スバル レガシィー ランカスター6 リフレッシュプラン。 スバルのリフレッシュプランも解禁しました~。(条件付きで!!)
全国各地から依頼を受けている弊社のリフレッシュプラン。
(もしこの愛車が私のクルマなら、
限られた予算でどのように整備をするか?)
そんなテーマでお客様の愛車の
リフレッシュ整備を提案しています。
http://minato-motors.com/blog/?cat=12
ここ数年のリフレッシュプラン事例を見れば、
すでにお気付きかもしれませんが、
実はあるメーカーの車はリフレッシュプランを
お断りしていました。
それはスバル(富士重工)の車両。
弊社は小人数での営業しており、
整備リフトや保管スペースも限りがあります。
毎週決められたスケジュールで続々と入出庫する
リフレッシュプラン依頼車両。
決められた作業スケジュール進行で一番困るのが、
部品の欠品や入荷待ち時間などの作業中断。
近年はスバル純正部品の供給体制が他社より悪く、
正直なかなか部品が届きません。(それに休みも多い)
メーカー在庫アリの追加発注した部品が手元に届くまでに、
タイミングが悪いと5日ほど掛かる時もあります。
トヨタなら翌日もしくは翌々日、スバルなら5日掛かる。
この差は大きく困っていました。(スケジュールが組めない)
それでもスバル車のリフレッシュプラン依頼は増え続け、
何とかならないかなぁ??と思っていました。
(イイ車が多いし、リフレッシュしたいのになぁ~と)
そこである条件であれば受け入れを解禁してみました。
・整備予算は多めにある。(ガッツリ整備したい人向け)
・サスペンション、ハブ、Dシャフト等は全整備希望する方。
サスペンション等の下回り/足回り系の部品は、
部品点数が多いのである程度一式で部品発注します。
あらかじめ交換する部品をワンセットで事前発注し、
それらを交換している間に追加部品が届く。
部品待ちの無駄な時間を少しでも減らせば、
部品供給の悪いスバル車でも
なんとか対応出来そうだと判断しました。
三重県からお越しいただいた横浜ナンバーの
スバル レガシィー ランカスター6
BHE 6気筒EZ30 走行距離33万キロ
メールからご相談いただいて事情を説明し、
予約入庫していただきました。
車両の不満点/改善点
・E/Gの振動が大きい
・高速走行でのカーブが不安定。
・ACが効かない事が数回あり。
・ブレーキの効きが甘い。
まだまだ長く使用する予定で、
予算を掛けてリフレッシュ整備を希望されました。
試運転をして排気ガステスト。
エンジン系は既に整備済みが多いので、
燃焼状態は良好でした。
(オイル漏れも無く、点火系・センサー系も交換済み)
そこから事前ホイールアライメントを測定します。
フロントキャンバーとスラスト角が乱れていますね。
一見そこまで酷い数値ではないですが、
乗り心地はあまり良くないのがファーストインプレッション。
リフトアップしてタイヤを外し、
エンジンや冷却ライン、下回り・足回りなどを、
点検していきます。
点検結果から予算に合わせた整備プランの提案。
オーナーさんと協議しOKがいただけたので、
順番に作業を紹介しますね。
まずは予定していたサスペンションや下回り系を分解します。
事前ホイールアライメント測定では、
そこまで酷い数値ではありませんでしたが、
分解してみるとFrロアアームのリアブッシュが
完全に破断していました。
いくらホイールアライメントを調整しても、
肝心のブッシュが破損していれば無意味ですよね。
新品ブッシュに全交換します。
ロアアームフロントブッシュは位置決めをして、
油圧プレスで圧入交換。
フロントハブナックルもリフレッシュ。
ベアリングやボールジョイント&シール等も交換しますね。
ショックアブソーバーは純正品が高額なので、
少し安価のカヤバ製で対応しました。
マウントやベアリング、バンプ等も、
もちろん新品にて交換です。
また走行距離も多いのでスプリングも一緒に交換しました。
エンジンマウントもサブフレームを外して交換します。
ATマウントやストッパーロッドも同時交換、
ちなみにATマウントは完全にブッシュが破断していました。
これではエンジンなどの振動が吸収出来ないですよね。
リアのサスペンションアームブッシュも全交換しますね。
ナックル、アーム類、ドライブシャフトなどを、
車体から外していきます。
リア側はマルチリンク式なので、
ブッシュの数も多いですね。
幸いスバルはブッシュのみの部品設定が多いので、
個別にブッシュを打替えし全数交換しますね。
こちらもブッシュの位置決めがあるので、
印を付けてから交換しますよ~。
セルフレベリング機能付のリアショックアブソーバーも
カヤバ製でリフレッシュ交換。
フロント同様にスプリングやマウントも同時交換しました。
前後のドライブシャフトをリフレッシュ。
硬化したブーツや劣化したグリスを入れ替えますね。
リア側はフロントに比べて劣化度は低いのですが、
年式と走行距離を考慮してリフレッシュを提案しました。
スタビライザーのブッシュやリンクロッドも、
新品に交換しました。
リアハブベアリングも圧入交換します。
油圧プレスと治具でハブを分解し、
