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マツダ CX-3 スカイアクティブ1.5D DSCでインテーク系の煤除去作業。ATF圧送式交換はNUTECニューテック。

兵庫県から入庫したのはマツダCX3 DK5FW
H27年式 走行距離12万キロ 


スカイアクティブ-ディーゼルのインテーク系に蓄積する煤除去作業と、
ATF圧送式交換の依頼が舞い込んだ。

スカイアクティブDの2.2Dのインテーク系に煤が蓄積するのはよくある話だが、1.5Dも煤蓄積が多く除去依頼が多い。


新車購入ならディーラー担当営業に不具合・違和感を相談も出来るが、中古車購入となるとディーラーとは接点がなく、また新車時の加速フィーリング等も分からない。


ガソリン車ではなくディーゼル車を選ぶ時点で、車に対する興味や理解度が高く、アクセルワークに対するレスポンス低下や振動、燃費ダウン等には敏感に分かるユーザーも必然的に多くなる。







弊社依頼前にエンジン警告灯点灯&振動等で、ディーラーにてインジェクターを1本交換済み。(保証による無償修理対応)



今回のCX-3ユーザーさんは年に3万キロ走行する使用状況で、予防整備を兼ねDSCとATF交換を相談されての予約入庫。

問診と試運転をしてコンディションを確認、
エンジンインテーク系を分解作業。


最近このSKY-Dのインテークを分解するDSC作業をしているとフッと思う。
(世界で一番SKY-Dのインテークを分解しているのは俺じゃないのかな??)


数えきれないほど行ったであろう作業は順調に進み、
エンジンインテークポートが見えてきた。

燃焼室に繋がる4気筒8ポートの穴が見える。

中の状態を確認しようか。


もともと細いポート内径に分厚い煤の蓄積は、なかなかピントが合わず撮影が難しい。



辛うじて奥に見えるインテークバルブにも煤が蓄積し、何が何だか分からない状態。(ただ肉眼では画像より良く見える。)


煤の厚みはMAX8~10mmぐらいか?

これでは吸気抵抗が大きく、燃焼室に空気が入りづらい。
燃焼状態も良くなくパフォーマンスも低下する。


そう、ディーゼルは空気を吸ってナンボのエンジンだから、
空気が吸いづらい状態は良い事なんて何もない。





ガソリン・ディーゼル問わず今の電子制御の車両は、少々の汚れや劣化によるコンディション低下が有っても、ECUが補正しながらエンジンを停止しないように何とか走れるようにする。(フィードバック&フェールセーフなど)


それも限度があって酷い場合は停止し、そもそもその状態で使用し続けるのはエンジンにとっても良くないよ。


そういう意味でも予防整備は大切なんだと思う。


樹脂製インテークマニホールドの中も煤だらけ。
オイル混じりのベトベト・カチカチの煤塊の表面に、乾いた煤がコーティング。

減る事は無く、年輪のように積み重なるだけ。



(高回転で回して煤を焼き切れば??)と藁をもすがる思いでブン回しても、
ディーゼルの樹脂製のインマニはそこまで高温にはならない。


アルミのインマニで90℃、樹脂製なら75℃程度、
こんな低温で煤が燃えて焼き切れる事はないだろう。



では手作業でこの大量の煤を除去出来るのか??
答えはノー。

煤まみれになっても気にしない図太い神経と尋常じゃない時間と体力があるなら、もしかすると?と思うが現実はそんなに甘くない。


世界中見まわしても、これをクリアできる方法は思いつく限りでは1つだけ。

ミナト自動車が独自で開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)


ドライアイス洗浄機に数種類ある自社制作したDSC専用ノズルとアダプターを組み合わせて、手作業ではお手上げの煤を完全除去。



もともとトヨタレクサスの直噴ガソリンエンジンは煤蓄積が酷いので、
それの対策用にDSCを開発。
そしてSKY-D用に改良したのが数年前。


ドライアイス洗浄にペレットを投入。
ノズルとアダプターを選択して試しにワンショット。


・圧縮空気でドライアイス粒を高速噴射。
・熱収縮と昇華爆発力で強固な煤塊を剥離洗浄。
・昇華するドライアイスはエンジン内に残量する事はゼロ。

ドライアイスの性質を利用したドライアイス洗浄は、各製造プラント等の特殊洗浄業務で広く使用されているが、むしろDSCの為に世に出たのでは??と思う。




(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)
DSCキャッチコピー通りに作業を進めていく。


煤が無くなれば撮影がしやすくなり、完璧にキレイになったのが分かる。
(バルブ傘部やシャフト裏もキレイに煤を除去しているのでご安心を。)


