中古車購入のその後に。 安くて最高水準はムリですよ~。
ある程度のコンディションが良ければ
10年10万キロでも
まだまだ十分使用できるのが国産中古車。
中古車ゆえに、過去の整備暦が分からない。
販売店が行う納車整備が、どの程度か分からない。
今後、使用していく上で
『必要な整備があるのか?一度点検して欲しい』
ATF交換と同時に依頼されました。
京都府からお越しいただきました。
ホンダ エリシオン RR1
平成18年 98000Km走行
内装・外装とも非常にきれい。
中古車の評価点でいうと4点以上が付くでしょう。 (結構イイ点数)
見た感じのコンディションも上々。
中古車販売店側 ・ 一般消費者(ユーザー)側
双方から見れば、全く問題ない車両だと思いますよ。
それでは専用の工具・設備を使って
本格的に点検してみますね~。
エンジンコンディションが
ある程度分かるのが 排気ガステスト。
CO 0.06 %
HC 0 ppm
CO2 10,8 %
CO2がやや低いが、問題ない数値ですね。
イリジウムスパークプラグは十分使えそうですが、
恐らく新車から無交換でしょう。
次回の整備機会があれば交換をオススメました。
エアエレメントはこんな感じ。
これだけ表面にホコリやゴミが付いていると、
微細なホコリはフィルター全面に埋まっています。
CO2の数値から判断すると、こちらも交換をオススメしました。
(日曜日の日帰り点検の為、部品商がお休みで在庫なし。)
リフトアップをして下回りをチェック。
エンジンマウント Fr側のゴムは
破断していますね。
本来は赤い線部分は
繋がっていないとダメなんですけど。
こちらも次回の整備機会にと、お話しました。
ブレーキキャリパーのチェックと
パッド残量を測定。
こちらは問題なくOKですね。
アーガス社 バッテリーアナライザーで
バッテリー ・ 充電状態のチェック。
充電状態 ・ 始動能力 ・ 充電システム は良好。
ですがバッテリー寿命(BL)は低下し、
NGの診断結果。
簡単にいうと
オルタネーターは発電出来ているが、
バッテリー劣化で充電できる容量が少なくなっている。
バッテリーは在庫があったので
新品に交換させて頂きました~。
ここからはオーナー様の希望整備です。
まずはWAKO’S RECS と ATF交換から。
ATFの状態をチャックし、トルコン太郎に接続。
本命ATFを使用する前に、
一度キレイにプレ洗浄しますね。
いきなり高額なATFを使用すると、
モッタイナイですから。
NUTEC ニューテック 最高峰ATF 『NC-65』
低粘度化された超ローフリクション。
エステル系基油を贅沢に使用したハイパフォーマンス性能。
高温・高回転・高負荷 の状態でも
安定して高い性能を発揮します。
車重が重たいミニバン。
高回転が得意のVTECエンジン。
NC-65がベストだと思いますよ。
色味が弱い薄緑色のNC-65のため、
色まで完全に入れ替わりません。
ですが95%以上は交換できたと思いますよ。
これで次回交換推奨距離は4万キロ以上となります。
エンジンオイルもNUTEC 全化学合成油で。
NC-51 エステルレーシング 0W30
0W20でも良いのですが、
前回までの使用粘度が分からない為
今回は0W30をチョイスしました。
オイル食い等がなければ、
次回のオイル交換は0W20でも良いかもしれませんね。
0W20から10W50まで
好きな粘度にブレンド調整できるのが
NUTECの特徴ですね。
『カーエアコンリフレッシュα』 と
NUTEC NC-200 コンプブースト注入。
エステル系オイルを使用した
高性能AC添加剤。
デンゲン社 エコマックスJrを使用して
全自動回収・再生・充填していきますね。
規定冷媒ガス充填量 750g +0g -50g
つまり (700g~750gの間で充填してね!)と
記載されています。
もちろん重量管理ですよ~。
(アバウトに充填すると冷えが悪くなります。)
充填量720gにセットし、
NC-200内の充填ガス25gと合わせて
合計745gの冷媒ガスを充填する予定です。
全回収をして高密度フィルターで ろ過。
真空引きで配管内の空気・水分除去。
重量管理された液化高速充填。
約30分ぐらいお待ちください。
新車時の冷媒ガス充填量750gに対して、
回収できたのが580g。
冷媒ガスが170gほど
足りなかったのが分かりましたね。
これでエアコンの効きも良くなり、
ACオン時のパワーロスの減るでしょう。
なんとか日帰りの作業完了ができる範囲で
点検整備を完了。
そして納車時に点検整備の結果を
オーナー様にお伝えしました。
・エアエレメントが汚れている。
・エンジンマウントが破損している。
・バッテリー寿命が低下している。
上記3点はミナト自動車の点検基準ではNGですが、
普通の中古車販売店では
(OKの場合が多いですよ!)とお伝えしました。
理由は簡単。
理由(1)
法令24ヶ月には上記3点の項目はないですし、
車検にも十分合格するからです。
・排気ガスも基準値内。
・エンジンが脱落していない。
・バッテリーが上がっていない。(液量・比重はOK)
理由(2)
納車整備を必要以上すると、
中古車販売価格(総額)が上がり
買い手(お客様)が付かないから。
中古車の納車整備費が高いと、
敬遠されますよね。
エリシオンの状態や整備状況から
販売店側の納車整備は問題ないです。 (最低限では)
最低限以上の整備は、
納車後にオーナー様側がしないと
良いコンディションでgoodカーライフは
送れないんですよ~と説明しました。
販売店はなるべく安く売りたい。
お客様も安く買いたい。
でも (整備状態は最高水準で)というのは、
無理な話だと思います。
恐らくミナト自動車の点検基準で
中古車販売の納車整備をしていたら、
買い手は現れないと思いますよ~。 (総額が高すぎてね)
それではHappy Car Life!!