徳島県からACR55W エスティマ リフレッシュプラン。
10年10万キロ以上走行した車両にオススメしている
提案型整備(リフレッシュプラン)
(リフレッシュプランとは??)
http://minato-motors.com/blog/?p=21674
今回リフレッシュプランを依頼されたのは
徳島県 エスティマ H18年 ACR55W 走行距離15万キロ
普段の整備は地元ディーラーさんにお願いしているそうです。
地元ディーラーではあまり薦められない整備を中心に、
予算に合う最適な整備プランを提案させていただきました。
メールでの相談内容はこんな感じでいただきました。
・あと4年はこのエスティマを使用したい。
・フワフワ感が酷く、妻が車酔いをします。
・E/Gからの振動が車体に伝わり、冷間時は特に酷い。
・冷間時から暖機完了までの間にキュルキュル異音がする。
・ブレーキの効きが甘く、コントロールがしにくい。
試運転をするとサスペンションの劣化と
停止時の微振動は現状確認が出来ました。
謎のキュルキュル音は症状が再現できず不明ですが、
この後の点検で診断しましょうか。
エンジン整備の基本 排気ガステスト。
CO、HC、CO2ともに良好ですね。
事前ホイールアライメント測定では、
フロントは左右差が大きく、リア右トゥも過大。
リフトアップをしてタイヤを外し、
車両全体を点検します。
車両状態と予算を考慮しながら、
オススメの整備プランを提案させていただきました。
それでは作業内容を順番に、
紹介していきますね。
冷間時に鳴る謎のキュルキュル音。
あいにくお預かりした期間は暖かい2週間だったので、
冷え込みも無く異音の現状確認は出来ませんでした。
ニュアンスから判断して、
おそらく補機ベルト系からの音か?
ベルトとテンショナーは問題ないようなので、
オルタネーターのワンウェイクラッチプーリーを確認。
プーリーの動きが怪しいので、
おそらくビンゴでしょう。
正回転ではロック、
逆回転ではフリーになるW/Cプーリー。
プーリーキャップを開けると磨耗粉がドッサリ、
クラッチ部が破損していました。
純正対策品の新しいプーリーに交換しますね。
効きの甘いブレーキを点検していきます。
フロントはローターの焼けが不均一で、
裏面は錆で段付き磨耗。
リアブレーキもこんな感じで、
ブレーキパッドの当たりと焼けが酷いね。
これではミニバンの車重を止めるのは難しいでしょう。
ディスローターは研磨にて再生し、
耐熱塗装で化粧直し。
研磨と言ってもガッツリ削っている訳ではないのですよ~。
表面の軽く研磨し、表面の歪みも取りました。
キャリパーも完全洗浄からO/Hして、
シール・ダストブーツを交換します。
ブレーキパッドもWAKO’S BPRグリスを使用して
前後交換しますね。
サスペンションをリフレッシュ。
今回のショックアブソーバーには
カヤバ ニューSR-Sをチョイスしました。
スタビライザーのブッシュとリンクロッド交換
ロアアーム&ボールジョイントはASSYで交換します。
リアはアクスルビームのブッシュ交換。
バックリ裂けたブッシュを圧入交換しますね。
トーションビーム式のリアサスペンションは、
大きなブッシュ2個で車体と結合されています。
前後左右上下に揺れるビームの動きを、
2個のブッシュで負担しているので、
8万キロぐらいが限度でしょう。
位置決めをしてからSSTを利用しブッシュを打ち抜き、
新品ブッシュを圧入していきます。
デフキャリア・ブッシュASSYと
スプリングインシュレーターも同時に交換しますね。
乱れた事前アライメント数値から、
ある程度予想して適切なシムを選択。
SPC社のリアシムをハブとビームの間に挟む事で、
ハブ取り付けに任意の角度を付けれます。
それによりリアトゥとキャンバーを調整し、
スラスト角も整えます。
6種類あるシムから経験則で、
ベストのシムを選びました。
どうなるかは最後のお楽しみ。
リア ショックアブソーバーもカヤバで交換します。
車体に伝わる微振動には
エンジンマウントインシュレーターを全数交換。
特に右と左のマウントは劣化が激しく、
E/G振動を吸収できなかったようですね。
そして電子制御スロットル清掃し学習値初期化。
アイドリングの安定化にオススメです。
LLC・オイル・フルード系も交換します。
全量交換が難しいLLCも、
圧送式交換でキレイに入れ替えます。
劣化したラジエターキャップを交換して、
LLC再生強化剤を注入しエア抜き作業。
ブレーキフルードも交換しました。
CVTFはオイルパンを外して洗浄し、
CVTFクーラーも洗浄します。
国内非売品の純正ストレーナー交換。
某ルートから極秘に取寄せしています。
そこからアイシン製CVTFの(CFB)で、
全量圧送式交換を行いました。
奥に見えるのが新油モニター
中央ビーカーが廃油
手前が交換後のフルードです。
規定温度で油量調整を行いました。
デフ/トランスファ のギアオイル交換。
(ガルフ プロガード75W90)
カーエアコンリフレッシュα
for NUTEC NC-200 コンプブースト
ACコンプレッサーオイルも補充し
冷媒ガスも再充填します。
アライメントリフトで1G締め付け。
Frロアアームやリアアクスルビームの取付ボルトは、
リフトアップ状態で締付けると
ブッシュに不要な捻れが発生します。
そしてこの捻れが交換したブッシュの寿命を縮め、
乗り心地も悪化させます。
4輪が接地した状態でボルトを緩め、
再マシ締めしてあげるのが正解。
組み付けしてから時間が経つと忘れるので、
1G締付する箇所には黄色いテープで目印をして、
締付後には赤いペンでマーキングしています。
そこから軽く試運転をし、
サスペンションを馴染ませてから
ホイールアライメントを調整しますね~。
ハンター社 ホークアイWA470
最新鋭ホイールアライメントテスター
イヤサカ ビシャモン アライメントリフト
特注ハンターレッド ロングバージョン。
固定式のリアアクスルビームにはシム調整。
フロントはクレイドル調整でSAIとキャスターを整えて、
キャンバーとトゥを微調整。
最後にステアリングセンターを、
(Win Toe調整)でドンピシャに合わせます。
最終的にはココまで調整し、
バランスを整えました。
調整機構が少ないエスティマで、
極力左右差15分以内に収めてみました。
最後にもう一度長めの試運転。
いつもの市街地コースを走行して、
車両状態を確認します。
サスペンションの揺れやエンジンの微振動、
キュルキュル異音やブレーキの甘さも無くなり、
本来の50系エスティマに戻ったと思いますよ。
引取時には画像を交えて作業内容を説明し、
今後の整備課題点もお伝えしました。
お預かり期間は約2週間。無事納車となりました。
数日後にレビューメールを
いただきましてありがとうございます。
4年とは言わずまだまだ長く使用できると思いますよ~。
それではHAPPY CAR LIFE!!