東京都からハイエース KDH205V リフレッシュプラン 特大号。 リフレッシュ整備でまだまだ使用できますよ~!!
関東・中部方面から依頼される
ハイエースへのリフレッシュプラン。
100系・200系・2WD・4WD問わず、
非常に多くご依頼をいただいています。
ありがとうございます。
弊社のブログは基本的に文章が長く、画像は多め。
今回も懲りずに長め多めの特大号ブログとなっていますので、
ご迷惑をお掛けしますがご理解の程宜しくお願いします。
東京都からお越しいただいたのは、
ハイエース KDH205V 4WD ディーゼルターボ
H18年式 走行距離198000km
ある程度の走行距離や年数が経過した時に、
ある程度の予算を組んでガッツリ整備しましょう!と、
弊社がアナウンスしている(リフレッシュプラン)
http://minato-motors.com/refresh/
まずは予約入庫していただいて問診から始めます。
普段の使用環境・メンテナンス状況や、
気になる不具合等をお聞きしています。
そこから試運転をし、
事前ホイールアライメントを測定しました。
ホイールに軽量樹脂製クランプ式ターゲットを装着。
そこから20cmほど前に手押して、
ターンテーブルの中央に乗せます。
このターゲットの動きを4つのセンサーが捕捉し、
キャスター以外の数値が瞬時に演算されます。
ここからステアリングを左右に振って、
キャスターの測定も完了。
整備後にどう変化し、どのような乗り心地になるのか?
弊社に入庫するまでの愛車のホイールアライメントは、
こんな感じだったんですよ~と記録しています。
ここから整備リフトに移動して、
リフトアップしタイヤを外す。
エンジンからデフなどや足回り・下回りを点検しますね。
アナログな点検だけではなく、
デジタル的な点検も実施。
スキャンツール(G-SCAN)を接続。
データモニターを診て気になったのが、
インジェクター3番の補正値。
他の3本と比べて数値が大きいので、
3番のインジャクターはノズルの先が汚れているのでしょう。
これに関しては(後日○○○してくださいね。)と、
対処法をお伝えしました。
点検結果から推奨する整備とユーザーさんが希望する整備。
予算にあわせて整備プランを練っていきます。
今後の事も考慮しながら御見積をしました。
ユーザーさんと協議して整備内容を決定し、
いよいよ作業を進めます。
まずはサスペンションから始めますね。
アツパー&ロアアーム、ドライブシャフトにハブナックル。
ブレーキ関係もまとめて分解していきますね。
ハイエースに多いのが、ロアアームのアジャストボルト固着。
今回は下回りの塩害は少なくスンナリ外れました。
このボルトが錆固着すると、
ロアアームが車体から外れないのですよね。
ロアアームASSY交換では部品代が多く掛かるので、
予定通りブッシュのみを打ち替えしますね。
ナックルに組み込まれているハブベアリングは、
専用工具SSTがないと分解が困難な200系ハイエース。
適切な工具で正しい作業をすれば、
ナックルやハブを傷めずに短時間で分解が出来ますよ~。
15分ほどで完了する分解方法は、
ブログ非公開工具での秘密作業。
ナックルからハブASSYを外さないと、
ハイエースのブレーキ ディスクローターは外れない。
こんな時こそディスクローターを研磨して、
リフレッシュする事をオススメしています。
ブレーキキャリパーもO/Hしましょう。
キャリパー内にあるピストンシールが劣化すると、
ピストンの戻りが悪くなります。
またグリスもダストが混じり硬化しますので、
洗い流して再注入。
パッドの引き摺りや偏磨耗や異音が出る前に、
定期的な整備をオススメしています。
ブレーキパッドのバックシムも洗浄し、
WAKO’S BPRグリスを塗り込んでパッドも交換しますね。
スタビライザーのブッシュは、
スプリングバーとの磨耗で削れていました。
こちらも全数のブッシュを交換します。
ドライブシャフトもリフレッシュ。
経年劣化したグリスは粘度が落ちてシャバシャバ、
油膜が低下しB/Gが磨耗するでしょう。
一度分解洗浄してから、
純正ブーツ&グリスKITを使用し組み付けました。
ハイエースのエンジンマウント交換は作業スペースが狭いので、
どちらか言えば(やりにくい作業)ですね。
でもサスペンション分解時に行えば少し作業がやりやすく、
そして工賃の重複分が安くなる。
今回はエンジンを待ち上げずに、
サブフレームを下げる方法でマウントを交換しました。
ATのマウントも同時に交換します。
ボールジョイントにガタが出やすいアッパーアームはASSY交換。
ロアアームを組み付け時には、
今後錆固着にならないようにボルトにグリスを塗ります。
ボルト首下部分とブッシュ内径が完全固着している