インナーレースをさらに外します。
新品ベアリングをプレスで圧入しました。
ブレーキ関係もリフレッシュ。
ディスクローターは研磨機で再生しますね。
リア側は少し歪みがありましたが、
問題なく再生可能でした。
あまりにも歪みが酷い場合は、
再生を諦めて新品に交換しますよ。
最後に耐熱塗装でつや消しブラックに化粧直し。
ブレーキキャリパーのオーバーホール。
完全洗浄してからシール・ブーツを組み付けますね。
ピストンは磨いて装着しました。
キャリパーのホルダー側もリフレッシュ。
ブレーキホースも全数交換します。
またマスターシリンダもO/Hしました。
ブレーキパッドは制動力アップと低ダストタイプの、
DIXCEL Mタイプに交換します。
前後のデフオイルはガルフ プロガード75W90で交換します。
部分化学合成ギアオイル(LSD対応)
エンジンのメンテナンスは良好。
今回はアイドリングを安定化するために、
ISCV(ロータリーシャッター式)を分解清掃しました。
経年劣化でホースもガスケットもカチカチに硬化。
カーボンも大量に詰まっていましたね。
ATFも完全圧送式で交換しますね。
オイルパンを外して洗浄し、磁石の鉄粉を除去。
外部ATFフィルターも交換します。
オイルパンを液体ガスケットで装着し、
しばし養生します。
ATFを補充して完全暖機。
ATFチェンジャーを接続してから、
アイシンAFW+でプレ洗浄しますね。
この時点でやや汚れている程度でしょうか?
最初に排出した真っ黒のATFに比べると、
かなりキレイになりましたね。
15分間のアイドリングタイム。
もう一度AFW+で全量圧送式交換をします。
ほぼ完璧に入れ替わりました。
アイシンAFW+なら次回交換推奨距離は、
約4万キロとお伝えしています。
カーエアコンリフレッシュαで、
AC冷媒ガスをリフレッシュ。
重量管理で冷媒ガスを回収再生再充填。
NUTEC NC-200も同時注入して、
コンプレッサーの潤滑を強化します。
結果的には半分ぐらいしか、
冷媒ガスが無かったようですね。
アライメントリフトに移動して、
アームブッシュの取り付けボルトナットを1G締付。
リアは締付個所が多いので、
結構手間が掛かる作業だと思います。
でも1G締付をしないと不要なブッシュテンションが掛かり、
折角交換したブッシュが早期に劣化します。
地味な作業ですが確実に行いましょう。
黄色いテープは締付未実施の印。
1G締付後には赤ペンでマーキングしています。
そこから軽く試運転をして、
ブッシュやショックを馴染ませますね。
そしてホイールアライメントを調整します。
ハンター社 ホークアイWA470
最新鋭4カメラ搭載ホイールアライメントテスター
イヤサカ ビシャモン マルチアライメントリフト。
測定をしてみるとまだ組付けただけなので、
バラバラな数値が表示されましたね。
ショックアブソーバーを交換してブッシュを新調しても、
ホイールアライメントを調整をしなければ無意味になります。
キャンバー・キャスター・トゥはもちろんですが、
クレイドル調整でSAIと包括角度を整えて、
スラスト角とステアリングセンターをバッチリ調整しました。
最後に長めの試運転。
最終チェックを入念にして、無事納車となりました。
このランカスター6の整備歴を確認すると、
エンジン関係は十分過ぎるほど整備をされていました。
半面にシャシ系のサスペンションやマウントゴム・ハブなどは、
未整備のままで大きく劣化していたようです。
エンジン関係は常に日頃から地元で整備し、
10年10万キロを機会にリフレッシュプランで
その他の重整備を弊社では推奨しています。
ちなみに今回の整備で使用した部品代は約40万円。
入庫1か月前に前金で30万円をお振込みいただいて、
予定していた部品を事前発注。
点検して御見積後に10万円の部品を追加発注しました。
スバルの場合は同年式ぐらいなら車種は違えど、
プラットホームはほぼ共通していますので、
ある程度は一式で発注しています。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に、
お越しいただきありがとうございます。
弊社は少人数で営業している小さな整備工場です。
整備を受け入れるメーカー・車種も、
月間入庫台数も制限させていただいています。
折角メール相談いただいても
(すいません その車種は対応していないのです。)
(申し訳ありませんが他社にてご相談ください。)
とお答えする場合も多々あるのが現状です。
弊社1社で(全てのメーカー車種に対応するのは無理よね)と
基本的には思っているのでこればかりは仕方がないかな~と。
もしろ出来ないのに(出来ます!!)とアナウンスするのは、
不誠実な気もします。
どうぞご理解の程宜しくお願いします。
リフレッシュプランのご依頼ご相談は、
HPお問い合わせフォームからお待ちしています。
令和元年9月現在では
かなりの台数のリフレッシュプラン予約を受けているので、
もしかすると受付を一時中断するかもしれません。
ATF交換とDSCの年内の予約はまだ大丈夫です。
空きはまだありますよ~。
それではHAPPY CAR LIFE!!