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トヨタ エスティマGSR55 リフレッシュプラン。 特大増刊号 三部作の完結編。  ATF圧送式交換、ウォーターポンプ交換、ホイールアライメント調整。

前回・前々回ブログからの続きです。
http://minato-motors.com/blog/?p=27941前編
http://minato-motors.com/blog/?p=27985中編



エスティマ GSR55 4WD 走行距離8万キロのリフレッシュプランも、いよいよ3部作の完結編になりました。



下回り・足回りは交換&組付けは前回・前々回ブログで紹介したので、エンジン・ATの整備も紹介しますね。


盛大に漏れているLLC(冷却水)はウォーターポンプからでした。

50系エスティマでも4気筒なら比較的交換は容易なのですが、V6エンジンのW/P交換は少し困難です。


参考に整備工数を調べると(10時間オ-バーでエンジンを降ろして交換してね。)となっていますが、そこはE/Gを降ろす事も無くW/Pを交換したいのが人情です。


フロントバンパーやヘッドライト等を脱着して、作業スペースを確保しました。


作業スペースを確保してW/Pを交換しました。

正直に言えばW/P交換だけならバンパーも外さずに出来るのですが、同時に交換した方が良い部品も提案したのでそちらも同時に交換します。


2か所ほどW/P取付ボルトにシーリング個所がありましたので、アドヘチブでネジ山をシールしておきます。

これをしていないとネジ山の隙間からLLCが漏れますよ~。

オルタネーターのワンウェイクラッチプーリー交換。

非常に狭い場所にあるのでW/P交換時には同時に交換した方が良いでしょう。
対策品の新品クラッチプーリーに交換しましたよ~。


ワンウェイクラッチプーリーは正回転にはロックされるが、逆回転ではフリーになるクラッチ付プーリーの事。

クラッチが摩耗→クラッチ破損→逆回転でもロック。
エンジン回転数の変動を逃がす為のクラッチプーリーが壊れると・・・。

ベルト摩耗&異音が発生→オルタネーターの軸にも振動が伝わる→結果オルタが破損し発電不良。



オルタネーターの発電状態を調べておいて、まだ使える状態ならクラッチプーリーのみ交換し延命策も打つのも有効だとお伝えしています。







またこちらも狭い場所にあるサーモスタッドも交換しますね。

FF用の2GRエンジンを無理やり詰め込んでいるので、最近の車両にしては整備性が悪い部類になるのかな?


