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スバル フォレスターSJG ガソリン直噴エンジン煤除去作業。 DSCドライアイス洗浄とATF完全圧送式交換。

奈良県からお越しいただいたのは
スバル フォレスターSJG 走行距離15万キロ

・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
・ATF完全圧送式交換 for NUTEC
・デフオイル交換 for NUTEC

上記の3点セットをご依頼いただきました。



近年各メーカーが採用しているガソリンエンジンは直噴が多いですね。

燃焼室にガソリンを直接噴射し、混合気にしてから点火燃焼が理想的。

従来型ポート噴射式のようにガソリンが気化し、完全な混合気になってからの点火なら問題ないのですが、噴射~点火までの時間が短い直噴式は混合気になる前に点火タイミングが時々訪れます。(常時ではない)



まだ気化しきれていない微細な滴状のガソリンが、高温で燃焼されると煤になる。その煤混じりの排気ガスを意図的に吸気系に戻すのがEGR制御。

EGRを使うメリットは多いのですがデメリットも少しあり、それがガソリン直噴エンジンのインテークバルブに蓄積するカーボン(煤)なのです。




エンジンインテークの奥底にカッチカチに固着し蓄積するので手作業の除去は難しい。 ましてや日帰りで完璧に除去するのは、ほぼ不可能だと思います。

ですが弊社が独自に開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)ならそれも問題なく出来るのですよ~。

トヨタ・レクサス、日産、マツダ等の直噴エンジンへのDSCは数えきれないほど作業実績があります。
http://minato-motors.com/blog/?cat=169



スバルDIT FA20ターボ直噴エンジンへの実績は今回が初めてで、
正直どれぐらい煤が蓄積しているかは不明でした。

またインテークバルブやポート内の形状も分からなかったので、
今回は数日お預かりをして作業を行いました。


なにぶん初めてのエンジンは開けてみないと分からない事が多いので。


インタークーラーやサージタンク、マニホールド等を分解していきます。


タンブルジェネレーターバルブを外せば、インテークポートが見えてきました。

中の様子を確認しますね。

15万キロ走行しているにしては煤の蓄積は少ないかな。
それでもバルブ傘部には分厚く煤が固着し、シャフト部もカマキリ卵状の煤が出来ていますね。

(高温で焼き付いているので非常に固く蓄積していました。)




ユーザーさんに普段の使用状態やメンテナンス状況をお聞きすると、
・エンジンオイルは高額な全化学合成で3千キロ毎。
・ガンガン高回転までブン回す。
・ECUからサスペンションまでゴリゴリにチューンナップ済み。
・ブローバイ系もワンウェイバルブを装着しているのでオイル戻りが少ない。


初めてのスバルDITですが普通の平均的な使用状況ではないので、ちょっと参考にはならないかも?

ブローバイオイルの過流入も少ないので、サラサラの煤が固着しずらかったのかもしれません。



・煤の飛散にはマスキングをして完全防備。
・ドライアイス洗浄機にDSC専用ノズルと改良型アダプターを装着。
・ドライアイス3mmペレットを投入。

サンドブラスト等のように硬いメディアを打ち付けて、メディアの研磨力で付着物を除去するのではなく、ドライアイスの特性を利用した洗浄方法。

・熱収縮と昇華爆発力

圧縮空気で高速噴射されたペレットが衝突した瞬間に付着物を冷却します。
そして同時にペレットは個体から気体へ昇華しますが、その膨張率は750倍。

付着物に衝突した瞬間に2つの現象が一気に起きて、ちょっとした小爆発が起きるのです。


またドライアイスは気化すると大気に消えますので、ポート内に残留する事はなく、バルブ等にメディアが挟まる心配もありません。


インテーク系の煤除去には唯一無二で最適な洗浄方法がDSCだと自負しています。

それでは軽くワンショットしてみますね。

ペレットが直撃した部分だけ素地が見えるほどキレイになりました。


複雑な形状のバルブやポートにペレットが直撃するように、数種類あるノズルとアダプターを組み合わせて完全除去をしていきますね。

圧縮上死点にセットしてバルブは全閉にしてショットをしています。

燃焼室には煤やペレットは混入せず、アルミ母材やバルブ合金もノーダメージです。


(短時間に完璧にノーダメージで)
DSCキャッチコピー通り4気筒8ポートを全て除去完了。

作業中はこんな煤塊が飛び出してきます。

これでも小さい方ですけどね。

タンブル流を強化するストレートプレートも煤だらけだったので、こちらもキレイに除去しました。

ガスケットを純正新品で交換して再組立。

スロットルボディ清掃も専用クリーナーでカーボン除去。

エンジン始動で完全暖機しアイドリングを整えます。

最適な吸気渦の形成はポートとバルブの形状に依存します。

そのバルブ形状が変わるほど煤が蓄積すれば、理想的な吸気渦にはならず理想的なタンブル流も起きずらい。


そして理想的な燃焼にはならないのでパフォーマンスが落ちるでしょう。

ちなみに煤蓄積が酷いトヨタGRエンジンだと、バルブ形状が分からないほど煤が強固に蓄積しますから・・・。



今回のフォレスターはまだマシな部類に入るのではと思います。

日産・マツダも結構煤蓄積は酷いのでスバルも台数を実施すれば、ヤバい奴にも巡り合うでしょうね。

次はリニアトロニックCVTFを交換しますね。

まずはオイルパンを外して洗浄し、ストレーナーも交換します。

オイルパンから古い液体ガスケットを取り除いて、完全脱脂。

CVT側の合わせ面も脱脂して、液体ガスケットを添付して再装着。

インターバルを開けてからフルードを補充して完全暖機。



ATFチェンジャーをミッション側に接続して、まずはプレ洗浄。


NUTECニューテック NC-RFで全量イッキに圧送式交換します。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434



プレ洗浄の時点で結構キレイになりましたね。


中央ビーカーの廃油と比べると、違いが分かりやすいです。

スバル ハイトルク・リニアトロニックCVTには、
NUTECニューテックZZ51改。


全化学合成ハイパフォーマンスフルード(エステル系)
ローフリクション・ハイパフォーマンス
強靭な油膜性能でCVTを守り伝達能力を高めます。


ほぼ完璧に入れ替わりましたね。
次回交換推奨距離は約5万キロです。


一度油温を冷却して規定温度でフルードレベル調整を行いました。


フロント・リアデフオイル交換はNUTEC NC-70。
こちらも全化学合成ギアオイル(エステル系)です。



ドレンアウトから手押しポンプで注入します。

こんな感じで作業したDSCとCVTF交換とギアオイル交換は3日間で完了しました。

もう少し作業台数を重ねれば、
他のメーカー同様に2日間のお預かりで納車が出来そうです。



本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


DSC・CVTF交換のご依頼はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

それではHAPPY CAR LIFE!!





2020年10月29日

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