東京都からはクラウン GRS182。 ATF完全圧送式交換&DSCで煤除去作業。リフレッシュプランと同時に作業しました。
東京都からお越しいただいたのは
トヨタ クラウン GRS182
走行距離70000km
ATF交換&DSCを含めたリフレッシュプランの依頼で入庫しました。
中古車購入をしてスグに弊社に入庫。
これから長く使用する車両なので購入店の納車整備だけではなく、セカンドオピニオン的に点検整備を承りました。
2週間預かりが多いリフレッシュプラン。
ある程度はメールにて整備内容を確認し、入庫後に点検をして整備プランを提案しています。
ゼロクラウン(GRS180系)以降のトヨタ・レクサスに搭載されている直噴GR系エンジン。
吸気ポートと吸気バルブに大量のカーボンが蓄積は、エンジンパフォーマンスを低下させます。
ほとんど全ての直噴エンジンは構造上吸気ポートへのカーボン蓄積は防げないようで弊社では定期的な除去作業を推奨しています。
・スロットルボディ
・インテークサージタンク
・スワールコントロールバルブ
・インテークマニホールド
を順番に外していきます。
そこからシリンダーヘッドのインテークポートやバルブを覗いて確認します。
ポート手前からビッシリとカーボンが付着し、奥にあるインテークバルブの傘部には強固に煤が固着していました。
こうなると手作業での完全除去はほぼ不可能。
エンジンを分解したオーバーホールでしか完全除去は難しいと言われていました・・・・・。
弊社がオリジナルで開発したDSC。
(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
金属・食品などの製造加工の大型プラントでは、効率の良い洗浄方法として活用されているドライアイス洗浄機。
自動車整備業では採用されない特殊な洗浄機に、弊社が開発した特殊ノズルとアダプター。
不可能を可能にしたDSCは徐々に施工対応エンジンを増やしています。
米粒状のドライアイスペレットを洗浄機に投入し、高圧縮空気でノズルから高速噴射。
‐79℃のD/Iペレットが付着物に衝突すると、金属母材と付着物が急速冷却されて僅かに収縮します。(サーマルショック)
収縮率が違う異素材が冷却されると密着している部分に隙間が出来ます。 そこに連続してペレットが衝突。
僅かな隙間に入り込んだペレットが一気に固体から気体に昇華。
ドライアイスが気体になると体積膨張率は750倍になり急激に爆発します。
高圧噴射・サーマルショック・昇華爆発力
この3つの現象が同時にかつ連続で行われるドライアイス洗浄は、硬いメディアを打ち付けるサンドブラスト等とは原理が違うのです。
またドライアイスは昇華し気体に変わるので、エンジン内部に残留する可能性はゼロになります。
軽く数秒ショットするとペレットが直撃した部分だけキレイに剥離しましたね。
エンジンの金属にはノーダメージで短時間で完璧に除去。
バルブ等が完全にキレイになるまでショットを繰り返しました。
インテークバルブが全閉になるよう圧縮上死点にセット。
キレイになればクランクを回して次の気筒にDSC。
6気筒12ポートを全てキレイに除去完了。
もちろんポートに付着したカーボンもキレイにしました。
スワールコントロールバルブのDSCで洗浄済み。
樹脂製サージタンクのカーボンは洗浄液で洗い流します。
外したガスケットを純正品に交換し元の状態に組み付けました。
オプション整備のスパークプラグ交換。
NGK イリジウムRXプラグに交換します。
イリジウムMAX以上の高性能プラグが誕生したので、
最近はこちらを採用しています。
スロットルボディ清掃とエアエレメント交換をして、
各学習値を初期化しました。
トヨタならクラウン・マークX。
レクサスならIS・GSなど。
GR系直噴エンジンへのDSCは日帰りでも作業は可能です。
新車時と同じ状態に戻す吸気系リフレッシュを弊社ではオススメしています。
次はATF圧送式交換。
NUTECリンシングフルード NC-RFでプレ洗浄して、
NUTEC最高峰ATF(NC-65)で全量イッキに交換しました。
ここまでキレイに入れ替われば、次回交換推奨距離は約6万キロになります。
クラウンGRS182へのリフレッシュプランはまだまだ続きます。
走行距離7万キロのロイヤルサルーンはサスペンションがフワフワに劣化し、乗り心地が悪化していました。
入庫した時のホイールアライメント数値はやや悪い程度。
ショックアブソーバーからのオイル漏れ等はありませんが、性能劣化が始まっているようです。
今回はカヤバ エクステージ(減衰力手動調整式AVS無用)を各消耗部品と一緒に交換します。
スタビライザーブッシュやロアアームリアブッシュも交換しました。
ディスクブレーキもリフレッシュ。
前所有者の乗り方・メンテが悪いのか?
