宮崎県からクラウンGRS200。 ATF交換とDSC。 直線距離と実走行距離。
宮崎県宮崎市からお越し頂いたのは、
クラウン GRS200 81600km
・ATF完全圧送式交換 for NUTEC NC-65
・DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
・LLC圧送式交換
・カーエアコンリフレッシュα for NUTEC NC-200
の作業依頼です。
一泊預かり作業になり、
朝一入庫・翌日お昼納車の予定になります。
まずはDSCから行いますね。
クラウン GRS200のエンジンは
4GR-FSE D-4 直噴エンジン。
燃料を噴射するインジェクターが吸気ポートには無く、
燃焼室内にある高出力と省燃費が両立するV6エンジン。
それの唯一のデメリットは
インテークバルブのカーボン蓄積による性能低下。
現在発売されている省燃費ガソリンエンジンは、
ほぼほぼ直噴なのでこの問題が表面化しつつありますね。
結構GRエンジン以外の車両のお問い合わせも多いのですが、
多岐にわたる障害があるので対応エンジンが増やせない状態です。
それではインテークバルブが見えるまで、
部品を分解していきます。
ちなみにこのクラウンはメンテナンス状態は良好。
エンジンオイル交換は定期的に行われているので、
ブローバイからの過流入オイルもキレイでした。
それではメンテナンス良好クラウンの
インテークバルブを覗いてみましょうか。
距離相応にカーボンが蓄積していますね。
またシャフトにもカマキリの卵状にカーボンが固着。
それにバルブ傘部は少なめに見えますが、
実際は燃焼熱で硬化し
カッチカチに固まっています。
最適な気流で燃料と空気を撹拌し、
少ない燃料で効率良くエネルギーを取り出す。
燃焼室やバルブの形状、各部配置をシュミレートし
最適な燃焼環境を開発したが・・。
経年劣化で設計通りの気流が作れなければ、
設計通りの燃焼にはならないのですよね。
エンジンオーバーホールをしないで、
インテークバルブから硬化したカーボンの除去は
不可能でしたが・・・。
グリーンテック社のドライアイス洗浄機を使用すれば、
不可能が可能になった2015年 春。
http://minato-motors.com/blog/?p=5905
DSCで飛び散るカーボンからボディを守るため、
マスカーにて完全防備。
水や溶剤を通さない3M社製の
高性能マスカー紙を使用しています。
燃焼室にカーボン片が入らないようにクランクを回し、
全閉にしてからドライアイス洗浄を開始します。
軽く数秒ショットすれば、
ドライアイスペレットが直撃した部分だけ
キレイになりましたね。
ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。
(熱収縮) と (昇華爆発力)
ドライアイスの特性を利用した洗浄方法。
直径4cm 深さ15cm のインテークポート。
全てがキレイになるまでショットを続けます。
6気筒12ポートすべてキレイに除去できました。
もちろんエンジンにはノーダメージで、
金属部にキズが付くことも無いのです。
インテーク系の部品を組み立てて、学習値も初期化。
ガスケット類のみ新品に交換します。
エンジンオイル交換とスパークプラグ交換それにDSCをすれば
20万キロ以上良い状態で使用できるエンジンだと思いますよ。
次はATF交換。
オイルパン洗浄・ストレーナー交換をしてから
ATFを圧送式で交換します。
クラウン等の密封式6速AT 圧送式交換は
数年前までは不可能と言われていました。
ですが弊社でオリジナルの専用アダプターを製作し、
不可能が可能になり数年経過。
見渡す限り誰も実現できていなかったので、
弊社が恐らく世界初だったと思います。
(勝手に認定ですが・・・)
(間違ってたらゴメンね。)
おかげさまで
(マークX・クラウンGRS系)
(IS・GS レクサス6速AT)
数百台は施工させて頂きました。
アイシンAFW+でプレ洗浄。
本命ATFを使用する前に、AT内部をフラッシング。
本命に使用するATFは
NUTEC ニューテック 『NC-65』
全化学合成油(エステル系)
ニューテック最高峰のATFを扱って数年。
ATF交換の入庫車両は
ほぼほぼNC-65になってしまいました。
リピート率が非常に高いのが特徴ですね。
NC-65でもう一度圧送式交換、
キレイに入れ替わりましたね。
注意
NC-65は色味が弱く、AFW+の赤色に干渉され
規定量では色までキレイになりません。
カーエアコンリフレッシュαで
年々減少するエアコンガスのリフレッシュ。
ノーメンテの車両も多いかと思います。
デンゲン社エコマックスJrを使用すれば、
冷媒の回収・再生・充填が全自動。
重量管理による正確なガスチャージが可能です。
また劣化するコンプレッサーオイルの補充には、
NUTEC NC-200 を同時注入。
エステル系全化学合成油を
ベースにした高性能ACオイル添加剤。
LLCも圧送式交換。
ラジエターリフレッシャーで脈動圧送交換を25分。
エンジン・ラジエター・ヒーターコア
全ての冷却水が入れ替わります。
内蔵ダイヤフラムポンプでLLCを冷却ラインに圧送し、
エンジンを掛けながら交換。
押し出された旧LLCは2つの高密度フィルターでろ過。
毎分7Lの流量で再度冷却ラインに戻ります。
冷却水10Lの車両なら25分間作業すると、
計算上約17周入れ替わる事になりますね。
翌日の朝はATFのレベル調整。
油温検出モードに入れてから、
規定温度で正確に調整。
試運転をして無事お昼12時に納車となりました。
実はこのクラウンオーナーさんは
1ヶ月前にマークXジオのCVTF交換作業をさせて頂きました。
その時に使用したNC-65が非常に良かったそうで、
今回はクラウン200でと再来店になった経緯があります。
今回納車時のお話の中で、
『もしかして私の方が最長来店距離記録者ではと?』
こちらのブログ記事について質問がありました。
http://minato-motors.com/blog/?p=10775
現記録保持者は宮城県仙台市からの来店で、
オール運転のフェリー使用なし。
宮崎市のクラウンオーナーさんは、
てっきりフェリーで来阪されたと思っていましたが
実はオール高速使用で運転オンリー。
そこでグーグルマップで調べてみました。
宮崎から大阪までの直線距離は約600kmで
仙台市の方が200km以上遠い。
ですが宮崎市から大阪に来るには
熊本周りで九州自動車道の使用が普通だそうで・・・。
走行距離は約909kmとなり
仙台市からの方より50kmほど長い。
(直線距離) と (実走行距離)
どちらが記録保持者なのか?
ん~難しい・・・。
イメージ的には仙台の方が遠い。
しかし宮崎市からは実走行で長く、しかも2回目。
まさかネタ的に書いたブログ記事で
こんなに私が悩むとは・・・。
結論
直線距離部門は仙台市のクラウン184。
実走行距離部門は宮崎市のクラウン200。
どちらもスゴいし、
どちらも来て頂いて本当にありがたい。
作業料金だけでも結構高額なのに、
交通費や労力まで合わせると
もう感謝しかないですよね。
これからも遠方から来られて、
ガッカリさせる事の無いように
気を引き締めて作業していきたいと思います。
これからも
どうぞミナト自動車をよろしくお願いします。
と、強引にまとめてみました。
Happy Car Life!!