マツダ スカイアクティブ2.2D 吸気系の煤蓄積。 アテンザ/アクセラ 同じE/Gでも乗り方違いで蓄積も変わる。
本日も大阪府堺市にある小さな整備工場(ミナト自動車)の
ブログにお越しいただいてありがとうございます。
マツダ スカイアクティブ2.2Dの吸気系への煤蓄積。
このブログを見ていただいている方はもうご存知だと思います。
http://minato-motors.com/blog/?cat=192
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
ドライアイスの粒を専用の機械で高速噴射。
母材を傷付けずに強固に付着した蓄積物を、
完全除去する弊社オリジナルの整備メニュー。
元々はレクサス・トヨタ系の直噴ガソリンエンジンの吸気系に、
強固に固着するカーボン除去用に開発しました。
(おそらく世界初の整備で今でも唯一無二かも?)
http://minato-motors.com/blog/?p=19987
2019年営業開始から多くのDSC依頼を施工しましたが、
対照的な2台をピックアップして紹介したいと思います。
山形県からお越しいただいたのは、
アテンザ GJ2FW 走行距離13万キロ
大阪でのコンサートついでにご利用いただきました。
(一泊二日のお預かり)
(堺市まで10時間ぐらいは掛かったそうです)
馴れた手付きでサクサクと、
エンジンのインテークマニホールドを分解します。
そこからインテークマニホールドと、
吸気シャッターバルブを切り離します。
吸気シャッターバルブを確認すると、
結構な厚みの煤蓄積が確認出来ました。
インテークマニホールドの入り口を覗いてみると、
こちらもなかなかの蓄積具合ですね。
直径60mmの吸気系路にMAX20mmの煤蓄積。
インテークマニホールド出口 8個の穴と、
E/Gシリンダーヘッド側のインテークポートも確認しますね。
こちらの蓄積は少なめ。
しかし奥に見えるインテークバルブのシャフト部と、
ブラインドで見えないバルブ傘部には、
カッチカチの煤が固着していました。
次はこちらの車両を確認します。
奈良県からお越しいただいたのは、
アクセラ BM2FS 走行距離8万キロ
アテンザと同じSKY-2.2Dを搭載しています。
同じようにインテークマニホールドを分解していきますね。
吸気シャッターバルブの煤蓄積は、
先ほどのアテンザよりかはやや少なめ。
そしてインテークマニホールド入り口の煤蓄積は、
ほぼ同じぐらいでしょうか。
アテンザに比べてテカテカ光っているのは、
ブローバイのオイルミストが吸着しているからで。
オイルと煤が混ざるとエンジンの熱で硬化しやすく、
カチカチ系の煤蓄積。
インテークマニホールド出口 8個の穴を確認すると、
煤蓄積で吸気系路の25%は塞がれていました。
エンジン シリンダーヘッド側も確認すると・・・、
アテンザとは異なり大量に蓄積。
奥に見えるインテークバルブのシャフト部に
カメラのピントを合わせたいのですが、
煤が邪魔して撮影がやや困難でした。
撮影できたシャフト部を拡大してみました。
(バルブシャフト部にモリモリ蓄積していますね。)
さらに奥にあるバルブ傘部がどれだけ蓄積しているかは
ご想像にお任せします。
同じエンジンでも使用環境やアクセルワーク等で、
こんなに蓄積具合が変わるSKY-2.2D
どちらも純正ノーマル状態で
ディーラーメンテ&オイル交換車両。
改造暦の無いごく普通の使用だと思いますよ。
これが故障なのか?欠陥なのか?と聞かれれば、
『使用していく上での経年劣化でしょう。』と答えています。
(あの車は冷却系が弱いよね!!)
(何年式のモデルまでは、あのセンサーがよく壊れるね)
車種によって定番故障事例やウイークポイントは
輸入車・国産車問わず昔からあるのですが、
SKY-2.2Dはここが弱点なのかな?と思っています。
こんな風に煤が蓄積すると
簡単に言えば吸気抵抗が増えて吸気の充填率が下がる。
(同時に無駄なポンピングロスも増えるでしょう。)
試しに掃除機の吸い口を半分ほど塞ぐと、
吸気音が大きくなり、モーターが唸りますよね。
(つまり無駄な負荷が掛かっているのです。)
ディーゼルにとって吸気が入りにくい状況は、
良い状態とは言えないでしょう。
(こんな煤なんかササッと取ればイイじゃないか??)
