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トヨタ エスティマ ACR50 リフレッシュプラン。 サスペンションやブレーキ、CVTFなどをフル整備!!

三重県からお越しいただきました。

トヨタ エスティマ ACR50
走行距離13万キロ


リフレッシュプランのご依頼です。

お知り合いの方がリフレッシュプランを実施し、
(費用は掛かるけど効果は高いよ!!)という事で、
その評判からご依頼をいただきました。


リフレッシュプランで入庫する車種でも、
エスティマ50系は非常に多いですね。
代替え車種がないのも影響しているのでしょう。

平成20年式なので12年が経過し、
あと6年20万キロまで使用したい。

朝一のブレーキの鳴りや段差通過時のボディ軋み。
ハンドルをいっぱいに切ると異音があり、
夏場はACの効きが今一つ。



メールにて予約をいただきましたが、
その頃はリフレッシュプランの予約数が急増していた頃。

数か月お待ちいただいての入庫となりました。

入庫してから問診をして、
不具合箇所や改善点をお聞きします。


次に試運転を実施し事前ホイールアライメント測定。

排気ガスを測定してE/G燃焼状態をチェックし、
リフトアップして下回り、足回りを点検します。



デジタル的な点検として
ホイールアライメント測定や排気ガステスター、
スキャンツールでECU診断にバッテリーアナライザーなど。

アナログ的な点検では、
目視点検や実際に触ってみてのガタ&ベアリング系の感触チェック。



デジタル・アナログ両面からお勧めの整備プランの制作。

今回は整備予算は多めに用意されているので、
新車時に近づける整備プランを提案したいと思います。

1・2枚目の画像を見て3枚目の画像で、
どう処置したか?が分かりますか??


以前誰かがバッテリーターミナルを脱着したのでしょう。
正しく装着されていませんね。

バッテリーターミナルの装着は、まず締付ナットを大きく緩める。
次にターミナルの隙間を広げ、端子の根元まで入るよう装着。
そこから端子のナットを締め付けると、ターミナルに隙間が出来るはず。


ナットを軽く緩めてそのまま装着すると、
浅くしか挿入できていないのでターミナルが外れる危険があるのです。


そんな事も点検しながら車両全体をチェックしています。


それでは作業を紹介しますね~。

まずは定番のリアアクスルビームのブッシュ交換。

車体からアクスルビームを外し、ブッシュを打ち替えしますね。
SSTと自社製作の治具でサクサクとブッシュを交換しました。

ブッシュの位置決めもありますので、
マーキングをしてから交換します。


簡単そうに見えますがディーラーさんでもこの作業は、
やんわり断られる場合が多いと聞きますね。


何十台もこのブッシュを交換作業をしていますが、
(日本で私よりこのブッシュ交換をしている方がいるのかな??)
作業をするたびにいつも思ってしまいます・・・。

車両の直進安定性を決めるのは、
リアのサスペンションの状態が重要。

マルチリンク式なら多くのブッシュで支えていますが、
トーションビーム式はこの2つのブッシュで全ての動きを支えているので、
非常にブッシュの負荷が大きく傷みやすい。

ブッシュ劣化破損でビーム取付部2点がフラフラ状態では
ショックを交換しても、アライメントを整えてもあまり意味がないのです。


難点は交換の難易度が非常に高く、交換工賃も高い事でしょう。
ただ整備効果は絶大ですけどね。


FF2WDの場合はリアブレーキを外して、
ハブをフリーにしてから手で回す。

この時の感触で違和感があれば、
ハブベアリングの交換をお勧めしています。

今回はやや劣化しているかな??程度でしたが、
整備予算に余裕がありましたので交換する事にしました。

ショックアブソーバーは2万キロ時に、
TRDのスポルティーボに交換。

そこから10万キロ走行しているので、
もう寿命は尽きていると思います。



今回用意したのはKYBローファースポーツ プラスKIT。
2~3cmダウンのスプリング付きでローダウンストロークの専用設計。
リアのみ14段階に減衰調整可能。


ちなみにTRDスポルティーボもKYB製でした。



フロント側もサスペンションやブレーキ系を
バラバラに分解していきます。

ショックアブソーバーからスプリングを外し、
KYBショックアブソーバーに交換しますね。

マウントサポートやダストブーツ、バンプ等も全て交換します。

ドライブシャフトもO/H。

ベアリンググリスを除去して新しいグリスに入れ替えし、
ブーツも純正KITで交換しました。

また右側シャフト中間ベアリングも同時に交換します。

フロントハブベアリングも
ナックルから外して交換します。

またロアボールジョイントも同時交換しました。

ステアリングのギアボックスからハンドル据え切り時に異音があり、
リビルト品にて交換しました。(内部の部品が供給されないので)



