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Snap-onスナップオン CTR768W1 電動コードレスラチェットレンチ!! 電動を使うとエアには戻れません~。

今回のブログは弊社で使用している工具編。

Snap-onスナップオンの電動ロングネックラチェットレンチ
(CTR768W1)を紹介しますね。

今現在、自動車整備業界を席捲しているツールの電動化。

インパクトレンチからラチェット、ドライバーなど、
多くの工具で電動化の波が押し寄せています。



ちょうど去年の今頃にUPした電動インパクトレンチのブログ。
http://minato-motors.com/blog/?p=22877

反響が良くて知り合いの整備工場関係者から、
(どんな感じ?いくらしたの?)と多くの問い合わせがありましたね。




最近はエアリールからホースを引っ張ってきて、
エアラチェット&エアインパクトレンチを使う場面はほぼ無くなった。
(高トルク必要時以外は)


エア工具を辞めて、電動工具に切り替えると、
もう元には戻れないのです・・・。(便利すぎて)


エアホースのアノ煩わしさ解消で、
整備士の地味なストレス原因に気が付くのでした。




今日時点ではスナップオンツールズの日本版HPにも、
まだ掲載されていないCTR768W1。(US版HPには有)

HP掲載されている旧型ショートネックタイプのCTRJ761を
ロングネック仕様の高トルク版にしたのがこの工具。

もちろん国内正規購入です。

弊社のリフレッシュプランやDSCでは
多くの部品を分解し、取り付けます。

インマニやブレーキキャリパーやロアアームなどを固定している
ボルトナットを外す作業が凄く多いのです。
(1台数十本~百本以上)




例えばキャリパーホルダー部を外す時はソケットは17~19mm
M14~16ぐらいのボルト径。(ネジ山はだいたい錆有り)


ロングレンチを使って、
ボルトをガツッと手で一度緩める。

緩んだ次にするのは
1・指でボルトをクルクルと緩めるか?
2・ラチェットレンチでカチカチと緩めるか?
3・エアラチェットでグリグリ~と緩めるか?
の三択が普通でしょう。


錆固着が少ないエンジン系整備は1・でイイが、
下回り・足回り系は2・3・を選択する事が多いはず。


電動ラチェットCTR768ならレンチ全長400mmの長さで、
手動トルク214N・mまで許容範囲。(本締付もOK)

そこそこ高トルクで締め付けられているボルトでも、
手動でカツッと緩めてからトリガーボタンを押せば、
グリグリ~とドライブが早回しになりボルトが外れる。




ドライブの電動出力トルクは95N・m
本締・本緩時の許容トルクは214N・m
グリップ下端からドライブ先端までの長さは400mm

この三つのスペックでどんな場面で使えるかは、
整備士の方ならすぐに想像できそうですね。


トリガーの押し具合でトルクとスピードを無段階で調整可能。
ゆっくりも回せるし、早くも出来る。
(エアラチェットではこの微調整が出来ない)
(エアを絞るとトルクも落ちるから)

E/G系整備でクランク・カムプーリーのボルトは無理だが、
それ以外ならほぼほぼ使える守備範囲。



廃版旧タイプのCTR767は、相方が半年ほど使用済み。

カツッと緩めてトリガーON。
軽く手締めしトリガーON。手動でグイッ締る。



エンジンルームやサスペンションの整備では、
これがあるだけで30%は早く仕事が出来るとの事。

またコレ無しでは仕事にならないと申しております。





・固く締め付けられたボルトを緩める工具。(ロングレンチ&メガネ)
・緩めたボルトを早く回す工具(エアラチェット)