ハイエースはホイールアライメント調整は出来ません。
10年先を見越した予防処置ですね。
ロアボールジョイントも交換して、
ショックアブソーバーも交換しました。
フロントは純正ショックアブソーバーで交換しましたが、
リアはカヤバ エクステージで交換しました。
積載量1tのハイエースをSURF仕様でお使いになっているので、
基本的に荷室には重い荷物を積まないそうです。
減衰力固定のノーマルではなく、
自由に調整できるエクステージをリアのみ装着しました。
状況に応じて可変が出来ますね。
次は希望整備のタイミングベルト交換。
エンジンを点検をすると白い粉状の物が飛び散っていました。
おそらくLLC(冷却水)の漏れ跡でしょう。
タイミングベルトの奥にあるウォーターポンプから
漏れているので要交換ですね。
Fr右シートも外してアンダーパネルを外し、
エンジン前側の部品を分解していきます。
少しだけ作業スペースが広がりました。
トヨタ赤色LLCは乾くと薄ピンク色の粉状になるんですよね。
車体下にはLLC漏れ跡はありませんでしたが、
分解してみると良く分りますね。
ACコンプレッサー&オルターネーターを外し、
いろんなステーを分解して、やっとW/Pが外れます。
せっかくココまで分解したので、
カム・クランクシールも、もちろん交換しますよね。
エンジンの回転数に合わせて、
時々異音が有るとお聞きしています。
(オルタネーターのワンウェイクラッチプーリーの破損)
正回転には固定し、逆回転時にはフリーになるW/Cプーリーは、
SSTを使用し交換しました。
オルタネーターの発電状態は良好なので、
今回は本体は延命しW/Cプーリーのみ交換します。
オルタネーターの奥にあるサーモスタッドも交換します。
作業スペースが空いている時に作業すれば、
数分で交換が出来ましたよ~。
メイン依頼のタイミングベルトを交換して、
オートテンショナーとプーリーも交換します。
またファンベルトも同時に交換し、
こちらもアイドラプーリーx2個を交換しました。
ファンベルト用のテンショナープーリーは
ASSYでしか部品供給が無く、しかも高額。
プーリーのベアリング自体は良好だったので、
今回はテンショナープーリー交換を保留にしました。
忘れがちなフューエルフィルターは、
定期的に交換してくださいね。
コモンレール式のディーゼルの場合は
5万キロ毎にフィルター交換を推奨しています。
LLCはエンジンを掛けながら、
ラジエターリフレッシャーで全量交換。
最後にLLC再生強化剤を注入し、
エア抜き作業も行います。
ラジエターキャップも交換しますね。
・MTギアオイル
・Frデフ Rデフオイル
・トランスファオイル
4箇所のギアオイルはガルフ プロガードで交換します。
カーエアコンリフレッシュαで
シングルエアコンの冷媒ガスをリフレッシュ。
220gほどガス量が少なかったようですね。
NUTEC NC-200も同時注入しました。
タイヤを装着してアライメントリフトに移動します。
車高調整をして各ブッシュを1G締付。
ハイエースの前後車高基準値はモデルごとに違います。
リアの基準点を測定しその数値を基準値から引きますと、
新車時から下がった数値が分ります。
(この車両は-24mmほどリアが低くなっていました。)
フロント基準値から-24mm下げた数値で、
Fr車高を調整しました。
車高が調整出来れば、
やっとホイールアライメントが調整できます。
ハンター ホイールアライメントテスター
(ホークアイ WA470)
高精度で測定すると、
調整前はバラバラな数値になっています。
ハイエースのリアはリジットのために、調整は不可。
フロントのみを調整しますが
豊富な調整箇所と稼動範囲が大きいので、
調整自体はやりやすい車種ですね。
試運転を繰り返して、
無事納車準備が整いました。
整備記録簿・200枚ほどの作業画像等は、
納車時の説明の中でお渡ししています。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に、
お越しいただきありがとうございます。
8月末にお預かりした水色ハイエースは、
9月4日の台風21号通過中はリフトアップし整備中。
弊社工場の屋根が吹っ飛ばされないか?
入庫車両に損害が出ないか?とヒヤヒヤしました。
幸い弊社工場への損害はそれほど多くはありませんが、
スレート屋根が破損して現在応急処置をしています。
屋根の修理屋さんに連絡しても、
(現在200件ほど受付中で・・・いつになるかは?)と、
言われて自分たちでシートと土嚢で処置しました。
夜に自宅に帰ると地域は停電中で真っ暗、
ガソリンランタンで一夜を過ごす台風一過。
大阪府堺市でここまでの被害は初めてなので、
台風への認識は少し変わったなと思いました。