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ハイエース 200系ディーゼル4WD  リフレッシュプラン 第1部。  その前にまずはエンジンから。

今回のブログは長編になり、複数に分けて紹介します。

 

またブログですべてを公開すると

ご迷惑が掛かりますのでいろいろ話せない部分がありますが

ご理解のほど宜しくお願いします。

 

 

 

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どちらか言えば西日本側の

某県からお越し頂きました。

 

ハイエース KDH206 ディーゼル 4WD

走行距離 17万キロ

 

 

 

リフレッシュプランでの作業依頼です。

 

 

 

メールからのご相談では

(走行距離が増えてきて、30万キロぐらいは最低使用したい。)

このあたりで車両のリフレッシュを希望されました。

 

 

 

足回り関係やATF交換など

まだ手を入れていない未整備箇所を中心にと

作業内容相応の整備予算を提示されましたが、

 

 

その前に一つ問題点がありました。

 

 

 

 

 

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時々エンジン警告灯が点灯し、

加速が悪くパワーダウンが酷いと・・・。(坂道は登らないほど)

 

 

 

地元某県のディーラーさんにて点検すると、

総額で百万円弱の見積り価格が提示されたようです。

 

 

 

 

 

弊社では通常このような状態の整備依頼は

基本的にはお断りするのですが、

 

 

 

 

お客様からお聞きしている症状

(私個人がハイエースと向き合わないといけない問題) が、

 

ちょうどマッチしているようだったので

日時を決めてお引き受けしたのが7月の下旬でした。

 

 

 

 

 

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入庫して頂いて、まずは問診。

 

警告灯が点灯する前後の状況や、

普段のメンテナンス暦・使用環境。

 

 

ある程度の状況を把握して、

試運転を行いますね。

 

 

 

 

 

 

スキャンツール『G-SCAN』を接続して、試運転。

 

警告灯が点灯し、ダイアグコードを確認。

 

 

 

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P0107』 圧力センサー系統(LOW)

 

ディーゼルターボプレッシャーセンサーから

出力される数値が低すぎますよ~とECUからの表示。

 

 

 

ただこれでプレッシャーセンサーを交換しては整備士失格。

 

 

 

 

ECUが教えてくれたのは(センサーからの数値が低く過ぎ)で、

(センサー自体が悪い)とは示していない。

 

あくまでもプレッシャーセンサー系統の

どこかが悪いと表示しているだけなのです。

 

 

 

 

 

 

もしかすると配線が悪いかも?

カプラーの接触が悪いかも?

全然違うところが悪いかも?

 

 

スキャンツールは(車両診断機)ではなく、

ECUと交信できる翻訳機みたいなモノ。

 

あくまでもその数値や動きから診断するのは

整備士側に委ねられているのです。

 

 

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今回ラッキーだったのが(フリーズフレームデータ)が残っていた事。

 

フリーズフレームとは異常コードを検出した瞬間の

エンジンライブデータが保存する機能。

 

 

 

異常があった時の数値が確認できると、

診断する判断材料が増えますよね。

 

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吸気圧センサーの数値は23Kpa

エンジン回転数 854rpm

 

あきらかに低すぎる。

 

ありえない数値なので

そりゃ異常コード出ますよね。

 

 

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試運転時もチョコチョコ警告灯は点灯。

その度に数値(90kpa⇔23kpa)を確認。

 

プレッシャーセンサー系統が悪いのは間違いない。

 

 

 

 

戻ってからECUからセンサーまでの配線・カプラーをチェックし

電圧・抵抗値を確認し問題なし。

 

 

普通に考えればプレッシャーセンサーの故障でしょう。

 

 

 

 

 

 

ただなぜ?この故障が百万円弱するのか?

もしかしてハイエース特有の故障で他に原因が有るのか?

 

 

今まで多くのハイエースを整備してきたディーラーじゃないと

知らない故障事例なのか?

 

私の診断方法が間違っているのか?