これらをその都度持ち替え、ソケットを入れ替える動作は、
重整備になればなるほど意外と時間が浪費。

また緩めた後は締付作業があるので、さらに倍。



それを解消するのが、この工具の最大の利点。



旧型CTR767と新型CTR768との品番1つ違いは、
モーター部はほぼ同じでネック部分の膨らみが違います。



中に遊星ギアが追加されフリースピードが350→175rpmにdown、
しかし出力トルクが54→95N・mにUP。

新型はギアを追加して、トルク重視に改良されたようですね。


トリガーONでグリップのLEDランプが点灯します。

14.4Vのリチウムイオンバッテリーは緑なら充電OKで、
赤になればそろそろ充電切れの合図。



毎日整備で使用して(1週間ぐらいで再充電)という感じ。

頻繁にバッテリーが切れる事も無く、
約20分で満充電。



スクエアドライブ・サイズは(3/8 9.5sq)のみ。


レンチ長約400mmで正逆200N・mまでOKのラチェット強度なら、
エンジンルーム系の作業なら結構活躍するでしょう。

足回りのガッチリ締め付けられているボルトもロングレンチで緩めて、
これでグリグリ緩めれば良いし。

インパクトレンチという選択肢もあるのだが、
スペースや高トルクの関係で使えないケースもよくあります。

特にエンジンルームでのタイミングベルト・W/P・オルタネーター交換で、
インパクトはチョット使いづらい。


スペース的に使えない場面やボルト折れの心配な個所などは、
一度緩めてから早回しで緩められるCTR768は結構便利。

TPOに合わせてこれらを使い分けています。



見た目で混同されるアングルインパクトレンチではなく、
ラチェットレンチに早回し機構が追加された工具です。

インパクトハンマーの勢いで締めたり緩めたりするのではなく、
手動レンチとして緩めてから早回しが出来る工具なのです。

もちろん50N・mぐらいなら、
いきなりトリガーONで緩めと締付も出来るという感じ。




電動ラチェットは各メーカーが発売しているのですが、
これ本体で高トルクまで対応の本締・本緩が手動で出来て、
かつ高トルク出力の電動早回しが可能なのは調べた限りでCTR768のみ。



まだコンセプトが近い(TONEトネ CR4000T)
レンチ長があって重量も軽く、手動トルクが610N・m対応
しかし出力トルクが1N・mはあまりにもトルク低過ぎ。
錆び付いたボルトなら電動で早回しは出来ないのでは??
https://www.tonetool.co.jp/products/flyer/flyer_252.pdf




(SPエアSP81613・インガソールR3130)などは
コンパクトエアラチェの電動化をイメージしているのでしょう。
トルク出力が39~73N・mとまずまずなんですが・・・。
長さが300mm以下なので、本緩めの手動トルクが掛けづらい。
http://www.spair.co.jp/ja/products/detail/?id=SP81613&c=electric



ACデルコ・G12は長さとトルクはありそうだが、
グリップ太く握りづらそう。
またプロが使うなら耐久性とアフターケアが未知数。



重心バランスが良好の1.5kgの重量。
長さがあり握りやすく、トルクの掛けやすいゴムグリップ形状。
高強度のラチェット部は小さく、ネック部も細くコンパクト。

電動出力トルク95N・mで手動トルクが214N・m


整備士それぞれ好みがありますが、
弊社のような使い方なら今の電動ラチェット市場だとベストかな。

それにスナップオンなら壊れても補修部品はあるし、保証もある。



唯一の欠点はお値段。

日本でも正式リリースはされていないCTR768は、
他社と比べても高額な電動ラチェットの分類。



使ったことも無く、見た事もない工具に、
整備士がいきなり投入するには少し躊躇する価格帯。



ですが一度この工具を使うと恐らく手放せなくなり、
高価格にも納得できるでしょう。



以前に使用していたSPエアーのエアラチェットと比べてみました。

・MAX締付トルク 20N・m
・フリースピード 220rpm
・全長 168mm

ソケットなら14mmでボルトM10ぐらいならギリで緩められるが、
ブレーキ系やサスペンション整備ではちょっと物足りない。

エンジンルームでタイミングベルト辺りを整備しても、
エアホースが邪魔でストレスを感じる。

また本締め・本緩めするには全長が短いし、
そもそもラチェット強度が低いのでレンチとしては使ってはいけない。




エアラチェットの進化はコンパクト・軽量化が主眼でしたが、
電動ラチェットはそもそも目指す方向が違うのでは?と思います。

・手締めによる許容トルク 150~200N・m
・電動出力トルク 40~90N・m
・フリースピード 150~300rpm
・全長400mmで握りやすい形状のグリップ
・ラチェット強度が高く、コンパクトロングネック。
・重量(バッテリ含む)1.0~1.5kg
・本体、バッテリー、充電器付きで3~4万円以内

もし上記をクリア出来る電動ラチェットが
有名工具メーカーから発売されれば、
恐らく大ヒット電動工具になる可能性があるような?


