トヨタ ハイラックスサーフ KDN215 その1。 リフレッシュプランで新車時のコンディションを取り戻そう!! ドライアイスで完全煤除去!!
ランドクルーザーやプラド、ハイラックスなどのクロカン車が、頑丈に作られているのはご存じでしょう。
・ドライブシャフトはクラウンなどの乗用車に比べて、一回り以上大きく太い。
・ハブベアリングはもちろん大きく、泥水の中を走行しても水が浸入しないようにシールも2重になっています。
そんなクロカン車もメンテナンスをしていなければ、クタクタ・ガタガタの車両になるのですよね。
特に中古車購入で整備歴が分からないと尚更です。
和歌山県からお越しいただいたのは トヨタ ハイラックスサーフ KDN215
走行距離12万キロ 1KD-FTVエンジン
ある程度の予算を掛けて新車時のコンディションに近づける提案型整備(リフレッシュプラン)のご依頼です。 http://minato-motors.com/blog/?cat=12
お問い合わせフォームからご相談をいただいて、予約入庫してもらいました。
・ディーゼルのハイラックスサーフを地元で中古車購入。
・前ユーザーの使用地域は神奈川県で、長い間動かしていなかったそうです。
・エンジンからカタカタ異音有で、冷間時が特に酷い。
・寒冷地仕様車で下回りの錆が多い。
・全体的に気持ちよく乗りたいのでリフレッシュプランを希望。
こんな感じで現状の不満点をメールでお知らせいただきました。
問診をし詳細に希望整備箇所や不具合などをお聞きしました。同時に整備の方向性もお伝えします。
代車をお貸ししてから試運転をし、事前ホイールアライメントを測定します。
アライメントリフトから整備リフトに移動し、タイヤを外して車両点検。
バッテリー点検やエンジン等のライブデータ確認、下回り足回り等も点検します。
点検結果から整備プランを制作し御見積。
メール相談時には今回の整備で掛けられる予算をお聞きしていますので、それに収まるような整備プランを提案しました。
ユーザーさんにどこまで整備するかを協議し、作業内容を決定します。
OKがもらえたので作業を始めますね。
まずはエンジンから始めましょうか。
冷間時アイドリング異音はスキャンツールでライブデータ数値を確認。
この時点で(これはもうインジェクターがダメだな)と。
この数値なら異音や振動・白煙は当然出るでしょうね。
1KD-FTVはハイエースやプラドに搭載されているディーゼルエンジン。
分解は慣れた作業なのでサクサクとインジェクターを外します。
また並行してインテーク系の煤を完全除去する為に、インテークマニホールドも分解しますね。
水冷式EGRクーラーの内部はこんな感じで煤詰まり。
これではクールドEGRが効果的に使用出来ないですよ。
インジェクターとグロープラグが外れました。
インジェクター先端は、煤とデポジットで詰まっていますね。
基本的にはインジェクターが不具合になると、その1本だけの交換ではなく全数交換がセオリー。
高額なインジェクターは壊れる前に予防整備をし、良いコンディションをキープする方が、結果的には経済的なんですが・・・。
壊れてしまえば交換しかない。
純正新品は高額なので信頼性のあるデンソー製リビルト品で全数交換。
そしてグロープラグは純正品です。
インジェクター組付後にはどのシリンダにどのインジェクターが装着されたかを?をECUに記憶させます。(キャリブレーション)
シリンダヘッドカバーやインタークーラー等を装着するとインジェクターの番号が見えないので、デジカメでパチッとメモ代わりに撮影します。
ガスケット類も交換してカバーを組付けました。
次はインテーク系の煤を完全除去します。
インテークマニホールド内部は分厚い煤でギットギト。
またマニホールド出口はさらに酷く、煤の堆積で経路が狭くなっていますね。
軽くホジホジするだけで、大量の煤が出てきました。
でも手作業での除去はキリがなく、キレイにならない。
エンジンヘッド側のインテークポートは1気筒だけ煤の堆積が酷く、それ以外は意外と堆積が少なめ。
手作業での完全除去は絶望的ですが、DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)ならノープロブレム。
ドライアイス洗浄機と弊社が開発したDSCで(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)煤除去洗浄が可能です。
・ドライアイスの特性を利用した洗浄方法
・熱収縮と昇華爆発力で母材から付着物が剥離。
軽くワンショットしてみると、カチカチに硬化した煤もキレイに剥離しましたね。
複雑な形状のポート内やバルブ等を完璧に洗浄します。圧縮上死点にセットして1気筒ずつ作業しました。
4気筒8ポート全て除去完了。
バルブ傘部やシャフト裏なども完璧にキレイになりました。
インテークマニホールド・EGRバルブ・吸気シャッターバルブ・水冷EGRクーラーなどもドライアイスで完全洗浄。
各バキュームスイッチ点検やEGRの開閉テストをし、洗浄のみで再利用が出来ました。
それらが壊れている場合は部品交換になります。
今回は部品交換もなく、ガスケットのみを新品交換しました。
同時にエアエレメントとフューエルエレメントも交換します。
インテーク系の煤除去とインジェクターの交換が完了し、次はコモンレールやデリバリーパイプ、フューエルサプライポンプなども内部洗浄します。
予防整備で徹底的に!!
マルチサーブ インジェクター洗浄システム。
インジェクター以外の燃料経路をケミカル洗浄しますね。
フューエルラインにマルチサーブのホースIN・OUTを接続。
ディーゼルシステムパージ1000mlを投入し、強力洗浄にセットして約60分掛けてシステム洗浄。
アイドリングをしながら時々回転数を変動させてゆっくり内部洗浄していきます。
作業が完了し翌日冷間時の異常振動も収まりました。フケ上りも良好ですね。
やっとここからサスペンションやブレーキ・ハブ等の下回り足回りをリフレッシュ整備を行えます。
次回ブログではハイラックスサーフのリフレッシュプランを引き続きご紹介しますよ~。
それではHAPPY CAR LIFE!!