大昔に整備したフェアレディZ Z32のVGツインターボほど酷くは無いですけどね。

そしてエンジンマウントを全数交換します。

走行距離8万キロですが平成18年式ですからマウント自体の性能も大幅に劣化しゴムも硬化していますよね。

これで信号待ち時の不快な微振動を抑制します。

マウント交換時にAT上部に作業スペースが生まれましたので、スロットルボディの清掃&初期化を行います。


アイドリングを安定させるためにECUがスロットル開閉を制御するのですが、カーボンが蓄積すると(制御しづらく)なるのです。

その結果、タコメーターの針がフラフラ安定せず、不快な微振動が車体に伝わる。



ウエスと専用クリーナーで拭き上げますが、おそらく一度も清掃されていなかったのでしょう。 たっぷりカーボンが付着していました。




W/Pの中を見てみると冷却経路の汚れが多いと思いました。

おそらく長い間LLCを交換していなかったのだと思います。
最初の点検時にラジエターリザーバータンクをLLCの色が悪かったのが、ここにも表れていますね。


冷却水を劣化した状態で使用し続けると、ゴムシールが劣化しますし不純物も多く発生します。
スーパーLLCでも弊社では定期交換を推奨していますよ~。




今回はLLCがかなり劣化していたので、まずはE/G・ラジエター等のドレンから全量排出し再利用不可。

そのあとに新しいLLCを注入して、ラジエターリフレッシャーで圧送式交換しました。


エンジンを掛けながらラジエターリフレッシャーで脈動圧送式LLC交換。
高密度Wフィルターでろ過し、回収と注入を繰り返す。

冷却ラインに浮遊している不純物を除去して、LLCを再生。
最後にエア抜き作業とLLC再生強化剤注入で防錆・消泡を強化しました。



並行して6速ATのATF交換も行いますね。

まずオイルパン脱着洗浄してガスケットやストレーナー交換。
洗浄したオイルパンを装着しATFを補充します。



そこから完全暖機しATFを圧送式で交換しますね。


使用するプレ洗浄フルードはNUTECニューテック(NC-RF)
http://minato-motors.com/blog/?p=17434


本命に使用する高価なATFで交換する前に、まずはプレ洗浄します。

オイルパン脱着洗浄してプレ洗浄も行い、やっとここまでキレイになりました。


中央ビーカーの廃油と比べると少しはキレイになりましたが、奥に見える新油と比べるとまだまだ汚れていますね。





この汚れ具合ではまだ本命ATFは使えないので、もう一度全量イッキに圧送式でプレ洗浄します。




2回プレ洗浄して、かなりキレイになりました。

これで本命ATFが使用出来ます。







NUTEC ニューテック史上最高峰ATF『NC-65』

全化学合成基油を贅沢に使用したハイパフォーマンスATF。

・極薄で強靭な油膜性能は市販ATFでは最強レベル。
・ローフリクション・ハイパフォーマンス。
・ハイレベルな耐熱性と耐久性は初期油膜性能を長く維持。


ATFやCVTFなどのオイルはエンジンオイルに比べて交換サイクルは長い。

頻繁に交換するE/Gオイルに全化学合成を使うとランニングコストは高額になりますが、何年かに1度のATF交換なら想像しているより負担は少ない。


高性能ATFを長く使用した方が、お値段以上の満足感。



NC-65でもう一度圧送式交換を行います。




ほぼ完璧に入れ替わりましたね。

ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約6万キロです。



整備リフトからアライメントリフトに移動。
サスペンションアームブッシュを(1G締付)します。


整備リフトではアーム組付けは仮止めにしておいて、忘れないように黄色のテープを張り付け目印にしています。  





サスペンション整備の必須作業(1G締付)
リフトアップで伸び切った状態ではなく、4輪が着地した状態でアームブッシュのボルトナットを再締め付けするのが(1G締付作業)


これをしないと折角交換したブッシュが早期に劣化破損し、今までの作業が無駄になりますからね~。


そこから軽く試運転をしサスペンションを馴染ませて、ホイールアライメントを調整します。



・ハンター社ホークアイWA470 最新鋭ホイールアライメントテスター
4つの高精度センサーカメラでホイールに装着したターゲットの動きを捕捉。


・国産最高峰アライメントリフト イヤサカ ビシャモンマルチリフト
高い水平レベルを長期に維持するアライメントリフト。



この二つの機器を使用して、高精度なアライメント数値を弾き出します。

組み立ててスグの状態だとこんな感じでバラバラですね。
タイヤホイールが(あっち向いてホイ)になっています。



サスペンション整備後にホイールアライメント調整が必要なのは、これを見れば一目瞭然。どうみても真っすぐ走りそうにないですよね。



ここから乱れた数値を、車体下に潜りこんで調整作業をしていきます。





最終的にはこんな感じで整えました。

・リア・
調整が不可能と言われるリアアクスルビームは、リアシムを装着し過大な左トゥインを修正してスラスト角をゼロに。

・フロント・
キャスターを調整しながらSAI・包括角度を整えつつキャンバーを揃えて、ステアリングセンターキープしながらトゥ調整。




ちなみに下の画像は入庫時のホイールアライメント数値はこんな感じでしたね。
(違いが分かりますか?)

リフレッシュプランのビフォーアフターで数値を比較してくださいね~。




最後に長めの試運転。 
いつものテストコースを走りながら、ミスが無いか?異音等は無いか?を全方位に集中して試運転を行っています。

そして再度リフトアップし締付忘れやオイル漏れ等を何度も確認して、無事納車となりました。


いつも画像と文字数が多い弊社ブログ。

今回は3部に分けて紹介したので、通常ブログより画像数・文字数も大幅アップの特別3部作になりましたね。


後日にユーザーさんが新幹線で再来店&引渡納車。
200枚以上ある作業中の画像を見ながら、今回行った作業内容を説明をさせていただきました。



後日レビューをメールにていただきました。

お世話になります。
エスティマの○○です。

今回のリフレッシュプランではお世話になりました。
下回りが私の予想以上にサビが進行していたことで今回の作業では大変お手数おかけしました。昨日の帰路、今回整備したことによる効果ははっきりと感じられました。

足回りでは、車体ロール時初期の腰砕けのようなグラつきやステアリングを戻した後のおつりのようなゆさぶりがなくなり、路面の凹凸へのいなしがしなやかになっていました。

ブレーキフィールも前につんのめるような効き方から、ブレーキペダルの踏力に
応じた効き方へと変化しており安心感がありました。


こうした変化のおかげで帰りの運転はとても楽チンで、1回のトイレ休憩と
給油のためのサービスエリアへの立ち寄り以外は休むことなく帰宅することができました。


いろいろと診ていただく中で、エアコンガスの不足分が結構多かったことや冷却水のこれまでの管理状態などがわかったことウォーターポンプの漏れやセンターマフラーのサビ破れなど、見えていなかったいろいろとダメな箇所が発見・修理できたのもよかったです。

もともとクルマに不満や不安要素があって今回リフレッシュプランをお願いすることに至りましたが中古車で購入するときには判断できない、わからない部分もリフレッシュプランで診ていただき、修理できたことで今後も安心して乗ることができるようになりました。

また今後のクルマの維持管理において、経過観察すべき箇所や消耗品の交換時期を把握することもでき、このこともクルマに対する安心材料ができたと思っています。長々と書き連ねてしまいましたが今回の御礼とご報告をと思いメールさせていただきました。

また今後もいろいろと相談させてください。こんなご時勢ですがどうかお体ご自愛ください。

大阪府堺市の世界遺産(仁徳陵古墳)のすぐ横にあるミナト自動車。

そこで日々発信し続けるミナト自動車ブログ(日々是好日)。


東京から2往復は結構ハード。  それでも弊社を選んでくれましたお客様には(相応の覚悟)と(緊張感)で愛車の作業をさせていただいています。


納車後には、(作業後の結果に満足していただけたかな?)(ビフォーアフターに気が付いてくれたかな?)と思う事は常々ありますね。


こうして後日に詳細なレビューをいただけると少し安心します。






リフレッシュプランのご予約・ご相談はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

(何年何月の○○のブログは総額いくら掛かりましたか?)と聞いていただけるとお応え出来ますので整備予算の参考にしてください。

それではHAPPY CAR LIFE!!


2021年3月14日

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