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香川県からマツダRX-8 リフレッシュプラン 後編。クラッチ・ラジエーターをリフレッシュ!! ホイールアライメント調整と1G締付。

前回ブログで紹介した香川県から依頼のマツダ RX-8 SE3P 平成18年式 走行距離10万キロのリフレッシュプラン。


前回ブログでは予約から入庫し、サスペンション・ブレーキなど足回り下回り整備を紹介しました。http://minato-motors.com/blog/?p=37888



今回ブログも引き続き、RX-8の整備をご紹介します。


クラッチのO/H履歴が無いと相談時にお聞きしました。
クラッチペダルのキコキコ異音も合わせて整備しますね。


一般乗用車でMT車を好んで乗られている方は、乗用車ユーザー全体で見るとかなり少数でしょう。

そしてその少数の方は基本的に(クラッチ操作が上手な方)だと思います。


なぜならクラッチ操作がヘタ、または苦手な方は、そもそもAT車に乗るはずだしMT車には乗らないので。



クラッチ操作が上手な方なら10万キロぐらいでクラッチディスクをズルズルに滑らせる事はないと思います。

ですがレリーズベアリング等の注油部のグリスは距離年数相応に劣化します。
それをメンテナンスするにはミッションを降ろして確認するしかないのです。


予想通りレリーズベアリングのグリスは劣化し、固く硬化していました。
またレリーズホーク ピボットのグリスも劣化。

これでは摺動部がスムーズに動かないので、クラッチ操作がしずらいですよね~。


クラッチ操作が上手くても下手でも、この摺動部のグリスは経年劣化で硬化しますので、10年に1度はO/Hが必要なんですよ。


せっかくMTミッションを降ろしたのでクラッチディスク等の状態を確認。


ディスクのフェーシング残量は残っていますが、残り少ないので交換します。



となるとフライホイールを外すのだから、なかなか交換機会が無いエンジン リアオイルシールも同時交換しました。




シャフト先端にあるパイロットベアリングとオイルシールも交換しました。
挿入する深さを測定しながら、慎重に圧入します。





クラッチはディスクとカバーはもちろんフライホイールまで交換します。
これでまた10万キロ使用する事が出来ますね。


MTミッションのメインドライブシャフトのオイルシールと、リアシャフトのオイルシールも同時交換。







クラッチマスターシリンダとレリーズシリンダのO/H。
内部を洗浄してピストンKITで組立ました。



室内からクラッチペダルを外します。

リターンスプリングの取り付け部にある樹脂製ブッシュが劣化して割れると、ペダル操作でキコキコ異音が聞こえるんですよね。


この部分だけの部品供給はないので、ペダルASSY交換しました。





クラッチ組立後にMTミッションを装着。

その後エンジンマウント左右も交換します。
液体封入式マウントの充填オイルも劣化しますので、エンジン振動を吸収出来なくなるのです。

またマツダPPF(パワープラントフレーム)採用車のRX-8はミッションマウントは存在せず、リアデフマウントがその役割を担っています。

リアデフキャリアブッシュASSYも交換します。




振動吸収ダンパーも同時交換しました。


マツダPPF(パワープラントフレーム)車の組立時には高さ調整が必要。

エンジンマウント左右とリアデフマウントで支えられた(エンジン・MT・デフ)が、1直線になるようにミリ単位でPPFの高さ調整。


基準値からPPFまでの高さを測定しながら組立。
その為にエンジンやデフのマウントを新調したのです。


https://car.motor-fan.jp/article/10011063
PPFパワープラントフレームについてはモーターファンの記事で詳しく説明していますので、そちらへどうぞ。

