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スバル レガシィ BP5 リフレッシュプラン 前編。 サスペンションとタイミングベルトをリフレッシュ。 ホイールアライメント調整は必須ですよ~。

以前はお断りしていたスバル車へのリフレッシュプランですが、

解禁後は反響が高くご相談を多くいただいています。

http://minato-motors.com/blog/?p=22901

 

 

根強い人気がある名車レガシィBP5などは、

今回紹介する整備をしてリフレッシュすると、

その変貌に驚き、長く使用したいと思う気持ちが

さらに強まるのではと思います。

 

 

 

 

和歌山県からお越しいただいたのは、

スバル レガシィ BP5

H21年式 走行距離9万キロ

 

 

提案型整備リフレッシュプランのご依頼です。

 

 

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HPお問い合わせフォームからの

以下の内容をご相談されました。

 

・過去に掲載されているリフレッシュプラン事例の

総額費用を教えてください。愛車の整備予算の参考にしたい。

 

・サスペンションを中心とした整備と

タイミングベルト関係一式は必ず実施したい。

 

・ブレーキ回りはキャリパーを含めて2年前にO/H済みで、

愛着のある車両なので長く乗れるように整備がしたい。

 

 

 

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予約来店から問診をさせていただいて、

詳細な希望整備や整備歴・不具合点等をお聞きしました。

 

 

お預かり後に試運転をして、

排気ガステストから燃焼状態をチェックします。

 

 

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CO/HCともにゼロ。

CO2の状態も良好でしょう。

 

年式にしてはなかなか優秀です。

 

 

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事前ホイールアライメント数値を確認します。

 

オーナーさんが気にしていた症状を、

アライメント数値から判断します。

 

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アーム等の曲がりも無く、数値的にもやや乱れ程度。

 

この後の整備でもっとコンディションが上がるように、

おススメの整備プランを提案する予定です。

 

 

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リフトアップをしてタイヤを外し、

車両全体を点検します。

 

オーナーさんの希望整備と車両コンディション、

予算を考慮しながら整備プランを提案させていただきました。

 

 

プラン内容にOKがいただけましたので作業を始めますね。

 

 

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まずはEJ20エンジンのタイミングベルト交換から始めました。

 

 

ラジエターを外しTベルトカバーを分解し、

カムスプロケットのボルトを緩めます。

 

 

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スプロケットの奥にあるカムシールを交換する予定なのですが、

SSTでスプロケットを保持し、ボルトを緩めるが・・・。

 

異常に固くて緩まない・・。

 

SST、スプロケット・ボルトどれかが破損しそうだったので、

カムシール交換は断念しました。

 

 

 

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タイミングベルトを外してウォーターポンプを外します。

そこからクランクスプロケットをSSTで引き抜きますね。

 

これでやっと奥にあるクランクシールと

オイルポンプが整備出来ます。

 

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・オイルポンプの液体ガスケット打ち直し&オーリング交換

・クランクシール交換

・W/Pとホースの交換

・サーモスタット交換

 

タイミングベルトを交換する時には

その奥にある整備個所も同時に実施する方が、

あとあと再修理する事が無くなりますよね。

 

 

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ベルトとテンショナー・アイドラプーリー等も同時交換します。

 

元の状態に組み立てて冷却水を注入しました。

 

 

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フロントデフからギアオイルを排出。

フロントサスペンションを分解していきます。

 

 

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スバルはサスペンションのブッシュやボールジョイントを

個別に部品供給してくれる稀有な国産車メーカーで、

その辺りもスバルリストに愛されている理由でしょう。

 

 

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ブッシュの方向や位置決めのマーキングをしてから、

治具を使用してブッシュを打ち抜きます。

 

 

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今度は同じように慎重に、

ブッシュをアームに圧入しました。

 

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ショックアブソーバーも交換しますが、

この車両は新車時からビルシュタイン装着車。

 

今回も新車時に装着されていた、

純正ビルシュタインでの新品交換をしますね。

 

 

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ショックアブソーバーを交換する時には、

周辺消耗部品を同時に交換しますよ~。

 

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マウント・シートゴム・ダストカバー。

スプリング以外は純正品で全交換します。

 

 

 

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スプリングコンプレッサーを使いながら脱着交換。

サクサクッと組替完了。

 

 

 

 

 

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フロントドライブシャフトもO/Hしますね。

 

実は少し前に左右シャフトインナーブーツ破損を、

地元で修理を実施したようです。

 

 

(その時アウター側もO/Hしましたか?)とお聞きすると、

(おそらく破れたインナー側だけだと思います。)と回答が。

 

 

本来ならその時にアウター側も

整備しておけば良かったのですが、

相談の結果、IN・OUT左右両方ともに

弊社でO/Hをする事になりました。

 

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そこで修理したインナー側のブーツを外すと・・・。

 

 

 

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全くグリスが入っていない??

 

しかも左右ともに・・・なぜ??。

 

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アウター側は新車時から充填されているグリスがありましたが、

こちらは距離相応に劣化してました。

 

 

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このように分解洗浄をしていくのですが、

グリスまみれの部品をふき取って脱脂し、

赤ペンでマーキングはまあまあ手間が掛かる。

 

同じ位置・向きに同じベアリングが組み込まれるように、

手間が掛かりますが目印は必要なのです。

 

 

 

ただ前に整備した方がそこまで気を使って

インナーブーツを交換をしたとは思えないが・・・。

弊社としては基本に忠実にと・・・。

 

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インナーブーツは社外品だったので、

今回は耐久性の高い純正ブーツ・グリスKITでO/Hします。

 

 

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アウター側ベアリングにグリスを注入し、

ブーツを組付けバンドを締付。

 

非常に固い金属バンドですが、

専用SSTでガッチリとカシメます。

 

 

ヤワな工具でカシメると、

ここまでキレイなカシメ具合にはならないので、

さすがKTCの特殊工具は優秀だなっと感心。

 

 

 

 

