100系200系ハイエースがリフレッシュ入庫しています。 サスペンション・ブレーキ・ハブB/G交換などなど。 (前編)
11月はハイエースのリフレッシュプラン依頼が多い月でした。
100系200系 ガソリン・ディーゼル 2WD・4WD問わず、日本全国から集まってくるハイエース。
陸送で入庫する場合もあれば、丸1日掛けて自走入庫する方も多いですね。
なかにはハイエース亜種系のフロント半分は100系ハイエースのWウィッシュボーン式。
リア半分は今風ミニバンに移行する前のセミトレーディングアーム式を採用しているツーリングハイエース(RCH47)なども入庫しました。
ほとんどの車両は走行距離10万キロオーバーで、平均25万キロ前後の走行距離が多く俗に言う(過走行車)になるのでしょうか。
正しい整備さえ行えばハイエースには(過走行車)という言葉はあまり関係ないような気がしています。
整備するだけ回復するのがハイエースの良いところでしょう。
その中の1台は岐阜県からお越しいただきました。
ハイエース KDH205 ディーゼル 4WD
走行距離28万キロ
普段の整備は地元ディーラーさんで行っているようですが、20万キロオーバーになると予防整備を薦められるよりかは、新車買い替えのご案内が多くなり・・・・。
まだまだ愛着のあるこの車両をガッツリとメンテナンスが出来る整備工場を探していたそうです。
http://minato-motors.com/blog/?tag=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B9
いつものように問診をしてから試運転。
事前ホイールアライメントを測定します。
高速走行でのブレーキングではガクガクとステアリングに振動が伝わるそうで、そのあたりもリフトアップして点検していきます。
点検結果から整備プランを御見積し、メールやTELでやり取りしながら整備の内容を決めていきます。
まずはフロントサスペンションなどの足回りを、バラバラに分解して作業を始めました。
フロントブレーキのディスクローターは長年の使用で、私の手が写りこむ程ツルツルに磨耗していますね。
・ブレーキ・ハブ・ナックル・ドライブシャフト。
・アッパーアーム・ショックアブソーバー。
サクサク順調に分解していきます。
ロアアームを外すためにはカムボルト等を引き抜くのですが、錆固着でまったく外れません。
しかもこのカムボルトが回せないとホイールアライメントの調整も出来ないのです。
こんな固着は(ハイエース整備あるある)なのですが、ロアアームを破損させずに車体から切り離すのは結構大変なのですよ~。
建築解体現場で使用されるセイバーソーで、フレームもアームも傷付けずにブッシュのみ切断します。
キレイにカットが出来たので予定通りブッシュのみを交換します。
位置決めのマーキングをしてから、油圧プレスとSSTを使用してブッシュ全数を交換しました。
これでホイールアライメントもバッチリ調整出来ますね。
ドライブシャフトもO/Hでリフレッシュ。
純正ブーツ・グリスKITを使用し、劣化したグリスとブーツを交換します。
ガタが気になるハブベアリングは、ナックルから外して分解します。
分解して観察するとカラーの磨耗が始まっており、匂いも焦げ臭いのでもう寿命でしょう。
こちらも油圧プレスとSSTを使用して、確実に交換していきます。
ディスクローターは研磨機で再生します。
軽~く一皮削ってあげれば、まだまだ使用する事は可能ですよ。
耐熱塗装で仕上げれば、ほぼ新品に戻りました。
ブレーキキャリパーとブレーキパッドもリフレッシュ。
キャリパーはシール・ダストブーツを交換して、ブレーキパッドも交換しました。
ブレーキパッドも限度近くまで磨耗しているので、クラックが発生していますね。
ステリング-ラックエンドも交換します。
構造上タイロッドよりラックエンドの方がガタは出やすいので、走行距離が多い車両は交換をオススメしています。
タイロッドはブーツを外して洗浄し、グリスアップで再利用。
アッパーアームASSYを交換する時にエンジンマウントも交換すると、作業スペースに余裕が出来るので作業がやりやすい。
エンジン/ATマウントインシュレーターの3点を同時に交換しました。
ロアアームを組み立て時にカムボルト首下部にグリスを薄く塗っておきますね。
こうしておけば10年ぐらいは錆で固着する事もなくなるでしょう。
ショックアブソーバーとスタビライザーのブッシュも交換します。
全ての部品を組み立てて、とりあえずは前半の整備は一旦終了。
次回ブログではハイエース リフレッシュプランの後半をご紹介しますね。
HAPPY CAR LIFE!!