GRS系クラウン リフレッシュプラン その3。 ATF完全圧送式交換&DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
前回、前々回からご紹介している
クラウン リフレッシュプランの続きです。
http://minato-motors.com/blog/?p=24211その1
http://minato-motors.com/blog/?p=24248その2
サスペンションを整備しホイールアライメント調整、
ブレーキ関係も作業が完了しました。
次はGRS系クラウンの定番整備である、
ATF完全圧送式交換&DSCを行いますね~。
まずはATF交換から始めます。
試運転からリフトアップして、
ATFの状態をチェック。
そこからオイルパンを外して洗浄し、
硬化したガスケットを交換。
年数が経過するとゴムガスケットは劣化し、
カッチカチになればフルード漏れの原因にもなる。
(定期的な交換はそういう意味でも必要でしょう。)
磁石に付着した鉄粉を除去して、
ATFストレーナーも交換します。
トヨタ系はATに限るとストレーナーの部品供給はあるのですが、
CVTになると車種によっては部品供給が無い場合もあります。
オイルパンを元通りに組付けて、
ATFを補充しE/G始動・完全暖機。
密封式ATでも圧送式交換が出来るように、
弊社オリジナルのアダプターをATに装着します。
これで交換効率の高い圧送式交換の準備が整いましたね。
ちなみにトヨタ・レクサス系6速ATや
マツダ・スカイアクティブ6速ATは、
アダプターを接続しないと圧送式交換は出来ません。
このアダプターを自社開発し世界で最初に実現したのが、
実はミナト自動車だという事は業界内でしか知らない事実。
でも同業者さんに弊社の方法が認められ、
真似をしていただけるのはとても光栄な事だと思います。
本命ATFを使用する前に、まずはプレ洗浄。
NUTECニューテック (NC-RFリンシングフルード)で、
全量イッキに圧送式交換をします。
ATFチェンジャー(トルコン太郎)を接続し、
エンジンを掛けながら旧ATFを回収しつつ、
無色透明に近いNC-RFを全自動で注入しますね。
プレ洗浄後はこんな感じになりました。
左奥に見えるのが新油モニター(NC-RF)。
中央ビーカーが試運転後に回収した廃油。
右手前がプレ洗浄後のフルード状態。
廃油に比べると黒味が薄くなり、
ややキレイになった程度でしょうか?
新油と比べるとまだまだ汚れている部類に入るでしょう。
プレ洗浄とは高価な本命ATFを使用する前の
(ススギ洗い)みたいなもの。
高品質かつ安価なプレ洗浄フルードとして、
弊社がNUTECさんに依頼してNC-RFが誕生しました。
『NUTEC リンシングフルード NC-RF(仮名)の理由』
http://minato-motors.com/blog/?p=17434
ここから本命ATFに切り替えます。
ニューテック『NC-65』全化学合成ATF(エステル系)
極薄で強靭な油膜性能は市販ATFでは最強レベルでしょう。
(ローフリクション・ハイパフォーマンスを高次元で発揮)
(ベースオイルの高い耐熱性がロングライフ化に貢献)
年間数百台ほどATF交換を作業している弊社ですが、
8割ぐらいの方がNC-65を指名されますね。
NC-65はみんカラ等のSNSでも絶賛されているので、
評判の良さをご存じの方も多いのでしょう。
ATFチェンジャーのNC-RFからNC-65に入れ替えて、
もう一度全量圧送式で交換します。
ほぼほぼ完璧に入れ替わりましたね。
ニューテック(NC-RF)&(NC-65)コンビの完全圧送式交換を
希望される方はどうぞ弊社までご相談くださいね。
最後にATFクーラーを洗浄して、
油温検出モードでフルードレベル調整も行いました。
次はDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)を
行います。
トヨタGR系直噴エンジンのインテークバルブには、
大量にカーボンが蓄積します。
これはメーカー問わずガソリン直噴エンジンの宿命。
エンジンをO/Hしないと除去が出来なかったのですが、
弊社ではドライアイス洗浄を用いて完全除去が可能に。
DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
は唯一無二の弊社オリジナル整備。
慣れた手付きでインテーク系の部品を分解していきます。
樹脂製サージタンク&スワールCバルブを分解。
ここまで分解してやっとインテークバルブが確認出来ます。
インテークポート内壁には
ビッシリとカーボンが固着しています。
ポート最深部のインテークバルブ傘部には、
カーボンが焼き付いてカッチカチ。
バルブシャフト部にもカマキリの卵状にカーボンが、
モリモリと固着しているのが確認出来ますね。
ポートの深さは約15cmで内径3.5cmぐらいかな。
狭く深い穴の奥にカーボンが固着しているので、
手作業で除去するのはほぼ無理だったのです。
DSCが誕生するまでは・・・・。
ドライアイス粒を圧縮空気で高速噴射。
