和歌山県からエスティマACR30 リフレッシュプラン。 足回り・ブレーキ中心に整備しました。
和歌山県からお越しいただいたのは、
トヨタ エスティマ ACR30
H16年 走行距離11万キロ
リフレッシュプランのご依頼です。
以前にATF完全圧送式交換でご利用いただいて、
今回で2回目のリピート来店です。 ありがとうございます。
まだまだこのエスティマを使用したいので、
サスペンションを中心としたリフレッシュを希望。
こんな感じでメールを頂いてから、
事前部品取寄せの前金制なども説明し、
予約来店していただきました。
入庫時点でメーカー欠品の多いサスペンション系の部品は
すでに入荷済みにしておきます。
問診をしてから試運転。
距離相応のフワフワした乗り心地。
11万キロ使用したショックアブソーバーは、
もうすでに劣化しきっているようです。
そして事前ホイールアライメントを測定し、
数値を確認しますね。
SAIの左右差が大きく、
フロントトゥは大幅にトゥアウト。
このあとサスペンションをバラバラに分解するのに、
事前にホイールアライメント測定は無意味でしょうか?
私はそうは思えません。
現状確認(点検・診断)し整備作業をして、
最後にもう一度確認する事は点検整備の基本でしょう。
ユーザー側も現状を知る事が出来ますしね。
スキャンツールやバッテリーアナライザー、
排気ガステスターなどを使用してコンディションチェック。
エンジン2000rpmで1分間。
触媒とA/F&O2センサーを活性化すると、
さらに良好な排気ガス数値になりましたので
こちらの部品はまだ大丈夫そうでした。
電気負荷を掛けての発電チェックはやや悪い。
少し注意が必要ですね。
今後経過を観察して徐々に悪くなれば、
地元の整備工場さんでリビルト品への交換を勧めました。
リフトアップしてタイヤを外し各部点検。
エンジンやATなどもチェックします。
希望整備を含めたオススメの整備プラン見積を制作し、
OKをいただきましたので作業を始めます。
地元では交換不可と言われた
リア・アクスルビームのブッシュ交換。
弊社ではトヨタFF車の定番整備になっています。
2WD・4WDともに何十台も作業しているので、
サクサク分解しましたよ~。
位置決めをしてからSSTと自作冶具を使用して、
ブッシュを圧入交換しました。
リアスプリングのインシュレーターも交換します。
今回のエスティマのショックアブソーバーは
カヤバ ニューSRスペシャルで交換しました。
インシュレーターやバンプ、ベアリング等も
同時に交換しますね。
フロント・ロアアームASSYと
エンジンマウントインシュレーター交換。
この車両はマウントを外さないとロアアームは外れません。
同時にすれば重複する工賃は節約されますよ~。
劣化しやすく交換がしずらい
左右の液封入式マウントインシュレーターのみ交換しました。
まだ異音は発生していませんが、
予防整備としてのハブベアリング交換。
ロアボールジョイントも交換です。
こちらも異音がする前にグリス&ブーツ交換で、
ドライブシャフトをリフレッシュ。
グリスが劣化すると粘度が落ちて油膜性能は低下、
そのまま使用し続ければ磨耗して異音が出ますよね。
耐久性の高い純正ブーツ・グリスKITでリフレッシュすれば、
長く使用できると思いますよ~。
シャフトが長い右側には中間ベアリングがありますので、
こちらも同時交換しました。
ブレーキキャリパーもリフレッシュ。
分解したピストンは錆が付着していましたが、
コンパウンドで磨き上げて再生します。
(腐食が酷い場合はピストンのみ交換します。)
ピストンシールとブーツを交換して組み立て。
ピストンを出し入れを繰り返し、
スムーズに動くか?を確認してから取り付けますね。
最初は渋い動きですが出し入れを繰り返すと、
馴染みが出てスライドが軽くなるのです。
キャリパーホルダー側のブーツを交換してグリスを再注入。
ブレーキパッドシムにもグリスアップし、
当り面を研磨して再利用しました。
ディスクローターは研磨作業で再生し、
耐熱塗装で軽く化粧直し。
ここまですればコントロールしやすいブレーキになりますよ~。
スタビライザーを保持しているブッシュも
結構酷使されているので同時に交換します。
このブッシュが緩くなると軋み音が出ますので。
ノーマルプラグからNGK RXプラグに交換。
長寿命高性能プラグなら
次回推奨交換時期は10万キロになります。
(ノーマルプラグは2万キロ)
劣化しギャップの開いたスパークプラグは
エンジン性能を低下させるだけではありませんよ~。
バーンタイムが短くなりコイルの要求電圧も高くなるので、
イグニッションコイルに大きな負荷が掛かります。
イグニッションコイルの故障予防にも、
スパークプラグは定期的に交換しましょう。
エンジンルームの奥にあるスロットルボディを清掃し
学習値を初期化。
ブレーキフルード交換でエア抜き作業も行います。
アライメントリフトに移動して、
アームブッシュを固定するボルトを1G締め付け。
ブッシュに掛かる不要なテンションを開放してから、
規定トルクで締付けますね。
そこから軽く試運転をし、
ホイールアライメントを調整します。
ハンター ホイールアライメントテスター
(ホークアイWA470)
ホイールに装着した軽量クランプ式ターゲットを
2X2の高性能センサーで動きを捕捉し瞬時に演算。
乱れた数値を整えながら、
ホイールアライメントを調整しました。
リアのスラスト角はやや左右差がありますが、
これぐらいならシムを装着しての調整は不要です。
フロント側は左右差が大きかったSAIが
キレイに整いましたね。
ある程度走行しサスペンションが劣化した車両に、
ホイールアライメント調整のみの数値合わせをしても、
私はあまり意味がないと思っています。
ブッシュ・アブソーバー・インシュレーター等を
トータル的に整備しないと
なかなか新車時に近いフィーリングには回復しない。
(なるべく低予算でショックアブソーバーのみ交換したい)
とメール相談されますが・・・。
『その整備は意味がないので止めた方がよいですよ~』と
お伝えしています。(5万キロ以上の走行車)
厳しい事を言うようですが、
サスペンションに関してはトータルバランスなので、
整備士の意見をお伝えするようにしています。
最終チェックをして納車となりましたが、
納車後の夜にユーザーさんからメールをいただきました。
乗ってスグに違いが分かり、
帰りの高速走行も走りやすくなったと体感されたようですね。
前回入庫時にATF圧送式交換と
カーエアコンリフレッシュαを実施しているので、
これで良い状態で長く使用できると思いますよ~。
サスペンションとブレーキのリフレッシュは、
非常に効果が分かりやすい。(体感しやすい)
逆にドライブシャフトやハブB/G交換などは
異音がなければリフレッシュ後の体感は感じにくいです。
ですが作業重複度を考慮せずにバラバラに作業するよりも、
同時に実施した方が工賃も節約できて予防整備に繋がる。
国産乗用車の10年10万キロぐらいでヘタりを感じているなら、
それはきっと整備不足です。
適材適所の正しい整備をすれば、
ま~だまだ長く快適に使用できるはず。
リフレッシュプランのご相談・ご予約は、
HPお問い合わせフォ-ムからお待ちしていますね。
HAPPY CAR LIFE!!