 

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インナー側は本来160gのグリスが充填されているので、

注入しベアリングを組付けブーツを装着します。

 

 

なぜ160gのグリスが注入されていなかったのか?、

不思議でしかたがない。

 

 

 

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これで約8~10万キロは十分使用出来るでしょう。

 

それにリビルト交換するよりも、コッチの方が安いしね。

 

 

 

 

 

 

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フロントサスペンション等の足回りがバラバラなうちに、

交換しずらいエンジンマウントインシュレーターを

左右交換しますね。

 

 

 

 

 

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E/Gとサブフレームにマウントは挟まれているので、

脱着をする隙間(スペース)を作る必要があります。

 

 

ステアリングのシャフトとギアボックスを分離し、

サブフレームを車体から切り離す。

(もちろんE/Gは切り離され、宙釣り状態)

 

 

この時にロアアームやナックル等が無いと、

作業がしやすいんですよね。

(そしてその分は工賃が安くなり経済的。)

 

 

慎重に片方ずつ順番に交換しました。

 

 

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AT側のマウントも交換します。

 

こちらは比較的難易度は低い。

 

 

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エンジンマウント下側3点を無事交換完了です。

 

 

 

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E/G上部のインタークーラーを外して、

トルクロッドとスロットル清掃作業。

 

特にスロットル清掃はアイドリング安定化には有効なので、

定期的な実施を推奨しています。

 

 

 

 

次はリア側サスペンションに移ります。

 

 

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リア側はマルチリンク式でブッシュ点数も多い。

 

 

 

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こちらも左右ともにブッシュ交換をしますね。

 

 

ブッシュには方向性や位置がありますので、

同じように組付けるように事前マーキングをしています。

 

 

 

 

 

 

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リアショックアブソーバーも組替交換。

よく見るとロア側ブッシュが破損していました。

 

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リアもフロント同様に純正新品ビルシュタインに交換しました。

 

 

 

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Fr・Rデフのギアオイルも交換します。

 

NUTEC 全化学合成ギアオイル

NC-70 75W90 (エステル系)

 

 

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前後スタビのインナーブッシュも交換しました。

 

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これらの整備時にはブレーキ関係も脱着するのですが、

2年前にキャリパー等はO/H済みとお聞きしていたので

今回はスルーする予定でしたが・・・。

 

 

気になる点を見つけてしまいました。

 

 

正確に言うと他社がO/Hしたキャリパーは、

特に念入りにチェックしています。

(ミスしている可能性があり得るので。)

 

 

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キャリパーピストンに異物が入らないようにする為の、

ダストブーツが1か所正確に装着されていない。

 

このタイプのダストブーツは装着の難易度が少し高く、

チェックがやりにくい特徴があるのです。

 

 

見て見ぬふりをする訳にはいかないので、

オーナーさんに相談し片側だけやり直す事になりました。

(他の3輪は問題なしでした。)

 

 

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ブーツの縁をキャリパーの内溝に装着するのですが、

脱線していたようで歪になっていますね。

 

 

これでは再利用は難しく新品に交換するのですが、

通常キャリパーシールは左右セットが通常なんです。

 

 

片側のために左右SETを取り寄せて、

左側だけO/Hし直します。

 

 

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完全洗浄して新しいシール等を組付けますね。

 

 

 

 

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組付け後にピストンを出してブーツの装着具合を確認し、

ピストンを戻す作業を繰り返す。

 

こうするとピストンとシールが馴染み、

引っ掛かりの有無が確認出来て、

スライドも滑らかになるのです。

 

 

またブーツの端がキャリパーの溝にハマっているかも、

同時に目視でチェックが出来ます。

 

 

 

 

人間が作業している以上はミスは付き物。

 

それを限りなく減らす作業手順を行えば、

まったく問題ないんですけどね~。

 

 

 

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ブレーキフルードを4輪交換して、

エア抜き作業も同時に行います。

 

 

タイヤを組付けて、リフトダウン。

アライメントリフトに移動しますね。

 

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アライメントリフトでリフトアップし、

4輪接地した状態で1G締付。

 

組付け時に発生する不要なブッシュテンションを一度開放し、

もう一度締め付けをします。

 

 

・サスペンションアームのブッシュ全数。

・ショックアブソーバーのロアブッシュ全数。

 

サブフレームやシャシブレスなどのボルトは、

増し締めし結束を高めます。

 

 

そこから軽く試運転をしてサスペンションを馴染ませてから、

ホイールアライメントを調整しますよ~。

 

 

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ハンター社ホイールアライメントテスター

(WA470ホークアイ)

 

イヤサカ ビシャモン アライメントマルチリフト

 

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当然の事ながら調整前はこんな感じでバラバラな数値。

 

調整用カムを中立の位置にしていても、

ホイールアライメントは揃わない物なのです。

 

 

サスペンションを整備したら

ホイールアライメント調整が必須作業なのは

こういう理由なのですよ~。

 

ショックをポン替えして終わってませんか~?

 

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SAIをクレイドル調整で整えながら、

キャンバー・キャスターを微調整。

 

リアも同じく微調整しつつ、フロントトゥも合わせます。

 

ステアリングセンターもWINTOE機能で、

バッチリセンターに調整しました。

 

 

とりあえずサスペンションや

エンジン系の整備は一時終了。

 

 

次回ブログでもレガシィBP5の

ATF圧送式交換の作業を紹介しますね。

 

それではHAPPY CAR LIFE!!

