DSCとATF交換。 180系クラウンの1泊作業。 走行距離と固着強度。
愛知県豊田市からメール相談を頂きました。
トヨタ クラウン GRS180
H16 14万キロ走行
今回は愛知県で使用していたクラウンを、
佐賀県の親族にお譲りするようになり
引渡し前にリフレッシュ整備をしておきたいと、ご相談。
愛知県から佐賀県に行くタイミングで、
大阪で1泊2日のリフレッシュ整備を依頼されました。
依頼内容
・ATF完全圧送式交換 for NUTEC NC-65
・DSC (ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
・デフオイル交換 NUTEC ZZ-32 80w120
・カーエアコンリフレッシュα for NUTEC NC-200
・法令24ヶ月点検 (ブレーキクリーニングなど)
・WAKO’S RECS レックス
ノーミスで作業すれば十分可能です。
もう慣れましたしね。
まずはDSCから作業していきます。
直噴エンジン インテークバルブ カーボン除去作業。
http://minato-motors.com/blog/?p=5905
サージタンク ・ スワールCバルブASSYなどを分解していきます。
ブローバイのオイル過流入。
内部EGRのカーボン吹き返し。
6気筒12ポートのインテークバルブの
汚れ具合を確認しますね。
何十台もGRエンジンのインテークを見てきましたが、
14万キロの走行距離でコレなら
蓄積量は少ないほうかな。
おそらく普段からメンテナンスは
きちんとされているのでしょう。
蓄積量が少ないので
これなら比較的早く終われそうだなと思いました。
ですがDSC開始一時間後には
それは間違いだったと痛感する事に・・・。
グリーンテック社ドライアイス洗浄機 (ドライアイスパワー)
DSC専用ノズルを利用して、
ドライアイス3mmペレットを高速噴射。
熱収縮 と 昇華爆発力で剥離していきます。
http://minato-motors.com/blog/?p=5921
ショットを繰り返しカーボンを除去していくのですが、
今回はなかなか落ちてくれません。
表面の柔らかいカーボンは
一瞬で吹き飛びますが、
バルブ傘部に付着したカーボンが非常に強固。
ガッチリ焼き付いて剥離しない。
試しに金属製ピックで突いても、
簡単には割れてくれない・・・。
アノ手コノ手とマル秘作業しながら、
なんとかここまでキレイにしましたよ~。
走行距離に比例して
カーボン蓄積量は増えるのですが、
同時に固着強度も増してくる。
10万キロを超えてくるとその傾向が出てくるなと、
最近感じてきました。
DSC以外の方法で
短時間でこのカーボンを除去するのは、
作業した経験者から言えば無理だと思います。
(ドライアイス洗浄機無しで作業してくれ!)と依頼されたら、
たぶん辞退するかな~。 終わらないしね。
次はATF交換に移りますね。
初期型のGRS180クラウンは
ATは6速ではなく5速になります。
試運転時に感じたのは変速ショックが、
恐ろしくシームレス。
(一瞬、コレ6速か? 5速じゃないの?)
いつも入庫する10万キロオーバーの6速ATと比べて、
段違いのグッドコンディション。
ここまで変速ショックの無い
10万キロオーバーのクラウンATは初めて。 すごいね。
ATFの状態も良く、鉄粉も少な目。
なぜシームレスな変速だったのかが、
これで分かりました。
やはり機械メンテナンスの基本はオイル・フルード交換ですね。
さすがにオイルパンガスケットは硬化して、
柔軟性は無く ヒビ割れていますね。
ATF漏れの原因になりますので交換時期でしょう。
弊社オリジナル180専用アタッチメントを接続して、
イッキに全量交換。
純正同等油アイシンAFWプラス でプレ洗浄をしてから、
本命ATF NUTEC ニューテック 『NC-65』で再圧送。
薄緑色のNC-65は色味が弱い為、色まで完全に入れ替わりません。
ですが95%以上はAFWプラスから入れ替えれたと思います。
NUTEC ZZ51改をさらに強化し、低粘度化したNC-65。
シームレスな変速が、さらに長く維持できると思いますよ。
次回交換時期は4万キロ以上になります。
次回ブログも引き続き、
クラウン180の作業内容を紹介しますね。
お楽しみに
Happy Car Life!!