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広島県からハイエースKZH138 キャンピングカーをリフレッシュプラン!!第二部。 サスペンション整備は重要です。

前回ブログから紹介しているハイエース KZH138 キャンピングカーのリフレッシュプラン。http://minato-motors.com/blog/?p=35741

前回ブログでは下記を整備しました。
・入庫~点検
・プラン見積
・フロントハブ、ドライブシャフト、ブレーキ



次はフロントサスペンションやエンジンマウント等の交換をします。



4WDのサスペンションロアアームは、前後に大きなブッシュがあります。


ブッシュ交換でアームを外すには、上記画像のカムアジャストボルトを引き抜く必要があります。    だが4本のうち2本が錆固着で抜けない・・・・。




2本は辛うじて抜けましたが、サビ錆が酷くて2本が抜けない。

抜けないなら切ってしまえ。


アームやサブフレームを傷付けずに外すのは、セーバーソーでアジャストボルトのみカットします。

5mmほどの隙間にセーバーソーの刃を入れて、慎重に切断しました。


ロアアームが外れれば、SSTと油圧プレスでブッシュ交換。

位置決めをしてからブッシュを打ち抜いて、
新しいブッシュを圧入します。


ア-ムASSYで交換するよりも、安くなりますよ。




アッパーアームはボールジョイント部の単品部品供給が無いので、アームASSYで交換します。




エンジンマウントを外すにはエンジンとサブフレームの間にスペースを作る事が必要。


1・サブフレームはそのままで、エンジンを強引に持ち上げてスペースを確保。
この方法はホース類や配線等に負荷が掛かり、破損や割れの可能性があるので推奨しない。


2・エンジンはその位置でキープし、サブフレームのみを降ろす。
これならエンジン関係に余計な負荷が掛からないので、安全にマウントが交換出来ます。




メインフレームとサブフレームを連結しているボルトを緩めます。
ボルトに錆固着がありましたので、ミニダクターで加熱してから緩めました。


強引に緩めると折れるので、復旧が困難になる。
加熱してあげると錆固着が緩みやすいのですよ。




ミニダクター先端のコイルに電流を流し、その丸い空間にある金属を電磁波誘導加熱で高温にします。


コイルの外側には熱が加わらないので、周りにゴムや樹脂があっても安心して加熱が出来る特殊工具。 (家庭用IH調理器と同じ仕組みです。)


サブフレームを降ろして安全で確実に左右のエンジンマウントを交換しました。

同時にATマウントも交換しました。


この後に行うマルチサーブ洗浄とこのエンジンマウント交換で、ボディに伝わる微振動が激減します。

ドライブシャフト右側のハーフシャフト中間ベアリングも同時交換。

また劣化してガタが出やすいステアリングラックエンドとブーツも交換しますね。


ロアアームを取り付ける時にはグリスを塗ってから組付。


ボルト首下にグリスを薄く塗っておくと、今後は錆びづらくなるのでお勧めです。


このボルトが固着するとアーム交換も出来ないし、ホイールアライメント調整も出来ないので要注意です。




ショックアブソーバーは純正品で交換しました。


外したショックアブソーバーは人力では伸縮しないほど固着。  おそらく内部でピストンが壊れていると思います。


ブッシュが硬化しホイールアライメントもバラバラで、ショックアブソーバーが破損していれば、乗り心地は悪くなるのは当然。




ただ見た目では分からないので、普段の車両点検では気が付かないのです。(オイル漏れも無いし、ブッシュも見えないし。)



ハイエースワゴンのリアサスペンション。
こちらも全数のブッシュを交換します。

・アッパーとトレーディングのアームブッシュ。
・ラテラルロッドのブッシュ。
・スプリング上下のインシュレーター


サスペンションが正常に機能するのは、ブッシュの状態に反映されますよ。



前後のスタビライザーブッシュも全数交換。
劣化してひび割れたブッシュを打ち換え。


スタビブッシュがガタガタだと、車線変更などの切り返しでレスポンスがワンテンポ遅れますよね。


定番のリアアクスルシャフトのハブベアリング交換一式

外しにくいシャフトベアリングをSSTを使用して交換します。同時にオイルシール等も同時交換。


フロント同様にホイールボルトを新調し、オイルシールも打ち換えました。


通常はホイールボルトまで交換しないのですが、ユーザーさんの希望で交換させていただきました。


ブレーキライニングシューを交換し、シリンダカップキットもO/H交換。

ブレーキドラムは一時研磨出来ない時期がありましたが、今は可能になりましたのでドラム研磨で再生しました。


組立後にブレーキ調整を何度か行い、パーキングブレーキ調整も行います。
これで制動力が大幅に改善しました。




100系ハイエースワゴンのリアショックアブソーバーは、室内から上部ナットを外して交換します。



このハイエースキャンピングカーはその辺りを理解しているビルダーさんが製作したのでしょう。   ちゃんとメンテナンスホールを確保していました。


確保していないと室内床やカーペットを切断して、サービスホールを確保しないといけなくなります。




サービスホールさえあれば、問題なし、

お約束の上下ロックナットは錆固着で外れないので、ミニダクターで加熱してから外しました。



次回ブログも引き続きハイエースKZH138のリフレッシュプランを紹介しますね。

・ATF完全圧送式交換
・エンジンウォーターポンプ・ラジエター交換
・マルチサーブインジェクター洗浄システム
・ホイールアライメント調整


まだまだリフレッシュ整備は続きます。
それではHAPPY CAR LIFE!!



2023年10月9日

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