クラウン180系 GR系直噴エンジン DSC 世界初の施工。 WAKO’S RECSの効果とは?
『D・S・C Project ディーエスシー プロジェクト』 実車編
クラウン GRS182 3RG-FSE
(WAKO’S RECSは直噴エンジンに有効だったのか?)
ゼロから考え直すきっかけになった車両です。
前々回ブログで説明した
直噴エンジンの『インテークバルブのカーボン蓄積』
http://minato-motors.com/blog/?p=5905
前回ブログはそれらを除去する
『DSC ドライアイス ショット カーボンクリーニング』の仕組み
http://minato-motors.com/blog/?p=5921
デモエンジン と 数台のテスト車で除去作業を繰り返し、
今回DSC最初のお客様はゼロクラウン GRS182です。
平成16年式 3000cc 3GR-FSE 走行距離は85000Km
オイル管理も良好で普通に使用している車両です。
エンジンの異常もなく、CO・HCも問題なし。
レクサス・トヨタ主力のV6直噴 GR系エンジン
助手席側ピラーにあるコーションプレート
エンジン型式 -FSE と記載があれば直噴になります。
( マークX・クラウン レクサスIS GS が該当します。)
スキャンツール『G-SCAN』 で完全暖機後のデータを記録。
作業後にどのような数値変化があるかを調べる予定です。
その為に汚れた電子制御スロットルは
カプラーを抜かず に外しますね。
(本来の作業ではスロットル洗浄後、初期化は含まれます。)
(高温のエンジンは冷却し、一番剥離しやすい温度まで下げます。)
樹脂製サージタンクを外せば、
予想通りブローバイのオイル吸い。
吸気経路がベトベトですね。
3GR・4GRエンジンに付いている(スワールCバルブ)を外すと
こちらも同様にカーボンスラッジ&オイルまみれ。
その先にあるのがインテークマニホールドで
6気筒なら12個あるインテークポートを覗いてみますね。
どれぐらい汚れているでしょうか?
どうでしょうか?
インテークバルブのカーボン蓄積で汚れ具合は。
(まだマシに見えますか?)
残念ながら
この画像に写るインテークバルブは、
12本ある内の比較的キレイな3本になります。
残りの9本のバルブはどうなっているのか?
コレをみて下さい。
バルブシャフトとポート壁に大量のカーボンが蓄積し、
オイルで全体が湿っていたり
内部EGRにさらされて、粉っぽかったり
想像以上に酷い状況。
ポート内径の半分はカーボン蓄積により塞がっています。
通常コレを除去するにはオーバーホールするか?
何日も掛けて少しずつ手作業で除去するか?になるでしょう。
ミナト自動車オリジナル
『DCS ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング』
ドライアイス洗浄機 トップメーカー
『グリーンテックJ社』のドライアイスパワー GT-100と
DCS専用ノズル ・ドライアイス3mmペレットを使用して
短時間で完璧に・エンジンにノーダメージで
カーボンを剥離除去していますね。
燃焼室内に剥離したカーボン片が落ちないように
オーバーラップを考えてクランクを回す。 (バルブ全閉)
複雑な形状のインテークバルブに
ドライアイスペレットが当るようにガン操作。
ショットを繰り返し、状況確認。
少しずつバルブの形が見えてきましたね~。
ですがバルブの傘部分などには
まだまだ強固に固着したカーボンが付いているので
再びドライアイスショットを繰り返します。
ちなみにインテークポートから飛び出てきたカーボン片。
こんな物がWAKO’S RECSレックスなどの
ケミカル剤で取れるのか?
仮に取れたとして
その破片は燃焼室に入らないのか?
バルブシートに挟まらないのか?
直噴エンジンの場合、WAKO’S RECSの施工順序を
根本的に見直さなければと思っています。
(燃焼室やピストンにはした方が良いのです・・・。)
(DSC施工後にWAKO’S RECSをすれば、さらに効果的なのでは?)
ほぼカーボンが剥離除去できましたね。
オーバーホール以外の方法で、しかも短時間に。
エンジンを傷つけずに全ポートのクリーニングが完了。
(スワールCバルブ) も同時クリーニングしますね。
サージタンクも出来るだけキレイにして
スロットルはデータ取りの為、洗浄せずに再組み立て。
エンジンを始動し暖機していきますね。
(空燃比F/B値)
(空燃比F/B値学習値)
が大きく変わるだろうと予想していましたが
スグにECUが最適な空気量補正をしようとするので
数値的な変化がハッキリ分からない。
ですがしばらく観察していると
同じ暖機後の回転数で
吸入空気量が増えて、燃料噴射量(気筒1)が減っているので
こちらは数値的にはイイ変化がありましたね。
(回転数が上がれば、その差はもっと大きく出てくるのでは。)
試運転の結果ですが
最初のテスト走行ではアイドリング時の微振動が多く、
あまり快適ではありませんでした。
推測では12ポートのカーボンが一気に取れ
各気筒ごとの燃料噴射量がバラバラのまま。
O2センサーから信号をスロットルボディのみで
なんとか全体の空気量補正していたような気がします。
ECU もアレレ?イママデトハチガウ?と思ったのでは?
そこで汚れたスロットルボディを清掃し、初期化を実施。
最初から再学習させて再試運転走行。
吹け上がりも良く、上々の加速感。
中速からの回転数吹け上がりは
NA本来の性能を取り戻したように思えます。
ずっと使用しているオーナー様ならスグにわかると思います。
この車両もエンジンオイル管理は悪くなく、
比較的キレイな部類に入るでしょう。
前々回ブログで説明したように
インテークバルブのカーボン蓄積は
オイル管理とはあまり関係なく、
直噴エンジンが持つ構造的な欠点なのです。
低燃費性の向上・排気ガス低エミッションに欠かせないEGR機構。
ブローバイガスの再循環燃焼によるオイル吸い込み。
スパークプラグ や エンジンオイルの劣化。
など様々な要因が重なり、構造上防ぐ事が出来ない
インテークバルブのカーボン蓄積。
一番良く使う中負荷域にカーボンが蓄積しやすく、
その結果、中負荷域のパワーが落ちていくのは皮肉な関係ですね。
『DSC ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング』は
本来持つエンジン性能を元の状態に戻す整備。
『汚れた物をキレイにする』
普通の清掃系整備にあたるのですが、
難易度が高すぎて
短時間に出来ない整備でもありました。
ミナト自動車では日帰りでの作業完了(約4時間)
で想定していますので
どうぞ気になる方はご相談ください。
お問い合わせは HPにある(お問い合わせフォーム)からどうぞ。
(DSC ディーエスシーの件)と記載して頂けると
御見積等の案内を返送します。
宜しくお願いします。