 

 

 

 

GRS系クラウン リフレッシュプラン その3。 ATF完全圧送式交換&DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング) 

前回、前々回からご紹介している

クラウン リフレッシュプランの続きです。

http://minato-motors.com/blog/?p=24211その1

http://minato-motors.com/blog/?p=24248その2

 

 

 

 

サスペンションを整備しホイールアライメント調整、

ブレーキ関係も作業が完了しました。

 

 

次はGRS系クラウンの定番整備である、

ATF完全圧送式交換&DSCを行いますね~。

 

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まずはATF交換から始めます。

 

 

試運転からリフトアップして、

ATFの状態をチェック。

 

 

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そこからオイルパンを外して洗浄し、

硬化したガスケットを交換。

 

年数が経過するとゴムガスケットは劣化し、

カッチカチになればフルード漏れの原因にもなる。

(定期的な交換はそういう意味でも必要でしょう。)

 

 

 

 

磁石に付着した鉄粉を除去して、

ATFストレーナーも交換します。

 

トヨタ系はATに限るとストレーナーの部品供給はあるのですが、

CVTになると車種によっては部品供給が無い場合もあります。

 

 

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オイルパンを元通りに組付けて、

ATFを補充しE/G始動・完全暖機。

 

 

密封式ATでも圧送式交換が出来るように、

弊社オリジナルのアダプターをATに装着します。

 

 

これで交換効率の高い圧送式交換の準備が整いましたね。

 

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ちなみにトヨタ・レクサス系6速ATや

マツダ・スカイアクティブ6速ATは、

アダプターを接続しないと圧送式交換は出来ません。

 

 

このアダプターを自社開発し世界で最初に実現したのが、

実はミナト自動車だという事は業界内でしか知らない事実。

 

 

でも同業者さんに弊社の方法が認められ、

真似をしていただけるのはとても光栄な事だと思います。

 

 

 

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本命ATFを使用する前に、まずはプレ洗浄。

 

NUTECニューテック (NC-RFリンシングフルード)で、

全量イッキに圧送式交換をします。

 

 

ATFチェンジャー(トルコン太郎)を接続し、

エンジンを掛けながら旧ATFを回収しつつ、

無色透明に近いNC-RFを全自動で注入しますね。

 

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プレ洗浄後はこんな感じになりました。

 

左奥に見えるのが新油モニター(NC-RF)。

中央ビーカーが試運転後に回収した廃油。

右手前がプレ洗浄後のフルード状態。

 

 

廃油に比べると黒味が薄くなり、

ややキレイになった程度でしょうか?

 

新油と比べるとまだまだ汚れている部類に入るでしょう。

 

 

プレ洗浄とは高価な本命ATFを使用する前の

(ススギ洗い)みたいなもの。

 

 

高品質かつ安価なプレ洗浄フルードとして、

弊社がNUTECさんに依頼してNC-RFが誕生しました。

 

『NUTEC リンシングフルード NC-RF(仮名)の理由』
http://minato-motors.com/blog/?p=17434

 

 

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ここから本命ATFに切り替えます。

 

ニューテック『NC-65』全化学合成ATF(エステル系)

極薄で強靭な油膜性能は市販ATFでは最強レベルでしょう。

 

 

(ローフリクション・ハイパフォーマンスを高次元で発揮)

(ベースオイルの高い耐熱性がロングライフ化に貢献)

 

 

年間数百台ほどATF交換を作業している弊社ですが、

8割ぐらいの方がNC-65を指名されますね。

 

 

 

NC-65はみんカラ等のSNSでも絶賛されているので、

評判の良さをご存じの方も多いのでしょう。

 

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ATFチェンジャーのNC-RFからNC-65に入れ替えて、

もう一度全量圧送式で交換します。

 

 

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ほぼほぼ完璧に入れ替わりましたね。

 

 

ニューテック(NC-RF)&(NC-65)コンビの完全圧送式交換を

希望される方はどうぞ弊社までご相談くださいね。

 

最後にATFクーラーを洗浄して、

油温検出モードでフルードレベル調整も行いました。

 

 

 

 

 

次はDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)を

行います。

 

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トヨタGR系直噴エンジンのインテークバルブには、

大量にカーボンが蓄積します。

 

 

これはメーカー問わずガソリン直噴エンジンの宿命。

 

エンジンをO/Hしないと除去が出来なかったのですが、

弊社ではドライアイス洗浄を用いて完全除去が可能に。

 

 

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DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)

は唯一無二の弊社オリジナル整備。

 

 

慣れた手付きでインテーク系の部品を分解していきます。

 

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樹脂製サージタンク&スワールCバルブを分解。

 

 

ここまで分解してやっとインテークバルブが確認出来ます。

 

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インテークポート内壁には

ビッシリとカーボンが固着しています。

 

ポート最深部のインテークバルブ傘部には、

カーボンが焼き付いてカッチカチ。

 

バルブシャフト部にもカマキリの卵状にカーボンが、

モリモリと固着しているのが確認出来ますね。

 

 

 

ポートの深さは約15cmで内径3.5cmぐらいかな。

 

 

狭く深い穴の奥にカーボンが固着しているので、

手作業で除去するのはほぼ無理だったのです。

 

DSCが誕生するまでは・・・・。

 

 

s-kkkk

 

 

ドライアイス粒を圧縮空気で高速噴射。

 

熱収縮と昇華爆発力で固着したカーボンを剥離させます。

 

 

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実はドライアイスペレットは指で潰せるほど柔らかい。

 

サンドブラストのように

固いメディアを打ち付けている訳ではないので、

母材金属やゴムシール等にダメージを残しません。

 

またドライアイスは残存しても昇華して大気に消えるので、

メディアが残留する心配もゼロ。

 

 

(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)

 

DSCならキャッチコピー通りに、

最短日帰りで完全除去が可能なのですよ~。

 

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ボディーをマスキングをして、

圧縮上死点に合わせてから軽くワンショット。

 

ペレットが直撃した部分だけキレイに剥離しましたね。

 

 

 

弊社が開発した数種類ある(DSCノズルとアダプター)を、

使い分けながら複雑な形状のポート内を洗浄剥離しますよ~。

 

 

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6気筒12ポート全てキレイに除去完了。

 

バルブ形状は、ほぼ新車と同じ状態に戻りましたね。

 

 

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狭くて長いポート内径も、

全てキレイにしました。

 

 