そして圧縮上死点にセットし1気筒づつ作業を4セット繰り返す。


2.2Dには無いが1.5Dのポートには赤線部分に段差がある。

手前からライトを当てて撮影すると赤線の段差の影が写る。
(煤が残っているわけではない。)


新品同様に煤がゼロ状態にリセット完了。



インテークマニホールドやEGRバルブ等もドライアイス洗浄で、新品とほぼ変わらない状態に戻る。

さすがにガスケットの再利用はNG。
新品純正ガスケットで元の状態に組み立て。

マツダ特有の劣化しやすいラジエターキャップはデフォルト交換し、
入庫時から割れていたカプラーも補修。

燃料系のカプラーなのでインジェクターを交換した時の破損かな?
こんな事も想定内でこれらの部品等は、バックアップとして常備している。



全国各地から1泊2日での依頼が来るので、(部品が破損で帰れない)だけは防ぎたいなと。


エンジン始動をして暖機し、各学習値を初期化して、再学習作業。

ゴニョゴニョっとマル秘作業もして、ATF交換に移る。


のんびりしている暇はない。



ATFの状態をチェックし、
今回はオイルパン脱着洗浄なしでプレ洗浄から始めるオーダー。

使用するプレ洗浄フルードはニューテックNC-RFリンシングフルード。
(NUTEC謹製 特注スペシャルフルード)
http://minato-motors.com/blog/?p=17434



密封式ATにアダプターを取り付け、ATFチェンジャーとATを接続し、全量圧送式でプレ洗浄。

中央ビーカーの廃油と比べれば、まずまずの出来栄え。
(プレ洗浄後でこの状態なら大丈夫。)



ここから15分ほどアイドリングタイム。

次は本命ATFのNUTEC NC-65でもう一度全量圧送式で交換をする。

マツダSKY-Dr6速ATに対して百台以上は交換使用実績のあるニューテックNC-65。

全化学合成ハイパフォーマンスフルード(エステル系)は、
純正ATFの数段上を行く油膜性能。


ローフリクション・ハイパフォーマンス。
(おそらく市販ATFでは最強スペック)


安価で劣化しやすい純正フルードを使うより、油膜性能が高く、耐熱耐久性も高いNC-65を長く使用する方が結果的には経済的で満足度もフィーリングも上がる。

その噂を聞きつけてミナト自動車に依頼されるATF交換車両の8割以上が(NC-RF&NC-65)をオーダー。

必然的にリピート率も上がる。


ほぼ完璧に入れ替る。


ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約6万キロ。
(それまでATFはノーメンテで気にする必要もない。)

フルードクーラーを洗浄し、規定温度でフルードレベル調整、
最後に試運転をして無事引き渡し完了。

朝9時半入庫・翌日午前中納車の1泊2日がスタンダード日程。
(どうしても日帰りを希望する場合は特急作業でも対応可能。)



せっかくディーゼルを使用するなら長く乗りたい。
その為には予防整備の何を?いつやるか?

(壊れてから治せば!!)と思うと、結果的には費用が掛かり良い結果にはならない場合が多い。



建物も車も人の体も皆同じ。
早めの予防って大切だと常々思う。


本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越しいただきありがとうございます。

こんな感じで独り言のように書き連ねてみた
SKY-D1.5のDSC・ATF交換ブログはいかがでしょうか?



DSC・ATF交換は1日1台の完全予約制としています。
御見積・ご予約はHPお問い合わせフォームからお待ちしていますね~。
必要事項を記入いただけると助かります~。


もちろん土日祝も営業しています。
それではHAPPY CAR LIFE!!



