茨城県からハイエースワゴンKZH106 リフレッシュプラン。 サスペンション&ブレーキ整備で安定快適走行を。
茨城県からお越し頂きました。
ハイエースワゴン KZH106W
走行距離139400km
リフレッシュプランのご依頼です。
http://minato-motors.com/refresh/
陸送プランもご用意していますが、
今回は自走で来店して頂きました。
片道650km 結構ハードですね~。
予約入庫して頂いて、まずは問診。
過去の整備暦や使用環境、
現在の不具合点や改善したい箇所などをお聞きしました。
整備内容を軽く打ち合わせ後、
オーナーさんは新幹線で一度帰宅。
お預かり期間は約2~3週間の予定と
お伝えしました。
(ブレーキング時での振動が気になる。)
試運転をして不具合の再現確認をしますね。
・どれぐらいのスピードで発生するのか?
・平地で?下り坂で?それも急な坂道?
作業後の確認のためには発生する条件を記録し、
作業後に同一条件での再確認が必要ですね。
試運転後にはサスペンションの状態を診るため、
(事前ホイールアライメント)も測定します。
パッと見た感じはオールグリーンで
悪くないようにみえますが・・・。
フロント数値がバラバラで
左右差が大きいですね。
これでは走行安定性は悪く、
長距離移動が疲れますよ~。
しかも純正ショックアブソーバーが
劣化しておりフニャフニャなので
より一層乗り心地が悪いですね。
ちなみにもう一つの改善点が(乗り心地の向上)でした。
スキャンツールを接続し、
ライブデータを確認します。
スキャンツールから強制的に指示が出せる
(アクティブテスト)で各機能の作動を確認。
バッテリーアナライザーで
発電・充電状態を点検しました。
タイヤを外して各部を点検し、
予算に合わせた整備プランを提案させて頂きました。
オーナーさんに整備内容やメリットなどを、
TELにて説明しながら整備プランを微修正。
整備プランは決定すれば、
いよいよ作業が始まります。
まずはフロントハブ・ブレーキ系や
ドライブシャフト・サスペンション等を
ゴッソリ全分解します。
この整備は15万キロ前後走行したハイエースには
必須整備だと思います。
頑丈なハイエースでも
ここまで走れば結構ガタが来ていますからね。
今から10万・15万キロを目指してメンテナンス。
左ロアアームのカムボルトが錆で固着し、
ボルトが抜けず外せない。
そこで切断して車体から外しましたので
残念ながら左は再利用不可のASSY交換。
右側ロアアームは固着もなく外れましたので、
前後ブッシュをプレスで交換し再利用しました。
ロアアームASSYは結構高額で、
ブッシュのみの交換の方がお得なのです。
もちろんロアボールジョイントも左右交換しました。
・スタビライザーのブッシュ全数
・左右ステアリング ラックエンドASSY
・左右アッパーアームASSY
・左右ショックアブソーバー
を全て交換しました。
ラックエンドは右にガタがあり、
これがハンドルへの振動の主原因でした。
そこで予防整備のため左右交換しました。
ロアアーム カムボルトの錆固着防止のため、
薄くグリスを塗って装着します。
今から5万キロぐらいは触る事はないですが、
やれる事はやっておきますね。
ドライブシャフトは
以前誰かが(社外品分割ブーツ)で交換したのでしょうね。
グリス充填量も少なく、合わせ面が開いているので、
あまり状態は良くないですね。
そこで今回は純正ブーツキットで
左右をオーバーホールします。
劣化して粘度の落ちたグリスでは、
ベアリングが磨耗します。
またこの純正ブーツは品質が良いので、
長持ちしますよ~。
フロントハブベアリングの状態も悪くないので、
B/G洗浄をしグリス交換&オイルシール打替。
これでまだまだ使えます。
ディスクローターの研磨は、
スター社 オートディスク研磨機で行います。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924
そして軽く化粧直し程度の耐熱塗装(600℃)。
