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マツダ アテンザGJ系 リフレッシュプラン その3。 サスペンション・ブレーキをリフレッシュ!!新車時のコンディションを取り戻そう!!

前回・前々回ブログでスカイアクティブ-Dのウィークポイントであるインテークの煤堆積とインジェクター&DPF洗浄の予防整備を行いました。

http://minato-motors.com/blog/?p=33195 その1
http://minato-motors.com/blog/?p=33266 その2



今回のブログはリフレッシュプランのメイン整備であるサスペンション・ブレーキなどの足回り下回り整備をご紹介しますね。


事前ホイールアライメント測定や各テスターを使用した点検。
リフトアップしてタイヤやアンダーカバー等を外して車両全体の点検。

そこからリフレッシュプランの御見積を制作。


ユーザーさんにリフレッシュ整備のプランと見積を提示しました。
多少修正をしてOKがもらえたので作業を始めますね。


まずはブレーキキャリパーからO/Hします。

20万キロまでO/Hは未実施だったので、今回のリフレッシュプランで行いますね。


リアキャリパーのダストブーツを確認すると、こんな感じでダストブーツが破れていました。  これでは雨水やダスト等がキャリパー内部に侵入しますよね。




フロントキャリパーも同様にこんな感じになっていました。


4つのキャリパーのうち、3つのキャリパーダストブーツが破損。

整備士の方ならこの時点でピン!!と来たでしょう。
以前にブレーキを整備した人が正しい処置をせずにブレーキ整備をした結果、ダストブーツを破損させたとスグに分かる。


幸いキャリパーピストンの腐食や傷もなく、キャリパー内部の損傷もなかったので完全洗浄して再利用は可能でした。


もし錆び付いていたらキャリパーASSY1個で4万円ぐらいするので、3つだと結構な出費になっていたと思います。


正しい方法でキャリパーを分解し洗浄して、シールやダストブーツを組付けました。



組付けた後も(ピストンとシールの馴染ませ作業)も行い、ピストンがスムーズに引っ掛かりなく動くようにしてから車体に組付けます。


恐らく以前整備した方は上記画像のような状態でブレーキキャリパーを組付けたのだと思います。

ダストブーツにエアが溜まった状態だと、ブリっとブーツが膨らみます。 


そしてブレーキパッドとピストンの間にブーツが挟まると、ブチッとブーツが切れて破損するのです。

ダストブーツ内部のエアを抜くとダストブーツの蛇腹がキレイに畳まれて、ブーツがハミ出ることもありません。

リア側も同じくエア抜きをしてから車体に組付けます。



整備書には(ピストンとシールとの馴染ませ作業)(ブーツのエア抜き作業)も記載されていません。

当たり前に知っているべき事を知らない整備士が作業をすると、こんな風にユーザー側が無駄な出費を払う場合があります。



今回のブログでナンバープレートを隠しているのは、都道府県名を明かすとご迷惑が掛かる可能性があるので、今回はナンバープレート隠しました。




キャリパーのホルダー側も洗浄してグリスアップし、ダストブーツ交換。

前後ブレーキパッドも交換します。


低温から高温まで安定した粘度を長期間維持する高性能ブレーキパッドグリスWAKO’S BPRをバックシムに塗り込んで組付けました。



ディスクローター研磨で再生。
乱れて歪んだローターの面を整えて、均一にしていきます。


研磨というとガッツリ削るイメージがありますが、実際は表面を軽く整える作業ですのでご安心を。


最後に耐熱塗装を塗装してフィニッシュ。
これで新車時と同じ制動力に戻りますね。




ドライブシャフトO/Hですが今回はリビルト品で対応しました。


いつもは純正ブーツグリスKITで組み替えするのですが、メール相談時に異音があると判明しましたので、内部破損を考慮してリビルト品で交換する事に。



ただリビルト品のブーツでは耐久性が低いので、リビルト会社にお願いして純正ブーツグリスKITで組立を別注しました。


続いてサスペンション整備はヘタヘタに劣化したショックアブソーバー及び周辺消耗部品を交換します。


ロアアームのリアブッシュは大きく破損しており、ボールジョイントブーツも亀裂が入っています。

これでは乗り心地も悪く、直進安定性も低下しますよね。



フロントはショックアブソーバーだけではなく
・アッパーマウントやベアリング・インシュレーター
・スタビライザーリンクロッド&ブッシュ
・ロアアームASSY
なども交換しました。