そんな事を少し考えてみました。



工具メーカーの方!マーケティングとしてはどうですかね?
売れそうな気がするんだけど、無理ですかね~。




それではHAPPY CAR LIFE!!



レクサスRX200t ATF完全圧送式交換 for ニューテック全化学合成ハイパフォーマンスATF

兵庫県からお越しいただいたのは
レクサスRX200t H28年式 AGL25W

ATF圧送式交換のご依頼です。

HP(お問い合わせフォーム)からご相談いただいて、
御見積をさせていただきます。

そこから各ATF交換のプランとオプション整備を選択してもらい、
予約日を調整して入庫となりました。


朝10時の入庫から問診を行います。

そのあと試運転とATFチェックをして作業を始めますね。

オイルパン脱着洗浄とストレーナー交換。


オイルパンを洗浄して磁石に付着した鉄粉を除去。
ストレーナーも同時に交換します。


オイルパン等を組付けて、
排出したATFと同量の新しいATFをATに補充。


ATとATFチェンジャーを接続し、
フルードサーモスタッドをオープンにして
まずはプレ洗浄を行います。



プレ洗浄で使用するATFは
NUTECニューテック NC-RF(仮名)
http://minato-motors.com/blog/?p=17434



全化学合成ATF(NC-65)(ZZ51改)用のプレ洗浄専用フルードとして、
ニューテックさんに提案し開発されたスペシャルリンシングフルード。


ちなみにオイルパン脱着後に補充したフルードもNC-RFです。


まずはNC-RFで全量イッキに圧送式交換しますね。

プレ洗浄を実施し、
ここまでキレイになりました。


・左奥が新油のNC-RF
・中央ビーカーが最初に回収した廃油
・右手前がプレ洗浄後のATF

この時点で結構キレイになりましたね。

本命に使用するはニューテック最高峰ATF NC-65
全化学合成ATF(エステル系)


極薄で強靭な油膜性能は市販ATFでは最強レベルでしょう。

ハイパフォーマンス・ローフリクション。
大排気量&多段AT用・DCT用に開発されたNC-65。

非常に高い耐熱性能はATFのロングライフ化に貢献。
一般走行レベルの熱負荷ではそう簡単には劣化しないと思います。


NC-65の評判についてはみんカラ等のSNSで高評価されているので、
あえてここで説明するのは不要ですね。


キレイに入れ替わりましたね。


ここまでキレイに入れ替われば、
次回交換推奨距離は約6万キロ。

長く良い状態でシフトフィーリングを楽しむ事が出来ますよ~。


純正レベルの安価なフルードを頻繁に交換するなら、
NC-65で長く使用した方が結果的には経済的だとアナウンスしています。


交換後にフルードクーラーを洗浄して、
エア抜き作業と規定温度でフルードレベル調整を行います。

・リアデフとトランスファのギアオイル交換。

使用するのはNUTEC NC-70 75W90
全化学合成ギアオイル(エステル系)


ドレン・リフィルのガスケットを交換し、
NC-70を注入しました。

最後にトルクレンチでドレンボルト等を締め付けします。


本日もミナト自動車ブログ日々是好日に
お越しいただきありがとうございます。

9号・10号と2回の台風がやってきて、
少しお昼の最高気温も下がりましたね。

工場内温度が40℃オーバーの8月に比べると、
少しは作業がしやすい環境になったかな??