クラッチ・ブレーキのフルード交換&エア抜き作業。

クラッチキルスタータースイッチの接点不良で、スイッチASSYを交換しています。 接点が悪くエンジンが始動出来ない時がありました。







狭いエンジンルームに無理やり押し込んで装着しているRX-8のラジエター。
どちらか言えば交換しずらい部類になるかな。


ACコンデンサーを外して、ラジエターを交換します。


外したラジエターのアッパータンクは熱劣化で変色。
斑点が出てくればそろそろ限界でしょう。

破裂する前に予防整備でラジエターの交換を提案しました。
ゴムホースやブッシュも交換しますね。





ACコンデンサーはラジエター交換時には外すのですが、せっかくの機会なのでコンデンサーフィルターの交換を提案しました。

マツダ純正では部品供給が無いのですが、コンデンサー製造元のデンソー経由でフィルターを調達し交換します。




ラジエター交換後にLLCの圧送式交換を実施。

ラジエターリフレッシャーでLLCを全量入れ替え。
最後にLLC再生強化剤で防錆・消泡性能を強化し、エア抜き作業も行いました。



過去の整備歴でウォーターポンプやサーモスタッド等は交換済みだったので、未実施個所を中心にリフレッシュしました。



MTミッションとリアデフのギアオイルはニューテックNC-70 75W90を使用。
低粘度で強靭な油膜性能は純正ギアオイルの数段上のスペック。

全化学合成エステル系ギアオイルは非常に高額ですが、冷間時のシフトがスコスコ入るので好評です。




コンデンサーを外す前にAC冷媒ガスを測定して回収。
規定充填量は450gで回収量は240g。
約半分ほど冷媒ガスが無かったことになります。


長年の使用で配管等からガスが漏れるので、徐々に少なくなるのは仕方がない。

コンデンサー組立後に冷媒ガスを再充填。

・長めの真空引きをして、水分や空気を配管から除去。
・再生した冷媒ガスを重量管理で高速液化充填。
・同時にニューテック謹製NC-200コンプブーストで潤滑・気密強化。






これでやっと整備リフトからアライメントリフトに移動が出来ます。

タイヤを装着してアライメントリフトで1G締付。


整備中にリフトアップをすると、サスペンションアームは垂れ下がります。
この状態でブッシュ固定ボルトを締め付けると、着地時(1G状態)ではブッシュが捻じれて不要なブッシュテンションが掛かります。



黄色いテープが張ってある箇所がボルト仮締め箇所。

アライメントリフトで4輪が接地した1G状態にし、サスペンションアームブッシュのボルトを一度緩めます。

緩めると不要なブッシュテンション(負荷)が解放されますので、それから本締めします。


サスペンション整備後には必ず実施しないといけない1G締付作業。(しないとブッシュが早期に破損します。)


4輪が接地しながらリフトアップ出来る設備が無いと1G締付がやりずらいので,依頼する整備工場には(1G締付が出来ますか??)と聞いてから依頼した方が良いかと思います。




1G締付後に軽く試運転をして、サスペンションを馴染ませます。

そこからホイールアライメント調整を行いますね。




・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター WA470ホークアイ
4つのカメラセンサーで4つのホイールターゲットの動きを捕捉。
瞬時にホイールアライメント数値を演算します。


・イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト
別注カラーのロングホイールベース対応バージョン。
国産NO,1整備リフト(ビシャモンリフト)なら高剛性で水平レベルを長期に維持。



ホイールアライメントテスターもアライメントリフトも定期的に公正作業をしていますので、常に良い状態をキープしています。



組立てスグの状態だとほとんどの車両はバラバラな数値を示していますが、今回のRX-8は元々の精度が良いのでしょうね。  なかなかの数値になっていました。



そこから少しホイールアライメントを微調整。

最後にいつものテストコースで試運転を2セット。


念入りに試運転をして最終チェック。
その後リフトアップして下回りも再チェック。
万全の状態で無事納車となりました。



前編・後編の2回に分けて紹介したマツダRX-8のリフレッシュプラン

これぐらいの作業ボリュームならお預かり期間は約2週間。
(ただし入庫前に部品を揃えておく必要があります。)

前半の1週間で整備を終えて、後半の1週間でチェックや納車準備。


引き取り時には作業中の撮影した画像200枚を見ながら、今回の整備内容を説明させていただいています。

今後のメンテナンスアドバイスもお話ししながら、画像コピーもお渡しして納車しました。


本日もミナト自動車ブログ日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

リフレッシュプランは相応の部品を交換しますので、相応の整備費用は掛かります。

もう一度新車時のコンディションを取り戻したいと、リフレッシュプランを相談される方はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。


http://minato-motors.com/blog/?cat=12
実施した車両の1部ですがブログで公開していますので、(何年何月の○○のブログはいくら掛かりましたか?)聞いていただけるとお答え出来ます。
ぜひ整備予算の参考にしてください。


それではHAPPY CAR LIFE!!

2024年9月30日

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