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レジアスエースKDH205 リフレッシュプラン。 サスペンション・ブレーキ・ATF交換。  新車時の状態に戻して長く使いましょう。

10年10万キロ以上走行した車両をある程度の予算を掛けてリフレッシュ整備を提案する『提案型整備 リフレッシュプラン』

大変好評で全国各地からご依頼をいただいています。
http://minato-motors.com/blog/?cat=12




リフレッシュプランとは何??との問いにはこう答えています。

ある程度走行した車両には無暗に無計画にバラバラに整備をしても新車時のコンディションにはあまり近づけない。ある程度の予算をイッキに掛けて総合的に整備した方が結果的には経済的で効果的ですよ~。



ではどこをどれだけリフレッシュ整備するのか?を私が車両毎に見極めて整備を提案。

リフレッシュプランは(画一的な整備プラン)がある訳ではなく、車種や走行距離、使用環境から判断してオススメするリフレッシュ整備の(プランニング)を制作しています。



長野県からお越しいただいたのはレジアスエース(ハイエース) KDH205 4WD 走行距離18万キロ リフレッシュプランのご依頼です。



お問い合わせフォームからご相談と予約をいただき入庫してもらいました。


メールでの車両改善点・不満点
・冷間始動時にマフラーから白煙が出る。
・アイドリング時の振動が大きく、加速も悪い。
・ディーラー診断でインジェクター不良判定。(洗浄剤を投入で少し改善)
・減速時にハンドルへの振動が有る。


まずは問診をして試運転を行います。


そしてスキャンツールを接続しライブデータとエラーコードのチェック。

あきらかにエンジン振動が大きく、インジェクターの数値確認が必要ですね。



インジェクターNO,1の噴射量補正値がプラス上限まで振り切っていますね。

レジアスエースECU側の補正値を表示出来るのがMAXでプラスマイナス5まで。
他の3つのインジェクターはマイナスに補正してカウンターを当てているのですが、あまりにもNO,1が悪すぎるので振動等を抑えきれていない感じですね。



次の点検に進みます。



減速時にステアリングへの振動が有るとの事で1年ほど前に地元ディーラーにて右アッパーアームを交換したそうです。

少し収まったようですがまた再発したとお聞きしました。

右フロントのキャンバー数値が悪いので、数値を見る限りおそらくアーム交換のみで、ホイールアライメントは調整をしてないでしょう。

振動の原因はアッパーアームだけではないので、その他も調べていきます。



整備リフトでリフトアップ。
タイヤを外して下回りや足回りを点検し、エンジンやATなどもチェックします。


そこからお聞きしている予算に合わせて整備プランを提案させていただきました。   内容を説明して協議し、整備プランを確定します。


それでは作業を始めますね。


インジェクターの全数をリビルト品にて交換しました。


インジェクター交換にはヘッドカバー脱着やフューエルデリバリーパイプ脱着などが必要でガスケットも多く交換します。

1本だけ交換し組み立ててチェックし、例えば他の3本のどれかがあまり良い状態で無ければ、また分解してインジェクターの交換をしなくてはならない。

基本的にはインジェクター不良での交換は全数交換が望ましいと提案しています。



安心のデンソー製リビルト品で交換し、ガスケット類も全て交換します。
フューエルラインの締付は厳密な規定トルク管理が必要なので、慎重に締付していきますね。
スキャンツールで気筒毎のインジェクターをECUに登録しました。

同時にグロープラグも全数交換します。
インジェクターの交換と同時に実施すれば工賃が大幅に安くなりますよ。

そして必須作業のフューエルエレメントも交換しました。
コモンレール式なら5万キロ毎の交換を薦めしています。


フロントサスペンションを分解しますね。


19万キロも走行すればブッシュやベアリング等の劣化も大きいので、一気に整備しますよ~。

ドライブシャフトのインナーブーツは以前に地元で簡易式割れブーツで補修済みでした。


実は弊社では割れブーツは基本的に使わないようにしています。

理由は充填しているグリスの量が少ないから。

グリスが少ないとグリスの劣化も早くなるのと、ブーツ内に結露が発生し錆びやすくなるからです。


車検合格の為だけに使用するなら問題ありませんが、リフレッシュプランのユーザーさんは今後10万キロ以上の走行を前提にしているので耐久性の低い部品は使わないようにしています。

分解洗浄をしてから耐久性の高い純正ブーツグリスKITでリフレッシュしました。  これで10万キロはノーメンテになるでしょう。

こうやって画像をみれば純正グリス量が多いのが分かると思いますね。




フロントデフから伸びる右ハーフシャフトのベアリングも交換しました。

200系のフロントハブベアリング交換は適切なSSTを使用して交換すれば、確実に早く交換が出来ます。

逆に言えばSSTなどの工具や治具等が無いと、ガンガンとスライドハンマー叩いたり、グラインダーでレースを削ったりと時間と労力が掛かり、無理な交換方法で作業をするでしょう。


正しい交換方法で行えば安全で確実に交換出来て、部品の寿命を縮める事も無い。    ベアリングを抜いて入れるだけですが、そこにもノウハウや作業手順で出来栄えが変わるのだと思っています。



