コペン L880K リフレッシュプラン。 トータル整備でリフレッシュ!! その場しのぎの整備はいつまで経っても・・・。
大阪府北部からお越しいただいたのは、
ダイハツ コペン L880K
走行距離90000km
リフレッシュプランのご依頼です。
メールで相談された愛車の不具合・不満点。
・1年前からE/G上部からのオイル漏れが酷くなった。
・エンジン音がうるさくなってきた。
・信号待ち時での振動が酷くなった。
・走行時に少し右に流れる。
数回メールでやり取りして、予約入庫してもらいました。
問診をしてから試運転。
事前ホイールアライメントを測定して、
排気ガステストを行います。
アイドリング時の燃焼状態は良好ですね。
ホイールアライメントはやや乱れ程度でしょう。
タイヤを外して車両全体を点検していきますね。
予算に合わせた整備プランを制作し、
提案をさせていただきました。
オーナーさんと協議し、
多少修正をして整備プランが決定。
それでは作業を始めますね。
エンジンシリンダヘッドカバーからのオイル漏れは、
ゴムシールパッキンの劣化ですね。
スパークプラグは3番が気密漏れで、
コイルが煤で真っ黒。
スパークプラグのガスケット不良でしょう。
ゴムシールパッキンを交換してカバーに装着。
脱脂後に各要所に液体ガスケットを塗って組付け。
スパークプラグは高性能長寿命の
NGK プレミアムRXプラグに交換しました。
これで10万キロは無交換になります。
劣化したスパークプラグを使い続けると、
イグニッションコイルの故障が増加します。
そうなる前にプラグ交換で予防整備。
スロットルボディはブローバイオイルの流入で、
ビシャビシャですね。
カプラーの中にもオイルが溜まっています。
アイドリングの微調整機構(ISCV)を分解して、
シャッターバルブ部に付着したカーボンを除去洗浄。
ガスケット類も交換してエアエレメントも交換します。
E/G・ATを3点で受けているエンジンマウント。
特にリア側は作業スペースが狭く、知恵の輪状態。
サブフレームを外しながらの交換になりました。
ゴムの柔軟性がなくなると
振動を吸収できないですからね~。
LLCを圧送式で交換してLLC再生強化剤で補強します。
ラジエターキャップは茶色く変色し、
長期交換していないので新品に交換しました。
サスペンションやナックル・ブレーキ等を分解します。
フロントハブベアリング交換。
ナックルに圧入されているB/Gを
油圧プレスと治具で交換しました。
ショックアブソーバーは純正品で交換します。
スプリング以外は全交換ですね。
傷みやすいロアアームのB/JはアームASSY交換。
コペンのホイールアライメントに大きく影響する、
スタビのブッシュは全数交換しますね。
ブレーキキャリパーのオーバーホール。
ピストンに付着する硬化したグリス跡。
これを取り除かないとブレーキ固着異音の原因になります。
キャリパーやピストンを洗浄して、
シールとダストブーツを組付け。
ブレーキパッドのバックシムには、
WAKO’S BPR高性能グリスを塗付。
ディスクローターは研磨機にて再生。
均一に研磨し耐熱塗装でリフレッシュ。
ドライブシャフトのブーツ・グリスKITは、
IN側のみのメーカー部品供給有り。
OUT側は部品が供給されないので、
今回はIN側のみO/Hしました。
リア側はドラムに圧入されたハブベアリングを交換します。
ライニング残量とドラム状態は良好なので、
今回は清掃と調整のみ行いました。
ブレーキ ホイールシリンダのO/H。
こちらは定期交換部品なのでリフレッシュします。
リアのスプリングインシュレーターを交換して、
ショックアブソーバーも交換しました。
エアコン冷媒ガスをリフレッシュ。
年々減少する冷媒を全量回収して再チャージ。
真空引きで配管内部の水分や空気を除去して、
規定充填量でリチャージします。
コンプレッサーの潤滑・気密の強化に、
NUTEC NC-200も同時注入。
150gほど冷媒ガスが減っていたようですね。
アライメントリフトで1G締め付け。
ブッシュに掛かる無駄なテンションを開放して再締め付け。
少し試運転をしブッシュを馴染ませて、
ホイールアライメントを調整します。
組付けた状態のままだと、
バラバラな数値になっていますよね。
もともと調整可能個所が少ないコペンですが、
イロイロ動かしながら、なんとか微調整しました。
最終的にはこんな感じ。
左右差20分以内に収まったのでOKでしょう。
事前にサスペンション系の部品を取り寄せておいたので、
お預かり期間は約2週間で納車となりました。
実際の作業時間は4~5日ほどなのですが、
他の車両と並行して作業進行しています。
納車前の最終チェックや試運転には
多くの時間を掛けているので、
多めにお時間をいただいています。
本日もミナト自動車ブログに、
お越しいただきありがとうございます。
弊社リフレッシュプランはお引き受けする予算に
申し訳ないですが下限を設けています。
つまりこの車種でこの年式走行距離なら、
(最低これぐらいの予算は必要です)と、
メール相談時にハッキリとお伝えしています。
ある程度の年式や走行距離が経過した車両に、
少ない予算でバラバラに何度も整備するのは、
あまり賢い車との付き合い方でないでしょう。
(アレ交換しました。)(コレ交換しました。)
あまりコンディションが一向に改善しない・・・。
(一体どう整備すればいいですか?)
そんな相談はよく受けるのですが、
ある程度の予算を掛けてトータルで整備しないと、
コンディションの回復は難しいとお伝えしています。
また間違った方法での整備や手順省略などをしても、
回復したコンディションが持続しないと思っています。
このような規模の整備は頻繁に行う必要はなく、
10年10万キロを目途に実施する事を推奨しています。
大阪も梅雨入りで今週は蒸し暑いですね。
それではHAPPY CAR LIFE!!