1. TOP
  2. ミナトBLOG

兵庫県からトヨタ シエンタ NCP81G リフレッシュプラン。  10年に一度の大規模整備でリフレッシュ。

兵庫県 西宮市からお越し頂いたのは

トヨタ シエンタ NCP81G

走行距離105000km

 

 

提案型整備 リフレッシュプランのご依頼です。

 

 

s-IMG_1030

 

 

実はこのシエンタのご入庫は2回目で

1ヶ月ほど前にCVTF完全圧送式交換でご利用頂きました。

 

 

その後すぐにリフレッシュプランをご相談され、

今回の再入庫となったのです。

 

 

・大きな故障箇所はないのですが

これから8万キロ以上は良い状態で使用したい。

 

・乗り心地が悪く、ブッシュ類の交換を希望。

 

 

オーナーさんの希望整備を中心に

整備プランを提案したいと思います。

 

 

s-IMG_1031 s-IMG_1032

 

 

問診をして試運転をし、

エンジン点検の基本(排気ガステスト)

 

 

CO2の量が多く、CO・HCはほぼゼロ。

燃焼状態は良好ですね。

 

スキャンツールを接続して

ライブデータの確認でも良い数値でした。

 

エンジン系は結構整備されているようですね。

 

 

 

 

s-IMG_1035 s-IMG_1036 s-IMG_1033 s-IMG_1034

 

事前アライメント測定では

こんな感じでバラバラな状態。

 

・フロントキャンバー・SAIの左右差

・大幅なトゥアウト

 

リアのスラスト角も修正が必要ですね。

 

 

 

サスペンション系の点検・調整等をしていなければ、

だいたいこのように数値が乱れています。

 

それがそのまま走行時の乗り心地に反映されるのです。

 

 

s-IMG_1203

 

リフトアップしてエンジンやCVT、

下回りやブレーキ関係も点検します。

 

 

 

s-IMG_1039 s-IMG_1041 s-IMG_1073 s-IMG_1074 s-IMG_1085 s-IMG_1086 s-IMG_1087

 

 

点検結果から(弊社がオススメする整備)と

(お客様が希望する整備)を合わせた整備プランを提案。

 

 

今回実施する作業と今後の課題として保留する作業を、

ご相談しながら整備内容を決めていきます。

 

 

 

作業の重複度やメリット・デメリットなどは

なかかな一般ユーザーの方には分かりにくい。

 

 

その辺りをご説明させて頂いて、

納得が出来る整備を提案するよう心掛けています。

 

 

s-IMG_1213 s-IMG_1214

 

まずはブレーキから始めますね。

 

キャリパーからピストンを押し出すと、

このようにグリスとダストが混じって付着しています。

 

 

 

 

s-IMG_1215

 

幸い指で拭くと取れましたが、

これを放置し続けるとグリスが固着します。

 

 

これがシールに引っ掛かり、

キャリパー内で固着し異音発生。

 

または鉄粉が混じったダストが錆びて

ピストンのメッキが腐食します。

 

 

s-IMG_1217 s-IMG_1218 s-IMG_1219 s-IMG_1220

 

 

 

腐食したり固着すると安価なシール交換だけではなく、

キャリパー・ピストンも交換になってしまいます。

 

そうならないよう10年に一度は分解洗浄し、

シール・ブーツをO/Hしましょう。

 

 

 

 

数回ピストンを出し入れして、

動きを確認してから車体に組み付けます。

 

 

 

s-IMG_1221 s-IMG_1222 s-IMG_1223

 

キャリパーブラケット側も洗浄。

 

スライドピンがスムーズに動くように、

グリスアップとブーツ交換。

 

 

s-IMG_1212 s-IMG_1316 s-IMG_1320

 

ディスクブレーキは研磨機にて再生し、

軽く化粧直しの耐熱塗装(600℃)。

 

 

ディスクの厚みが基準値内なら、

ローター研磨で十分再生が可能です。

 

 

s-IMG_1308 s-IMG_1311 s-IMG_1312 s-IMG_1313

 

 

シムの間にあるグリスが全く無いですね。

長い間放置されていたのでしょう。

 

 

バックシムを洗浄して、

WAKO’S BPRを塗ってあげれば、

当分ブレーキはノーメンテですね。

 

 

 

s-IMG_1366 s-IMG_1367 s-IMG_1359 s-IMG_1360 s-IMG_1362 s-IMG_1363 s-IMG_1365

 

リアブレーキはドラム式。

 

ライニングシューの残量は十分あるので、

ペーパーを当てて再利用。

 

ドラムは研磨してキレイにし

数回のブレーキ調整を実施します。

 

 

 

 

前後のブレーキをここまで整備すれば、

制動力の違いがスグに分かりますよ~。

 

 

 

s-IMG_1207 s-IMG_1208

 

ドライブシャフトINブーツからグリス漏れ。

 

長年の使用でグリス粘度が低下し、

ブーツの隙間から漏れてきましたね。

 

 

 

粘度が低下すれば油膜が薄くなり、

磨耗によってベアリングから異音が発生します。

 

 

 

 

s-IMG_1226 s-IMG_1227 s-IMG_1231 s-IMG_1233 s-IMG_1234 s-IMG_1235 s-IMG_1236

 

左右のドライブシャフトをオーバーホール、

予防整備を行いました。

 

 

カリカリ音がした場合はリビルト品で全交換。

そこまで酷くない場合はO/Hで大丈夫です。

 

 

グリスも油脂類ですから使用し劣化すれば、

性能は発揮出来ないのですね。

 