ATF・CVTF交換は交換時にフルード温度がドンドン上昇し、
フルードレベルの調整時には35℃以下まで下げて作業をします。


外気温が高くても作業には問題ありませんが、
ATを一度冷やすのに時間が掛かるので、
外気温は低い方が作業が早いんですよね~。


ATF・CVTF交換の御見積/お問い合わせは、
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。

どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!


栃木県から堺市まで。 レクサスGS350 リフレッシュプランで陸送入庫。サスペンションからATF交換などなど。

栃木県から入庫したのはレクサス GS350 GRS191
リフレッシュプランのご依頼です。

実はこのGS350は今回で2回目の入庫。

前回は5年前にATF圧送式交換を作業させていただいて、
今回はリフレッシュプランで車両全体を整備する依頼を受けました。
ありがとうございます。

前回は自走にて入庫されましたが、
今回は陸送プランを利用しての入庫です。



ユーザーから一番近い(都合の良い)陸送会社の基地に搬入してもらい、
大阪府堺市のミナト自動車までの陸送手配。

しかも今回は往復で陸送を利用しましたので、
ユーザーさんとは顔を合わせる事もありませんでした。

その代わりにお電話とメールで連絡を取り合って、
入庫予約から納車まで行う事になります。

予定日に陸送基地に搬入してもらい、
約1週間後に弊社に到着。


傷や凹みなどをチェックして、さっそく試運転を行いますね。



そこから事前ホイールアライメント測定や排気ガステスト。
各機関を順番に点検していきます。


リフトアップしタイヤを外して、
下回りや足回り・エンジンATなどもチェック。



事前にお聞きしていたユーザー希望整備と
点検結果からのオススメ整備を合わせたプランの提案。


メールとTELでご相談し作業内容を決定すれば、
作業に掛かりますね~。


まずはサスペンションから始めます。

今回使用するショックアブソーバーはレクサス純正品。

純正4本だとなかなかの高額で、
レクサスIS350と比べても約2倍のお値段でした。


マウント・バンプ・インシュレーター等も全て交換します。


・ハブベアリングやボールジョイント。
・ロアアームASSY&リアブッシュ。

フロントサスペンションをリフレッシュします。

(アッパーアームは劣化度も少なく、まだまだ使えそうです。)


リアのサスペンションブッシュは劣化破損もなく、
ショックアブソーバーとリアハブベアリングを交換しますね。


アクスルキャリアからハブベアリングを外すには、
ABSセンサーを外さないといけないのですが・・・。

錆び付いてビクともしません。

ABSセンサーが抜けないので潰しながら外し、
アルミ製アクスルキャリアを車体から切り離します。


アクスルキャリアとハブベアリングは
ボルトで固定されているだけ。

ですが高確率でハブとキャリアが錆び付いているので、
ボルトを外したぐらいでは取れないんですよね。


組付け前にアルミ製アクスルキャリア側の錆を除去して、
ハブベアリングを組付け。

そしてダストデフレクターの位置を合わせながら装着して、
ABSセンサーの穴の錆を掃除してから車体に組付けます。


文章で書くと簡単に見えますが、
実作業では地味に大変なんですよ~。



フロントブレーキパッドとディスクローターは
少し前にディーラーにて交換済みなので、
それ以外の個所をリフレッシュします。

・リア ディスクローター研磨&ブレーキパッド交換
・フロント・リア ブレーキキャリパーO/H


エンジン・ATマウントも全数交換。

P/Sギアボックスとサブフレームを外して、
寿命が尽きたマウントを交換しました。

(劣化したマウントではE/G振動が吸収しないですよ~)

定番のATFも圧送式で交換します。

前回入庫時にはオイルパン脱着洗浄・ストレーナー交換を行っていますので、
今回はプレ洗浄と本命ATFでの交換のみ。

ATに専用アダプターを接続して、
NUTEC NC-RFでプレ洗浄後にNUTEC NC-65で交換しました。




並行してLLCも圧送式交換。
ラジエターリフレッシャーでLLCを全量交換し、
エア抜き作業とLLC再生強化剤を注入します。

ATF交換と並んでの定番整備のDSC
(ドライアイスショットカーボンクリーニング)