ロアアームのブッシュ全数交換。

何十台も行ってきた作業ですからサクサク順調に作業が進みます。 ブッシュのみの交換なら、アームASSYで交換するより安価に仕上がります。

フロントディスクローターは通常は研磨作業にて再生するのですが、今回はディスク裏面の錆腐食が酷く、研磨不可と判定しました。


画像では分かりずらいですがディスクの両肩が腐食で厚みが無くなり、研磨すると限度厚みが確保出来なくなります。



新品ディスクローターに交換します。


ハブに装着する時にディスクの振れをダイヤルゲージでチェックします。
数値を確認し限度以上の振れがあれば、ハブとディスクを組み直して再測定。

振れの数値が最小になるように組み立てますね。


これをしておかないと高速走行時のブレーキングで振動が出ますよ~。



劣化しやすいステアリングギアボックスのラックエンドも交換。
ボールジョイント部にガタが出やすいので、定期的に交換しましょう。


またロアボールジョイントも交換しますね。

アッパーアームは少し前に右のみ交換しているので、今回は未交換の左のみ交換で良いかと思います。


フロントブレーキキャリパーをO/H。
洗浄をしてからシールとダストブーツを交換し、ブレーキパッドも交換します。



リアハブベアリング・オイルシール全交換。

ホーシングからシャフトを引き抜いて、ベアリングやシールを打替えますね。


これも簡単そうに見える作業ですが、SSTや治具等が無いと交換出来ない作業です。  またフロントハブB/G交換と同様に削ったり叩いたりは一切しない。

整備書通りにすると時間が無駄に掛かるので、弊社では自作SSTを製作して分解し圧入作業をしています。






ブレーキライニングシューも交換して、シリンダカップも分解しO/H。
ピカピカになったドラム面も研磨にて再生しています。

ディスクローターやドラムも面がピカピカに光った鏡面状になっていると、ブレーキの効きが悪くなりますよ。

元通りに組み立ててリアブレーキ調整を数回行いました。



リーフスプリングとシャックルのブッシュを全数交換。
車体からリーフを外す作業で取付ナットは緩むのですが、ボルトがブッシュと錆び付いて外れませんでした。


そこで使用するのがミニダクター2。
電磁波誘導加熱でボルトのみをピンポイントで加熱します。





リーフスプリング前側のボルトが錆び付いて抜けないのですが、すぐそばにはヒーターゴムホースがあるので火気厳禁。


ミニダクター2ならボルトのみを加熱する事が出来き、熱収縮で錆固着を解除してボルトを引き抜きますね。


バーナー等で炙ると火災になりますしね。


降雪地の車両はボルトナットが錆固着で回らない・抜けないがよくあるので、状況に合わせて工具を使い分けています。

今回はコニのショックアブソーバーを再利用しますので、減衰調整のみ行います。

4段階の内で一番柔らかい状態だったので、1段階硬めに再調整しました。

タイミングベルトとカム・クランクオイルシールを交換しました。

クランクシールを交換するには固く締め付けられたクランクプーリーボルトを外します。 スペースが狭く作業が大変なのでこちらもSSTで緩めて外し、オイルシールを打替えしました。



このクランクプーリーボルトは365Nmの高トルクで締め付けるので、締め付けるだけでも結構重労働。

締付トルク365Nmってどれくらいかと言うと、伝えるのは難しいですがタイヤホイールの締付トルクの約3,5倍ぐらい。

クランクを保持しながら1mぐらいのトルクレンチで背筋全力で締めればOKなぐらいの高トルクとイメージしてもらえればと思います。


LLCをラジエターリフレッシャーで脈動圧送交換し、LLC再生強化剤を注入してリフレッシュ。

冷却水も定期的に交換しましょう。


ATFも交換しますね。

オイルパンを脱着洗浄してストレーナーを交換しました。
そこからアイシンAFW+で2回圧送式交換を行います。





フロント・リアのデフとトランスファのギアオイル交換。
ガルフ プロガード75W90で交換しました。



整備リフトからアライメントリフトに移動して、車高調整と1G締付を行います。

リア基準点から地面までの高さを測定して基準値との差を調べて、フロントの高さを算出します。


リアが基準値から10mm低ければ、フロントも基準値から10mm下げて車高を調整しています。


またブッシュも4輪が接地した状態でボルトを一度緩めてから、再締付して不要なブッシュテンションを開放するのが(1G締付)。  これをしないとブッシュの寿命が縮みますよ~。


車高調整をしてから軽く試運転をしてサスペンションを馴染ませます。

そこからホイールアライメントを調整しますね。

組み立てただけの状態はこんな感じでバラバラに乱れています。

これではサスペンションをリフレッシュしても、真っすぐ快適に走行する事は出来ないのです。

サスペンションを整備した時には必ずホイールアライメントを調整しましょう。

調整後にはこんな感じになりました。

リアのトゥ・スラスト角が大きく乱れていたのを修正して、フロントは左右の差が最小になるように整えていきます。


最後に長めの試運転をして、作業個所を入念に最チェック。
(締め忘れやオイル漏れ等が無いかを何度も確認しています。)


入庫した時はアイドリング時で燃料噴射量12,9mm3/stでしたが、インジェクターの交換後は6,3mm3/stに下がりましたね。

これで加速・振動等はもちろんですが燃費も大幅に良くなると思いますよ~。


こんな感じでリフレッシュ整備をしたレジアスエース。
他にも部品も交換していますが、ブログが長くなるのでこの辺りでまでにしておきますね。




レジアスエースなどのハイエース系は20万キロ・30万キロは当たり前。
正しいメンテナスを行えば50万キロも問題ないと思います。


ですが整備の順序や交換方法が悪いと、無駄に費用が掛かりいつまで経ってもコンディションが改善しない泥沼にハマるのは避けましょう。

弊社では計画的な整備をある程度の予算を掛けてイッキに行う(リフレッシュプラン)をお勧めしています。



リフレッシュプランのご依頼・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

何年何月の○○のブログはいくら掛かりましたか?と問い合わせていただければお答えできますよ。 整備予算の参考にしてください。


それではHAPPY CAR LIFE!!



2020年12月15日

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