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千葉県から数日預かりのマツダCX-5!! 後編。  マルチサーブでインジェクターとDPF洗浄・ATFは完全圧送式交換。

前回ブログで紹介した千葉県から陸送で入庫したマツダCX-5 
KE2FW 走行距離10万キロ

インテークに堆積する煤をドライアイスで完全除去しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=34054



今回も引き続きCX-5の作業を紹介しますね。




・マルチサーブ インジェクター洗浄システム
・マルチサーブ DPF洗浄システム


ディーゼルの普及率が高い欧州で活躍しているマルチサーブ。
このオレンジ色の機器でインジェクターやDPF等をシステム洗浄してリフレッシュさせます。

マルチサーブのフューエルサプライポンプにIN・OUTホースを接続。

サプライポンプ・コモンレール・デリバリーパイプ・インジェクターなどの軽油が流れるラインをケミカルの効果で洗浄しますね。



使用する洗浄剤はディーゼルシステムパージ。
マルチサーブ専用品で非常に高額。
モッタイナイので最後の一滴まで残さず投入。


アイドリングからやや回転数を上げながら、約75分掛けてゆっくり内部洗浄していきます。


燃料をサプライポンプで高温高圧に圧縮すると、僅かにスラッジ(超微細な粒子)が発生します。
(ディーゼルの燃料フィルターが真っ黒になるのはこのスラッジが原因)



それが燃料が流れるラインに付着するのですが、特にインジェクターのニードル部で少しずつ付着し続けると、燃料の出が悪くなります。

噴射量が少ないと振動や加速不良になるので、ECUが演算し噴射時間を補正して噴射量を調整しエンジン性能を維持するのです。



出来るのならば補正値はプラスマイナスゼロがベスト。
原因となるスラッジを取り除いてあげるのがこのマルチサーブのシステム洗浄。



インジェクター洗浄が終われば、DPF洗浄に移行します。






DPFに繋がるパイプにホースを接続。
まずは1液目の(DPFクリーナー 1000ml)を投入しました。




液晶画面の指示通りに操作します。

マルチサーブからDPFにDPFクリーナーが自動注入。

15分後にエンジン始動してアイドリング状態にし、DPFの温度を上げて洗浄効果を促進させます。

1液目を注入して15分後には、2液目の(DPFフラッシュ 1000ml)を投入。


画面を操作して2液目を自動注入します。

これでインジェクター洗浄とDPF洗浄の第一段階は終了。

このあとにはマフラーから排出される(猛烈な白煙&廃液)の排出作業に移ります。




巷ではDPFやインテーク系に洗浄用ケミカル剤を注入するDIY商品は多くあり、YouTubeやブログ等でよく見かけますよね。

施工後に白煙や廃液をまき散らして(こんなに煙や液が出ました~!!)とアピールしていますが、個人DIYならまだしもプロの仕事としては美しくない。


泡立った廃液や白煙・異臭は近所迷惑になるので、弊社では排煙回収装置を自社開発し作業を行っています。

ATF完全圧送式交換も行いました。

まずはオイルパン洗浄ストレーナー交換をしますね。

オイルパンを洗浄し磁石に付着した鉄粉を除去。
ストレーナーも交換します。



某国から直輸入している特殊な液体ガスケットでシーリングし、オイルパンを装着しますね。

この特殊な液体ガスケットは非常に高耐久で、作業性がよく仕事が早いので重宝しています。



ATFを補充し完全暖機します。

密封式6速ATにアダプターを装着し、ATFチェンジャーを接続して準備完了。

まずはプレ洗浄はニューテックNC-RFで行います。
ニューテックさんに提案して製作していただいたスペシャルリンシングフルード。

今のところNC-RFの取り扱いは日本では弊社のみになります。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434


ニューテックNC-RFはフラッシングフルードではありません。
AT等にダメージを残すような過度の洗浄効果は求めず、本命ATFの前段階で使用するリンシングフルードです。



全量イッキに交換して、やっとここまでキレイになりました。

・奥に見えるのが新油のNC-RF
・中央ビーカーが廃油
・手前右がプレ洗浄後のATF



15分間のアイドリングタイム。

次は本命ATFで交換します。




ニューテック史上最高峰のATF 『NC-65』


エステル系全化学合成基油を贅沢に使用し、市販ATFでは最強レベルの油膜性能。

ローフリクション・ハイパフォーマンス
極薄で強靭な油膜は高温・高圧・高回転時でも高性能を維持します。


また純正ATFを遥かに凌ぐ耐久性は、ATFのロングライフ化に有効です。




完璧に入れ替わりましたね。

ATFクーラーを洗浄し規定温度でレベル調整をすれば、ATF完全圧送式交換が終了です。



ここまでキレイになればストリート走行レベルの熱負荷なら、次回交換推奨距離は約6万キロ。



カーエアコンリフレッシュαも実施。

年々減少するAC冷媒ガス量をチェックしていますか?



490gの規定量に対して回収できたガス量は180g

約310gほど少ない状態でした。
これでも冷風は出ますが、コンプレッサーがフル稼働して圧力を上げているので、燃費にもコンプレッサーにも良くない状態です。


ガス回収した後に真空引きをし、規定充填量490gの冷媒ガスとニューテックNC-200コンプレッサーオイルを自動補充。





5年に一度くらいの頻度でAC冷媒ガス量をチェックしましょう。


入庫時に確認したDPFの差圧数値は大幅に改善し、バラついていたインジェクター補正値もフラットに整いましたね。

それ以外にも各数値をビフォーアフターで見比べて、隠れた不具合を確認します。そこからマル秘作業をゴニョゴニョにて、DSC等の作業が完了しました。


SKY-Dの不具合は煤除去作業だけでは完治しません。
煤除去作業前後のライブデータ数値から異常を判別する事が重要。


(ただ煤をホジホジ取るだけなら簡単ですから。)







最後の試運転をして納車となりました。




2部に分けて紹介したCX-5のDSCとオプション整備10点。


ブログでお見せしているのは(実作業の一部)です。
実際の作業は完全非公開で見学不可。

DSC等は企業秘密の作業が多すぎるので、お見せ出来ないんですよね。


その代わりに画像はたくさん残していますので、納車時にはそれを見ながら説明をさせていただいています。

また画像が必要な方にはDVDにコピーしてお渡ししていますよ。




マツダ スカイアクティブ1,5D・1,8D・2,2Dの煤堆積完全除去をご希望の方は、HP(お問い合わせフォーム)から御見積・ご予約を受付しています。



このCX-5オーナーさんは数日後に引き取りに来られ、千葉県まで自走で帰られました。



それではHAPPY CAR LIFE!!

2023年2月25日

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