マツダ アテンザ ディーゼルの煤蓄積。 DSCで完全除去しました~。
埼玉県からお越し頂きました。
マツダ アテンザワゴン GJ2FW
走行距離 5万キロ
スカイアクティブ2.2Dのインテーク系に蓄積する
大量の煤を完全除去するDSC
(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
のご依頼です。
入庫時にチェックしているECUのライブデータ。
各センサーからECUへの入力信号や
ECUから各アクチュエーターへの指示信号。
132項目から5項目のみをピックアップし観察すると、
どうやらこの車両も煤が溜まってそうでした。
それではインテーク系の各部品を分解します。
社外パーツ満載ですが、
サクサクと外していきますね。
EGRのバルブ・バイパスパイプには
薄っすら煤が付いていますが、
全く蓄積はありませんよね。
高温高圧のEGR系統には
煤は蓄積しないのでご安心ください。
EGRの煤が吸気系統で蓄積するので、
結構勘違いしている方が多いですね。
ヤヤコシイのですが結構重要なポイント。
EGR系統と吸気系統は近くにありますが、
全く別なんですよね~。
イロイロ分解してインテークマニホールドと、
吸気シャッターバルブを外しました。
さらにこの2つを切り離して、蓄積具合を確認しましょうか。
高温高圧のEGRの煤が、
ここで冷たい新気と交わると
乱気流とオイルミストが作用して
イッキに煤が固まり蓄積します。
ターボ車特有のブローバイからのオイル過流入。
インタークーラーに溜まったオイルが
吸い上げられてインテークマニホールドに流れていきます。
煤の厚みは5mmぐらいでしょうか?
ポートへの経路が狭くなっていますね。
恒例のホジホジをして、
ある程度は手作業で掻き出します。
今回の煤蓄積はサラサラ系の強固着タイプでした。
回収出来たインマニの内部の煤だけで
コーヒー缶2本ぐらいの量ですね。
インテークマニホールドのその先は、
シリンダーヘッドの吸気ポート8個。
上流であの蓄積ですから、
下流も当然蓄積しているでしょう。
ポート内径が狭くなり、
吸気がしにくい状態ですね。
いかに効率良く多くの空気を充填するかが、
最新ディーゼルのキーポイント。
水道のホースから早くバケツに水を貯める時、
ホースの先を摘む人はいないでしょう。
いくら流速が早くなっても
流量は減れば意味が無いそうですよ~。
トヨタ プラド資料から引用。
ここまで煤が蓄積すれば、
手作業での完全除去はほぼ不可能。
オーバーホールは高額な費用が掛かり、
日数も掛かります。
そこでDSCで使用する洗浄マシーンは
グリーンテックジャパン社のドライアイス洗浄機。
(どんな物でも剥がす洗浄機 vs 絶対剥がれない塗装)
http://www.greentech-japan.co.jp/hokotate/
(ほこ X たて)で勝利した実力は
知っている方も多いと思います。
対象物の形状や付着物の固さなども考慮して、
最適なセッティングで最大限の効果を引き出します。
非常に柔らかいドライアイス3mmペレットを、
圧縮空気で高速噴射。
熱収縮 と 昇華爆発力
ドライアイスの特性を利用して、
エンジンにノーダメージで付着物を剥離します。
飛び散る煤からボディをガードするために、
3M社の高性能マスカーを使用しています。
(このマスカーは水・油・シンナー等も通しません。)
これで準備が出来たのでペレットを投入し、
DSCオリジナル専用ノズルを装着して作業を始めます。
もちろんインテークバルブは全閉にし、
燃焼室に煤が入らないように圧縮上死点にセット。
軽~く数秒ほどショットすれば、
ペレットが直撃した箇所だけキレイに剥離。
アルミ素地まで見えましたね。
ポート内径や隠れているインテークバルブ傘部まで、
全ての煤を剥離させますね。
4気筒8ポート全てをキレイにしました。
煤は吹き飛び、ドライアイスはCO2になり昇華、
残留物は一切残りません。
微粒子の煤とオイルが混ざり燃焼熱で固着した蓄積物を、
ここまでキレイにするのは手作業では無理でしょう。
一度でもエンジンO/Hをした経験のある整備士なら、
この洗浄機の実力が分かると思います。
電子制御吸気シャッターバルブにも
DSCで完全クリーニング。
ベタベタの煤とオイルの固着でも、
こんな感じでピカピカです。
複雑な形状のインテークマニホールドにもDSCを行います。
中途半端に煤を残すと、
バルブへの噛み込みがコワイですからね。
見ただけで吸気の流れが
良くなったのが分かると思います。
DSCならほとんどが再利用できるので、
交換するのはガスケットぐらいですね。
オイルが溜まった社外インタークーラーは、
洗浄液で内部を洗い流します。
結構オイルの溜まりが多い車両でした。
エンジンを始動して完全暖機。
各学習値を初期化して、
燃料噴射補正学習も行います。
ライブデータの数値も確認して、
正常値になれば作業完了です。
作業前に新車時と比べて燃費も大幅に低下し、
DPF再生間隔距離も短くなったとお聞きしました。
2軒ぐらいのショップでシャーシダイナモテストをしても、
あまり良い数値が出なかったそうなので、
今回はDSCで改善できれば?と思われたそうです。
作業後メールでのレビューでは
アクセルレスポンス・DPF再生距離・エンジン音等は
改善されたようです。
(燃費については市街地走行がまだ少ないので経過観察中。)
掃除機の口を塞げば、吸い込み音が大きくなりますよね~
詰まった煤を取り除けば同じようにエンジン音は低くなる。
新車時に近づいたというのが正しい解釈でしょうね。
DSCは吸気系のリセット作業なので、
シャシダイナモの数値がどこまで影響するかは不明ですが、
悪い方向には行かないと思いますよ~。
スカイアクティブ2.2DのDSC作業の御見積・ご予約は、
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
Happy Car Life!!