スバル レガシィBM9 リフレッシュプラン。10年10万キロ時のリフレッシュ整備  後編。エンジン整備とCVTF交換、ホイールアライメント調整。

前回ブログに引き続いて岡山県から入庫した
レガシィBM9のリフレッシュプランを紹介しますね。

http://minato-motors.com/blog/?p=26672

H21年式 走行距離10万キロ

前回ブログではサスペンションやブレーキなどの
下回り、足回りを中心に整備しました。


今回はエンジンやCVT等の整備に移行します。

まずは電子制御スロットルボディ清掃から始めますね。

専用のクリーナーでバルブに付着するカーボンを除去して、
アイドリングの安定化を行いました。

長く清掃していなかったようですね。
結構汚れていました。


スロットルは構造上バルブ周辺にカーボンが付着します。
僅かなカーボン量なのですが結構コレがアイドリングを乱す要因で、
定期的な除去作業は必要なんですよ~。

水平対向シングルカムのタイミングベルト交換。

ベルト奥にあるウォーターポンプや
オイルポンプも一緒に整備しますね。

Tベルトを外してカムスプロケットを外し、
カムシール交換をしました。

クランクシャフト前部にあるオイルポンプ。

こちらもベルト交換時にはシーリング打ち直しと
クランクオイルシール交換も行います。


10万キロに1回しか分解する機会がないのですから、
同時に整備する方が結果的には工賃がお得ですよ~。

ウォーターポンプも交換して、
サーモスタッドも同時交換。

Tベルトだけではなく、
ベルトアイドラプーリーやテンショナーも交換しますね。


熱劣化で薄緑色に変色したラジエターアッパータンク。

長年使用すると樹脂製タンクが劣化し割れやすくなります。

割れる前に予防整備をしておけば、
外出先でのタンク破裂による立ち往生は無くなるでしょう。

ラジエターホースやキャップも交換して、
補機類のベルトも交換しました。


ラジエターを交換してLLCの圧送式交換。

使用するのはラジエターリフレッシャー。

ダイヤフラム式ポンプで脈動圧送し、高密度Wフィルターでろ過再生。
ヒーター・E/G・ラジエター全てのLLCを圧送式で全量交換します。


この年式のスバル車のLLCはブルーです。
ラジエターリフレッシャー2機ありますので、
国産車の赤・緑・青のLLCに対応しています。


交換後にLLC再生強化剤を投入して、防錆・消泡力を強化し、
エア抜き作業も同時進行。



リニアトロニックCVTFを交換する前に、
まずはオイルパンを脱着洗浄しストレーナー交換をします。

オイルパンを装着してCVTFを補充し、
暖機後にフルードチェンジャーを接続。

まずはNUTECニューテック NC-RFでプレ洗浄しますね。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434

この時点で結構キレイになりましたね。


そして15分間のアイドリングタイム。
次は本命CVTFでもう一度交換します。


使用するのはNUTEC NC-65
ニューテック史上最高峰のスペシャルフルード。
100%化学合成ハイパフォーマンスフルード(エステル系)

完璧に入れ替わりましたね。


次回交換推奨距離は約6万キロ。

NC-65なら一般走行レベルではそう簡単には劣化しないので、
長く良い状態でスムースな加速フィーリングを維持します。


フルードクーラーを洗浄して、規定温度でフルードレベル調整を行いました。



カーエアコンリフレッシュαで
エアコンの冷媒ガスをリフレッシュします。

使用するのはデンゲン社エコマックスjr
(全自動冷媒回収再生充填装置)

年々減少する冷媒ガスは、
5年に1度ぐらいで充填量をチェックしましょう。




・冷媒ガスを全量回収し重量測定。
・真空引きで配管内の空気・水分を除去。
・規定充填量を測定しながら高速液化充填。
・ニューテックNC-200を同時注入しコンプレッサーの潤滑強化


この車両も結果的には規定充填量より
約190gほど少なかったようですね。

ガスが多くても少なくても冷えは悪くなり、
燃費にも影響しますよ~。


タイヤを装着して整備リフトからアライメントリフトに移動。


サスペンション整備時には、
必須作業の(1G締付)を行います。



整備リフトで組付けた時はサスペンションは伸びている状態です。
この状態で固定ボルトを本締めするとタイヤ着地時には、
サスは縮みアームブッシュは捻じれますよね。



アライメントリフトでタイヤが接地した状態(1G状態)で、
一度ブッシュ固定ボルトを緩めます。

緩めるとブッシュの捩じれが解放され、
無駄なテンションを掛けずフリーにします。

そこから規定トルクでボルトを本締付するのが(1G締付)



これをしないと折角交換したブッシュの寿命は縮まりますし、
本来のゴムブッシュの動きにならないので必ず行いましょう。

1G締付後に軽く試運転をして、
ブッシュとインシュレーター等を馴染ませます。


そこからホイールアライメント調整を行いますね。

・ハンター社 最新鋭ホイールアライメントテスター 
(ホークアイWA470)
高精度カメラセンサー4基からホイールに装着した樹脂製クランプ式ターゲットの動きを捕捉。