 

s-IMG_1301 s-IMG_1302 s-IMG_1305 s-IMG_1306 s-IMG_1307

 

フロントショックアブソーバーもリフレッシュ。

 

オール純正品で交換し

再利用したのはスプリングのみ。

 

アッパーマウント・インシュレーター等は全て交換します。

 

 

 

 

 

s-IMG_1351 s-IMG_1355 s-IMG_1352 s-IMG_1357

 

 

リアのショックアブソーバーも

フロント同様に全交換しました。

 

 

 

 

 

s-IMG_1084s-IMG_1082s-IMG_1080s-IMG_1327

 

リアサスペンションはトーションビーム式。

 

 

H型のアクスルビームの捩れで

車体安定をさせているのですが、

取付部の大きなブッシュが破損すると、

乗り心地は大幅に低下します。

 

 

乗車人数が多くなったり、

コーナリングが多い道などを走行すると

不安定な症状が表面化しますね。

 

 

 

 

s-IMG_1330 s-IMG_1331 s-IMG_1334

 

位置決めの印をしてから、

SSTでブッシュを抜き取ります。

 

次はブッシュを痛めないように、

慎重にブッシュの圧入作業。

 

 

一部のディーラーさんではアクスルASSYで交換しか

対応が出来ないそうですが、

弊社ではSSTがありますのでブッシュのみの交換が可能です。

 

 

 

 

s-IMG_1211

 

 

 

このクラスのFrロアアームには

ブッシュとボールジョイントが組み込まれています。

 

ブッシュ・B/Jのみの単体部品供給は無いので、

ASSYで左右交換しました。

 

 

 

 

 

s-IMG_1371 s-IMG_1372 s-IMG_1375

 

 

信号待ち時(ブレーキング・Dレンジ)には、

エンジンからの振動が大きく車体に伝わっていました。

 

 

一番負荷が掛かるエンジン右側の

液体封入式マウントインシュレーター交換。

 

 

前回入庫時にスロットルボディは清掃済みで、

今回の整備でアイドリングからの振動も無くなりました。

 

 

s-IMG_1555

 

 

 

アライメントリフトに移動して、

各ブッシュを1G締付します。

 

ブッシュテンションを開放して、

もう一度締付を行うのです。

 

 

こうするとブッシュに掛かる不要な負担がなくなり、

長く良い状態で使用が出来ます。

 

 

 

s-IMG_1421 s-IMG_1434

 

 

少し走行してからホイールアライメントを測定し、

調整作業に移行します。

 

 

 

s-IMG_1424

 

ハンター社 アライメントテスター(ホークアイ WA470)は

最新鋭のアライメントテスター。

 

 

固定クランプ式の軽量樹脂ターゲットは、

鉄ホイールでも問題なく装着可能。

 

 

 

アバウトにホイール中心に合わせて取付すれば、

4つの高精度センサーでターゲットの動きを捕捉します。

 

 

装着後に前へ20cmほど前進させて、

さらにハンドルを左右に振れば測定が終わります。

 

 

 

ターゲットの動きを4つのセンサーが読み込んで、

アライメント数値を演算します。

 

 

s-IMG_2464

 

大幅にズレていたスラスト角を微調整で整えて、

フロントはサブフレームを移動させクレドル調整。

 

キャンバー・キャスター・SAI・包括角度等は

左右差を少なくするように調整しました。

 

 

 

赤色になってるフロントトゥは

この後にステアリングセンターも合わせて調整しましたよ~。

 

 

高速での安定感も出て、

かなり走りやすくなったと思います。

 

 

 

s-IMG_1577 s-IMG_1578 s-IMG_1579 s-IMG_1580

 

 

最後にカーエアコンリフレッシュα。

 

 

冷媒ガスを全量回収しリフレッシュします。

 

真空引きで水分・空気を排出させて、

規定充填量で再チャージしました。

 

 

NUTEC NC-200も同時注入し、

コンプレッサーを保護強化。

 

 

これでエアコンも当分の間はノーメンテでOKでしょう。

 

 

 

 

 

納車時に作業内容を説明し、

今後のメンテナンスアドバイスもさせて頂きました。

 

 

3~4年は定期的なエンジンオイル交換と、

2年に一回のブレーキフルード交換ぐらいしか

今後整備する箇所はないと思います。

 

 

s-IMG_1436

 

 

10万キロ相応の乗り心地・コトコト異音が発生し、

ブレーキングが甘くなり振動も大きい。

 

まさかコンパクトカーだから10年・10万キロも走行したら、

もうダメだと思っていませんよね?

 

 

 

 

今の車両は(ある一定の時期に)(ある程度の予算)を

掛けて正しい整備を実施すれば、

まだまだ良い状態で長く使用できますよ~。

 

 

ですが作業重複度や関連性を無視して、

バラバラな個別整備をすると

思ったほどの整備効果は挙げれない。

 

 

 

 

リフレッシュプランのメインテーマは、

『もしこの車両が私の愛車ならどのように整備するか?』

 

オーナーさんの予算をお聞きして、

最適な整備プランを提案させて頂いています。

 

 

 

 

 

 

リフレッシュプランのご相談・ご依頼は

HPお問い合わせフォームからお待ちしていますね。

 

http://minato-motors.com/blog/?p=12375

3つの質問もお答えして頂けると

プランへの参考にしますので宜しくお願い致します。

 

 

HAPPY CAR LIFE!!

 

 

 

 

 

 

2017年12月27日

このページのトップへ