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カーボンまみれだったスワールコントロールバルブも、

DSCでキレイにしています。

 

 

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樹脂製サージタンクはそこまで高温にならないので、

カーボンが固着する事もありませんが付着は多数。

 

 

サージタンクはDSCが出来ないので、

洗浄剤にてカーボンの粒をキレイに洗い流します。

 

 

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ガスケットは純正新品に交換して、

インテーク系の部品を組み立てますね。

 

エアエレメントは結構汚れていたので、

追加交換する事になりました。

 

 

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DSCオプション整備でもあるLLC圧送式交換も実施。

 

交換がしにくいE/G・ラジエター・ヒーターのLLCを

圧送式で全量交換しています。

 

 

交換後にはLLC再生強化剤を注入して、

エア抜き&消泡剤・防錆剤等を強化しました。

 

 

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またDSCオプション整備のスパークプラグ交換は、

NGKプレミアムRX 高性能スパークプラグで交換しました。

 

DSCと同時に実施した方が工賃が節約され経済的ですよ~。

 

 

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吸気から燃焼までの時間が短い直噴エンジンは、

燃料と空気の撹拌がキーポイント。

 

 

カーボン蓄積でインテークバルブ形状が変われば、

理想的な吸気渦の形成は難しくなるでしょう。

 

 

定期的にカーボンを除去して、

本来のエンジン性能を回復させるのがDSCなのですね。

 

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DSCやATF交換時に提案しているオプション整備の一つが、

カーエアコンリフレッシュαです。

 

弊社では人気オプション整備の一つで、

約半数の方が依頼されます。

 

 

 

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年数が経てばACの冷媒ガスは減少します。

これは消費している訳ではなく、構造上のスローリークが原因。

 

 

冷媒ガスが減ればMAXクール時に

ACコンプレッサーの稼働時間が多く、

燃費が悪くなり冷えも弱くなる。

 

 

またコンプレッサーの充填オイルも劣化していきますので、

ある程度の時期にオイルの補充強化は地味に必要なのです。

 

 

 

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どうせ補充強化するなら高品質かつ高性能なイイ奴で!!

 

弊社ではNUTEC NC-200コンプブーストを

長年オススメをしています。

 

全化学合成エステル系ベースオイルを贅沢に使用し、

潤滑性・気密性を強化します。

 

 

もちろんゴムシール等への攻撃性もなく、

安心して使える実績十分のAC系添加剤になります。

 

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低高圧のホースを接続して、

NC-200もセットしました。

 

 

規定冷媒充填量450gなので、

エコマックスjrも450gに設定。

 

あとはボタン一つで冷媒ガスの重量管理をしながら、

正確に全量回収ろ過・真空引き・再充填。

 

 

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最終的にはこういう結果になりました。

 

規定充填量450g

回収できたガス量190g

 

約260gほどガスが足りない状態で、

ACを使用していたようですね。

 

 

 

 

現在車両の冷媒ガスがどの程度残っているかは、

エコマックスjrのような機械で回収して初めて分かるのです。

 

 

AC冷媒ガスも定期的にメンテナンスを、

弊社ではオススメしています。

 

 

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3部に分けて紹介したGRS182クラウンのリフレッシュプラン。

 

今回の整備は過剰整備でしょうか?

それとも予防整備でしょうか?

 

 

個人的には今の車両は適切な整備を実施すれば、

まだまだ長く良い状態で使用する事は十分可能。

 

愛着のある愛車を長く使用したいと思われる方も多いでしょう。

 

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でも弊社がお勧めするリフレッシュプランは、

全ての自動車ユーザーに推奨する訳ではありません。

 

 

(自分の愛車をなるべく良い状態戻したい。)

(出来れば新車に近い状態に戻したい。)

というユーザーさんに対してのみにおススメしています。

 

 

 

 

過去のリフレッシュプラン事例も宜しければどうぞ!!

http://minato-motors.com/blog/?cat=12

整備予算のお問い合わせが多いのですが、

(何年何月の○○○のリフレッシュプランは

総額でいくら掛かりましたか?)と

問い合わせていただけると助かります。

 

 

 

またお預かり期間は約2週間が多いですね。

 

 

 

 

それとは別にATF交換とDSCは個別で随時受付をしており、

こちらは日帰りor1泊預かりが多いです。

御見積・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)から

お待ちしていますね。

 

 

それではHAPPY CAR LIFE!!

 

 

 

GRS180系クラウン リフレッシュプラン その2。  ブレーキ整備とホイールアライメント調整。 グリスアップも1G締付も地味な作業を確実に。

前回ブログで紹介したクラウンGRS180の

リフレッシュプランの続きです。

http://minato-motors.com/blog/?p=24211

 

 

 

クラウン GRS180 4GR-FSE直噴エンジン

走行距離95000km

 

 

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前回ブログで整備作業をした内容。

 

・問診・試運転・車両点検

・点検結果からの整備プランの提案

・ショックアブソーバー交換

・各サスペンションブッシュ交換

・ハブB/G E/Gマウント交換

 

 

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それに続いてブレーキ関係をO/Hしていきますね。

 

キャリパーを外してピストンを抜き出します。

 

 

 

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ピストンを抜き出すと、

グリスと錆が固着していますね。

 

 

キャリパーをO/Hせずにパッド交換のみで、

このままキャリパーにピストンを押し込むとどうなるか?