瞬時に高精度のアライメント数値を演算します。





・イヤサカ ビシャモン マルチアライメントリフト
ロングバージョン&特注レッドのこのリフトは、
高い水平レベルを維持し正確な測定環境を確保します。

業界no,1の国産リフトと言えば、ビシャモンリフトですね。


サスペンションを組付けて、
カムボルトも中立の位置にし測定すると
こんな感じでタイヤは(あっち向いてホイ状態)。


サスペンションを整備してホイールアライメント調整をしないと、
車は真っすぐ快適には走れないのはこれを見れば分かりますよね。


ここから車体下に潜りこみ、微調整をしていきます。

こんな感じでキレイに整いましたね。



ここから長めの試運転を行います。

いつものコースを1時間ほど走り、
五感を澄まして車両からの異音・振動等を聞き分けます。


入庫した時の記憶を頼りに、
整備後どうなったか?を考えながら走っています。



そして納車までに作業した箇所のチェックを繰り返して、
やっと納車となるのです~。



本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越しいただきありがとうございます。


適切な時期に相応の費用を投入して、
正しい整備を行えば愛車のパフォーマンスは回復します。
(誤解を恐れずに言えば、新車時にかなり近づくでしょう。)

逆に間違った整備や手順・方法で整備しては、
いつまで経っても良くならない。
(いつまでも過走行車のままで印象は変わらず)




エンジン・ミッション・ボディの根幹部分は、
今の国産車ならそう劣化しないです。

劣化するのは周辺部品や油脂類・ゴム部品類などの消耗品。


そういった部分をメンテナスすれば、
いい状態で長く愛車を使用出来ると弊社ではアナウンスしています。


納車後にレビューを頂けたので原文のまま添付しますね。


無事帰宅出来ました
お店を出発してゆっくり南進中に早速違いが判りました
当然なんですが高速走行時も安定してますし追越時も『ん〜やっぱりNAだけに加速がイマイチやなぁ…次はターボかスーチャーを…』と思っていたんですが整備後は『おっええ感じやん!ターボいらんしこれで充分!』と思うほどスムーズな加速になりました
BM9前期ですともう一台購入出来る位になりましたがこの整備レベルの車両を探すのは不可能なんで結果的には安く済んだと思っていますし大変満足しています
ありがとうございました



こちらこそご利用いただきありがとうございます。
またの機会がありましたら宜しくお願い致します。



手頃な中古車を購入し、ガッツリ予算をイッキに掛けて、
良い状態で長く使うのもアリだと思いますよ~。


それではHAPPY CAR LIFE!!









スバル レガシィBM9 リフレッシュプラン。10年10万キロ時のリフレッシュ整備。前編

岡山県から来店していただきました。
スバル レガシィ BM9 H21年式 走行距離10万キロ

提案型整備リフレッシュプランのご依頼です。


新車から10年、10万キロ以上走行した車両を、
ある程度の費用を投入して車両全体を整備するリフレッシュプラン。


目指すは新車時に近いコンディション。

予算に合わせて過去の整備歴も参考にしながら、
(この車が私の愛車なら限られた予算でどう整備するか?)
整備する個所や優先順位を考慮して、整備のプランニングを提案。


プランニングとは計画立案、計画を立てる事。
メーカー、車種、搭載エンジン&ミッション、駆動方式などを考慮しながら、
(あーでもない、こーでもない)と悩みながら毎回計画を練っています。