 

 

 

 

 

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百万円弱の見積内訳には

吸気系・インジェクター全数・EGR系・排気系の

 

主要部品を総交換する内容。

 

 

 

 

 

 

センサーの異常数値から推測し、

もしかしてアノ症状が原因の可能性が考えられる。

 

 

スカイアクティブ-ディーゼルで問題がある

『インテーク系のカーボン蓄積による詰まり』

 http://minato-motors.com/blog/?p=9900

 

 

 

 

 

このハイエースはクリーンディーゼルほど

EGRを大量に還元してはいないが、

吸気系が詰まる可能性は十分にあるエンジン。

 

 

そして私は部品交換をせずに除去のみで

エンジン性能を復活させようと研究中。

 

 

 

 

 

 

オーナー様に説明し了承を得て、

今後の為にもインテーク系、特にEGRバルブを点検しました。

 

 

念のためにね。

 

 

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一番心配していた電子制御EGRバルブ。

 

 

一見カーボンが酷く、詰まってそうに見えますよね。

 

 

 

 

 

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でも肝心のバルブ部に詰まりや蓄積は無く、

このディーゼルエンジンであれば許容範囲。

 

 

 

良くはないが十分吸気が流れるスペースはある。

 

分解前のアクティブテストでも

強制開閉出来ましたし。

 

 

 

s-IMG_1889 kkkk

 

 

 

ちょうど平行して作業していたのが、

マツダ スカイアクティブ-DのDSC。

 

余ったドライアイスペレットで

ドライアイス洗浄し、バルブのカーボンを除去しました。

 

 

 

 

 

 

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EGRバルブ ハウジングケースの形状が

根元で太くなっているので、

 

実際のバルブ部には

蓄積は少なかったようですね。

 

 

 

 

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吸気シャッターバルブや

水冷EGRクーラーも詰まりは無し。

 

 

 

 

ですがEGRバルブ~シリンダヘッドを繋ぐ

インテークマニホールドはさすがに蓄積度は高かく、

 

そしてシリンダヘッドの吸気ポートやバルブも

恐らくカーボンの蓄積は多いと思います。

 

 

 

 

 

ですが

キャブオーバーのエンジン配置ではDSC作業をすると、

室内が吹き飛んだカーボンで汚してしまうので

今回はDSCを断念しました。

http://minato-motors.com/dsc/

 

 

 

 

 

ボンネットタイプのエンジン配置なら

マスキング処置でDSCは出来るのですけど・・・。

 

 

 

 

 

 

 

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インテークの部品を組み立てて、

プレッシャーセンサーも新品交換。

 

 

平行してリフレッシュプランの各部点検。

30万キロ走行を目指した整備プランの制作と見積り。

 

 

 

 

 

試運転をしながらセンサーの数値を確認。

警告灯の点灯せず、数値も正常値で安定していますね。

 

 

 

 

お預かり期間は多めに頂いているので、

エンジンの経過を観察しながら

本命のリフレッシュプランに移行します。

 

 

 

 

次回ブログはハイエースの

リフレッシュプランの内容を紹介しますね~。

 

Happy Car Life!!

 

 

 

 

 

 

お盆休みのお知らせ

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本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に

お越し頂きありがとうございます。

 

 

8月12日~15日までのお盆期間はお休みとさせて頂きます。

 

お問い合わせフォ-ムからのメールは

16日以降に順次返信しますのでしばらくお時間を頂きます。

 

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。

 

 

 

 

富山県からクラウン GRS184。 ATF交換-DSC 一泊作業のフルオプション。

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富山県からお越し頂きました。

 

クラウン GRS184   走行距離60000km

 

 

 

ATF完全圧送式交換

DSC (ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)

スパークプラグ交換

デフオイル交換

カーエアコンリフレッシュα

WAKO’S RECS

E-OIL・O/E

 

一泊二日のお預かり作業のフルメニュー。

 

 

 

 

問診をして試運転。

手際よく作業を進めますね~。

 

 

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ATFチェックをしてから作業開始。

 

距離相応の汚れ具合、

オイルパンを洗浄しストレーナーも交換します。

 

 

 

再組み立てをしてATFを補充し暖機。

 

184専用アダプターを接続して

ATF圧送式交換に備えますね。

 

 

 

 

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事前準備が整えば、

まずはアイシンAFW+でプレ洗浄。

 

 

高価な本命ATFを使用する前に、

今までの汚れを排出させましょう。

 

 

 

 

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規定容量分をイッキに交換して

ココまでキレイになりました。

 

 

奥の新油と比べるとマダマダですが、

中央ビーカー廃油と比べるとかなりキレイになりましたね。

 

 

 

 

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今回の本命ATFは

NUTEC ニューテック 『NC-65

 

ニューテック最高峰ATF

全化学合成油(エステル系)

 

 

 

 

 

市販ATF最強のスペックは、

サーキット走行でも十分発揮されると思います。

 

 

ですが一般走行メインの車両に

このようなATFを使用するメリットはどこにあるのか?