 

 

高確率でシールとピストンが引っ掛かり、

スライド出来ずに異音や片効き・引き摺りの原因に。

 

 

 

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パーツクリーナーとウエスで固着したグリスを除去しましたが、

ゴビり付いた汚れはそれでも取れないのです。

 

 

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こんな時は超微粒子のコンパウンドで磨き上げ、

ピカピカにして復活させます。

 

 

サンドペーパー等で擦るとメッキにダメージを受けますので、

優しくコンパウンドで磨くのが正解。

 

 

ちなみに深い傷等があれば、

これは使用不可・新品交換になりますよ。

 

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手で触っても汚れが付かないほど、

キャリパーを徹底洗浄します。

 

 

ピストンシールやダストブーツを装着する時は、

グリスまみれで作業をします。

 

その時にキャリパーが汚れていると、

ビストンに異物が付着するので洗浄は非常に重要なのです。

 

 

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組付けた時にはキャリパーを出し入れして、

シールを馴染ませます。

 

 

最初は固いのですが数回すると馴染むので、

大きなストロークで出し入れして(馴染ませ作業)を実施。

 

 

 

このようにO/Hをすると

ピストンは指で押すだけで入っていきます。

 

O/H前は工具で押し込まないといけないぐらい

ピストンの動きが渋いのですよ。

 

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キャリパーとパッドを支えるホルダー側もリフレッシュ。

 

 

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通称(ブレーキパッドの耳)を保持する部分は、

金属製の金具があります。

 

ここにグリスを塗る整備工場が多いですが、

私はここを真鍮ブラシでキレイにするだけです。

 

 

グリスにブレーキダストが混じると、

粘度が固くなるんですよね~。

(またグリス自体も熱劣化で硬化しますし。)

 

 

 

パッドがスムーズにスライド出来ないと、

微妙なクリアランス調整が出来なくなり、

最悪固着するので私は塗らない派ですね。

 

 

 

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キャリパーのスライドピンとブーツも抜き取り、

ホール内部に残る古いグリスを洗い流します。

 

古いグリスをそのままにしてグリスアップだけにすると、

スライドピンの動きが渋くなり本来の性能が発揮できない。

 

 

横着せずにブーツを外して、

ブラシとパーツクリーナーでゴシゴシ洗浄。

 

 

 

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ピンのブッシュも交換して、

ブレーキグリスをピンに塗ります。

 

グリスを薄く延ばしてピンをホールに差し込み、

ホール内部にもグリスアップ&ブーツ交換。

 

 

ここで使うグリスは低粘度のブレーキグリス。

 

あとで登場するWAKO’Sの高粘度グリスを使うと、

ピンのスライドに弊害が出るので要注意。

 

適材適所にグリスを使い分けます。

 

 

またピンへのグリス塗り過ぎによる、

ホール内にグリス過充填もNG。

 

なんでもホドホドが良いのです。

 

 

 

 

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ブレーキパッドも交換しますね。

 

まずはパッド裏にあるバックシムを外します。

 

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シムとシムの間には本来グリスが充填されていますが、

画像を見るとほぼグリスが無いですよね。

 

 

擦れ合うシムの間にあるグリスが熱劣化で硬化し、

擦れている間に粉々になって無くなる。

 

恐らく長い間グリスアップを未実施だったか?

耐久性の低いグリスを使用していたか?のどちらかかな。

 

 

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シムに付着する硬化した旧グリスを洗浄し、

高性能高粘度ブレーキパッドグリスを使用します。

 

 

かなり粘度が高いパッドグリス(WAKO’S BPR)を

シムとパッドの間に薄く適量シムに塗りますね。

 

 

ハミ出ない程度で隙間が無いように、

シム全面に指で美しく塗るのですよ~。

 

 

私がブレーキパッドにグリスを塗るのはここのみ。

(それ以外は一切グリスは塗りません。)

 

 

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ディスクローターを研磨機にセットして、

両面を薄く少ない回数で削ります。

 

 

 

ローター研磨ってガッツリ削っているイメージがありますが、

実際は薄っすら削るのみ。

 

なるべく少ない回数で確実に均一にしてあげれば良いので、

無暗に削り過ぎても良くないのですよ。

 

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波打ってレコード盤状になったローター面を、

キレイに研磨していきますね。

 

 

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前後4枚 研磨完了。

最後に耐熱温度600℃の耐熱塗装でフィニッシュ。

 

 

新品同様のディスクローターになりましたね。

(むしろ中古ディスク研磨の方が新品よりイイんですけど。)

 

 

 

ここまで実施して車体に組付けます。

ハブにローターを組付けてダイヤルゲージで振れ確認。

ブレーキフルードを交換してエア抜き作業を実施。

 

 

 

キャリパーをO/Hしてディスクローターを研磨し、

適材適所のグリスでパッドも交換する。

 

余分な意味のない箇所にはグリスは塗らない。

 

 

そうすれば異音や振動のないブレーキングが

出来る車両に戻りますよ~。

 

 

宜しければ新車のブレーキパッドを見てください。

不必要な箇所にグリスは塗っていないはずです。

そして音も振動もしないはず。(ただし国産車に限る)

 

 

逆に言えばディスクローター研磨もせず、

キャリパーのO/Hも実施せずにパッドだけ交換すれば、

異音や片効きなどが発生する確率は高いと思います。

 

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前回ブログで実施したサスペンション整備と、

ブレーキ整備が完了したのでタイヤ取り付け。

 

リフトダウンしアライメントリフトに移動します。

 

 

ブッシュやショックを交換したので、

必ず実施するのが1G締付作業。

 

 

 

4輪が平行な路面に着地した状態で、

仮止めしたブッシュボルトを一度緩めます。

 

ブッシュの不要なテンションを開放して、

もう一度締め付けを行います。

 

これが1G締付でサスペンション整備の必須作業。

 

 

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重要なのは4輪が等しく車重が掛かっている事。

 

前輪だけ、後輪だけと車体を斜めに持ち上げて、

リフトアップしても意味がない。

 

走行時と同じように4輪均等に車重を掛けるには、

アライメントリフトでないとなかなか難しいでしょうね。

 

 

そこから試運転をしてショック・ブッシュを馴染ませます。

そしてホイールアライメント調整を行いますね。

 

 

 

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ハンター社最新鋭アライメントテスター ホークアイWA470

高精度 4センサー X 軽量樹脂クランプ式4ターゲット

 

 

イヤサカ社ビシャモン マルチアライメントリフト ロング

 

 

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GRSクラウンはFrとRのトウしか純正調整機構がありません。

(基本的にはFrキャンバーやキャスターは調整不可です。)

 

 

ですが弊社ではクレイドル調整を行い、

本来調整が出来ない(Frキャンバー・キャスター)も、

出来るだけ左右のバランスを整えて調整しています。

 

 

 

 

今回もほぼほぼ完璧な数値になりましたね。

(左右差10分以内に入れば上出来でしょう)

 

 

 

こんな感じで進行するリフレッシュプラン。

まだまだ続きますよ~。

 

 

次回ブログではDSCとATF交換等を紹介しますね。

それではHAPPY CAR LIFE!!

