンプレッサーオイルを強化する為にニューテックNC-200コンプブーストを同時注入。
冷媒ガスも定期的にメンテナンスしましょう。
・デフギアオイル交換・
ニューテックNC-70 75W90 全化学合成ギアオイル(エステル系)
ここぐらいまでなら十分日帰り納車は余裕で可能です。
・ATF完全圧送式交換・
外気温20℃以下になれば、作業時間が短縮できるATF交換ですが、DSCと同時だと結構タイトかな。
オイルパンを脱着洗浄してストレーナーも交換します。
そこからATFチェンジャーをセットして圧送式交換を行いますね。
NUTEC NC-RFリンシングフルードでプレ洗浄しました。
15分間のクリーニングモード後に、次は本命ATFのニューテックNC-65で全量圧送式交換をします。
キレイに入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は6万キロです。
極薄で強靭な油膜性能のNC-65なら、スムーズなシフトフィーリング向上はもちろんですが、純正より数倍の耐久性を誇ります。
最後にフルードクーラーを洗浄して、規定温度でレベル調整をし試運転。
引き取り時には画像を見ながら作業内容を説明させていただいています。
こんな感じで作業を終えたクラウンGRS182
正直に言えばこの全ての作業を日帰りで行うのは可能なんですが、それをすると作業者がクタクタになるので念のために1泊お預かりにしています。
早い仕事はイイ事なんですが、急いだ仕事はミスを誘発させる可能性が高まるので、ほどほどで予約管理をしているんですよね。
せっかく遠方から来店されているので、ほとんどの方が大阪観光も兼ねていますね。
大阪名物と自慢できる食べ物は少ないですが、(安くて上手いB級グルメ)は多いです。
自然豊かな街ではありませんが、個性的で賑やかな街並みは多いかと。
一人で来ても、カップルで来ても、家族で来ても楽しめる所も多いのが大阪。
ぶらぶら大阪散歩編
http://minato-motors.com/blog/?p=25803
大阪府唯一の世界遺産(仁徳天皇陵古墳)のすぐ横にミナト自動車があります。
目の前のJR阪和線もず駅からミナミ・キタ・USJなどは30~60分以内で行けますよ~。もちろん代車もお貸し出来ます。
そして今はGoto再開前で、何故かビジホの値段が安くなっています。
少し前は団体で大勢いた外国からの観光客もいないので、ある意味イマが狙い目ですよ。
DSCやATF完全圧送式交換のご予約は、HPお問い合わせフォームからお待ちしていますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!