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第4部 ハイエース KDH201 『マルチサーブ DPF洗浄システム』目詰まりすると、厄介なDPFをダイレクトに洗浄!!予防整備と言う視点からDPFにアプローチ!



本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。



前回ブログから引き続き紹介する、兵庫県神戸市からお越しいた、トヨタ ハイエース  KDH201   走行距離21万キロ



複数のダイアグコードが記録され、トラブルが顕著化したお車です。



前回までのブログでは、

第1部 インテーク系 分解/清掃 編 
http://minato-motors.com/blog/?p=37511


第2部 マルチサーブ インテークカーボン洗浄システム 編 
http://minato-motors.com/blog/?p=37598


第3部 マルチサーブ インジェクター洗浄 編 
http://minato-motors.com/blog/?p=37639

を詳しく紹介しました。

今回の第4部は、『マルチサーブ DPF洗浄システム』の施工をご紹介いたします。

セラミックスの多孔質の壁を通り抜けます。排ガスが壁を通り抜けるときにPMが90%以上除去され、清浄なガスとして排出されます



まず、DPFについて、簡単に説明します。

DPFの内部には、排ガス浄化用の触媒と煤をキャッチするフィルターが内蔵されてます。

煤を含んだ排ガスが、DPF内のセラミックスの多孔質のフィルター壁を通り抜けるときにPMが90%以上除去され、清浄なガスとして排出されます。

ですが、長時間使用していると、
エンジンの劣化(インテークの煤蓄積、各センサー性能低下)で、エンジンコンピューターが自動で行う、DPF自動再生では処理しきれなくなります。

この状態を長期間放置すると、DPF内部の多孔質のフィルターを詰まらせます。



ハイエースのDPFは、大型車の様に分解して、フィルターの清掃や交換が、基本的に出来ない構造になっています。

煤が詰まってしまえば、交換しか方法がありませんでした。


(※DPFを取外してパイプから直接洗浄する方法や、切開して洗浄する方法も有りますが、パーツの脱着コストは避けられません。)


また、比較的に交換し易いハイエースのDPFですが、部品価格は高額になります。

煤が詰まってしまう前段階で、脱着/分解せず、高額な部品交換に至らないよう未然に防ぐと言う予防整備の視点から、『マルチサーブ DPF洗浄システム』は開発されました。

『マルチサーブ DPF洗浄システム』は、DPF定期メンテナンスとしても非常に有効です。



それでは、『マルチサーブ DPF洗浄システム』スタートします。


DPFを十分冷却後、内部に繋がる配管にDPF洗浄用のホースを接続。

(※高温状態のDPFに洗浄剤を投入すると、フィルターを痛めてしまう恐れがあります。)



配管準備が整いましたので、本体液晶パネルの指示にしたがって、進めます。
マルチサーブの〈エキゾースト〉を選択。


ディーゼル DPFを選択


強力洗浄を選択



約1リットルの マルチサーブ DPF洗浄剤 
『DIESEL DPF CLEANER』本体タンクに投入。


この洗浄剤は、ディーゼル専用で、マルチサーブ用に開発設計された商品です。

当然、市販はされておりません。マルチサーブ 導入店でしか取り扱えない
プロショップ専売商品です。 

高性能ですが、欧州からの輸入品(made in Belgium)でもあるので、非常に高価です。


『DIESEL DPF CLEANER』がゆっくりとDPF内部のフィルターにダイレクトに投入されます。

投入完了後
約15分間掛けて 洗浄剤をDPF内のセラミックスの多孔質のフィルターに浸透させます。


約15分間の浸透タイム完了。


エンジンスタートさせ、5分間アイドリングで浸透させた、洗浄剤を排気熱で温めて、洗浄効果を高めます。


五分が経過し、洗浄工程が完了しました。

ここからは、内部に残ている『DIESEL DPF CLEANER』や、洗い流された煤を外部に排出するリンシング(ススギ洗い)工程に入ります。



約1リットルの マルチサーブ DPFリンシン剤 
『DIESEL DPF FLUSH』本体タンクに投入。




『DIESEL DPF FLUSH』をゆっくりと投入し、内部に残っている洗浄剤の中和を行います。


DPF洗浄 全工程が完了
最後に、約5分間エンジンを高回転させ、煤/廃液の排出作業を行います。



猛烈な異臭放つ白煙と、煤で汚れた泡状の廃液がマフラーから出てきますので、それをオリジナル装置で回収。

(装置の透明配管に流れる泡の廃液の色もチェック、DPFのコンディションが悪いと通過する、廃液が真っ黒です。)



エンジンに洗浄剤系を投入する動画投稿等で、近隣にお構いなく廃液と白煙をタレ流して排出しいるのを見かけますが、あれってどうなんだろう? と思っています。 



弊社は、住宅地の真ん中に所在しています。この立地で大量の廃液と白煙をまき散らすと、近隣に大変迷惑が掛かります。

また、他のお客様のお預かりしている車両に、廃液や白煙がミスト状で、付着する可能性もあります。


弊社では、廃液白煙をスマートに回収できる装置を自作し、その回収物は産業廃棄物として処理ています。
(構造は詳しく申し上げれませんが、ほぼ完璧に廃液と白煙を回収できます。)



廃液・異臭が無くなるまで排出作業を行い 作業完了。



『マルチサーブ DPF洗浄システム』全ての工程が完了しましたので、スキャンツールを用いてDPFを強制燃焼させ、リセットします。



試運転をして、異常が無いこと確認。
ECUのエラーコードとライブデータを確認します。

各チェック項目で数値が改善。
DPFの差圧低下、インジェクター噴射量のバラツキも均一化、アイドリングの燃料噴射量も低下。


施工前よりも、少量の燃料でアイドリングが保てる様になったとも言えます。


尚、このお車は、煤の量自体は少ない部類なのに、エンジントラブルを引き起こしていましたので、ブログでは非公開の作業や部品交換も行い、無事納車させて頂きました。



近年のDPFを搭載したクリーンディーゼルは、旧来のディーゼルに比べて、環境に配慮された設計になり、それに伴う吸気効率の最適化、複数のセンサーでキメ細かい制御をしています。

新車時から数年/数万Kmの間は、センサーも正常な数値を示し、煤による吸気効率の低下が無いので、当然正常に走行出来ます。

しかし、長期間走行していれば、経年劣化していく事は、避けられません。


センサーの緩やかな劣化、長期間に渡りゆっくりと蓄積する煤までは、簡易な点検で、判別出来ないが現状です。


また、クリーンディーゼルに対して、有効な予防整備が、周知されていないので、エンジン不調に陥った場合、部品交換しか無く費用が嵩むので、諦めざる負えないケースが多いです。


クリーンディーゼルのインジェクターやDPFの部品価格は非常に高額です。
エンジン不調なる前に適切な予防整備をするのは、自動車整備の基本で、結果的メンテナンスコスト削減に繋がると思います。


今回を含め4部に渡って、ハイエース『マルチサーブ』を作業者から目線で掘り下げて紹介させて頂きました。


ハイエース『マルチサーブ』希望される方は、HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしております。 http://minato-motors.com/contact/

御見積には同時作業可能なオプション整備(LLC圧送式交換やカーエアコンリフレッシュα・ATF完全圧送式交換)なども提案させていただいています。
どうぞ宜しくお願い致します。

それではHAPPY CAR LIFE!!

2024年9月14日

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