 

 

 

GRS180系クラウン リフレッシュプラン その1。  弊社のリフレッシュプランはこんな感じで進めています~。

10年10万キロ走行した愛車を、

もう一度新車時に近い状態まで戻すリフレッシュ整備。

 

弊社では(リフレッシュプラン)とアナウンスしています。

 

 

外装・内装は別ですがエンジン・AT・ブレーキなどは、

正しい整備を行えば十分新車時に近い状態に回復するのですよ。

 

 

 

ですがこのようなリフレッシュ整備をバラバラに、

計画性も無く行っていませんか??

 

 

無計画にその場限りの整備を実施しても、

いつまで経ってもコンディションは回復せず、

距離相応の愛車のまま・・・。

 

 

 

普段の簡単な保守整備はその都度で良いのですが、

ある程度走行距離が進んだ車両には

違うアプローチで全体を整備しないと無駄が多いんですよね。

 

 

 

今回は愛知県からお越しいただいたGRS180系クラウンで、

リフレッシュ整備の内容をご紹介したいと思います。

 

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トヨタ クラウン GRS180

走行距離95000km

リフレッシュプランのご依頼でメール相談をいただきました。

 

 

愛車の不満点・不具合点・ユーザー希望整備

・曲がる際にフラついて安定しない。

・高速でアクセル操作やブレーキが安定しない。

・エンジン始動時・アイドリング時の振動。

・変速ショックが大きい時がある。

 

・車両状態はほぼノーマルでオイル交換は定期的に実施。

・あと10万キロは使用したい。

 

 

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今回の整備予算をお聞きして

ある程度の整備の方向性を説明し、

予約入庫となりました。

 

 

今回はサスペンション系のリフレッシュ整備をしますので、

交換予定の部品は前金をいただいて先行発注しています。

 

 

サスペンション系の部品は部品点数が多く、

1つでも欠品があると作業が進まないので、

ご協力お願いしています。

 

 

エンジン・AT・ブレーキなどは交換機会が多いので、

メーカー欠品も少なく点検後の発注で間に合いますので

ご安心ください。

 

 

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入庫後にはまず問診を行います。

 

メールでは伝えきれなかった不具合点をお聞きして、

整備内容などを確認しています。

 

 

問診が終われば代車をお貸しして、

お車をお預かりします。

(代車全車 ETC・ナビ・スタッドレス付)

 

 

弊社には遠方から依頼される方が多いので、

鉄道・新幹線・飛行機などで帰られる方も多いですね。

 

 

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試運転をしてコンディションをチェック。

 

エンジン整備の基本 排気ガスの状態を確認します。

 

アイドリング時ではCO・HCともにゼロ。

CO2の数値も問題なし。

 

 

現状ではアイドリングの低回転時には、

E/G燃焼状態は良好ですね。

 

高回転時での測定方法が無いので、

また良否は別になります。

 

 

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次に事前ホイールアライメントを測定します。

 

オーナーさんが感じた違和感等を、

アライメント数値から確認しますね。

 

この時に振り切るほど数値が乱れていれば、

サスペンションのアーム曲がり等の可能性もありますよ。

 

 

 

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今回の車両はワンオーナーで

事故歴等も無し。

 

 

ですが中古車購入の場合は過去履歴が全く不明なので、

遠回りのようで近道の点検整備を心掛けています。

 

 

 

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アライメントリフトから整備リフトに移動。

 

タイヤ・E/Gカバー等を外して、各機関を点検します。

 

 

点検結果と不具合点等を考慮して、

整備プランを計画しプラン見積を行います。

 

 

その時に必要なのが(整備予算)

 

予算に対してどのような整備がベストか?

(もしこの車が私の愛車なら、

限られた予算でどう整備するか?)

 

 

 

メール相談時には車種や走行距離に合わせて、

(お引き受けする整備予算の下限)をお知らせしています。

 

 

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10年10万キロ走行した車両を

ガッツリとリフレッシュ整備するのは相応の費用が掛かります。

 

 

少なすぎる予算では当然妥協する整備が多くなり、

(ミナト自動車に依頼した割には良くならなかった)

となるでしょう。

 

 

 

整備工場側としては言いにくい部分ですが、

現実的な予算は初めに案内をさせていただいています。

 

(相談内容と車種・走行距離・年式から判断して、大体〇〇万円位は予算が必要です。)

 

 

今回紹介する整備も部品代だけでも何十万円もするので、

こればかりは仕方がないですね。

 

 

 

 

整備プランの御見積を提示し、

メール or TELにて点検結果・作業内容を説明します。

 

 

予算に収まるように多少修正しながら、

OKがいただけましたので作業を始めますね。

 

 

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フロントショックアブソーバーや

ブレーキ・ハブ等を分解します。

 

 

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今回のショックアブソーバーは

カヤバ エクステージをチョイス。

 

この車両はAVS無しだったので

手動減衰調整が出来るタイプを提案しました。

 

スプリングは再利用でそれ以外のバンプや

ゴムシート等は全て交換します。

 

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ショックのシャフト上部にあるダイヤルを回して、

お好みの減衰調整が可能になりました。

 

 

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リアのショックアブソーバーを確認すると、

オイル滲みがありますね。

 

アブソーバーのオイル漏れでは、

適正な減衰性能を発揮する事は難しいでしょう。

 

