ムーブ L175S エアコン修理で猛暑待ち その二
前回ブログからの続きです。
急にエアコンの効きが悪くなる ムーブ L175S。
前回までの診断でコンデンサーの冷却不足で
低高ガス圧が上昇し
吹き出し口温度が高い事が判明しました。 (エアコンシステムの異常)
http://minato-motors.com/blog/blog-entry-271.html
猛暑日での再現テストが出来ないので
次のステップに進みますね。
冷えない原因には『エアコンシステムの異常』と
『冷媒ガス充填量不足』も考えられますね。
この二つは切り分けて、かつ平行に診断しないといけません。
今の車両は一昔に比べて、冷媒ガスの基準充填量は少ない。
ですから昔のようにサイトグラスからの泡チェックや
マニホールドゲージのガス圧測定では
微量なガス量判定は難しいのです。
ちなみにムーブの整備マニアルにも
全量回収し、規定量補充と記載されていますね。(追加補充禁止と!)
マニホールドゲージでのガス圧は
エアコンシステムの良否判定に使われ
冷媒ガス量測定にはあまり参考にはなりませんよ~。
6年、6万キロ使用したムーブの
冷媒ガス充填量を調べる方法は一つだけ。
全量回収し重量測定するのみです。
デンゲン社製 冷媒ガス回収器 を使い
重量計に載せたボンベに回収します。
回収量は 245g
規定量より50g少ないですね。
冷えないからと冷媒ガスを一缶追加などの
安易な作業をしてしまうとオーバーチャージなりますよ~。
ガス配管内の空気&水分除去の為に
長めの真空引き作業を行いますね。
真空度保持も確認し、冷媒ガスを充填します。
300gジャストに充填し
ガス漏れ点検をして
気温上昇は待つことになりました。
数日後、お昼の気温が34度。
作業後の窓全開時 と 窓を閉めて内気循環 の記録です。
アイドリング時 作業前 20℃ >>> 作業後 15℃ >>> 全閉後 10℃
2000回転時 作業前 15℃ >>> 作業後 10℃ >>> 全閉後 8℃
ファンモーター、サーモスタッド交換で、エンジン水温もACオンで 93℃前後 に安定しましたよ~。
(ムーブには水温計が無いので、スキャンツールでモニタリングしています。)
作業をしながら思っていたのですが
L175S ムーブはエアコンの冷却性能は
やや押さえ気味にしているような気がします。
本当はもっと冷やす事も技術的に可能だが
そうするとコンプレッサーに駆動力が取られて
燃費性能に影響するからなのでは? と推測してみました。
実際運転中のエアコンを、全開MAXで使用し続けるする人は少ないでしょう。
(冷えてくればチョットは絞ると思います)
そう考えると過剰な冷却能力を設計時に省いたような気がしてきました。