 

一番大きなメリットは(ATFのロングライフ化)でしょう。

 

 

強靭で極薄の油膜性能を誇るNC-65。

ストリート走行レベルではあまり劣化せず、

初期の高い性能が長く続くとお話しています。

 

・ローフリクション

・ハイパフォーマンス

・ロングライフ  の3点セット。

 

 

 

 

 

 

遠方の他府県から頻繁に来店できない方は、

ロングライフ化は非常にメリットがあると思いますよ~。

 

 

ATFはE-OILのように

頻繁に交換するものではないですからね。

 

 

 

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NC-65に入れ替えて、もう一度圧送式交換。

 

 

キレイに入れ替わりましたね。

 

 

 

 

注意

NC-65は薄緑色の為、色味が弱いです。

プレ洗浄のAFW+の赤色に干渉されますので

色まではキレイに入れ替わりません。

 

 

 

 

規定温度でレベル調整をすれば、

ATF交換は完了です。

 

 

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次は弊社オリジナル整備(DSC)

ガソリン直噴エンジンのインテーク系統に溜まるカーボン除去。

 http://minato-motors.com/dsc/

 

 

 

 

184クラウン(D-4S)は直噴の中では溜まりにくい方ですが、

それでも内部EGRの吹き返し と

ブローバイオイルの流入で汚れてきます。

 

 

 

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インテークバルブの傘部は燃焼熱で

カーボンとオイルがカチカチに。

 

 

こうなるとオーバーホール以外の手作業で

キレイにするのは難しいでしょう。

 

 

 

 

 

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そこで使用するのは

グリーンテックJ社製 ドライアイス洗浄機。

 

http://www.greentech-japan.co.jp/hokotate/

TV ほこXたて

(どんなものでも剥がす洗浄機)

(絶対に剥がれない最強塗装)

 

 

DSC特注ノズルを共同開発して、

DSCが誕生しました。

 

 

 

 

kkkk

 

 

 

 

ドライアイス 3mmペレットを

圧縮空気で高速噴射。

 

 

ドライアイスの特性を利用した

熱収縮 と 昇華爆発力

 

エンジンにノーダメージで

短時間で完全にカーボンを除去します。

 

 

 

 

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6気筒12ポート

バルブからポートまで全て洗浄完了。

 

奥から手前までキレイになりました。

 

 

 

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D-4Sのポート式インジャクターもキレイに洗浄して、

ガスケット類も交換します。

 

 

 

 

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DSCオプション整備のスパークプラグ交換。

 NGK イリジウムMAX を使用します。

 

 

 

 

 

DSCとプラグ交換は作業重複部分が多いので、

スパークプラグ交換作業のみより工賃はかなりお安く設定しています。

 

 

DSCと同時にプラグ交換はオススメです~。

 

 

 

 

 

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LLCもラジエターリフレッシャーで圧送式で交換します。

 

ラジエター・エンジン・ヒーターコア

3箇所のLLCを脈動圧送式の交換方法。

 

 

 

 

毎分7Lの吐出量で30分間。

回収したLLCは高性能Wフィルターでろ過再生。

 

 

 

通常のLLC交換では交換できない冷却経路まで、

洗浄しながら交換しますよ~。

 

 

 

 

最後にLLC再生強化剤を注入し、

エア抜き作業も行います。

 

 

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カーエアコンリフレッシュα for NUTEC NC-200

 

 

冷媒ガスを全回収し高密度フィルターでろ過。

真空引きで配管内の空気・水分除去。

高速液化充填で冷媒ガスを重量管理でチャージ。

 

 

 

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結果を見ると冷媒ガスの抜けも少なく、

規定充填量まで再チャージ。

 

 

ACコンプレッサー保護強化に

NUTEC NC-200 コンプブーストを同時注入。

 

 

デンゲン社 エコマックスJr が全自動で行います。

 

 

 

 

エアコンガスは重量管理でメンテナンス

多くても少なくても冷えが悪くなりますよ。

 

 

 

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デフオイルもNUTEC。

NC-70 75w90 全化学合成ギアオイル。

 

 

 

 

 

中空式G/Kも交換して

規定トルクでマシ締め完了。

 

 

 

 