デュアルインジェクター搭載のD-4Sも
インテークバルブに煤が蓄積しますので定期的な除去をお勧めしています。

ドライアイス洗浄機でエンジンにノーダメージで短時間に完璧に除去。

圧縮空気でドライアイス粒を高速噴射。
DSC専用ノズルとアダプターを使い分けて作業。

全6気筒12バルブ全て除去完了。



スパークプラグも交換します。

NGK高性能長寿命プラグ RXプラグを使用しました。




デフオイルはNUTEC NC-70で交換。
全化学合成ギアオイル 70W90 (エステル系)



整備リフトからアライメントリフトに移動して、
サスペンションアームブッシュを1G締付。

不要なブッシュテンションを開放し、再締め付けします。

そこから軽く試運転をして、
ホイールアライメントを調整しました。

ホイールアライメント調整後に試運転をして、
最終チェックを繰り返し納車となりました。



他にも多くの作業を行っていますが、
ブログに書き切れないのでこの辺りまでにしますね。



試運転した感想は作業前と作業後では別の車になったかな?

信号待ち時はエンジン音もほぼ聞こえず、E/G振動も皆無。
走行時のロードノイズも極小になり、ギャップの吸収も滑らか。
加速も気持ちよく吹け上がり、スムースなシフトフィーリング。

新車時のH22年から10年経過の15万キロ。
(新車時に近づける)整備を目指してみました。


このGS350を試乗して15万キロ走行しているとは、
まず思わないでしょうね。



リフレッシュプランでの作業は全て撮影していますので、
通常は納車時にPCモニターを見ながら説明します。

今回はそれが出来ないので200枚ほど撮影した画像を
DVDにコピーして車内保管。

数日後にユーザーさんが陸送基地に引き取りをされ、
作業時の画像を確認後にTELにて作業説明しました。


どんな作業をしたのか?どんな状態だったのか?
画像に収めておくと何かと便利ですよね~。




本日もミナト自動車ブログ日々是好日に
お越しいただきありがとうございます。

リフレッシュプランのご依頼ご予約は、
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
http://minato-motors.com/blog/?p=21674

どうぞ宜しくお願い致します。


スバル レガシィツーリングワゴン3.0R spec,B BPE リフレッシュプラン。 

大阪府近郊だけではなく全国各地から、
弊社のリフレッシュプランをご利用いただきありがとうございます。


今回紹介する入庫車両はスバル レガシィツーリングワゴン。
3.0R spec,B BPE 走行距離18万キロ


群馬県からお越しいただきました。



リフレッシュプランはサスペンションやエンジン・AT/MTに
ブレーキや駆動系などのトータル整備を実施していますが、
このような多重整備を期間内に行うは障害が少しあります。



一つは交換したい部品をお預かり期間内に集めて、
作業の滞りもなく納車する事。


多い時には大小100点以上の部品を交換しますので、
部品が欠品していると作業が進まないんですよね。

常時リフレッシュプランは複数台の方に入庫をお待ちいただいている状態で、
数か月先まで予約が数珠繋がり。

整備リフトや代車にも限りがあるので、
スケジュール通り進行しないと他の方にも影響が出ます。



これに関しては経験上メーカー欠品しやすい部品類は
ある程度把握しているので入庫前に前金をいただいてから
交換予定の部品を取り寄せして対応しています。

2つ目の障害は車両側の錆腐食。

例えば手前の(部品A)を交換したいが、その取付部が錆固着で外れない。
それならその一つ奥にある(部品B)ごと交換する事になるでしょう。

予定外のその奥にある部品Bはメーカーに在庫が有るのか?
生産終了?長期バックオーダー?確認がないと迂闊に外せない。


一つの部品外す為にボルトナットを緩めますが、
ボルトが折れないか?折れても復旧リカバリーは出来るか?

