広島県からハイエースKZH138 キャンピングカーをリフレッシュプラン!!第四部完結。 1G締付とホイールアライメント調整。 煤除去にマルチサーブ!!
前々回から3部にわたって紹介した広島県からのハイエースKZH138のリフレッシュプラン。 平成13年式 走行距離9万キロ キャンピングカー
http://minato-motors.com/blog/?p=35741 第一部
http://minato-motors.com/blog/?p=35797 第二部
http://minato-motors.com/blog/?p=35876 第三部
・ブレーキ・サスペンション・ハブ・ドライブシャフトを整備し、ラジエーター・ウォーターポンプ・ATF圧送式交換等をしました。
整備リフトから降ろして、アライメントリフトに移動しますね。
サスペンションを馴染ませてから、車高を調整します。
ハイエースのリア車高は調整出来ませんが、フロント車高は調整機構があるので調整が可能です。
町中に走っているハイエースを観察してください。お尻下がりや前屈みになったハイエースがよく走っていますよね~。
ほとんどが整備不良の車高調整不足でしょう。 前後の車高がアンバランスだと走行安定性は著しく低下し、ブレーキ制動力にも影響しますよ。
まずリア基準点の測定値と基準値を比較。
そしてフロントはその誤差分と基準値を加味して、車高を決めます。
上記画像は割り出した数値に対して調整前は10mmほど高いので、黄色いテープと赤いレベル糸が同じになるように調整します。
調整用ナットを回しながら、前後左右のバランスを整えました。
タイヤハウスのアーチ頂点と地面との高さでは、正確な車高を判断出来ませんので無意味ですよ。
上記のようにシャシの基準点と地面との高さで調節するのが正解です。
サスペンション整備の必須作業(1G締付)
サスペンションのアームブッシュ交換時は整備リフトで作業をしています。
その時はサスは伸びているので、アームの角度も下方に垂れ下がっています。
この状態でブッシュのボルトナットを本締めすると、4輪が接地した状態(1G状態)になるとアームの角度は上方に角度を変えて、締め付けたブッシュには過大な捻じれが発生します。
そしてそのまま走るとブッシュが更に捩じ上げられ、ブッシュは早期に破損し交換作業が台無し。
そこで4輪が接地した状態でリフトアップが出来るアライメントリフトを使い、車体下からボルトナットを一度緩める。
緩めるとブッシュの捻じれが解放され、そこから本締めしマーキング。
これで(ブッシュが自然に適度に動く)サスペンションになりました。
動かないブッシュもダメですが、動き過ぎるブッシュもNGですよ。
・ホイールアライメント調整
・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター ホークアイ
・イヤサカビシャモン 高剛性ハイレベル アライメントリフト
アライメント調整前は、バラバラな数値になっていますね。
最終的にはこのように調整。
フロントはキャンバー・キャスター・SAIが完璧な数値で整いました。
リアは調整機構が無いので調整は出来ませんが、ハイエースでこれぐらいの数値なら高速走行でも全く影響はないでしょう。 タイヤが片ベリする事もない。
高速走行でも安定して走り、峠道でもフラフラ不安定になる事も無いと思います。(ただキャンピングカーなので重心が高い分の不安定さはご了承ください。)
欧州から導入したマルチサーブで、インテークの煤除去とインジェクターをシステム洗浄します。
まずはインテーク洗浄システムから始めます。
KZエンジンは(煤交じりの排気ガス)をインテーク側に戻す(EGR機構)が採用されていますが、この煤がインテーク経路で悪さをします。
エンジン型式やメーカーによって、煤の溜まり方は違う。
今回のハイエース138系は少しずつ付着した煤が、まるで年輪のように積み重ねられインテーク内に堆積していました。
ハイエース200系のようにインテークマニホールドを分解して、マルチサーブを行えばベストです。 ただ残念ながらハイエースKZH100系はインテークマニホールドやEGRバルブの分解は困難なのですね。
そこでマルチサーブ インテーク洗浄システム。
分解せずにインテークの煤を少しずつケミカル洗浄し、ユックリ確実に落としていきます。
・マルチサーブにディーゼルインテーククリーナを投入。
・三角コーンのアトマイザー(噴霧装置)のエア抜き作業を実施。
・自社製作のインテークアダプターを装着し、アトマイザーをエンジン・インテークに装着。
75分ぐらいエンジンを掛けながら15秒間に1回の間隔で、微細噴霧したクリーナーをインテーク内に注入します。
簡単に言えば排気ガスの煤は微細な黒い粒子です。
特徴としてオイル等が付着すると結束しやすく、熱で固まりやすい。
マルチサーブのクリーナーは黒い粒子の煤を溶解する能力はありません。
熱とオイルで固着した煤粒子の結束を緩めるだけです。
結束が緩まればインテークの気流に乗って煤は燃焼室に入り、燃焼熱で燃えます。
手前から煤を除去しつつ、ケミカルは徐々にインテーク奥にまで入り込んで更に結束を緩めるの繰り返し。
作業完了後に煤で汚れていたインテーク内部を観察しますね。
黒い煤が洗浄されてアルミがハッキリ見えました。
インテークマニホールド等が分解しやすいエンジンには、ドライアイス洗浄のDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)http://minato-motors.com/blog/?cat=169
インテークマニホールドの分解が困難なエンジンには、マルチサーブを提案しています。
・マルチサーブ インジェクター洗浄システム。
・専用ケミカルのディーゼルシステムパージで燃料ラインの汚れを除去。
約60分ほどアイドリングしながらインジェクターや燃焼室を洗浄。
燃料フィルターも追加で交換しました。
作業が終われば試運転。
いつものテストコースで1時間2セットを走行します。
・異音が無いか?異常な振動は無いか?
・直進安定性や乗り心地は問題ないか?
・加速や減速時のコントロールに違和感が無いか?
オーディオ等はOFFにして車両への感度を上げて試運転。
戻ってからは、再リフトアップ。
・漏れや緩みは無いか?
・締め忘れや組付けミスは無いか?
何度も繰り返して納車準備が進み、納車日に備える。
無事納車日に引き渡しが出来ました。
納車時には作業中に撮影した画像300枚を見ながら、作業内容を説明。 また画像コピーも請求書・記録簿等と一緒にお渡ししています。
画像が無いと何を整備して、どれを交換し、どのような作業をしたのかがユーザーさんには伝わらない。 弊社では多くの写真と言葉で納車説明をしています。
また今後の整備アドバイスもお伝えしていますよ~。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。 4部に分けてお伝えしたハイエースKZH138のリフレッシュプランをお伝えしました。
キャンピングカーで車高2.7mあるのでユーザーさんは引き受け可能か?を心配されましたが、弊社リフト上部の高さは5m以上あるので問題ありませんでした。
平成13年式100系ハイエースも車齢22年が経過。 所々純正部品の生産が終了しています。
もし長く良い状態でハイエースを使用したい方は、ぜひお早めに提案型リフレッシュプランをご相談ください。
何年何月の○○○のブログはいくらの費用が掛かりましたか??と聞いていただけるとお応え出来ます。
それではHAPPY CAR LIFE!!