メールからの相談で現状の不満点、改善点を教えてもらいます。

・最近中古車購入し、これから長く良い状態で使用したい。
・高速走行時の安定性が悪い。(横揺れ、振動がある)
・サスペンションからの僅かな異音


燃費等は想定範囲内で良好だそうで、車両自体は気に入っている。
ただあまり乗り心地等が良くなく、改善したいと思ったそうです。



入庫していただいて問診をし、試運転を行います。

そこからホイールアライメント測定をして数値の確認。
フロントトゥ以外は良好ですね・・・。

排気ガステストでエンジン燃焼状態をチェックし、
バッテリーアナライザーで発電・充電状態を点検。

スキャンツールを接続し各数値をライブデータで観察して、
リフトアップ後に下回りやエンジン等を点検しています。


予算と不具合点、不満点からお勧めの整備プランを提案させていただきます。

御見積を提示してお電話で協議し、作業内容を決定。
OKがいただけたので作業を始めますね。


まずはサスペンション等の足回り・下回り等から始めました。

ブレーキからハブ・ロアアーム、ショックアブソーバーに
ドライブシャフトとバラバラに分解していきます。


予約時にお聞きしている整備予算から
サスペンション系は全てリフレッシュする予定。

そんな時は前金を頂いてから、部品を先行発注しています。


入庫して点検してから部品を発注しても、ほぼほぼ部品は揃いません。
少なくとも1か月前には集め始めるようにしています。

比較的錆がある車両でしたので、ボルトナットは錆固着が多かったです。

想定内ですがナックルに装着されている
ABSセンサーの取付ボルトが固着し緩めると折れましたね。


・ドリルで折れたボルトごと穴を開ける。
・リコイル用のドリルで下穴を開ける。
・タップでリコイルが入るネジ山を作って、リコイルを装着。

整備ではポピュラーなボルト折れの対処法。

部品を交換するだけでもボルト1本が折れれば、
結構手間が掛かるものなのです。


ヘタッて劣化したショックアブソーバーでは、
乗り心地は当然悪くなりますよね。

今回使用するショックアブソーバーはKYB ニューSRスペシャル。
スプリング以外は消耗品全てを交換しますね。

フロントロアアームのブッシュ交換。
位置決めをしてブッシュを打替えしました。

ロアボールジョイントとハブベアリングも同時に交換します。



足回りの部品が外れている状態からエンジンを宙吊りにし、
サブフレームを降ろします。


サブフレームを降ろすとスペースが生まれるので、
間にあるエンジン・ATマウントを全数交換しますね。

これでアイドリング時の静粛性は大きく改善するでしょう。


劣化しやすいドライブシャフトのブーツ・グリスも、
耐久性の高い純正ブーツキットでO/H。

同じ場所に同じベアリングが装着するように、
印を付けながら洗浄しています。

組み立てる時の逆の手順で慎重に。


こうしておけば、また10万キロはノーメンテで使えるでしょう。



リアサスペンションもブッシュ交換でリフレッシュ。


スバルはサスペンションアームのブッシュを単品で供給してくれるので、
メンテナンスの理解度があるメーカーだと思います。

ただ部品単価はやや高めですが・・・。


メーカーが部品供給してくれるアームブッシュは全数交換しました。


リアも同じくKYBで交換しリフレッシュ。



前後のスタビライザー インナーブッシュも
同時に交換しますね。


フロントディスクローターは研磨機にて再生し、
耐熱塗料で化粧直し。


リア側は錆腐食が酷く、
研磨しても厚みが確保出来なかったので新品に交換しました。

キャリパーも分解して洗浄し、
シールキットでO/H。

10年に1度はブレーキキャリパーのO/Hをお勧めしています。

キャリパーのホルダー側も洗浄して古いグリスを掻き出し、
新しいグリスとブーツを装着します。


ブレーキパッドも新しくしますが、
バックシムに錆が多いのでシムも交換しました。


パッドに使用するグリスはWAKO’S BPR高性能パッドグリス。
耐熱・耐久性の高いグリスで交換しています。


国産車でブレーキから異音がするのは、整備不足でしょう。
正しい整備を行えばブレーキから異音等は発生しません。
(新車時から異音があれば別ですが)

リフレッシュプランの前半はここまで。
作業はまだまだ続きます~。



次回ブログでも引き続きレガシィBM9の
リフレッシュプラン後半を紹介しますね。

・タイミングベルト/ウォーターポンプ交換一式
・ラジエター交換 LLC圧送式交換
・リニアトロニックCVTF圧送式交換
・ホイールアライメント調整
・カーエアコンリフレッシュα

それではHAPPY CAR LIFE!!

山梨県からマツダCX-5。DSCでディーゼルの煤を除去作業。ドライアイス洗浄でスッキリ。ATFもギアオイルも交換しますね~。

先日の4連休はGotoトラベル効果も相まって、
全国各地から大阪府堺市のミナト自動車に
多くの車両が来店していただきました。

ありがとうございます。



Gotoトラベルキャンペーンってすごいね。

私も普段行けないようなお宿をGotoトラベルで宿泊しましたが、
(なかなかお得な)キャンペーンだと実感しました。

この機会に合わせてご利用ご来店をお待ちしています~。

連休中に山梨県からお越しいただいたのは
マツダ CX-5 KE2AW 走行距離9万キロ


・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
・インタークーラー洗浄
・ATF圧送式交換
・デフ/トランスファオイル交換
4点セットの依頼です。


朝9時半入庫~翌日午前中納車の基本スケジュール。
(特急お急ぎの方には別途日帰り対応も可能)

問診をして試運転をしてから、作業を始めますね。


マツダ スカイアクティブDユーザーならご存じのインテーク系に蓄積する煤除去作業DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)


弊社が開発したオリジナル整備です。

http://minato-motors.com/blog/?cat=192

全ての施工車両は台数が多すぎて紹介出来ませんが、
一部ブログにアップしていますので参考にして下さいね!