あと10万キロは十分使えそうですね。
フロントディスクキャリパーをオーバーホールして、
ブレーキパッドも交換しました。
・完全洗浄しキャリパーシールを全交換。
・ブレーキパッドには高性能パッドグリス
WAKO’S ワコーズ BPR。
弊社では5種類のブレーキ系グリスを
適材適所に使い分けしています。
リアサスペンションは比較的交換しやすい
ラテラルロッドのブッシュを交換。
油圧プレスで交換します。
ショックアブソーバーを交換すると、
あのフワフワした揺れが解消されます。
ただリア側の交換は少し面倒で、
フロアーマットを外さないと交換できないのです。
LLC圧送式交換で
エンジン・ラジエターX2個・ヒーターX2個
の冷却水を全量交換。
水冷式インタークーラーのLLCも交換しました。
ラジエターキャップとフューエルエレメントも
交換暦が無いので交換しますね。
ATFも圧送式で交換しますが
その前にオイルパンを外して洗浄し
ストレーナーも交換しました。
アイシンAFW+でプレ洗浄し、
もう一度全量圧送式交換。
合計24L使用すれば、
完全にキレイになりましたね。
逆にいえばココまでしないと、
ATFはキレイにならないのですよ。
フロントデフ・リアデフ・トランスファ
各ギアオイルも交換します。
ガルフ プロガード75W90 LSD対応
部分合成ギアオイル
最後にトルクレンチでマシ締め。
カーエアコンリフレッシュαで
エアコン冷媒ガスをメンテナンス。
年々減少する冷媒ガスは定期的に測定しましょう。
経験上15年以上経過した100系ハイエースは、
大体半分ぐらいまでガスが減少しています。
ほとんどがスローリークなので、
まずは重量管理でチャージしましょうね。
フロント車高調整と
足回りのボルトを1G締付。
リアの基準値と現在のリア車高。
変化分を加味してフロント車高を調整します。
路面位置に糸を張って、
基準点との長さを測り、車高を調整しました。
最後にホイールアライメントを調整します。
ハンター社 最新ホイールアライメントテスター
(ホークアイ WA470)
イヤサカ ビシャモン マルチアライメントリフト
・大体で良いので真ん中辺りにクランプ式ターゲットを装着。
・車両データを入力して測定開始。
・約20cmほど前進してターニングラジアスゲージに乗せる。
・ステアリングを左右に20度ほど振る。
これだけでホイールの動きを読み取り、
高精度でアライメント数値を弾き出します。
こんな簡単で高い精度が確保出来るのは、
4つの高性能カメラセンサーと
ビシャモンリフトの水平レベル精度でしょう。
販売元のイヤサカさんでは
WA470とビシャモンリフトのセットを、
輸入車・国産車ディーラーにガンガン納入しているそうです。
(旧型機に比べて高精度&作業が早い!!)
ハイエースのリア側は調整機構が無いため、
ほぼ調整が不可です。
フロントは調整箇所が多く、
キャンバー・キャスター・SAIの3箇所を
同時に調整します。
そして最後にトゥとステアリングセンターを調整。
馴れればサクサク進むので、
直進安定性重視で調整しました。
ここまで整備すれば長距離移動や高速走行が
非常に楽になったと思います。
またステアリングへの振動も無くなりました。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越し頂きありがとうございます。
ハイエースは100系・200系問わず
多くの車両を作業させて頂いています。
私的にはハイエースを30万キロ以上走行させないと、
ちょっとモッタイナイ気がします。
かなり丈夫なハイエースを
中間地点の15万キロぐらいでリフレッシュすれば、
良い状態で長く使用できるとお伝えしています。
リフレッシュプランのご依頼は
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
(何年何月の作業ブログは総額でおいくらですか?)と、
聞いて頂いても大丈夫ですよ。
予算設定の参考にして頂ければと思います。
それではHAPPY CAR LIFE!!