京都府からレクサス IS250 リフレッシュプラン その2. ATF完全圧送式交換・DSCで煤除去。
前回ブログからの続きです。
京都市からお越し頂いた
レクサスIS250 GSE20
走行距離97200km
リフレッシュプランで車両全体を整備するのですが、
サスペンション系は前回ブログで完了しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=15736
次はエンジン系のDSCから紹介しますね~。
IS250の4GR-FSE 直噴D-4エンジンは、
インテークバルブに煤が大量に蓄積します。
これはレクサス・トヨタだけに限らず、
ガソリン直噴エンジンの宿命でしょう。
溜まった煤は放置せず
完全除去をしてあげれば良いのですが、
あまりメジャーな整備ではないので
全国的にみても実施できる工場は少ないと思います。
(か、ほぼ無いかな・・・。)
VW・アウディ・BMWなどの直噴E/Gは
比較的ポートが広く浅いのでまだマシですが・・・。
GRエンジンのインテークポートは非常に狭く深いので、
手作業での除去はほぼ不可能。
ローエンドのデジカメやスマフォでは、
ピントが合わず撮影すら出来ないでしょう。
弊社がオリジナル整備として開発したDSC。
(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
ドライアイス洗浄機(グリーンテック社)と
企業秘密のDSC専用ノズルで煤を除去します。
ドライアイスペレットを
圧縮空気で高速噴射。
昇華爆発力と熱収縮を利用して、
付着物を母材から剥離。
ドライアイスは固体から気体に昇華すると、
体積が750倍に膨張します。
煤の隙間に入り込んだペレットが
イッキに膨張爆発し吹き飛ばします。
ドライアイス洗浄を知らない方は、
この洗浄機がただのペレット噴出機だと思うでしょう。
洗浄機からガンまでドライアイスを送るホースは、
-79℃でも柔軟性を失わない高性能ホース。
普通の極低温用耐熱ゴムホースなどは、
数分ほどドライアイスに触れていると凍ります。
(そして割れます。)
一度ホース延長の為に作り直しを依頼しましたが、
見積金額にビックリ。
ホース1mの単価が想像より2桁違っていました。
(また洗浄機内部の部品も一部カーボン製です)
サンドブラストやクルミブラストように、
硬いメディアで削る安価で簡単な原理の機械ではないのですね。
指で潰せばスグに砕けるドライアイスペレットを
投入して作業を始めます。
車体に汚れが付かないように、
完全防備のマスキング。
バルブは全閉にし軽くワンショットすれば
ペレットが直撃した部分だけ剥離しましたね。
数種類のDSCノズルを使い分けて、
インテークバルブ&ポート内径を洗浄していきます。
6気筒12ポート全てキレイに除去出来ました。
ビフォーアフターを見れば
その違いが分かりやすいですね。
工員10名ぐらいの整備工場にある
エアーコンプレッサーぐらいでは
この洗浄機の性能をほぼ発揮出来ません。
高圧かつ大流量のエア設備がないと、
うまく機能せずキレイに剥離しないのです。
スワールコントロールバルブもDSC洗浄して、
吸気サージタンクの内部は洗浄剤で洗い流します。
ガスケット等は純正にて交換しますよ。
DSCオプション整備のスパークプラグ交換。
(NGK長寿命高性能プラグ イリジウムMAX)
DSCと同時なら重複工賃が節約されるので、
結構お得ですよ~。
汚れているエアエレメントも新品に交換。
吸気抵抗が上がると燃費も落ちますが、
ブローバイオイルも過流入しやすくなるので
定期的に交換しましょう。
スロットルも清掃して
暖機後に初期化し再学習させました。
ちなみにDSCとスパークプラグ交換ぐらいなら、
日帰りで作業は完了します。
LLCはラジエターリフレッシャー(ムラタトレーディング社)で
圧送式交換を行いました。
エンジン・ラジエター・ヒーターコアの
全量のLLCが交換出来ます。
最後にLLC再生剤を注入して各添加剤を強化し、
エア抜き作業も行います。
次はATF交換。
ATオイルパンを外して洗浄し、
ストレーナーも交換しました。
磁石の鉄粉も除去して、
ガスケットも交換しますね~。
ATF交換の前準備が終われば、
完全暖機をしてアダプターを接続。
密封式ATは圧送式交換が出来ない構造ですが、
オリジナルのアダプターを接続すると
交換効率の高い圧送式交換が可能になります。
まずはアイシンAFWで
イッキに全量交換しますね。
やっとココまでキレイになりました。
新油と比べるとマダマダですが、
廃油と比べると良くなったと思います。
本命ATFはNUTECニューテック 『NC-65』
全化学合成ATF(エステル系)
おそらく市販ATFでは最強スペックだと思います。(自社調べ)
ストリート走行だとかなりロングライフ化になりますので
リピート率が高いATFですね。
NC-65でもう一度圧送式で交換しますよ~。
キレイに入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば
次回交換推奨距離は6万キロです。
注意
NC-65は薄緑色のため色味が弱いです。
AFW+の赤色に干渉されますので色まではキレイになりません。
デフオイルもNUTECで交換します。
NUTEC ZZ-31 75w85
純正ギアオイルより少しグレードアップした
部分化学合成ギアオイル
純正中空ガスケットに交換し、
トルクレンチでマシ締め。
おそらく今まで無交換だったと思います。
結構汚れていましたね~。
最後に試運転をして納車となります。
お引取時には全作業を撮影した画像も交えて
内容を説明しています。
・こんな汚れていたのが
ココまでキレイになりました。
・この部分がダメで放置するとこうなります。
なのでこんな作業で修正しました。
画像があるとお客様に
分かりやすい説明ができるのです。
(いつも100枚以上は撮影しているかな。)
(必要な方にはデータをお渡ししています。)
こんな感じで進行しているリフレッシュプラン。
お預かり期間は約2週間が多く、
作業内容によっては1ヶ月預かりもありますね。
代車もご用意しています。
弊社は近畿陸運局認証整備工場です。
街によくある普通の整備工場なので、
基本的には純正状態をキープしながら、
良い状態を長く維持できる整備を提案させて頂いています。
国産車メインで整備していると思うのですが、
10年10万キロぐらいのの車暦なら
正しい整備をすればまだまだ余裕で乗れる。
誤解を恐れずに言えば、
かなり新車時に近づけた状態になりますよ~。
今回のIS250をリフレッシュプラン後に試乗して、
10年10万キロ走行していると感じる方はいないと思いますね。
バラバラに無計画な個別整備するより
ある程度の予算を掛けてイッキに整備する方が、
結果的には経済的な整備内容になるとお伝えしています。
リフレッシュプランのご依頼は
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
ATF交換・DSCのご相談も、ぜひどうぞ~。
それではHappy Car Life!!