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京都市からRZN167 ハイラックス リフレッシュプラン第3部完結編。クラッチO/Hにホイールアライメント調整!!

前回・前々回ブログで紹介しているトヨタ ハイラックスRZN167 平成11年式 走行距離12万キロのリフレッシュプラン。


今回のブログは第3部完結編で、まずはクラッチO/Hから紹介しますね。

http://minato-motors.com/blog/?p=36922 第1部
http://minato-motors.com/blog/?p=36984 第2部



マフラーパイプ・プロペラシャフト等を外して、マニュアルトランスミッションを車体から降ろしました。




車体下から離れるように移動すると、作業スペースが広くなりサスサク作業が進みます。

ミッションジャッキ&電動テーブルリフトがあれば、エンジンやミッションの交換作業が捗ります。  (ハイミッションジャッキのような不安定さもない。)



特に電動テーブルリフトは昇降能力1トンで耐荷重キャスターを装着しており、脱着時の微調整がミリ単位で動かせるので安全に作業が出来るんですよ。


上手なクラッチ操作をしても、やはり距離を走ればディスクが摩耗しますね。  

またカバーやフライホイールの当たり面も荒れてきますので、今回一気にリフレッシュ交換をしましょう。


クラッチを分解した時にはエンジンリアオイルシールやパイロットベアリングも交換。


なかなか分解交換出来る箇所ではないので、同時に行うのが吉。




クラッチディスクは約2mmほど薄くなっていました。
交換時期だったと思います。



・パイロットベアリング・フライホイール・ディスク・カバーを組付けました。
ミッションマウントも同時交換。

レリーズベアリングとレリーズシリンダ&ホースを交換。
各専用グリスで組立てしますね。

問診時にリアから聞こえる異音は、プロペラシャフトのセンターベアリングからでした。

分解してみるとベアリングがガタガタに摩耗していて、異音を発生させていたのだと思います。


プーラーで引き抜いてベアリングを交換しました。

ミッションとフロント・リアのデフとトランスファーのギアオイル交換。
ガルフプロガード 75W90 LSD対応で交換しました。

エンジン整備も行いますね。
エンジン整備歴を見ると、ある程度は地元で行われていたようです。


ですがラジエターとウォーターポンプとクランクFrオイルシールが未交換だったので、今回交換を提案しました。

またラジエターのファン風量調整を行うファンカップリングASSYも同時交換を提案。


交換を忘れがちのファンカップリングですが、非常に重要な部品です。   これが不良になると異音発生やエンジン冷却不足になりますので要注意。

LLCはラジエターリフレッシャーで脈動圧送式で全量交換しました。


交換しずらいエンジンやヒーターコア内のLLCも全量交換が出来ます。
最後にエア抜き作業とLLC強化再生剤を投入して、防錆・消泡性能を強化しますね。



整備リフトからアライメントリフトに移動。

ホイールアライメント調整の前に1G締付と車高調整を行います。

各サスペンションブッシュの取付ボルトを一度緩めて、それから本締め。

整備リフトで組付けしている時はサスペンションが伸びている状態です。この時に本締めするとタイヤが着地した状態ではアームの角度が変り、ブッシュが捩られます。


そうすると常にブッシュに不要な負荷が掛かり、新品交換したブッシュが早期破損します。  

それを解消するために4輪が接地した状態で、一度ボルトナット緩めてブッシュの負荷を開放し、本締めするのが(1G締付)。


弊社のようにアライメント用リフトがあれば、車体下での締付作業は確実に行えます。
ですがアライメント用リフトなどが完備されていない整備工場だと1G締付は困難な作業に該当するでしょう。



同時に車高も調整します。

ハイラックスやハイエースのフロントサスペンションは車高調整機構があります。

リア車高を測定し実測値を出します。 基準値から実測値の増減分をフロント基準値に照らし合わせてフロントの調整数値を割り出します。


簡単に言えばリアが基準値より10mm低くなっていれば、フロントも基準値から10mm引いた数値で車高を調整するのですね。



仮想地上線を赤い糸で作って、ボディの基準点との高さを合わせます。

入庫時の状態だとフロントが上がり過ぎていたので、左右のバランスを整えながら車高調整しました。



そして軽く試運転をしてサスペンションブッシュ等を馴染ませてから、ホイールアライメント調整を実施します。


整備後のホイールアライメント測定結果はこんな感じ。

左右の数値が大きく乱れていますね。
サスペンションを組み立ててスグの状態はこんな感じでバラバラなんです。
(これでは車両は真っ直ぐ走らせるのは困難でしょう。)


サスペンション整備後にホイールアライメント調整が必須なのは、これを見れば良く分かりますね。

ハンター社 最新鋭ホイールアライメントテスター ホークアイWA470
4つのセンサーカメラでホイールに装着したターゲットの動きを捕捉。
ホイールアライメント数値を瞬時に演算します。


イヤサカ社 ビシャモン マルチアライメントリフト
高剛性で長期に水平レベルを確保するホイールアライメント用の国産リフト


ホイールアライメント調整をして、試運転。
どうもステアリングセンターが決まらない。
(同じ道を試運転をしても、違和感がある時と無い時がある。)

調べてみるとステアリングアイドラアームにガタがありました。

僅かなガタですが、精密なホイールアライメント調整すると僅かでも大きい。

整備前はアチコチ緩みやガタがあるので気が付かないのですが、サスペンション整備後は全てがカチッと締まるのでガタが目立つのですね。

アイドラアームを交換して、もう一度ホイールアライメント調整を実施。

フロントはほぼ完璧に近い数値になりましたね。
リアはリジットなので調整は不可。 でもこれぐらいの数値では問題なく、タイヤが片ベリする事もないです。


スラスト角に合わせてフロントトゥを調整し、ステアリングセンターを合わせました。




最後に試運転を繰り返します。

いつものテストコースを走行し、直進性やサスペンションの動きやブレーキング、振動や異音をチェックします。  


帰ってきてからはリフトアップし、漏れや締め忘れを再確認。
乗りやすいハイラックスに戻ったと思います。


納車時には作業中の画像(約300枚)を見ながら説明をし、また画像はDVDにコピーしてお渡ししています。

今後のメンテナンスアドバイスや注意点などもお話しして、無事納車となりました。




リフレッシュプランは全てのユーザーさんにオススメする整備提案ではありません。 なぜならソレ相応の整備費用が掛かるからです。


10年10万キロ以上走行した愛車を、もう一度新車時に近づける為のリフレッシュ整備。  

3部のブログを見ていただけると分かると思いますが、相応の部品を交換しますので整備費用は必然的に高額になります。


ただ今の高騰した新車価格と比べれば、遥かにリーズナブル。
また希少なハイラックスRZN167なら実施する価値は十分あるでしょう。

(あと少しだけ乗れれば!!)ではなく、(まだまだ良い状態で乗り続けたい)方への提案なので、そういう意味では万人受けはしないかなっと。


ブログ内はカテゴリーで分けていますので、出来れば過去のリフレッシュプラン事例http://minato-motors.com/blog/?cat=12 を見ていただけると幸いです。

(ブログで公開しているのは全てではなく、ほんの一部の車両です。)
(施工台数が多く、7~8台に1台の割合でブログ記事にしています。)




リフレッシュプランの相談やご予約は(HPお問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。http://minato-motors.com/contact/


それではHAPPY CAR LIFE!!




2024年7月16日

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