北海道からCX-5 リフレッシュプラン 長編ブログ第2部。マルチサーブでインジェクターとDPF洗浄。
北海道から大阪府堺市のミナト自動車までお越しいただいたのはマツダ CX-5 KE2AW 走行距離14万キロ。
車両全体を整備し、新車時のコンディションに近づける提案型整備リフレッシュプランで入庫しました。
第1部ではマツダSKY-D定番のインテークの煤をDSCで完全除去。
http://minato-motors.com/blog/?p=35191
第2部ではこちらもSKY-D定番整備になったマルチサーブを紹介します。
ディーゼル普及率が高い欧州から導入したマルチサーブ。
ガソリン/ディーゼル問わず、インジェクター・ターボフィン・インテーク・DPFを専用ケミカルでシステム洗浄するマルチな洗浄整備機器。
ここまで高性能で守備範囲の広いエンジン系洗浄機器は、世界中見渡してもマルチサーブぐらいでしょう。
マルチサーブの機器自体も非常に高額ですが、使用する専用ケミカルもなかなか高額。 (おそらく国内の市販ケミカル類の数倍高いかな。)
それではインジェクター洗浄システムから始めます。
フューエルサプライポンプのIN・OUTにホースを装着し、マルチサーブと接続。
ディーゼルシステムパージ1000mlをマルチサーブに投入。
75分間ほどアイドリング。
ユックリ確実に燃料ライン内の汚れを洗い流していきます。
コモンレール式クリーンディーゼルは燃料を高温高圧にして噴霧しますので、どうしてもスラッジが発生します。
発生したスラッジは超微細な粒子なのですが、これが燃料が流れるライン内に付着。
特に精密なインジェクターニードル部などでわずかに堆積すると、燃料の噴射が乱れ燃焼状態に影響します。
その辺りはメーカー側も想定内で、ある程度は(噴射学習値)としてECUが補正制御するのですが、それも限度がありますよね。
そして補正では補えないほど詰まってくると、高額なインジェクター交換になります。
インジェクターを分解や交換などをせずに、システム洗浄するのがマルチサーブのインジェクター洗浄システム。
約75分ほどアイドリングから、やや高めの回転数にセットし作業をしています。
次はDPFシステム洗浄。
DPFに繋がるホースにマルチサーブを接続。
1液目のDPFクリーナーをマルチサーブに投入し、DPFに直接ケミカルを注入しますね。
DPFクリーナーを注入して15分待機。
そしてエンジン始動をして5分間待機。
次は2液目のDPFフラッシュを投入します。
エンジン回転数を2000rpmまで上昇させて、DPFの暖機と洗浄効果の促進。
これでインジェクターとDPFのシステム洗浄は一時終了。
このあとはホース類を外して、元の状態に戻す。
そこから強制白煙・異臭排出作業に移ります。
マルチサーブ後には猛烈な白煙と異臭がマフラーから排出されます。
(普通にやれば工場内は煙と臭いで大惨事に。)
弊社ではそのような(美しくない整備作業)はしたくないので、独自に開発した排煙異臭回収装置を自社製作し作業をしています。
これでほぼ臭いや煙を気にせずに、確実に短時間で作業が出来るようになりました。
ミナト自動車は住宅地のど真ん中にあるので、無茶な作業は出来ないんですよね。
透明のパイプ内を流れ出るマルチサーブ後の廃液モニター。
(企業秘密のため周辺は隠しています。)
廃液の泡はコンディションによって(グレー・ブラウン・ホワイト)の3色で出てきますね。 今回はホワイトでした。
高温の泡とガスを分離させて、ガスの異臭は除去しています。
マルチサーブのインジェクターとDPF洗浄システムには個別にアフターケミカル1本ずつ付随します。
・ディーゼルエクストリームクリーナー
・DPFリジェネレーター
燃料給油時に燃料タンクに投入し、走りながらインジェクターとDPFを遅効的に洗浄します。
こちらは納車時に手渡ししていますよ。
DSCとマルチサーブの作業後も引き続きリフレッシュプランが進み、サスペンションやブレーキ等の整備をしていきます。
次回ブログでは足回り下回りの整備を紹介しますね~。
それではお楽しみに~!!
HAPPY CAR LIFE!!