レクサス LS460タクシー DSCでドライアイス洗浄。 出来る事と出来ない事。 時間制限あるならば。
神奈川県からお越し頂きました。
レクサス LS460 タクシー仕様
USF40 264000km
直噴ガソリンエンジンのインテーク系カーボン除去作業
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)の依頼です。
DSCには未対応だったLS460のV8エンジン(1UR-FSE)
最初に相談された時はDSC未対応エンジンのため、
作業は出来ないですよ~とお答えしました。
すると『私のLS460で試してみませんか?』と連絡が・・・。
1泊2日の短期間でインテークバルブが見えるまでの分解。
そこからのDSC作業と再組み立てと、
その他のオプション整備などなど。
・もしかすると時間内で出来ないかも?しれませんよ~。
・途中で作業を中止しても、ある程度の費用は発生しますよ~。
・正確な見積りは出来ないので約○○万円ぐらいでしょうか。
などなどメールをやり取りして・・・。
今回は大阪観光と合わせて来店して頂きました~。
1UR-FSE V8エンジンは
こんな感じでインテークマニホールドなどの部品が
ハーネスや周辺部品に埋もれて見えません。
これらを分解しながらDSCが出来る状態までにするのは、
正直やってみないと分からない。
インテーク系の部品脱着作業が
メーカー整備書どおりに事が進めば良いのですが、
整備書も案外当てには出来ない場合が多いので・・・。
でも引き受けた以上はやらなければ・・・。
エアダクト・スロットル・インジェクタードライバー。
カチカチに硬化したホース や クリップ達。
エンジンに覆いかぶさるように張り巡らされたハーネス配線。
壊さないよう・割らないよう慎重に分解します。
ここまで何度も(コレ、ムリやろ)(引き返せ、引き返せ)
もう一人の自分が囁いていましたが・・・。
インテークサージタンクをなんとか外して、
インテークポート&バルブが
やっと見えてきましたね。
作業を進めているとどうしても時間内で、
外せないカプラーが一ヶ所ありました。
予定していたハーネスの束の撤去は
エンジン上部をタスキ掛けのように覆ったまま。
非常に邪魔ですが、この状態からDSCを施工します。
整備書では全てのカプラーは
簡単に外れると記載していましたが、
まあまあこんなモンですよ~初作業なんてものは。
D-4S直噴 デュアルインジェクター搭載
1UR-FSEのインテークバルブ。
V6エンジンのGR系とは少しポート形状と
インジェクターの噴射角度に違いがあって、
バルブ自体はまだキレイな部類だと思います。
おそらく燃料が掛かりやすいのではと推測。
ただインテークポート内径には
ビッシリとカーボンが1mmほど蓄積していました。
ここには燃料が掛からず
カーボンを洗い流せないのでしょう。
飛び散ったカーボンが付着しないように
ボディをマスキングで防御。
ハーネスの束は何とか交わしながら、
ノズル操作すればイケルでしょう。
もう後戻りは出来ないし・・・・。
ドライアイスの特性を利用した(ドライアイス洗浄)
米粒状のドライアイスペレットを、
圧縮空気で高速噴射。
熱収縮 と 昇華爆発力。
エンジンにノーダメージで、
短時間でカーボンを除去します。
噴射したペレットが直撃すれば、
金属素地まで見えるほどキレイになります。
ただノズル操作するスペースが少ないので、
なかなか作業は捗らず非常にやりずらい。
またGR系エンジン用のDSCノズルでは
インテークポートとの角度が合わず、
かなり無理な体勢でショットします。
後戻りは当然出来ない訳で・・・。
ひたすらドライアイスを撃ち続けますね。
いつもより時間が掛かりましたが、
なんとかキレイに完全除去しました。
そしてスグに再組み立てしつつ、
スロットル清掃・初期化
スパークプラグ 8本を全交換して
次の作業に移ります。
そしてもう一つの本命依頼である
ATF完全圧送式交換。
LS460なら月に数台は作業しているので、
作業手順は体に染み付いている。 楽勝・楽勝。
試運転とフルードチェック。
ある程度は定期的に交換しているようで、
26万キロ走行なら良い状態でしょう。
お聞きすると商売道具のLSタクシーには
かなりの整備費用を投入しているそうですね。
手を掛けているLS と 掛けていないLS とでは、
エンジンルームと下回りを見ればスグに分かりますね。
オイルパンを洗浄し、ストレーナーも交換。
まずはアイシンAFW+でプレ洗浄しますね。
ここまでキレイにしてから、
本命ATFを使用します。
NUTEC ニューテック 『NC-65』
低粘度タイプの全化学合成ATF(エステル系)。
ニューテック最高峰のATFにチェンジして
もう一度イッキに全量交換しますね~。
ここまでキレイになりました。
注意
NC-65は薄緑色の為、色味が弱いです。
プレ洗浄のAFW+の赤色に干渉されますので
色まではキレイに入れ替わりません。
この時ですでに入庫から11時間経過し
残りは翌日にと一度中断します。
翌日にNUTEC ZZ-31 75w85 で、デフオイルを交換。
エンジン始動して冷えたATFを暖機しつつ、
ATFのレベルを調整します。
最後にWAKO’S RECSを施工して、
作業箇所の最終チェック後、夕方に納車となりました。
遠方から来て頂いて、
『スイマセン出来ませんでした』とならずに一安心。
事前に予定していた作業は全て施工する事ができました。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越し頂きありがとうございます。
今回は依頼者と作業者がチャレンジした結果、
良い方向に辿り着いたようです。
他社では施工出来ない特殊な作業を
日帰りや1泊2日預かりで施工するのが多いです。
時間制限アリでお引き受けするには、
事前にどれだけ準備が出来るかに掛かっています。
北は東北、南は九州 と来て頂いています。
(さすがに沖縄・北海道からの来店は無いでしょう。)
来店し一泊するだけで宿泊代や交通費、
お客様はすでに何万円も掛けて頂いている訳で・・・。
(いや~スンマセン。出来ませんでしたわぁ~笑。)と
言えないですよね~さすがに。
逆に出来ないモノは出来ないと、
ハッキリお伝えしなければ
お客様にご迷惑をお掛けする事になるのですから。
その加減が難しいところですね。
HAPPY Car Life!!