整備士的な目線で新技術への関心。 高額修理費となりそうですよ~。
マツダ アテンザ GJ2FP
スカイアクティブ-ディーゼル
板金交換での入庫です。
Fr右コーナー部の軽度な破損事故。
最近の勢いがあるマツダ
まったく新しい技術が満載で注目度も高いのですよね。
弊社のような民間修理工場には
新型車の整備入庫は基本的に少ないです。
新しいので故障自体が少ないのと
最初の車検までは購入ディーラーへの入庫が多いので。
ですが
2オーナー目になった時
発売から7年ぐらい経過した時
メーカー保証も切れて
民間工場への入庫率も上がる数年後に備えて?
サラリと観察してみますね。
スカイアクティブ-ディーゼル 2.2D
V6ガソリンエンジンより、エンジン音は高めかな。
でも静かですよね、ディーゼルにしては。
室内ではそんなに音は気にならないかな~。
従来の方法では排気ガスの黒煙や
NOx対策がクリアされない為
マツダ独自の新しい技術 と 高度なエンジン制御で
(高額な排ガス処理浄化装置を使用せず)
一つずつクリアしていったと聞いています。
上の画像に写るのは温度センサー。
吸気、排気に数個ずつ の温度センサー
吸気圧、排気圧にも複数の気圧センサー
吸気排気系統だけでも
かなりの数です。
従来のガソリンエンジンより
倍以上のセンサー類が付いているのでは。
どんな状況下でも空気量に対して
最適な燃料噴射をするのでしょうね。
減速時などの余った動力を オルタネーター(発電機)で無駄なく発電し、
回収するのはスデに多くの車種で採用されていますよね。
このアテンザの i-ELOOP (減速エネルギー回生システム)
可変電圧式オルタネーター で瞬時に大量発電(最大25V)し
キャパシタで大容量かつ素早く蓄電。
DC-DCコンバーターで通常の電圧(12~14.5V)まで降圧し
アイドリングストップ対応の高性能バッテリーに賢~く充電制御。
それらは全てPCMというパワー系コンピューターで
高速制御&監視制御されているようです。
ついにキャパシタまで採用しましたか。 すごいね。
今回の事故は『右側の軽い事故』でしたが
もし左側なら破損していただろう
高額が予想されるキャパシタが・・・付いています。
いろんな意味で車両保険は必須ですね。
今回も マツダ アテンザの
電子整備マニュアル (整備書、解説書) を閲覧しましたが
記載されている内容が
項目、量ともにハンパなく多いです。
どのように制御システム化しているのか
各機能の役割や点検方法、再設定の手順など
文章や図解で記載されています。
今まで以上に
精密機械の集合体になり
複数のECUでネットワーク管理。
電気のオン、オフのような簡単な信号指示ではなく
各ECU間を高速デジタル信号でCAN通信制御。
(エンジンの調子が少し悪いような)
(最近なんか燃費が悪いかも)
(チャックランプが付いたままですが)
些細な症状を放置すると
とんでもない所まで壊れそうな予感がします。
また粗悪な社外品の電子部品や
アフターパーツなどの装着により
誤作動を起こす可能性も
今まで以上に高くなるでしょう。
民間整備工場に入庫し出す数年後、
故障診断が出来るのでしょうかね?
(このオルタ、20V以上発電してる! 過充電や~! リビルトに交換するで~!)
とならなければ良いのですが・・・。
板金途中の新品バンパーの仮合わせ風景。
フェンダー等を板金して
塗装に移ります。
マツダ一押しの( 匠塗 41V ソウルレッド・プレミアムメタリック )
私もアテンザを購入するなら
この色がイイと思っていましたが・・・。
このカラーは
通常の2コートメタリックではなく
カラークリアーを用いた特殊3コートメタリック塗装。
非常にキレイで深みのある色なんですが
再塗装時の再現性は非常に悪いです。
今までの3コート塗装は
・ソリッドの下色塗装
・パールマイカ系等の塗装
・クリア塗装を順番に行います。
今回の41Vは
・メタリック系の塗装 (濁ったオレンジメタリック)
・レッド系クリア塗装 (無色のクリアに少量の赤)
・最後にクリアトップコート。
調色もやや難しいが
調色時と同じ条件で
実車に塗装するのが さらに難しい。
レッド系クリアの掛かり具合(塗り回数)で、大きく色が変化します。
市場に出た後、補修塗装の事を
まったく考えずに採用されたのでしょうか?
ちょっと気になったのでお知らせします。
最近多いLEDライト & AFS(アダプティブフロントライティングシステム)搭載のヘッドランプ。
ユニット交換(ランプのみ) なのですが
部品価格はかなり高額です。
HIDのバーナー付でのセット販売か?と
部品商に再問い合わせると
ユニットのみの価格でこのお値段です・・・とのこと。
最新技術満載のアテンザは
壊れたり、ブツけたりすると
今まで以上に高額な修理代が掛かりそうです。
デザインだけではなく
いろんな意味で欧州車に近づいた現行アテンザ
事故、故障にはお気をつけ下さいね~。