サブフレームを降ろさないと交換しづらいので、
サスが分解しているこのタイミングで作業した方が工賃的には安くなります。

ロアアームやエンジンマウントも全数交換しますね。

この車種のエンジンマウントは基本的にE/Gがある右側の劣化が早いのですが、
今回は左のCVT側のマウントもブッシュが破損しブラブラでした。

これではエンジンの振動を吸収できず、
ボディに伝わる不快な振動が気になるでしょう。

前後のブレーキはキャリパーをO/Hし、
ディスクローター研磨をしてパッドも交換します。

エンジンの整備は摩耗し劣化したスパークプラグを、
NGK製高性能長寿命RXプラグに交換しました。


またオルタネーターの発電状態は良好なので、
ワンウェイクラッチプーリーのみ交換し延命します。


ワンウェイクラッチプーリーが破損するとベルトの摩耗も早くなり、
異音等も発生しますのでそうなる前に対策済みプーリーに交換しましょう。



スロットルボディも清掃し初期化します。

また汚れ過ぎたエアエレメントも
燃費悪化の原因になりますので交換しますね。




サスペンションやドライブシャフト等を組み立てて、
元の状態に装着します。



並行してCVTF交換の為のオイルパン脱着洗浄を行います。
パンを外して洗浄しガスケットとストレーナーを交換しますね。

排出したCVTFを新しいフルードで補充し、
ここでCVTF系の作業は一時中断。

次は冷却水を圧送式で交換します。


ラジエターリフレッシャーでLLCを脈動圧送して、
複雑な経路内のLLCを全量交換します。


最後にLLC再生強化剤を注入して、
エア抜き作業も行いました。

また劣化したラジエターキャップも交換します。

エアコンの冷媒ガスもリフレッシュ。

デンゲン社エコマックスjrで冷媒ガスを
全自動で全量回収再生充填します。

同時にNUTEC NC-200コンプブーストで
コンプレッサーの潤滑・気密性を強化しました。


結果的には約130gほど冷媒ガスが少なかったようです。



タイヤを装着して整備リフトから、
アライメントリフトに移動。

これでサスペンションが伸びた状態から、
4輪接地したニュートラルな状態で作業が出来ます。




前後のサスペンションブッシュの1G締付は、
不要なブッシュテンションを開放し、もう一度締付します。

1G締付せずにブッシュが捩じれた状態で走行すると、
乗り心地は悪くなりブッシュ寿命も縮まりますよ~。

そこから軽く試運転をしてサスペンションを馴染ませて、
ホイールアライメント調整を行います。

組付けたままの状態ではバラバラ数値になっていますので、
走行安定性重視の数値で調整しました。

調整不可のリア側をイロイロ調整しながら、
フロント側も整えていきます。

今回はステアリングのギアボックスを交換しているので、
最大切れ角とステアリングセンターを念入りに調整しました。

なかなかいい感じに調整出来ましたね。



ここからCVTFを圧送式で交換します。
まずはNUTEC NC-RFでプレ洗浄しますね。


ここから15分ほどアイドリングタイムを置いて、
もう一度圧送式交換を行います。

本命フルードはNUTEC最高峰フルード(NC-65)
全化学合成ハイパフォーマンスフルード

ほぼほぼ完璧に入れ替わりましたね。

フルードクーラーを洗浄して規定温度でレベル調整を行いました。







試運転をして、作業した箇所を最終チェック。


数えてはいませんが100カ所ぐらいのボルトナットを緩めているので、
締付不足や締め忘れが無いかを何度も入念にチェックしています。


今回の整備もお預かり期間は2週間。

前半の1週間で作業を終えて、
残りの1週間はチェックと納車日調整にしています。
(それも複数台掛け持ちで)




(ボルトナットの締め忘れは整備士の恥)

いくら道具が整理整頓され、整備設備が整って充実し、
工場が清潔に保たれ、明朗会計でも・・・。

初歩中の初歩であるボルトナット締め忘れがあると、
全てが台無しになり、大事故に繋がる可能性がある。

人間なので生涯一度のミスも無く整備をするのは難しいが、
限りなくゼロにする努力は惜しまない。

そのためにチェックする時間は多めに確保しています。

個人的な整備必須アイテムとして、
赤いマーカーペンは手元にありますよ~。


そうなるとね、リフレッシュプランは時間が掛かり、
必然的に入庫数か月待ちになるんですよね~。
(お待たせしているお客様申し訳ございません。)




後日ユーザーさんからメールをいただきました。


昨日、今日と運転してみて、走行中の車内が静かになりました。
以前あった軋む音が気にならなくなりました。

ショックの交換というのはこういうことかと実感しましたが、
うまく言えませんが、しっとりというか、しっかりタイヤが路面にくっついてる感じがしてます。


信号待ちでも、エンジン音が静かですね。
ブレーキも、カチッと効く感じで、確かに以前と違います。
(オーバーホールしてるから当たり前ですよねー)

なんと言っても、朝一でのブレーキの鳴きがなくなったのが、気持ちよいです。

これまで、長くて10年で乗り換えてましたので、エンジンオイル以外は、メンテナンスフリーの感覚でおりましたが、

昨日、画像を見せていただきながら、そりゃ、ゴムは劣化するわなぁ、とか、あらためて、長く乗るためにはメンテナンスの必要性を感じたところです。しばらくは、お世話になることはないかと思いながら、また何かありましたら、よろしくお願いします。

今回は、どうもありがとうございました!


リフレッシュプランのご依頼は、
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!

2020年7月26日

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