千葉県 ハイエースTRH224 リフレッシュプラン前編。 サスペンションやブレーキなど足回り・下回りから整備しました~。
ハイエースはどれぐらいの走行距離まで
走れますか(使えますか)?とよく聞かれます。
私が思うには走行距離20万キロ以上は最低ライン。
メンテナンスを正しく行えば、
50万キロは問題ないと思っています。
ただ前を向いて走れば良いのではなく、
コンディション良好で、できれば新車時に近い状態でとなると、
それ相応の整備は必要になるでしょう。
弊社がオススメするリフレッシュプランは、
(あと2年ほど乗りたい。)
(出来るだけ安く、それなりに使用したい。)
というユーザーさん向けの整備提案ではなく、
ガッツリまだまだ使用したいユーザーさん向けの
ニッチな整備提案なんですよね~。
千葉県からお越しいただいたのは、
ハイエース グランドキャビン TRH224
ガソリン車 2WD 走行距離35万キロ
お仕事で使用されており、リアには牽引装置付き。
かなりハードに使用しているようで、
試運転でも劣化度はMAXヘタヘタ状態でした。
・牽引時にはブレーキングでハンドルに伝わる振動がある。
・リアのシャフト付近から異音がある。
・ステアリング操作で時々異音が出る。
仕事で使うので今後も安心して使用できるように、
リフレッシュプランを依頼されました。
問診から始めて試運転をし、
事前ホイールアライメント測定を行います。
測定結果は悪くはないが良くもない数値。
パワステホースからフルード滲みがありました。
P/Sフルードタンクの液面レベルがLOW以下。
冷間時にステアリングを操作すると、
ポンプから異音が聞こえています。
(フルードが足りずエア噛みでしょう。)
排気ガスの状態も良くないです。
エンジン制御系の整備が必要ですね。
車両全体のリフレッシュ整備を提案させていただきました。
整備プランの御見積を提示し、点検結果と作業内容を説明。
どこまで作業をするかを協議して
OKをいただいてから作業を始めます。
入庫して点検し、プラン見積を制作をしてOKを貰う。
ここから部品を発注しても、ほぼ部品は揃わない。
特にサスペンション系やマウントやブッシュなどは、
メーカーも豊富に在庫をキープしていないので
結構バックオーダーが掛かり入荷時期が長くなります。
そうならない為には入庫前に交換する予定の部品は
先行発注が必要なるのです。
メール相談時に予算や過去の整備歴・不具合点をお聞きして、
前金をいただいてから部品を発注し対応していますので、
ご協力のほど宜しくお願い致します。
エンジン系やブレーキ系などの消耗部品は、
メーカーも十分在庫しているのですぐに入荷します。
(こちらは点検後の発注で間に合いますよ~。)
それではリアのハブベアリングや
ドラムブレーキ関係から整備しますね。
ハブベアリングを交換するために、
リアシャフトをホーシングから外します。
そしてシャフトに圧入されているベアリングや
シール等をSSTを使用して分解しました。
シャフトからベアリングを分解して、
新しいベアリングを打ち込みますね。
ABSローターやシャフトオイルシール等も同時交換になります。
ライニングシューの残量も限界厚みに近いので、
シューを交換しました。
またドラムは研磨にて再生します。
ブレーキシリンダのカップ交換。
ホーシング側のINオイルシールも打ち直し、
外した部品を組付けていきます。
もちろんブレーキ調整は入念に。
フロントハブベアリングもO/H。
ナックルからブレーキ・ハブを抜き取ります。
200系のハブベアリング交換の難所は、
錆固着でハブの分解が困難になる事ですが・・・。
スライドハンマーでガンガン叩いて引き抜いたりせず、
適切な治具や工具を使用すれば、
確実に短時間で安全に分解出来ます~。
慣れた作業なのでサクサク進み、
無事ベアリングの圧入交換が完了。
特殊ロックナットを規定トルクで締め付けします。
ナックルにロアボールジョイントを装着して、
ナックル・ハブ系のリフレッシュは完了しました。
ディスクローターを研磨して再生します。
耐熱塗装(耐熱600℃)でリフレッシュ。
ハブにディスクローターを組付けて、
ダイヤルゲージで振れ点検。
ここで基準値外ならもう一度外して、
最小振れ幅に組み替えます。
ここが甘いと高速走行時に振動が出ますよ~。
ロアアームのブッシュも圧入交換します。
中空アームを潰さないようにSSTを使用して、
ブッシュを交換しました。
アームASSY交換よりこちらの方が安価ですね。
トルクテンションロッドのブッシュ交換。
すり減ったブッシュではサスペンション本来の動きには、
ならないですよね。
フロントアッパーアームと、
ステアリングラックエンドも交換しました。
ここまで走行するとボールジョイントはガタが大きいですね。
スタビのブッシュも全数交換しました。
リア リーフスプリングの前後ブッシュを交換します。
重たいリーフスプリングを車体から外して、
油圧プレスでブッシュ圧入交換。
エンジンマウントインシュレーターを交換しますね。
まずはエンジンは宙吊り状態でサブフレームを外します。
そしてE/Gとサブフレームに挟まれたマウントを抜き取ります。
この交換方法ならE/Gハーネスやホース類等に
余計な負荷が掛からないのでお勧めです。
サブフレームを外さずにE/Gを持ち上げてスペースを作ると、
ハーネス類に負荷が掛かるので嫌いなんですよね~。
こんな感じでエンジン・ATマウントも全数交換しました。
今回チョイスしたのは
カヤバ謹製ショックアブソーバー(エクステージ)
空車時や積載時に合わせて
お好みのショック減衰力を手動調整出来ます。
ブレーキキャリパーもO/Hでリフレッシュ。
ピストンとキャリパーを洗浄し、
シール・ダストブーツを交換しました。
キャリパーホルダー側のスライドピンも洗浄し、
古いグリスを洗い流してブーツ交換をしました。
ブレーキパッドもWAKO’S BPRグリスを注入して交換。
分解した部品を組み立てて、
ブレーキフルードを交換しつつエア抜き作業。
デフオイルはニューテックZZ-32 80W120
部分化学合成ギアオイルで交換しました。
ここで前半のリフレッシュ整備が終わりました。
まだまだ整備は続きますよ~。
・エンジン系整備(オイル漏れ・電装系交換など)
・ATF圧送式交換
・ホイールアライメント調整 車高調整などなど
次回ブログでは後半の整備内容をご紹介しますね~。
それではHAPPY CAR LIFE!!