と思われますがコレがなかなか厄介で・・・。
エンジンの繊細な箇所に蓄積しているので、
基本的には手作業で挑む案件ではないのです・・・。
そこで活躍するのが(DSC)
ドライアイスの特性を活用したドライアイス洗浄。
圧縮空気でペレットを高速噴射。
エンジンにノーダメージで短時間で完璧に除去。
サンドブラスト等のように硬いメディアを打ち付け、
メディアの研磨力で付着物を除去しているのではありません。
(これでは母材に傷が付きますし、残留の可能性がある。)
衝突したドライアイスの粒が付着物を急速に冷やし、
僅かな隙間で瞬時に急激に膨張します。
ドライアイスが固体から気体になると、
体積が750倍に膨張。(昇華)
連続的に(急速冷却と昇華爆発)を繰り返すので、
母材にはノーダメージでイッキに剥離します。
軽くショットしてみれば、
ペレットが直撃した部分だけキレイになりましたね。
少しピントが合いやすくなりました。
奥に見えるシャフトの煤固着は結構強力ですね~。
ショット中は圧縮上死点にセットして、
1気筒ずつ作業をしています。
燃焼室には煤とドライアイスは侵入しないので、
どうぞご安心ください。
4気筒8ポートにDSCを作業して、
すっきりキレイになりましたね。
バルブ傘部も数種類のDSCノズルとアダプターを使い分けて、
完璧に除去しました。
ちなみにノズルとアダプターは自社で製作しており、
完全非公開になっています。
ここまでキレイに出来るのもDSCだからでしょう。
特に電子制御の吸気/EGR等のバルブは繊細なので、
乱暴に扱うと壊れてしまいますからね~。
(DSCなら安全に確実にキレイに除去可能)
特に酷かったインテークマニホールド入り口は、
DSCでこんな感じになりました。
ここまで洗浄して吸気の流れを良くすれば、
さすがに(たいして効果なんて無いだろう!!)と、
思う方は少ないでしょう。
設計時の形状に戻り、スムーズな吸気が確保できれば、
新車時に感じたあのトルクフルなSKY-2.2Dが蘇る。
靴の中の親指で微妙なアクセルワークも容易になり、
年々感じるあの嫌なドッカンターボ状態も、
マイルドで高レスポンスなフィーリングに回復でしょう。
多くの空気を取り込みながら、
理想的な吸気渦で燃料を攪拌。
(無駄なくキレイな燃焼は、吸気系が鍵を握っている)
とお伝えしています。
アクセラにはNUTECニューテック最高峰のATF
『NC-65』全化学合成ATF (エステル系)
http://minato-motors.com/blog/?p=21040
NC-RFでプレ洗浄をしてから、
本命ATFにNC-65を使用しました。
極薄で強靭な油膜性能。
ローフリクション・ハイパフォーマンス。
ガンガンATに負荷を掛けてあげると、
NC-65の真価が発揮されますよ~。
またATFも劣化しずらいのでロングライフ化に有効です。
アテンザ/アクセラ両方に、
DSCオプション整備のインタークーラー洗浄を追加。
インタークーラーに溜まったブローバイオイルを排出し、
洗浄してから再装着します。
純正ガスケットを使用し全ての部品を組み付けて、
エンジン始動/完全暖機。
各学習値を初期化して、
燃料噴射補正を再学習しました。
最後に試運転をして納車となります。
DSCとインタークーラー洗浄だけなら、
一泊二日のお預かり。
朝9時半入庫の翌日午前中の納車になります。
(日帰り特急仕上げも承っています。)
ATF交換とDSCの同時依頼なら、
朝9時半入庫の翌日お昼過ぎの納車予定です。
アテンザ/CX-5/アクセラのSKY-2.2DへのDSC依頼は、
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね~。
それではHAPPY CAR LIFE!!