東京都からステージア NM35 リフレッシュプラン その1。 ドライアイスで煤除去作業。 直噴エンジンの定番整備。
東京都からお越しいただいたのは
ニッサン ステージア NM35
H16年式 走行距離11万キロ
リフレッシュプランのご依頼です。
なお今回はリフレッシュ整備をした箇所が多いので、
数回に分けてご紹介したいと思います。
メールからのご相談では以下の事を教えてもらいました。
・おそらくフロント?からコーコーと異音がする。
(ハブベアリングか?)
・以前弊社ブログで見た同型車のDSCをしてほしい。
http://minato-motors.com/blog/?p=19761
10万キロを超えても車両には大きな不具合はないが、
長く良い状態で使用する為のリフレッシュ整備を希望。
予約入庫をしていただいて、まずは問診。
お車の不満点などを詳しくお聞きして、
今後の整備の流れなどをご説明しました。
早速試運転をしてみると60km/hぐらいから響く異音。
おそらくフロント左ハブでしょう。
リフトアップしてから再確認しますね。
事前ホイールアライメントを測定して、
各数値を確認します。
(やや乱れているがそれほど酷い数値ではない)
そして整備リフトに移動し、
車両全体を点検します。
排気ガスの数値を確認し、
バッテリーアナライザーで充電・発電状態をチェック。
スキャンツール(G-SCAN)を接続してライブデータを点検。
下回りやエンジンなどを点検しながら、
整備が必要な箇所を見つけていきます。
デジタル・アナログ両面から点検して、
整備プランを考えるのですがここで重要なのが(予算)です。
(一体この愛車にいくらの整備費用を投入するのか?)
リフレッシュと謳う以上は10年10万キロ走行した車両でも
(きちんとした整備をすれば全然違うよね!)と感じて欲しい。
そこで過去の整備暦や現在の不満点からメール相談の段階で、
(今回投入できる整備予算)をズバリお聞きしています。
http://minato-motors.com/blog/?p=12375
車種に合わせてお引き受けする最低予算は区切っていますが、
ここを曖昧にすると結果的にはリフレッシュが出来ず、
中途半端な整備に終わり(思ってたのと違う)となりかねない。
メールからの内容や過去の整備状況、
希望する整備や現状の不満点。
それらを考慮して予算的に無理な場合は
(それは無理ですよ~無駄金になるよ~)
(良い結果にはならないよ~)とやんわりお伝えしています。
さてさて話を戻しますね。
そんな感じで整備プラン制作し御見積を提示。
愛車の現状とリフレッシュ整備箇所を説明して、
OKが頂ければ作業に着手します。
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
直噴エンジンのインテーク系に蓄積するカーボン煤を、
完全除去する弊社オリジナルのスペシャル整備メニュー
世界初のオンリーワン。
もともとはトヨタ直噴GRエンジン用に開発したのですが、
今回はその応用ですね。
http://minato-motors.com/blog/?cat=169
インテークバルブが見えるまで、
各部品を分解していきます。
スロットルバルブやサージタンクの内側が、
EGRの煤で真っ黒になっていますね。
VQ25DD直噴エンジン。
やっとインテークポートが見えてきました。
内部のバルブを確認しますね。
トヨタGR直噴エンジンよりも、
さらに細いインテークポート内径。
カメラの焦点が合いづらく撮影がしにくいですね。
バルブのシャフトや傘部にはビッシリカーボンが付着し、
燃焼熱でカッチカチに固着していました。
またポート内径にもカーボン煤だらけで、
手作業での除去はほぼ絶望的・・・。
弊社が独自に開発したDSCは、
今から4年前に誕生しました。
エンジンをオーバーホールせずに、
短時間で完璧にカーボン除去。
もちろんエンジンにはノーダメージで、
エンジンのコンディションを回復させます。
車体をマスキングして、
ドライアイス3mmペレットを洗浄機に投入し、
特殊ノズルを装着して軽くワンショット。
ペレットが直撃した部分だけキレイに剥離しましたね。
ここから数種類のノズルとアダプターを組み合わせて、
バルブとポート内径を洗浄していきます。
燃焼室に煤やペレットが入らないように、
圧縮上死点にセットして作業しました。
バルブ本来の形状に戻り、
あきらかに吸気の流れが良くなりそうでしょ!
エンジンはガソリンと空気がキレイに混ざり、
混合気になってから点火燃焼するのが理想。
ですが直噴の場合は完全な混合気が出来る前に、
点火燃焼が始まる時もあるので、どうしても煤が出やすい。
そして構造上インテークバルブに煤が付着しやすく、
走行が進むと徐々に蓄積して硬化固着する。
煤になるという事は燃料がパワーに変換出来ていない。
簡単に言えば(ガソリンを無駄にしている)のです。
DSCはエンジン本来のパフォーマンスに戻す為の
(清掃系整備)だとお伝えしています。
ガンコな煤固着もこんな感じでピッカピカ。
スワールコントロールバルブもDSCで洗浄し、
ガスケットは純正品で交換します。
スロットルボディも清掃して、
各学習値を初期化リセット。
とりあえずこれでDSCは終了です。
(DSC後のレビューは他のリフレッシュ整備と合わせて紹介します。)
(ユーザーさんからレビューのメールをいただいていますので)
リフレッシュプランはこのまま他の作業に進みますが、
ニッサンVQ25DD直噴エンジンへのDSCだけの依頼なら、
日帰りで作業は完了しますよ~。
次回ブログでは引き続きステージアNM35の
サスペンション整備などをご紹介しますね。
リフレッシュプランはまだまだ続きます~。
HAPPY CAR LIFE!!