E51 エルグランドにリフレッシュプラン。 ブレーキ・サスペンションをリフレッシュ整備。
兵庫県神戸市からお越し頂きました。
ニッサン エルグランド ME51
走行距離 90000km
リフレッシュプランのご依頼です。
以前弊社にてATF交換等は実施済み。
リピート入庫の今回は10万キロ目前と言う事で、
車両全体を診たオススメ整備を提案したいと思います。
(限られた予算で もしこの車両が自分の愛車ならどうするか?)
そう思いながらプランニングしています。
問診をしてから試運転。
排気ガステストで燃焼状態をチェックします。
F/B補正値やO2センサー等の数値も合わせて診ると
燃焼の良好さがよく分かりますよ~。
アライメントテスターにて、
足回りの数値を確認し劣化度を診断。
ちなみにアライメントテスター側が診断してくれる訳ではなく、
整備士側が数値をもとに判定しています。
(問診や試運転も判断材料になります。)
アライメントテスターはそこまで万能ではなく、
弊社はアナライザーとしても活用しています。
リフトアップして下回り等も確認しながら、
スキャンツールでエンジン等のライブデータもチェック。
テスター等から診た数値を参考にした(デジタル的診断)
実車を点検しながら判定する(アナログ的診断)
両方からのアプローチで車両状況を見極め、
予算に合わせた整備プランを提案させて頂きました。
オーナーさんにプラン詳細をお伝えして、
多少の調整もしながらプランが決定。
部品が届き次第、
順次作業を進めますね~。
新車時から手をつけていない
ブレーキキャリパーのオーバーホール。
今ではシール品質の向上で
フルード漏れを起こす固体は少なくなり、
O/Hを推奨する整備工場も少ないと思います。
ですがゴムシール自体の硬化は
使用年数に合わせて進行しますので
10年10万キロを目安に実施する事をオススメしています。
キャリパーからピストンを分解し、
完全洗浄しました。
弊社ではよくある簡易なキャリパーの塗装等は
しないようにしています。
アレってどうなんでしょうかね?
メリットよりデメリットの方が
大きいような気がしますので・・・。
ピストンに固着したこの汚れは
何だと思いますか?
これは古いブレーキ用グリスが
薄く固着した状態なんですよ~。
キャリパーをオーバーホールすると、
このようなグリス固着も除去します。
キャリパーとピストンの隙間にあるピストンシール。
ピストンに固着したグリス等があると、
シールに引っ掛かって動きに弊害がでます。
押し出されたピストンは
ゴムシールの弾性で戻ろうとするのですが、
シールの硬化やグリス固着があると、
戻る事が出来なくなるので
音鳴りや引き摺りの原因にもなるんですよ~。
組み立ててピストンの動きを確認してから、
車体に装着します。
蛇腹状のダストブーツの装着具合や、
ピストンのスライドなどを確認しています。
キャリパーホルダー側も清掃洗浄して、
ダストブーツも交換してグリスアップ。
グリスが充填されていないシムは一度洗浄して
WAKO’S BPRグリスを塗り込みますね。
私はパッドとシムとの間にはグリスを使用しますが、
シムとキャリパーピストンの間にはグリスを使用していません。
上記画像のようにグリスと砂などが触れあう状況は
メリットとデメリットを考慮すると
あまり良い事だとは思えないのです。
あくまでも個人的な意見ですが
やるべき作業を正確に行えば、
不要な部分へのグリスアップは
基本的にしないようにしています。
ディスクローター研磨作業とは
・ガタガタ面を均一に!・ツルツル面をガサガサ面に!
することです。
ツルツルピカピカまで研いで磨き過ぎると、
逆にブレーキの効きが悪くなるんですよ~。
ディスクローターも研磨にて、
当り面をリセットしました。
ブレーキパッド交換とローター研磨は
基本的にはセットだと思いますよ~。
E51定番整備のFrハブベアリング交換。
(高確率でガラガラゴロゴロ鳴り出します。)
今回は鳴り出す前の予防整備ですね。
ナックルにガッツリ固着しているので、
外すのは少し大変です。
非常に固いロックナットを外し、
油圧プレスでベアリングを分解。
適切な位置に適切な冶具で新品B/Gを圧入し、
規定トルクで締め付けてロッキング。
このような作業も
間違った方法で組み立てると、
簡単にB/Gの寿命が縮むんですよね~。
ディスクローターは薄~く防錆耐熱塗装をして、
数キロ走行すればキレイに当り面のみ剥離します。
完全防錆を狙っている訳ではないので、
気持ち程度の化粧直しです。
リアのサススプリングインシュレーターも
上下ともに交換して、
FrロアアームASSYも左右交換しました。
今回は純正アブソーバーを使用せずに、
カヤバ補修用アブソーバーで交換します。
マウントサポートやB/G、インシュレーター等も
もちろん交換しましたよ~。
その他のブッシュやファンベルト関係に、
P/Sフルードなども整備させて頂きました。
リフトアップしサスが伸びた状態で
アームブッシュ等のボルトをマシ締めすると、
接地状態ではブッシュに負担が掛かり破損します。
SPC社のキャンバー調整用カムボルトをフロント側に装着し、
アライメントリフト上の接地状態で1G締め付け。
ブッシュの捩れやテンションを取り除きますね。
今回は事前アライメント数値から予想して、
調整幅を広げるカムボルトを採用しました。
ハンター社最新のアライメントテスター ホークアイWA470は
樹脂製軽量ターゲットでスピード装着。
また旧型機の倍になる高精度4センサー搭載のため、
高い測定精度を誇ります。
メーカー基準値から少しアレンジして、
直進安定性重視のセッティングで調整し
無事納車となりました。
今回珍しいと言うか初めての事なんですが、
ブレーキをオーバーホールすると
ピストンがこんな事になっていました。
製造時のミスでしょうか?
変な傷がメッキ表面にありますよね?
傷の先がクルッと巻いてあるので、
おそらく髪の毛が付着した状態でメッキしたのかな?
不良品が紛れ込んでいる事もあるんですね。
傷は爪が掛かるほどの深さがあるので、
新品ピストンに交換しておきました~。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越し頂きありがとうございます。
ある程度年式が経過し走行距離が進んだ車両は
どこかのタイミングでガッツリ整備した方が、
実は良いのですよ~とアナウンスさせて頂いています。
バラバラにする個別整備は無駄が多く、
工賃も重複するので不経済ですよね。
関連性のある箇所や作業重複度なども考慮しながら、
車両全体を新車時に近づける整備を提案するのが
リフレッシュプランとなっています。
http://minato-motors.com/blog/?p=12375
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Happy Car Life!!