 

仮に漏れていなくても距離年式から判断して、

充填ガスは確実に少なくなっていると思います。

 

 

この状態ではコーナリング時に不安定になるでしょうね。

 

 

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リアも同じくスプリング以外の消耗部品は全て交換します。

 

 

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フロントのハブベアリングを交換して、

負荷が一番掛かるFrロアアーム・リアブッシュも交換しました。

 

 

GRS系で単品アームブッシュが供給されているのは、

このリアブッシュASSYのみになります。

 

(それ以外は高額なアームASSYでしか部品が出ない)

 

 

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前後のスタビライザーブッシュも交換しますね。

 

 

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エンジンの振動を吸収するエンジンマウントインシュレーター。

 

FRの場合はE/G左右&ATの計3点で支えているので、

こちらも全数交換しますね。

 

 

 

この場合エンジンとサブフレームの間にあるマウントを

どのようにして外すか?を選択するのですが・・・。

 

 

弊社ではエンジンハーネスやホース類に負荷を掛けない、

サブフレームを降ろす方法で交換しています。

 

 

サブフレームはそのままでE/Gを持ち上げてスペースを作ると、

周辺のハーネス類が引っ張られて破損する可能性が高い。

(すぐには気が付かないが破損した部分が、

のちの不具合原因に・・・)

 

 

サブフレームを下げる方法だと安全確実に交換が可能。

その代わりにホイールアライメント狂いますので、

再調整は必須になります。

 

 

今回は最後にホイールアライメント調整をするので、

そこは気にしなくてもイイんですよね。

 

 

 

 

こんな感じで進むリフレッシュプラン。

 

次回ブログでも引き続き紹介しますね。

・ブレーキキャリパーO/H ローター研磨。

・ホイールアライメント調整

・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)

・ATF完全圧送式交換&デフオイル交換

 

それではHAPPY CAR LIFE!!

 

 

 

 

ランドクルーザープラド KDJ95W 加速不良・トルク不足でドライアイス洗浄。 DSCで煤を完全除去しました~!!

徳島県からお越しいただいたのは

ランドクルーザープラド KDJ95W

1KD-FTV ディーゼルターボ 走行距離24万キロ

 

 

DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)

のご依頼です。

 

 

DSCは弊社が開発した唯一無二の特殊整備。

 

ドライアイス洗浄機を用いて

ガソリン・ディーゼル各エンジンの吸気系に

蓄積するカーボン(煤)を完全に除去する作業です。

http://minato-motors.com/dsc/

 

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お問い合わせフォームからメールで

下記の内容をご相談いただきました。

 

・約900kgほどのキャンピングトレーラーを牽引しており、

登坂時にはパワー不足が顕著。

 

・牽引していない時はトルク感は薄いが

120km/hぐらいは出る。ただ力強さは感じられない。

 

・燃料系添加剤等を試すがあまり効果は無く、

インジェクターや噴射ポンプは交換済み。

 

・地元ではターボやその他補機類の不調では?と

アドバイスを貰いましたが、決め手に欠ける。

 

・吸気系の煤蓄積の可能性が気になるので、DSCを依頼したい。

 

 

 

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予約来店をしていただいて問診をしました。

 

以前はグイグイ牽引しながら登れていた坂道が、

最近はローまで落とさないと登れないそうです。

 

また高速走行の加速時も走行レーンのスピードに

到達するまで時間と距離が掛かる。

 

 

 

 

市街地走行では問題が無いそうですが、

トルクを必要とする走行をすると

物足りない走りになるようですね。

 

 

 

最新クリーンディーゼル搭載車ではないですが、

EGRは積極的に使用しているエンジンなので、

煤蓄積の可能性はあると思います。

 

 

お預かりをして試運転をし、作業を始めますね。

 

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インテークマニホールドを外す為に燃料ラインを切り離し、

吸気系部品を分解します。

 

 

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排気ガスはエキゾーストマニホールドを経由して

マフラーから排出されますが、

一部の排気ガスをシリンダヘッドの反対側にある

インテーク側にあえて戻します。

 

 

高温の排気ガスを水冷EGRクーラーで冷やして、

吸気系統にあるEGRバルブの開閉で流入させる。

 

EGR=排気再循環 NOx軽減や燃費向上の為の手法です。

 

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EGRは排気ガスのCO2を利用しますが、煤も混じっています。

 

エンジンから出てスグのEGRクーラーのパイプには、

ご覧のようにほぼ煤蓄積はありません。

 

高温高圧なのでここでは煤はサラサラで、

あまり蓄積しないんですよね。

 

 

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こちらがEGRバルブ。

少しづつ蓄積が始まっていますが許容範囲。

 

過給新気に含まれるブローバイオイルが、

低温で煤と混じるので徐々に固着が始まります。

 

 

 

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インテークパイプとインテークマニホールドとの間にあり、

過給新気は画面手前から奥に流れます。

 

EGRが必要な時は赤矢印のシャフトは伸縮し、

赤い部分のバルブが開閉します。

 

バルブが開くと青矢印の方向からEGRが流入し、

エンジン燃焼室にEGRガスが流れます。

 

 

 

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流れた先のインテークマニホールドは、

こんな感じで酷い煤蓄積。

 

酷い所だと厚みが約10mmほど蓄積しており、

平均8mmぐらいの煤蓄積がありました。

 

 

燃焼室に近づけば温度も上がり、

オイルと煤が強固に固まっていきます。

 

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次はエンジンシリンダーヘッド側の吸気ポートを確認します。

 

 

 

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こちらもインマニ同様に凄い蓄積量ですね。

 

吸気経路の25%ぐらいは細くなっているので、

吸気抵抗が掛かり吸気がしにくい状態でしょう。

 

 

 

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吸気ポート奥にあるインテークバルブは、

辛うじて確認出来ました。

 

 

煤に覆われて目視しづらいのですが、

バルブシャフトや傘部に大量の煤が固着しています。

 