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エンジンオイルはトヨタ キャッスル 5W30

オイルエレメントも交換。

 

最後にWAKO’S RECSを施工。

 

 

 

全ての作業が完了して試運転。

最終チェックが出来たら、納車となります。

 

 

 

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一ヶ月以上前から予約を頂き、

1泊2日で出来るATF交換・DSCのフルオプション。

 

 

時間配分を決めて段取り良く進めば、

全然余裕の作業量なのですが・・・。

 

さすがに暑い夏に数台連続して

同様の作業を引き受けると少し疲れましたね。

 

気温さえ低ければ数をこなせるのですが、

ここまで暑いとバテ気味です。

 

 

 

 

 

 

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に

お越し頂きありがとうございます。

 

 

ATF交換・DSC作業等の御見積・ご予約は、

HP(お問い合わせフォーム)からどうぞ~。

 

 

 

ATF交換・DSCのオプション整備は

単品でのお引き受けは不可。

同時に依頼して頂けると対応可能になります。

 

 

 

少人数体制で完全予約作業が多く、

1日1台掛かりきりで入魂作業しています。

 

 

どうぞ宜しくお願いします。

 

Happy Car Life!!

 

 

 

 

 

CX-5 クリーンディーゼルエンジン。  インテークに溜まるカーボン除去。 固まる原因も洗浄を。 (後編)

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前回ブログの続きです。

 

三重県からお越し頂いたマツダ CX-5

H25年式 89000km

 

 

 

前回ブログでインテーク系統に溜まるカーボン除去作業。

 

DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)で、

インテークに固着したカーボン(煤)を除去しました。

 http://minato-motors.com/blog/?p=10335

 

 

 

 

 

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サラサラの煤が固着硬化する原因は 『熱と油分』

水分なら燃焼熱で蒸発し、付着しても固まる事はないでしょう。

 

ですがオイルが付着した場合はそんな簡単な訳にはならず、

粉状が固体になり硬化していきます。

 

 

 

 

ではどこからオイルがインテーク系に流入するのか?

 

 

 

それはターボ車特有の症状である

ブローバイガス過流入によるミストオイル混入。

 

 

 

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ターボ車を所有し

それなりの距離を走れば、

 

インタークーラー内がオイルでベトベトになっているのは、

ご存知の方も多いかと思います。

 

 

 

このCX-5もインタークーラー前後のパイプガスケットから

オイルニジミがありました。

 

また吸気パイプ内もオイルでベトベト。

 

 

 

 

 

オーナー様に了承を得て、

インタークーラー脱着洗浄を追加作業を行います。

 

 

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かなり大きめのインタークーラーは

フロントバンパー下部の中にあるのですが・・・・。

 

 

取付ボルトが抜け落ちている箇所がアリ?

誰かが外した形跡が残っていました。

 

 

 

コレには特に気にせず作業は進み・・・。

 

 

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インタークーラーが外れました。

 

 

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吊り下げてしばらくすると、

内部に溜まっていたオイルがポタポタからドバドバへ。

 

 

 

パーツクリーナーを流し込み内部を洗います。

 

 

 

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IN・OUTのパイプも洗浄し、

なるべくインテークマニホールドに

オイルが行かぬように予防処置。

 

 

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キレイに洗浄してガスケットも交換して、

再組み立てを始めると・・・。

 

 

 

 

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インタークーラーの取付ネジがナメており、

トルクが掛からずパイプを固定出来ない・・・。

 

 

 

おそらく以前誰か作業した時のミスなのか?

オーバートルクでボルトを締めて、フランジのネジがナメたのでしょう。

 

 

 

アルミのネジ穴 X ステンレスボルト。

ナメやすそうな組み合わせ。

 

 

貫通のネジ穴では無いので、ナット止め も タップ作業も難しい。

 

 

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ネジ穴の奥に残る『生きてる4山ネジ』を頼りに、

スタッドボルト仕様に変更しました。

 

 

4山ぐらいのネジ山では心許ないので、

ネジ補強として2液タイプの金属補強材で

穴を肉盛り&接着処置。

 

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6時間後にパイプを接続し、ナット本締め。

 

十分強度が出ているので、問題ないでしょう。 バッチリです。

 

 

 

たまたま1週間預かりのCX-5なので助かりましたが、

日帰りなら時間的にチョットヤバかったですね。

 

 

 

ちなみにこの『JBオートウエルド』 WELD=溶接

 