熱収縮と昇華爆発力で固着したカーボンを剥離させます。
実はドライアイスペレットは指で潰せるほど柔らかい。
サンドブラストのように
固いメディアを打ち付けている訳ではないので、
母材金属やゴムシール等にダメージを残しません。
またドライアイスは残存しても昇華して大気に消えるので、
メディアが残留する心配もゼロ。
(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)
DSCならキャッチコピー通りに、
最短日帰りで完全除去が可能なのですよ~。
ボディーをマスキングをして、
圧縮上死点に合わせてから軽くワンショット。
ペレットが直撃した部分だけキレイに剥離しましたね。
弊社が開発した数種類ある(DSCノズルとアダプター)を、
使い分けながら複雑な形状のポート内を洗浄剥離しますよ~。
6気筒12ポート全てキレイに除去完了。
バルブ形状は、ほぼ新車と同じ状態に戻りましたね。
狭くて長いポート内径も、
全てキレイにしました。
カーボンまみれだったスワールコントロールバルブも、
DSCでキレイにしています。
樹脂製サージタンクはそこまで高温にならないので、
カーボンが固着する事もありませんが付着は多数。
サージタンクはDSCが出来ないので、
洗浄剤にてカーボンの粒をキレイに洗い流します。
ガスケットは純正新品に交換して、
インテーク系の部品を組み立てますね。
エアエレメントは結構汚れていたので、
追加交換する事になりました。
DSCオプション整備でもあるLLC圧送式交換も実施。
交換がしにくいE/G・ラジエター・ヒーターのLLCを
圧送式で全量交換しています。
交換後にはLLC再生強化剤を注入して、
エア抜き&消泡剤・防錆剤等を強化しました。
またDSCオプション整備のスパークプラグ交換は、
NGKプレミアムRX 高性能スパークプラグで交換しました。
DSCと同時に実施した方が工賃が節約され経済的ですよ~。
吸気から燃焼までの時間が短い直噴エンジンは、
燃料と空気の撹拌がキーポイント。
カーボン蓄積でインテークバルブ形状が変われば、
理想的な吸気渦の形成は難しくなるでしょう。
定期的にカーボンを除去して、
本来のエンジン性能を回復させるのがDSCなのですね。
DSCやATF交換時に提案しているオプション整備の一つが、
カーエアコンリフレッシュαです。
弊社では人気オプション整備の一つで、
約半数の方が依頼されます。
年数が経てばACの冷媒ガスは減少します。
これは消費している訳ではなく、構造上のスローリークが原因。
冷媒ガスが減ればMAXクール時に
ACコンプレッサーの稼働時間が多く、
燃費が悪くなり冷えも弱くなる。
またコンプレッサーの充填オイルも劣化していきますので、
ある程度の時期にオイルの補充強化は地味に必要なのです。
どうせ補充強化するなら高品質かつ高性能なイイ奴で!!
弊社ではNUTEC NC-200コンプブーストを
長年オススメをしています。
全化学合成エステル系ベースオイルを贅沢に使用し、
潤滑性・気密性を強化します。
もちろんゴムシール等への攻撃性もなく、
安心して使える実績十分のAC系添加剤になります。
低高圧のホースを接続して、
NC-200もセットしました。
規定冷媒充填量450gなので、
エコマックスjrも450gに設定。
あとはボタン一つで冷媒ガスの重量管理をしながら、
正確に全量回収ろ過・真空引き・再充填。
最終的にはこういう結果になりました。
規定充填量450g
回収できたガス量190g
約260gほどガスが足りない状態で、
ACを使用していたようですね。
現在車両の冷媒ガスがどの程度残っているかは、
エコマックスjrのような機械で回収して初めて分かるのです。
AC冷媒ガスも定期的にメンテナンスを、
弊社ではオススメしています。
3部に分けて紹介したGRS182クラウンのリフレッシュプラン。
今回の整備は過剰整備でしょうか?
それとも予防整備でしょうか?
個人的には今の車両は適切な整備を実施すれば、
まだまだ長く良い状態で使用する事は十分可能。
愛着のある愛車を長く使用したいと思われる方も多いでしょう。
でも弊社がお勧めするリフレッシュプランは、
全ての自動車ユーザーに推奨する訳ではありません。
(自分の愛車をなるべく良い状態戻したい。)
(出来れば新車に近い状態に戻したい。)
というユーザーさんに対してのみにおススメしています。
過去のリフレッシュプラン事例も宜しければどうぞ!!
http://minato-motors.com/blog/?cat=12
整備予算のお問い合わせが多いのですが、
(何年何月の○○○のリフレッシュプランは
総額でいくら掛かりましたか?)と
問い合わせていただけると助かります。
またお預かり期間は約2週間が多いですね。
それとは別にATF交換とDSCは個別で随時受付をしており、
こちらは日帰りor1泊預かりが多いです。
御見積・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)から
お待ちしていますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!