レンチで緩める感触で1本ずつ確認しながらボルトナットを回す。



錆腐食が多い車両と少ない車両では、
整備の難易度と慎重度は大きく違うのですね。




今回のレガシィツーリングワゴンはそのような事を考慮しながら、
少しづつ作業を進めていきました。



群馬県から予約入庫してもらい、問診を行います。

お預かりして試運転や車両点検。


事前ホイールアライメント測定・バッテリーアナライザー、
排気ガステスト・ECU診断。

リフトアップで車両点検。

デジタル・アナログ両面から車両の状態を点検し、
予算に合わせた整備プランを制作し提案します。





それでは作業内容を紹介しますね。


まずは今まで未交換だったウォーターポンプ交換。
タイミングチェーン式の為に今まで交換する機会が無かったそうで、
ユーザーさんの希望により交換する事になりました。

アルミのチェーンカバーを外すのですが、細長いボルトの数が多いね~。

長さも違うのでメモしながら外していきます。

W/P自体の交換作業は難しくないのですが、
エンジンとカバーとの合わせ面が液体ガスケットタイプなので
慎重に完全脱脂して組み立てました。

各ホース・オイルシール類や
サーモスタットも交換しました。



ラジエターは純正品が高額なので、優良社外品のAT車用で対応します。
(MT用は設定が無く、ATFクーラー部を塞げば問題ないでしょう。)

次はMTのクラッチオーバーホール。

現在新車乗用車でのMT車率は数パーセント。

大昔のように仕方なく渋々MT車を乗れば、
クラッチ操作の苦手な方がクラッチを滑らして
ダメになるパターンがありましたが、
その方たちは今現在MT車にはわざわざ乗らないと思います。

今MT車を好んで使用しているユーザーは、
基本的にクラッチ操作が上手です。

今回のユーザーさんもクラッチディスクを摩耗させる事はなく、
上手に運転されているのですが、クラッチ機構のグリスやベアリング等はかなり劣化し、フィーリングが悪い状態。

具体的に言えばクラッチのミートポイントが悪く、操作しずらい。
クラッチペダルが重たく、踏む力で疲れる。
またシフトレバーをリバースにする時にシフトの入りが悪いなど・・。


グリスがある所にはキレイにしてから専用グリスを塗って潤滑強化。
(有るべきグリスが無いとスムーズさが無くなりますよ。)


ディスク・カバー・ベアリングはもちろんフライホイールも交換します。
新車時に近づける整備を目指しました。



エンジンクランクリアシールも交換して、
組み立てていきますね。


またシフトレバー操作でリバースが入りにくい症状。
原因はシフトワイヤー取付部ブッシュの破損。

地元ディーラーさんに相談しても治らなく、
困っていたようです。

組立後に試運転をしてクラッチペダルの位置調整をして、
なかなかシフトがしやすい車両に戻りましたね。




フロントサスペンションとブレーキ類を分解しました。

下回りの錆が酷くて1分で交換出来る部品に、数十分掛かる。
錆腐食との戦いが始まりました~。


塩害の多い降雪地では当たり前なんでしょうが、
大阪って基本的に塩カルでの塩害もなく、雪も降らない地域なんです。
(特に堺市は。)