 

 

空気を吸ってナンボのディーゼルエンジンで、

吸気系に過度の抵抗があると吸気充填率は落ちる。

 

そしてE/Gパフォーマンスはガタ落ちになります。

 

 

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ドライアイス粒を圧縮空気で高速噴射。

 

昇華爆発力と熱収縮で固着した煤を除去します。

 

 

柔らかいドライアイスペレットは指で潰せるほど柔らかく、

エンジンの金属やゴム類にダメージを残す事はありません。

 

(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)

DSCで除去作業を始めます。

 

 

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マスキングをして完全防備。

 

軽くワンショットしてみましょうか。

 

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ドライアイスが直撃した部分だけ煤が剥離しました。

 

弊社が開発した複数あるDSCノズルと

各アダプターを使い分けて、

複雑な形状のポート内の煤を全て除去しますね。

 

 

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他のエンジンと比べてポートが曲がりクネっているので、

見た目以上に大変で多くの時間が掛かりました。

 

 

ですが吸気ポート内はほぼ新品同様にキレイになりましたね。

 

目視では見れないシャフト裏や傘部も、

DSCで完璧に除去をしています。

 

 

 

 

煤塊が残ってバルブシートに挟まると、

圧縮不良になってしまいますので要注意。

 

 

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インテークマニホールドも手作業でホジホジし、

ある程度の煤を取り出します。

 

 

オイル混じりの煤なのでサラサラと言うよりかは、

ベタベタ・ベチョベチョな感じです。

 

そこからドライアイスショットで、

こちらもキレイにしますね。

 

 

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EGRバルブと吸気シャッターバルブもDSCで洗浄しました。

 

 

 

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水冷EGRクーラーも洗浄して、

各ガスケットは純正新品に交換します。

 

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フューエルデリバリーパイプ内の洗浄して、

元の状態に組付けます。

 

 

ここから企業秘密の部品をゴニョゴニョっと交換して、

冷却水を注入しエンジン始動させます。

 

 

 

DSCの作業は完全非公開で見学も不可になります。

 

その代わりに写真は大量に残していますので、

納車時にお見せして説明をさせていただいています。

 

 

DSCは企業秘密の部分が多いので、

お見せ出来る部分だけはブログで公開しています。

ご理解の程宜しくお願いします。

 

 

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DSCと同時にATF完全圧送式交換も依頼されました。

 

こちらも試運転後にATFの状態をチェック。

 

(オイルパン洗浄・ストレーナー交換一式)も行い、

ATF圧送式交換を始めます。

 

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まずはNUTEC NC-RF リンシングフルードで、

全量イッキに交換しますね。

 

 

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本命ATFはNUTEC ZZ51改 全化学合成ATF (エステル系)

 

100%化学合成エステル系基油を、

贅沢に使用したハイパフォーマンスATF。

 

 

トルクフルな走行を目指すクロカン系・ハイエースバン系に、

弊社ではZZ51改をオススメしています。

 

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ほぼほぼ完璧に入れ替わりましたね。

 

ATFクーラーを洗浄してレベル調整を行います。

 

ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は

約5万キロになります。

 

 

 

試運転をして漏れや締付等を

最終チェックし納車となりました。

 

 

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オーナー様からレビューをいただきましたので公開します。

 

早速ですが、帰路での感想をお知らせします。
いろいろと試してみたのですが、かなり改善されていると思います!
新車当時の様子は分からないのですが、感覚的には、(エンジン・ミッション)については、
パワー感やシフトフィールは、限りなく新車に近いパフォーマンスなのではないでしょうか?
もちろん、振動や音などのガタは来ていると思いますが、懸念していた坂道でのパワー感に
全く不安はありませんでした。
100km/hからの加速も、以前なら、頻繁にキックダウンを繰り返し、回転数のみ上がって
速度が付いてこない感じでしたが、アクセルをぐっと踏み込むと、それに合わせて
グングン加速するイメージです。気が付けば言えないスピードまで一気にという感じ…
アクセルのつきが良いという感じです。
今までは、なかなか、追い越し車線で流れをリードするような走りはできなかったのですが、
昨日は、かなり楽しく走れました!

 

 

肝心の牽引時登坂走行のレビューもいただきました。

 

今週末、牽引での登坂テストを実行してきました。
結果は◎ですね!
高速道路までは走られていませんが、近所のよく似たところで試してみました。
0スタートからの加速、登坂中80km/hくらいからの加速、いずれも満足です!
その後、小さな山を登ってみました。
今までなら、1速まで落とさないと登らない(もちろん、20km/hも出ない)程度の坂道をグングン加速していきます!
一度スピードに乗ってしまえば、その後もスムーズに走らせることができました!
さらに、まだ十分なデータとは言えませんが、燃費が上がっている気がします。
大阪からの帰り道、30リットルを給油していつもなら7.5km/l程度ですから、まぁ、200㎞は余裕で走れるなと思ったのですが
結局、300㎞以上走りました。
その後、満タンにしてみたところ、トータルは8km/lでした。これでも今までにない数値です。
完全に満タンにしての0からの燃費計測も、結果がどうなるか楽しみですね!もしかしたら、8~9km/lくらいに伸びるかもしれません。
そうなると、15%前後の改善になりそうです!

いずれにしても、大満足な結果となりました。

 

 

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ランドクルーザープラドの1KD-FTVエンジンなんて、

50万キロ走行できる頑丈なエンジン。

 

適材適所の正しいメンテナンスを行っていれば、

まだまだ十分使用できるのですよね。

 

 

また同型エンジンを搭載しているハイエースに比べて、

エンジンルームが広いのでDSCが可能になりました。

 

ナローボディーのハイエースではエンジンルームが狭く、

エンジンを降ろさないとDSC作業はチョット厳しいでしょう。

 

 

 

DSCの御見積・ご予約は

HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。

 

どうぞ宜しくお願い致します。

HAPPY CAR LIFE!!