外したFrディスクローターは当り面の焼けが酷い。
真っ黒に黒光りしていますね。
こうなるとブレーキの効きが悪くなりますよ。
ディスクローターは研磨して耐熱塗装で化粧直し。
ブレーキパッドはWAKO’S BPRグリスで交換。
ブレーキキャリパーのO/Hは完全洗浄をし、シールやダストブーツを交換しました。
ブレーキフルードを入れ替えながら、エア抜き作業も行いました。
デフオイルにはNUTEC ZZ-32 80W120 部分化学合成ギアオイル。
純正ガスケットで交換しドレンボルトを規定トルクで締付ます。
LLCもラジエターリフレッシャーで全量圧送式交換。
毎分7Lの吐出能力のダイアフラムポンプで、回収したLLCをろ過して再循環させます。
ダイアフラムポンプのバブルエアで汚れを浮かして回収し、ダブルろ過フィルターの5ミクロンと25ミクロンで汚れをキャッチ。
最後にエア抜き作業とLLC再生強化剤を注入し、防錆・消泡を強化ます。
アライメントリフトに移動して各ブッシュのボルトを1G締付。
軽く試運転をしてブッシュ等のゴム部品を馴染ませてから、ホイールアライメントを調整します。
・イヤサカ ビシャモン アライメントリフト ロング特注色。
・ハンター アライメントテスター ホークアイWA470
組み付けてスグの状態だとこんな感じの数値になりました。
GRS系クラウンのサスペンションはフロント・リア共にトゥしか調整箇所がありません。
整備書通りではイイ数値にはならないので、整備書には記載されていない方法で微調整していきます。
時間を掛けて手間隙惜しまず作業すれば、キレイに整いましたね。
カーエアコンリフレッシュαで、AC冷媒ガスをリフレッシュ。
デンゲン エコマックスJrに接続。
・冷媒ガスを全量回収し、重量を測定。
・真空引きで配管内の水分/空気を除去。
・重量管理で規定量の冷媒を充填。
NUTEC NC-200コンプブーストを同時注入して、コンプレッサーの潤滑・気密を強化します。
結果的には140gほど冷媒ガスが少なかったようですね。
こんな感じで進行するリフレッシュプラン。
作業時の様子は全て画像で残し、納車説明時にお見せしています。画像が有った方が内容が分りやすいし私も説明しやすい。
1台につき軽く200枚ぐらいは撮影しているので、その画像はオーナーさんの希望があればお渡ししています。整備記録用にどうぞ~。
ちなみに今回のブログ1ページだけでも厳選した100枚の画像を貼り付けました。結構多いですね。
リフレッシュプラン内には法令点検も行いますし、法令より厳しい弊社独自の基準で点検しています。
点検結果等は計測機器からプリントアウトした記録紙や、記録簿も発行しています。
ATF交換やDSC、リフレッシュプランのお客様に(私の車両の整備はブログにアップされますか??)とよく聞かれます。
毎週多くの車両が入庫しており、ブログに登場するのはごく一部の車両のみ記載しています。
出来るだけ多くの車両整備をブログに記載したいのですが、少人数で営業している弊社では予定通り作業を進行するのが精一杯かな~と思っています。
全ての入庫車をブログアップするのはほぼ不可能に近いので、ご理解の程宜しくお願いします。
それではHAPPY CAR LIFE!!