なんて事ないボルトナットなんですけど、
折れたままでは装着できないのでリカバリー。

今回はドリルで貫通させて裏から
ボルトを差し込んでナット締めにします。

フロント側の錆はまだマシな方で、
サクサク部品を交換していきます。

・ロアアームのブッシュやボールジョイント等の交換。
・ドライブシャフトのブーツグリスO/H
・ハブベアリング交換


それでもナックルからFrハブB/Gは錆固着で外れず、
少し手間取りましたね。


リアサスペンションのアームブッシュを交換します。

リアは錆腐食が酷くて、なかなか手強いです。


一つずつは大した事は無いのですが、
錆腐食でのナットボルトの固着が多すぎると
どんどん時間が経過していきます。

また部品商に追加部品の在庫確認も同時に行います。


切断して外した部品がメーカー長期欠品していると、
いろんなスケジュールに影響するのでね。

さすがにここまで腐食したドライブシャフトをO/Hしても意味が無いので、
中古品を手配してこちらをグリスブーツO/Hします。



リアサスペンションのブッシュ交換。

スバルの良い所はサスペンションブッシュを単品販売してくれるので、
アームASSY交換より大幅に安くリフレッシュが出来る。



リアハブベアリングとスタビリンクロッド、
バックプレートも新しく交換します。

ブレーキをO/Hしますが、
こちらもなかなかの錆状態でした。


キャリパー自体はなんとか出来ましたが、
ピストンの腐食が激しいのでこちらは新品に交換して
シーツとダストブーツを交換します。




キャリパーホルダー部のスライドピンも洗浄して、
ブーツを交換しグリス注入。

ブレーキディスクローターは4枚とも全滅で、
今回はDICELのパッドとディスクで交換しました。



フロント・リア・MTのギアオイルは、
ガルフ プロガード75W90で交換。

キャリパーを組付けてブレーキフルード交換&エア抜き作業。


エンジン、ATマウントを4点全数交換しました。

サブフレームを外しながらエンジンを宙吊り保持し、
マウントインシュレーターを交換すれば
エンジンからの微振動は激減しますよ~。



すべての部品を組み立てて、
整備リフトからアライメントリフトに移動します。

そこから仮締めしているサスペンションアームブッシュを1G締付。

不要なブッシュテンションを開放し、
もう一度締め付けします。

黄色のテープは仮止めの印。

締付後に赤色ペンでマーキング。


軽く試運転をしてサスペンションブッシュを馴染ませてから、
ホイールアライメント調整を行います。

SAIは基準値内に収まりませんでしたが、
なるべく左右差の内容に微調整。

これぐらいであれば問題なくイイ感じ。

感度が劣化していたエアフロメーター&A/Fセンサーを交換して、
排気ガスも良好な数値になりましたね。

最後に何度も試運転をして、各部調整、締め付け点検。
無事予定通りのスケジュールで納車となりました。




スキーにも使用し登山の足として未舗装林道も走行する。
レヴォーグの新車購入も検討したがもう少し相棒として付き合いたので、
今回は多くの予算を準備しリフレッシュプランを依頼されました。




今回のブログでは紹介出来なかった個所も整備しており、
掛かった整備費用は100万円オーバー。
ですがそれに見合うだけのコンディションには戻ったと思います。


走り出せば新車から15年以上経過し
18万キロ走行したとは思えない車になりました。



希少なフラット6のレガシィツーリングワゴン3.0R BPE
リフレッシュ整備をしてみるとなかかなイイ車ですね。

手放すには惜しい車なのは分かる気がします。






リフレッシュプランをのご依頼は
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。


出来ましたら過去の整備事例を見てもらい、
何年何月の○○はいくら費用が掛かった?と
聞いてくれればお答えできます。
(整備費用の参考にして下さいね。)


それではHAPPY CAR LIFE!!




スバル フォレスターSJG リニアトロニック CVTF完全圧送式交換。

お盆休み中もATF交換やDSCのご予約を多数受けていましたが、
この猛烈な猛暑でなかなか過酷な環境での作業でしたね。



工場内を全て冷暖房完備の体に優しい作業環境にしたいとは思いますが、
正直暑さがつらいのは真夏の1カ月ぐらい。

案外、体は適応するもんなんですよね~。
(水とポカリと空調服で夏を乗り切ります。)