元々トヨタ系GR直噴ガソリンエンジンに蓄積し固着するインテーク系の煤除去に開発したのですが、マツダSKY-D用に改良して対応しています。


エンジンからインテークマニホールドを外して、
E/Gヘッド側の蓄積状況をチェック。


こちらにはそれほど煤は溜まっていないようですね。



インテークマニホールドから吸気シャッターバルブを外すと、
シャッターバルブには大量の煤が固着していました。

煤の厚みは最大で18mmぐらいでしょうか?
酷い状態ですね。






インテークマニホールドの入り口を見ると、
こちらはさらに蓄積が酷い。

空気が通過する経路の半分以上が煤で塞がっています。
これでは吸気とEGRの流入量を精密な制御をするのは難しいと思いますよ。






下記のマツダ資料を参考に蓄積個所を説明すると、
A、Bの個所で煤が蓄積しています。

こちらのCX-5ユーザーさんも燃費が17km/Lから12km/Lに
徐々に低下してきたので依頼したそうですよ。



ちなみにインテークマニホールドの入り口周辺に
煤が溜まるのは一番多い蓄積パターン。


インテークマニホールド入り口には蓄積しないが、
ヘッド側の吸気ポートが塞がるほど蓄積するパターンもあるし、
両方とも酷く蓄積しているパターンもあります。


SKY-D2.2の煤蓄積で確認している蓄積パターンは全部で4つ。


おそらく普段の乗り方・使用環境・メンテナンス状態で、
煤が蓄積する個所が変わるのでしょうね。


・ドライアイスペレット(粒)を圧縮空気で高速噴射。

・熱収縮と昇華爆発力のドライアイスの特性を利用したドライアイス洗浄

・弊社が自社で開発した数種類あるDCS専用ノズルと専用アダプターを組み合わせて完全除去。

・圧縮上死点にセットし1気筒ずつ作業しています。


(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)
DSCキャッチコピー通りに煤を除去洗浄していきますね。

4気筒8ポートに蓄積した煤を完全除去。


細い穴の奥にあるインテークバルブ。
バルブシャフトの裏や傘部に固着した煤塊もキレイに除去しました。

ポートも複雑な形状をしていますがDSCノズルを使い分ければ、
こちらも問題なく除去完了。




インテークマニホールドやEGRバルブ。
吸気シャッターバルブなどもDSCでキレイになりましたね~。

この画像を見てSKY-Dの煤除去をしなくても問題ないと、
思う方はほぼいないと思います。


特にエンジン整備に理解のある方なら、尚更で。

ディーゼルは空気を吸ってナンボのエンジンですから、
吸いづらい状態はデメリットしかない。


また想定外の煤で吸気に障害が出来ると、
本来の燃焼状態にはならず性能も発揮出来ない。




暖炉の煙突も使えば定期的な煤掃除は必要で、
(煤が溜まる事が欠陥では?)は違うと思う。


古今東西問わず、自動車整備でも車種特有のウィークポイントは存在し、
たまたまSKY-Dはコレだったという事でしょう。


それに勝るほどの低燃費・トルクフルなエンジンですから、
長所・短所含めて愛用してあげれば良いかと思います。

インタークーラーに溜まったブローバイオイルも排出して、
洗浄剤で洗い流しリフレッシュ。


吸気圧センサーに付着した煤を除去して、
純正ガスケットで再組立します。

劣化しやすいラジエターキャップのパッキン。
オーバーヒートの原因になるので新品に交換します。


暖機をして各学習値を初期化し、燃料噴射量も再学習。
マル秘作業もゴニョゴニョしてDSCはとりあえず完了。



次はATF交換に移ります。


ATF圧送式交換をする前にフルードチェック。


そこからATFチェンジャーを接続し、まずはプレ洗浄。


プレ洗浄に使用するのはNUTECニューテック (NC-RF仮名)
弊社が依頼して開発していただいたスペシャルリンシングフルード。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434


全量イッキに圧送式交換しますね。



・中央ビーカーの廃油
・右のクリーナーモニターがプレ洗浄後のフルード

プレ洗浄後でここまでキレイになりました。


ここから15分ほどアイドリングタイム。
次は本命ATFでもう一度交換します。

使用するのはNUTECニューテック (NC-65)
全化学合成ハイパフォーマンスATF(エステル系)



極薄で強靭な油膜性能は、
ローフリクション・ハイパフォーマンス。
市販ATFでは最強レベルのスペックでしょうね。


耐熱性が非常に高いので一般走行レベルでは、そう簡単には劣化しない。
ATFのロングライフ化には有効ですよ。

ほぼ完璧に入れ替わりました。

ここからATFクーラーを洗浄して、
規定温度でフルードレベル調整をします。

フルード量は多すぎても少なすぎてもNGですよ。


リアデフ/トランスファのギアオイルも交換しますね。

こちらもNUTECニューテック NC-70 75w90
全化学合成ギアオイル(エステル系)


下から抜いて上から溢れるまで入れるだけ。
ガスケットを交換してトルクレンチで締め付け。

ギアオイルも定期的に交換しましょう。

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に、
お越しいただきありがとうございます。



DSCやATF交換は1日1台の完全予約制になっています。
平日はまだ余裕がありますが土日祝は予約が混雑していますので、
予約が取りにくい状態が多いですね。


入念に計画を立てて、Gotoキャンペーンを利用しながら、
関西観光も企ててATF交換・DSCを実施してみてはいかがでしょうか?