 

完全硬化すると強硬度・強接着で肉盛り・切削OK。

 

開封後25年以内なら取替保証付きだそうで、

2つの液を混ぜない限り固まらないそうですよ~。

 

 

 

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最後に試運転をして各学習値を初期化。

 

もう一度試運転をしてライブデータを収集。

 

 

 

予定通り5つの数値が良い方向に変化して、

新車時と同じ状態に戻ったようです。

 

 

また新車時のあのトルク感を楽しめるでしょうね。

 

 

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エンジン上部にある吸気経路から

吸い込まれたブローバイミストオイル。

 

 

ミストは空気に流されてターボを通過し

パイプ・ホースを通ってインタークーラーに溜まります。

 

 

CX-5のインタークーラー位置が低いのが幸いして、

上部にあるインマニホールドには辿りにくいようですね。

 

 

 

 

 

ですがある程度はインタークーラーに溜まりますが、

吸気の流れに引き込まれて少しずつマニホールドに流入。

 

 

カーボン粉とオイルが結合し、吸気経路で固まる。

 

 

 

 

 

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ディーゼルは空気を吸ってナンボのエンジン。

吸いづらければ新車時の性能が発揮できないのです。

 

 

クリーンディーゼルの場合はERGと新気の比率が重要なので、

そこが乱れるとさらにパワーは落ちる。

 

 

 

加速が足りないので必要以上にアクセルを踏み込むと、

燃費も落ちて煤も出やすい。

 

悪循環ですね。

 

 

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前を向いて走ればソレで良いという方には、

今回のDSC作業は必要ないと思います。

 

 

異常でもなく故障でもなく、経年劣化みたいなものですから

ディーゼルはこんな感じだと諦めてください。

 

 

 

 

 

 

ですが出来るだけ新車時の性能を

取り戻したい方はどうぞご相談くださいね~。

 

HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています~。

 

 

 

Happy Car Life!!

 

 

 

 

 

CX-5 クリーンディーゼルエンジン。  インテークに溜まるカーボン除去。  ドライアイス洗浄で再生します。(前編)

三重県からお越し頂きました。

マツダ CX-5 KE2FW

H25年 90000Km走行

 

 

 

 

スカイアクティブD のインテーク系に溜まるカーボン除去。

DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)の依頼です。

http://minato-motors.com/dsc/

 

 

 

 

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マツダ 低圧縮型クリーンディーゼルエンジン。

ディーゼル特有のPM(煤)は構造上どうしても発生します。

 

 

 

マフラーのDPFがあるので

外には排出される事は無いのですが、

 

EGRを積極的・大量に使用するクリーンディーゼルは、

インテーク経路に溜まりやすくパワーダウンの原因に。

 

 

 

 

 

(アテンザ・CX-5 作業事例)

http://minato-motors.com/blog/?p=9900

http://minato-motors.com/blog/?p=10130

 

 

 

 

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今回作業するCX-5を試運転しましたが、

普段からスカイアクティブDに乗っていないので、

十分トルクフルな走りだと感じました。

 

 

 

ですがオーナー様のレビューによると

新車時に比べて非力になり燃費も落ち、

DPF再生距離も早くなった・・・そうです。

 

 

 

ダイアグコードも異常はなく、

新車からの変化が気が付かない方なら

スカイアクティブDはこんな感じだと錯覚するでしょうね。

 

 

 

 

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エンジンオイルはメーカー推奨距離より早めに。

オイル交換は地元ディーラーにて。

もちろんO/Eは純正品で。

 

 

 

早速スキャンツールを繋いでライブデータをチェック。

 

ある5つの数値に注目してみました。

 

今までDSC作業したスカイアクティブDと同様に、

同じ傾向の数値を確認。

 

 

恐らくこの車両も

カーボンが大量に蓄積してそうですね。

 

 

(DSC後にはこの数値が大きく変化するでしょう。)

 

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シリンダヘッドのインテークポート・バルブが

見えるまで周辺部品を分解。

 

 

 

いろんな部品を分解しないと辿り付けないので、

地味~に時間が掛かります。

 

 

 

 

 

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EGRバイパスパイプの内径には、

EGRの煤が流れているので真っ黒。

 

ですがココは高温高圧の為、そんなに詰まりはありません。

 

カーボン(煤)もサラサラですね。

 

 

 

 

