マツダ デミオ スカイアクティブ 1.5D 煤除去作業。 DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
滋賀県からお越しいただいたのは
マツダ デミオ DJ5FS
H28年式 走行距離10万キロ
インテーク系統に蓄積する煤を完全除去するDSCのご依頼です。
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)は弊社が開発したオリジナル整備。
ドライアイスの粒を高速噴射するドライアイス洗浄機を使用して複雑な形状のインテークに固着した煤を除去します。
今回依頼されたデミオ 1.5DのDSCは弊社でも初施工車種。
CX-5等に搭載されるSKY-2.2Dとは少し構造が違うようですね。
SKY-2.2DへのDSCはかなりの台数をこなしていますが、
1.5Dは始めての施工になるので1週間預かりで作業しました。
(2.2Dは最短1日の日帰り作業でも対応可能)
初めてのエンジンの場合は整備書閲覧だけではなく、実機を見てみないと作業時間が読めないので余裕のある作業時間をいただきました。
小さいエンジンルームにギッシリと詰まったエンジンの各部品。
分解作業の邪魔をするハーネスを掻き分けて、少しずつ分解していきます。
一番手前にあるEGRバイパスパイプ。
樹脂製インテークマニホールドとEGRが繋がる部分ですが、
すでにシットリ系の煤蓄積が始まっていました。
バイパスパイプの上流側を確認すると、蓄積もなくサラサラの煤が付着している程度です。
インテークマニホールドに流れる冷たい吸気とオイルミストに交わると、イッキに固着が促進されるのでしょう。
非常に狭いスペースで工具を操作し、
結構大きめの樹脂製インテークマニホールドを取り出しました。
エンジンヘッド側のインテークポートとインテークバルブを確認してみます。
ターボ車特有のブローバイオイル過流入で、煤がベタベタに。
サラサラの煤にオイルミストが交わってこんな状態になるのですが、ポート内の煤蓄積の表面はベトベト・掘り進むとカッチカチに固着。
エンジン燃焼に近い部分ほど、高温で強固に固着しています。
水冷インタークーラー内蔵のインテークマニホールドも分解します。
インテークマニホールドの内部も確認します。
アルミ製の金属マニホールドを採用している2.2Dはカッチカチに固着していますが、そこまで温度の上がらない樹脂製マニホールドは固着と言うよりかはドロドロに溜まっている感じですね。
2.2Dではモコモコに煤蓄積していた吸気シャッターバルブと吸気圧センサーは、1.5Dの場合は全く煤が蓄積していませんでした。
おそらく配置場所の関係でしょう。
EGRの煤に影響しない箇所に吸気S/V等は装着されているからでしょうね。
DSCをする前に吸気ポートをホジホジしてみました。
ベタベタの煤ペーストにカリカリの煤塊は出てきました。
(ここまで酷いと手作業での完全除去は絶望的。キリがないですね。)
それではドライアイス洗浄機を使用して複雑な形状のポート内をキレイにしていきますね。
煤の飛散でボディが汚れないように完全防備。
(3M製の高性能マスカーでマスキング。)
圧縮空気でドライアイスペレットを高速噴射するドライアイス洗浄機。
弊社が開発したDSC専用ノズルとアダプターをセットして、強固に固着した煤の洗浄除去を行います。
ドライアイスペレットは指で潰せるほど柔らかいので、金属やゴム部品にショットしても傷が付きません。
金属の表面に固着した煤塊にペレットが直撃すると、熱収縮と昇華爆発力により母材から汚れを剥離させます。
DSCはドライアイスの特性を利用した洗浄方法に着目して導入しました。
まずは軽~くワンショット。
圧縮上死点にセットしてバルブ全閉状態からショットしました。
ペレットが直撃した部分だけ、アルミまでキレイになりましたね。
エンジンにノーダメージで短時間で完全除去。
ポート内と奥にあるインテークバルブの傘部にも、まだまだ煤が蓄積しているのでキレイになるまで作業を続けます。
4気筒8ポートを全てキレイに除去完了。
吸気の流れを邪魔する煤蓄積が無くなりスッキリしましたね。
ポート内が狭く撮影は出来ませんでしたがインテークバルブの傘部に大量の煤が蓄積し、カチカチに固まっています。
バルブを開いて過給新気を導入しようとしても、そこがボトルネックとなり空気導入量が低下します。
またインテークポートの内径も狭くなるのでその分は抵抗になるでしょう。
トヨタ最新のディーゼルは吸気抵抗を少なくし、充填量を最大化するポート形状に変更しているそうです。
気流を乱す障害物(煤蓄積)が多くなると、新車時の性能は発揮出来ないでしょう。
アルミのインタークーラーはDSCをすると破損しますので、洗浄剤で洗い流してキレイにしました。
樹脂製インテークマニホールドはさらに形状が複雑で、キレイに除去するのは多くの時間が掛かりました。
もう少しこのあたりは作業手順の改良が課題ですね。
もちろんガスケット類は純正品で交換します。
吸気シャッターバルブとEGRバイパスパイプも、DSCでキレイにします。
抜き取ったLLCを再注入にて、エンジン始動。
暖機しながらエア抜き作業を行います。
完全暖機が終わればスキャンツールを接続して、各学習値を初期化し燃料噴射量補正を再学習させます。
こんな感じでDSC初施工のデミオ SKY1.5D。
あと数台ほど作業すれば作業手順にも馴れて時間が短縮できそうで、基本的には2.2D同様に一泊二日のお預かり作業を目指しています。
2.2Dとは部品配置やEGR構造が違うのでDSCをしてどのように変化してどうなるかはもう少しデータを集めないと何とも言えないでしょう。
ディーゼルなんて空気を吸ってナンボのエンジンですから、吸気の邪魔をする障害物(煤蓄積)が有って良い事など何も無い。
新車時と同じ吸気状態に戻す事は、ガソリン・ディーゼル問わず重要かつ必要なメンテナンスになると弊社ではお伝えしています。
マツダ SKY-2.2D 煤蓄積。
http://minato-motors.com/blog/?cat=192
レクサス/トヨタ GR系直噴エンジン 煤蓄積
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HAPPY CAR LIFE!!