大阪府からの来店はスバル フォレスターSJG
H25年式 走行距離4万キロ


・CVTF交換 for ニューテックZZ51改
に加えてオプション整備3点。

・CVTオイルパン洗浄 ストレーナー交換一式
・カーエアコンリフレッシュα NC-200
・フロント/リア デフオイル交換 NC-70

日帰り作業で予約来店してもらいました。


問診から試運転。

フルードの状態をチェックし作業を始めますね。

オイルパンを外して洗浄し、磁石の鉄粉を除去。
ストレーナーも同時に交換します。

ちなみにリニアトロニックCVTのストレーナーは部品価格が高いです。
トヨタの倍ほどしますよ~。



オイルパンとミッションの合わせ面を脱脂し、
液体ガスケットを塗ってから装着します。


この時に完全な脱脂をしていないと、
あとでフルード漏れになるので慎重に作業をします。

ただ当時の工場内の気温が40℃ぐらいあったので、
そういう意味ではハードな作業でしたね。

排出したフルードを補充して、
フルードの漏れをチェック。

そこからチェンジャーに接続して、
圧送式交換を行います。



圧送式交換というとチェンジャーから
強制的にフルードを押し込んでいるイメージがありますが、
それは間違いで誤解ですよ~。



エンジンONでミッションからドバドバ排出されるフルードを、
ATFチェンジャーで受け止めて量を正確に測定。(ホース接続)

そのドバドバ出てくるフルードに対して、
最適なタイミングとスピードで新しいフルードを
優しくミッションに注入していくのが圧送式交換。


ATFチェンジャーのオイルポンプで無理やりフルードを押し込んで、
ミッション中のフルードを強制的に押し出しているわけではないのです。


正しい交換方法で作業すれば一番効果的かつ効率的に、
複雑な経路のフルードを入れ替える事が出来る交換方法なんですよ~。




まずはニューテック スペシャルリンシングフルード(NC-RF仮名)で、
全量イッキに圧送式交換します。(プレ洗浄)
http://minato-motors.com/blog/?p=17434

プレ洗浄が終わると、ここまでキレイになりました。

・奥に見えるのが新油NC-RF。
・中央ビーカーが最初に回収した旧フルード
・手前のモニターがプレ洗浄後のフルード。

これでやっと本命フルードを使用できますね。

今回フォレスターに使用する本命フルードはNUTEC ZZ51改。

高回転・高負荷・高温時でも高いフルード性能を維持発揮、
全化学合成ベースフルードを贅沢に使用しています。

従来粘度でハイスペックがZZ51改で、
低粘度超ハイスペックがNC-65となっています。

SJGはNC-65非適合の為にZZ51改を使用しました。

約15分間のアイドリングタイム。


チェンジャーのNC-RFをZZ51改に入れ替えて、
もう一度圧送式で全量交換しますね。

ほぼ完璧に入れ替わりましたね。


ここまでキレイになれば、
次回交換推奨距離は約5万キロになります。

フルードクーラーを洗浄して一度冷却し、
規定温度でフルードレベルを調整しました。

フロント/リアのデフオイルも交換しますね。

使用するのはニューテックNC-70 75W90
全化学合成ギアオイル

カーエアコンリフレッシュαで冷媒ガスの点検と、
NUTEC NC-200コンプブーストを注入します。


年式が新しいので冷媒ガスの減少はありませんでしたが、
コンプレッサーオイルの潤滑気密強化にNC-200をチャージ。

最後に試運転をして無事納車となりました。


リニアトロニックCVTのオイルパン脱着をすると、
液体ガスケットで再シーリングするのですが、
これを日帰りの時間が制約された中で行うのはなかなか大変。

ほとんどの整備工場では1日以上お預かりじゃないと、
引き受けてくれないと思います。



でもミナト自動車ではリニアトロニックCVTでも他社のATでも、
基本的には日帰り作業で完璧に納車しています。

なぜ日帰りでかつ時間の掛かる液体ガスケットタイプの
オイルパン脱着&フルード交換が出来るのか?


・そもそも液体ガスケット自体が通常に流通している物とは
まったく違うタイプを使用している。(コレいいお値段します。)

・設備と自作工具で交換作業に掛かる時間を大幅に短縮している。
(コレが有る無しで3時間以上は短縮できる)

・リニアトロニックCVTだけではなく、
他社のATF/CVTF交換の施業実績がそもそも圧倒的に多く経験豊富。
(手前味噌で申し訳ない)



周辺外気温40℃の環境でSJGフォレスターを日帰り納車するのは、
意外と出来る整備工場は少ないと思いますよ~。
しかもミスは許されないですから・・・。

本日もミナト自動車ブログ日々是好日に
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