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吸気圧センサーは定期的に清掃しているそうで、

やや埋もれる程度の蓄積具合。

 

 

最後にキレイにしますね。

 

 

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イロイロ部品やハーネスを外せば、

やっとインテークマニホールドが外れます。

 

 

 

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EGRと新気が交わるINマニホールド入り口は、

カーボンが蓄積し4割ほど塞がっていました。

 

 

 

 

 

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その上流にある吸気シャッターバルブは

蓄積量は少なめですが、

カーボンが固着しカチカチに。

 

 

 

 

 

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固着の原因は

ブローバイガス過流入によるオイル流入。

 

 

ターボ車特有の症状で

インタークーラーへの接続ホースがオイルでベトベト。

 

 

 

乾いた煤にオイルが付着すると、

結合しやすく固着します。

 

 

煤にオイルが付けば

インテークの熱温度では乾く事は無いでしょう。

 

 

 

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INマニホールド穴の横幅は20mm。

 

カーボンが5mmほど蓄積していたので約15mmほどに。

 

 

ディーゼルは空気を吸ってナンボのエンジンですから、

吸いづらくなれば・・・・ですよね。

 

 

 

 

 

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恒例のマニホールドの内部をホジホジします。

 

 

 

表面はサクサクしたカーボンが、

掘り進めるとカチカチに。

 

煤の量もハンパなく多く、

コーラ缶ぐらいは軽く出てきました。

 

複雑な形状の内部壁にビッシリ固着し、

手作業ではなかなかキレイになりませんね。

 

 

 

 

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シリンダヘッド側のインテークポートも同様に、

煤が蓄積し、内径が狭くなっていますね。

 

 

 

 

 

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軽くホジホジで出てくる固着した煤。

 

 

表面はカサカサですが

深い蓄積層はカッチカチ。

 

 

 

9万キロも走行すると

固着度が増しているようです。

 

 

 

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超硬ピックで削るとこんな感じ。

 

 

ポート奥のバルブまで続いているので、

手作業での完全除去はムリだと思います。

 

 

 

 

 

 

普通であればこのまま放置するか?

エンジンヘッドを交換するか? の2択になりますが、

 

 

ガソリン直噴エンジンのインテークバルブ洗浄に開発した

オリジナル整備(DSC)で対応可能。

 

 

 

ガソリン直噴の方がもっと固着硬度が酷く、

ガッチガチに固まっていますので、

今回のカチカチぐらいなら楽勝ですね。

 

 

煤の量はこちらのほうが多いですけど・・・。

 

 

 

 

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手作業では不可能のカーボン除去には、

ドライアイス洗浄機で。

 

 

ドライアイスペレットを

圧縮空気で高速噴射。

 

 

短時間に・完全に・ノーダメージで。

 

 

 

複雑な形状で奥深くにある

バルブやポート目掛けてショットします。

http://minato-motors.com/blog/?p=5921

 

 

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噴出したカーボンでボディが汚れぬように、

完璧にマスキングします。

 

 

水・溶剤も通さない3M社製のマスカーを使用。

 

 

 

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燃焼室にカーボンが入らないように、

バルブは全閉位置にセット。

 

これで遠慮なしで

ドライアイスを打ち込めますね。

 

 

 

 

 

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ショット時間は数秒ほど。

 

ペレットが直撃した部分だけ、

キレイにカーボンが剥離しています。

 

 

 

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ノズルを使い分けながら、

奥にあるバルブ目掛けて連続ショット。

 

 

途中に約10円玉半分のカーボン片が飛び出てきました。

結構デカいね。

 

 

 

それでもショットを繰り返し・繰り返し。

 

 

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ポートのアルミ素地までキレイに見えましたね。

 

 

ブラインド気味に隠れているバルブ傘部も、

特殊専用ノズルでショットしますので、

 

カーボンは除去されツルツルに。

 

 

 

90度に曲がった超硬ピックで傘部をなぞって、

カーボン片が残っていないかを確認します。

 

 

 

 

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インテークマニホールドもDSCで洗浄。

 

内壁にこびり付いたカーボンも

当たれば一瞬で吹き飛びますよ~。

 

 

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全ての部品がキレイになれば、

交換するのはガスケットのみ。

 

 

 

 

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洗浄が終われば

各部品を組み立てていきます。

 

 

 

 

CX-5 DSC作業ブログが長くなったので、

とりあえず休憩。

 

 

後編ブログに続く。