ブレーキ ディスクローター研磨作業。 磨いて荒れる??本当の目的。
ミナト自動車に初入庫車両で
リフレッシュ点検をさせて頂いた時、
ブレーキ関係の整備依頼が多いです。
(ブレーキパッド交換)
実施された経験は多いと思いますが、
・ブレーキキャリパー オーバーホール(O/H)
・ブレーキディスクローター 研磨作業
過去に実施された事が無いという方が
問診ではよく耳にします。
そもそも今まで整備士側から
提案された事すら無いと・・・。
ブレーキキャリパーのO/Hは
ブログでよく紹介しているので、
皆さん理解度が非常に高いのですが・・・・。
ディスクローターの研磨については
少し誤解している部分もあったので、
今回はブレーキディスクローターの
『研磨作業』にスポットを当てたいと思います。
新車の時はキュッとブレーキが
良く効いたあのフィーリング。
5万~8万キロも走行すれば、
イマイチ効きが悪く感じている方も多いのでは?
ブレーキパッドを交換しても
最初は良好なのですが・・・・。
やはりある程度走行すると
また効きが甘く感じてしまう。
それはディスクローターが原因かもしれないですよ~。
ホイールの隙間から
ディスクローターを覗いてみて、
表面がレコード盤状に溝が付いていませんか?
また自分の顔の目・鼻・口が
うっすら判別出来るほど光沢が出ていませんか?
(ディスクローターの研磨)
『研いで磨く』と書きますが
どうもこの字が
誤解を生んでいるように思います。
ディスクローター研磨の目的は、
面の均一化 と 安定化。
レコード盤のような細かい溝を。
過度な熱を帯びて
ローター自体の振れ・歪みを。
面を旋盤で削り整えます。(均一化)
面の安定化は
長期使用したローター表面は
熱で焼けた表面 と 少しマシな部分が出てきます。
(マバラな摩擦係数)
それを一皮削って
同じようにするのも目的ですが、
本当の目的は面を荒らす事なんですよね~。
走行中はローターとパッドは
全く離れている訳ではなく、
ほんの少~し触れ合っています。
すると
鉄のローターをブレーキパッドが
軽~く磨き続けて・・・。
3万・4万・5万キロと走行すると、
少しずつ触れ合っているローター面は
ツ~ルツルになっていくのですよね~。
例えばの話。
地面がディスクローター。
靴がブレーキパッド。
ツルツルのきれいな廊下を
本皮ソールの靴で走って止まろうとすれば
少し滑りますよね。
地面が古いコンクリートで
見た目きれいだが・・・。
よく見るとガサガサなら、
滑らずギュッと止まります。
新品時や研磨後のローター表面は、
面が均一で在りながら
ガサガサしていて光沢感はゼロ。
(覗き込んでも全く顔が映らない。)
そこに交換したブレーキパッドを使えば、
新車時のようなキュッと止まる感覚が蘇ります。
信号で止まる寸前、
僅かに感じるニュッとした違和感。
それが嫌で止まる寸前に
ペダルを踏む力を増やすあの感覚。
一度 ホイールの隙間から見える
ディスクローターを観察してみてはどうでしょうか?
レコード盤状? 顔が映る?
そろそろディスクローターの研磨時期かもしれませんね~。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越し頂きありがとうございます。
今回のディスクローター研磨の話は、
一般走行向けの内容なので、
サーキット走行などの
ハードブレーキングを多用する方、
ディスクローターがもともと削れやすい輸入車などは
また話が変わりますのでご注意くださいね。
よく聞かれる研磨のデメリット??
削りすぎてローターが薄くなり、
熱に弱くなる・・・・歪む。
一般走行レベルであれば、
全く影響はありませんよ~。 (要厚み確認)
旋盤で削っても片面0.2mm。
両面で0.4mmぐらい。
標準的なローターで限度厚までは、
新品時から約2.0mmが多いです。
ガッツリ削るというよりは、
一皮剥く程度なのでご安心ください。
また錆での腐食・激しい歪みの場合は、
新品交換を推奨しています~。
それではHappy Car Life!!