それではHAPPY CAR LIFE!!



Snap-onスナップオン CTR768W1 電動コードレスラチェットレンチ!! 電動を使うとエアには戻れません~。

今回のブログは弊社で使用している工具編。

Snap-onスナップオンの電動ロングネックラチェットレンチ
(CTR768W1)を紹介しますね。

今現在、自動車整備業界を席捲しているツールの電動化。

インパクトレンチからラチェット、ドライバーなど、
多くの工具で電動化の波が押し寄せています。



ちょうど去年の今頃にUPした電動インパクトレンチのブログ。
http://minato-motors.com/blog/?p=22877

反響が良くて知り合いの整備工場関係者から、
(どんな感じ?いくらしたの?)と多くの問い合わせがありましたね。




最近はエアリールからホースを引っ張ってきて、
エアラチェット&エアインパクトレンチを使う場面はほぼ無くなった。
(高トルク必要時以外は)


エア工具を辞めて、電動工具に切り替えると、
もう元には戻れないのです・・・。(便利すぎて)


エアホースのアノ煩わしさ解消で、
整備士の地味なストレス原因に気が付くのでした。




今日時点ではスナップオンツールズの日本版HPにも、
まだ掲載されていないCTR768W1。(US版HPには有)

HP掲載されている旧型ショートネックタイプのCTRJ761を
ロングネック仕様の高トルク版にしたのがこの工具。

もちろん国内正規購入です。

弊社のリフレッシュプランやDSCでは
多くの部品を分解し、取り付けます。

インマニやブレーキキャリパーやロアアームなどを固定している
ボルトナットを外す作業が凄く多いのです。
(1台数十本~百本以上)




例えばキャリパーホルダー部を外す時はソケットは17~19mm
M14~16ぐらいのボルト径。(ネジ山はだいたい錆有り)


ロングレンチを使って、
ボルトをガツッと手で一度緩める。

緩んだ次にするのは
1・指でボルトをクルクルと緩めるか?
2・ラチェットレンチでカチカチと緩めるか?
3・エアラチェットでグリグリ~と緩めるか?
の三択が普通でしょう。


錆固着が少ないエンジン系整備は1・でイイが、
下回り・足回り系は2・3・を選択する事が多いはず。


電動ラチェットCTR768ならレンチ全長400mmの長さで、
手動トルク214N・mまで許容範囲。(本締付もOK)

そこそこ高トルクで締め付けられているボルトでも、
手動でカツッと緩めてからトリガーボタンを押せば、
グリグリ~とドライブが早回しになりボルトが外れる。




ドライブの電動出力トルクは95N・m
本締・本緩時の許容トルクは214N・m
グリップ下端からドライブ先端までの長さは400mm

この三つのスペックでどんな場面で使えるかは、
整備士の方ならすぐに想像できそうですね。


トリガーの押し具合でトルクとスピードを無段階で調整可能。
ゆっくりも回せるし、早くも出来る。
(エアラチェットではこの微調整が出来ない)
(エアを絞るとトルクも落ちるから)

E/G系整備でクランク・カムプーリーのボルトは無理だが、
それ以外ならほぼほぼ使える守備範囲。



廃版旧タイプのCTR767は、相方が半年ほど使用済み。

カツッと緩めてトリガーON。
軽く手締めしトリガーON。手動でグイッ締る。



エンジンルームやサスペンションの整備では、
これがあるだけで30%は早く仕事が出来るとの事。

またコレ無しでは仕事にならないと申しております。





・固く締め付けられたボルトを緩める工具。(ロングレンチ&メガネ)
・緩めたボルトを早く回す工具(エアラチェット)

