ハイエース KDH205 リフレッシュプラン (後編) ATF交換・ホイールアライメント・リアB/G交換。 ここまですれば別の車に生まれ変わりますよね。
前回ブログで紹介しましたハイエース KDH205
リフレッシュプランの後半の整備をお見せしますね。
http://minato-motors.com/blog/?p=20478
ディーゼル4WD 走行距離28万キロ
ほぼほぼフロントの整備が終わったのでリア側に移行します。
リアはドラム式ブレーキ。
ブレーキライニングシューとドラムを確認すると、ブレーキダストが多く溜まっていました。
ドラムの中にダストが溜まるとブレーキ調整がしづらくなり、制動力も低下するので定期的な清掃と再調整は必要でしょう。
またダストがあると言う事は、それだけシューが減っている事にもなりますよね。
ライニングシューの残量は残り1mm。
新品が5mmほどなので十分使い切ったのではないでしょうか。
新しいライニングシューと交換してドラムは研磨し再生します。
ブレーキシリンダーもカップKITでリフレッシュ。
シリンダを洗浄してからカップゴム等を交換しますね。
ハブベアリング&シャフトオイルシールもリフレッシュします。
アクスルシャフトをホーシングから引き抜いて、油圧プレスとSSTを使用してシャフトからベアリングを抜き取ります。
またシャフトオイルシールも交換しました。
リア ショックアブソーバーはフロント同様に純正品で左右交換しました。
デフ・トランスファのギアオイルは、
ガルフ プロガード75W90で交換。
(部分合成ギアオイル LSD対応)
ガスケットも交換してトルクレンチで締付ますね。
(たまにエンジン停止時に異音が発生するんですが??)
入庫後何度か点検をしましたが、残念ながら弊社入庫中は異音が発生しませんでした。
しかし問診と症状から判断するとオルタネーターのワンウェイクラッチプーリーの劣化・破損だと思います。
発電状態は良好でしたので今回はW/Cプーリーのみ交換しました。
すぐそばにあるテンショナーのプーリーを手で回し、回転する音をチェックすると、ん~あまり良くない感じ・・・。
ベルトテンショナーASSYも同時に交換する事になりました。
(テンショナープーリーのみの部品供給がないのでASSY交換)
(アイドラプーリーは以前に交換しているようなので再利用)
(冬季のエンジン始動性が悪く、夏季は特に気にならない。)
こちらも問診時のご相談されたのでグロープラグの交換を提案しました。
これで冷え込んだ冬の始動性はよくなるでしょう。
コモンレール式ディーゼルには、早め早めのフューエルフィルター交換をオススメしています。
(5~6万キロ毎には交換を推奨しています。)
LLCも圧送式で交換しました。
E/G・ラジエター・前後ヒーターコアの全ての冷却水を循環させながら全量交換していきますね。
ラジエターリフレッシャーから吐出されたLLCを冷却ラインに圧送し循環させて、もう一つの出口から回収します。
回収したLLCは5ミクロン・25ミクロンのWフィルターでろ過され、また再循環していきます。
エンジンを掛けながら約30分間。
サーモスタットが全開になるまで続けます。
毎分吐出量は7L。
30分間行えば計算上は210LほどLLCを圧送し、ろ過し続ける事になりますね。
最後に劣化した消泡剤と防錆剤を強化する再生剤を注入し、エア抜き作業を行いました。
エアコンの冷媒ガスも年々減少していきます。
こちらも定期的に充填量を管理しないと燃費も冷えも悪くなりますよ~。
デンゲン社エコマックスJrでカーエアコンリフレッシュα。
・冷媒ガスを全量回収し充填量を計測
・真空引きで配管内の空気と水分の除去。
・重量管理し正確な冷媒量をリチャージ。
・NUTEC NC-200注入でコンプレッサーの潤滑強化。
全て機械が全自動を行い作業データをプリントアウト。
(結果的には約170gほど少なかったようですね。)
ATFも全量交換しますね。
オイルパンを外してストレーナーを交換し、
オイルパンは洗浄して液体ガスケットで再組み立て。
抜いたATFを補充してフルードの漏れチェック、
そこからATFチェンジャーに接続して圧送式交換を始めます。
使用するATFはアイシン AFW+
(アイシン精機製のATにアイシン製のATF。)
まずは規定量をイッキに圧送式で交換しますね。
やっとココまでキレイになりました。
15分間ほどアイドリングで待機し、もう一度全量交換を行いますね。
奥に見える新油モニターと比べても、ほぼ同じぐらいキレイになりましたね。
最後にATFのフルードレベルを調整しました。
アライメントリフトでサスペンションアームブッシュ等を1G締付しながら、車高調整も同時進行。
各モデルごとに違う車高基準値を確認し、リアの変化量も考慮しながらフロント車高を決定します。
今回はリアが基準値より12mm低かったので、フロントも基準値から12mm低く調整しますね。
ちなみに200系ハイエースのフロントロアアームのフロントカムボルト中心から地面までの高さで正確に調整します。
水平レベルが確保されたアライメントリフトに糸を張って、メジャーを見ながら調整していました。
そこから軽く試運転をし、ホイールアライメント調整を始めますね。
ハンター社(ホークアイWA470)アライメントテスター
ハイエースはフロントのキャンバー・キャスター・トゥに調整機能があるので、調整作業がしやすい車種ですね。
なかなかキレイに数値が揃いましたね。
最後に試運転を繰り返し、ドラムブレーキの調整も数回実施します。
28万キロ走行した車両ですが入庫前と入庫後とは全く違うハイエースになったのは、試乗するとスグに分るのでしょう。
特に高速道路での直進安定性はガラリ改善しますので、帰路の運転は疲れないと思いますよ~。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に、
お越しいただきありがとうございます。
2部に分けて紹介したハイエースのリフレッシュプラン。
これぐらいの作業は約1週間で完了するのですが、お預かり期間は2週間となっています。
試運転・作業後チェックや部品の追加発注、入荷待ちなど実作業以外にも結構時間が掛かるのでお時間は多めにいただいています。
またこのような作業を複数台平行して作業をしていますので、
慌てて作業をしないようにするにはやはり時間が必要なのです。
リフレッシュプランをご希望の方はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
ブログから○○年○○月の△△△の作業はおいくらですか?と聞いていただけるとお伝え出来ますのでどうぞメールからご相談ください。
どうぞ宜しくお願い致します。