これらをその都度持ち替え、ソケットを入れ替える動作は、
重整備になればなるほど意外と時間が浪費。

また緩めた後は締付作業があるので、さらに倍。



それを解消するのが、この工具の最大の利点。



旧型CTR767と新型CTR768との品番1つ違いは、
モーター部はほぼ同じでネック部分の膨らみが違います。



中に遊星ギアが追加されフリースピードが350→175rpmにdown、
しかし出力トルクが54→95N・mにUP。

新型はギアを追加して、トルク重視に改良されたようですね。


トリガーONでグリップのLEDランプが点灯します。

14.4Vのリチウムイオンバッテリーは緑なら充電OKで、
赤になればそろそろ充電切れの合図。



毎日整備で使用して(1週間ぐらいで再充電)という感じ。

頻繁にバッテリーが切れる事も無く、
約20分で満充電。



スクエアドライブ・サイズは(3/8 9.5sq)のみ。


レンチ長約400mmで正逆200N・mまでOKのラチェット強度なら、
エンジンルーム系の作業なら結構活躍するでしょう。

足回りのガッチリ締め付けられているボルトもロングレンチで緩めて、
これでグリグリ緩めれば良いし。

インパクトレンチという選択肢もあるのだが、
スペースや高トルクの関係で使えないケースもよくあります。

特にエンジンルームでのタイミングベルト・W/P・オルタネーター交換で、
インパクトはチョット使いづらい。


スペース的に使えない場面やボルト折れの心配な個所などは、
一度緩めてから早回しで緩められるCTR768は結構便利。

TPOに合わせてこれらを使い分けています。



見た目で混同されるアングルインパクトレンチではなく、
ラチェットレンチに早回し機構が追加された工具です。

インパクトハンマーの勢いで締めたり緩めたりするのではなく、
手動レンチとして緩めてから早回しが出来る工具なのです。

もちろん50N・mぐらいなら、
いきなりトリガーONで緩めと締付も出来るという感じ。




電動ラチェットは各メーカーが発売しているのですが、
これ本体で高トルクまで対応の本締・本緩が手動で出来て、
かつ高トルク出力の電動早回しが可能なのは調べた限りでCTR768のみ。



まだコンセプトが近い(TONEトネ CR4000T)
レンチ長があって重量も軽く、手動トルクが610N・m対応
しかし出力トルクが1N・mはあまりにもトルク低過ぎ。
錆び付いたボルトなら電動で早回しは出来ないのでは??
https://www.tonetool.co.jp/products/flyer/flyer_252.pdf




(SPエアSP81613・インガソールR3130)などは
コンパクトエアラチェの電動化をイメージしているのでしょう。
トルク出力が39~73N・mとまずまずなんですが・・・。
長さが300mm以下なので、本緩めの手動トルクが掛けづらい。
http://www.spair.co.jp/ja/products/detail/?id=SP81613&c=electric



ACデルコ・G12は長さとトルクはありそうだが、
グリップ太く握りづらそう。
またプロが使うなら耐久性とアフターケアが未知数。



重心バランスが良好の1.5kgの重量。
長さがあり握りやすく、トルクの掛けやすいゴムグリップ形状。
高強度のラチェット部は小さく、ネック部も細くコンパクト。

電動出力トルク95N・mで手動トルクが214N・m


整備士それぞれ好みがありますが、
弊社のような使い方なら今の電動ラチェット市場だとベストかな。

それにスナップオンなら壊れても補修部品はあるし、保証もある。



唯一の欠点はお値段。

日本でも正式リリースはされていないCTR768は、
他社と比べても高額な電動ラチェットの分類。



使ったことも無く、見た事もない工具に、
整備士がいきなり投入するには少し躊躇する価格帯。



ですが一度この工具を使うと恐らく手放せなくなり、
高価格にも納得できるでしょう。



以前に使用していたSPエアーのエアラチェットと比べてみました。

・MAX締付トルク 20N・m
・フリースピード 220rpm
・全長 168mm

ソケットなら14mmでボルトM10ぐらいならギリで緩められるが、
ブレーキ系やサスペンション整備ではちょっと物足りない。

エンジンルームでタイミングベルト辺りを整備しても、
エアホースが邪魔でストレスを感じる。

また本締め・本緩めするには全長が短いし、
そもそもラチェット強度が低いのでレンチとしては使ってはいけない。




エアラチェットの進化はコンパクト・軽量化が主眼でしたが、
電動ラチェットはそもそも目指す方向が違うのでは?と思います。

・手締めによる許容トルク 150~200N・m
・電動出力トルク 40~90N・m
・フリースピード 150~300rpm
・全長400mmで握りやすい形状のグリップ
・ラチェット強度が高く、コンパクトロングネック。
・重量(バッテリ含む)1.0~1.5kg
・本体、バッテリー、充電器付きで3~4万円以内

もし上記をクリア出来る電動ラチェットが
有名工具メーカーから発売されれば、
恐らく大ヒット電動工具になる可能性があるような?


そんな事を少し考えてみました。



工具メーカーの方!マーケティングとしてはどうですかね?
売れそうな気がするんだけど、無理ですかね~。




それではHAPPY CAR LIFE!!