リアもショックアブソーバを交換しますが、ロアアームASSY・スプリングシートも同時交換しますね。


リアロアアームASSYを交換したいのではなくブッシュのみを交換したいだけなのですが、マツダはこのブッシュだけの部品供給がないのでASSY交換になりました。



ハブベアリングも20万キロ走行したのでお役御免。

4輪のハブベアリングASSYを交換します。

分解しリフレッシュした部品を、適切な方法と手順で組付。

ブレーキ同様に間違った組み立てをすると折角交換した部品が破損しますからね~。


ブレーキフルードを交換しながらエア抜き作業も行います。


ATFも完全圧送式交換でリフレッシュ。


オイルパンを脱着洗浄しストレーナーも交換します。




オイルパンとATとの合わせ面をキレイに脱脂洗浄してから、液体ガスケットを使用して組付け。


フルードを補充して完全暖機し、圧送式交換をします。

密封式ATにアダプターを装着し、ATFチェンジャー(トルコン太郎)を接続。


まずはNUTEC リンシングフルードNC-RFでプレ洗浄。

NC-RFはニューテックさんと弊社とのコラボ企画から誕生したプレ洗浄専用フルードです。


一般販売はされておらず弊社もドラム缶200リットル単位で購入。
現在ドラム5本単位で在庫していますが、1000リットル在庫してもスグに売り切れるので在庫管理が大変ですね。

原油高・円安の影響で価格を維持する為に、なんとか安定供給に努めています。

奥に見える新油(NC-RF)と比べると少し濁っていますが、中央ビーカーの廃油と比べると結構キレイに入れ替わりましたね。




このまま15分ほどアイドリングタイム。
次は本命ATFでもう一度交換します。

ニューテック史上最高峰のATF (NC-65)
高価なエステル系基油を贅沢に使用した全化学合成ハイパフォーマンスATF


極薄で強靭な油膜性能はローフリクション・ハイパフォーマンス
高温・高圧・高回転時にも安定した油膜を維持。



スカイアクティブ6速ATには数百台ほどの交換実績があり、おかげさまで評判は上々でリピート率も高いですね。


NC-65のレビューはみんカラ等のSNSで高評価をいただいているので、弊社から説明する必要はないでしょう。


完璧に入れ替わりましたね。


(NC-RF)&(NC-65)とのコンビ圧送式交換が出来るのは、国内ではミナト自動車のみになります。


最後にATFクーラーを洗浄して、規定温度でフルードレベル調整を行いました。

今回のアテンザにはDSCやマルチサーブ サスペンション・ブレーキ整備以外にも走行距離を考慮して、いろいろな整備を提案しました。


・フューエルエレメント交換
・ウォーターポンプ&サーモスタッド交換
・オルタネーターワンウェイクラッチプーリー交換

これらはDSCでインテークマニホールドやEGRクーラー洗浄時に行いました。

年々減少するエアコン冷媒ガスも、デンゲン社エコマックスjrで回収再生再充填。

結果的には規定充填量よりも250gほど冷媒ガスが不足していたようですね。
規定量490gで再充填し、コンプレッサーオイルもNC-200で潤滑強化しました。

アライメントリフトに移動します。

サスペンション整備の必須作業(1G締付)
組付け時に発生するブッシュの捻じれをボルトナットを緩めて開放し、もう一度再締付します。

1G締付をしないと交換したブッシュが早期に破損しますよ。



1G締付後に軽く試運転をしてサスペンションを馴染ませます。

そこからホイールアライメント調整を行いますね。


・ハンター社ホイールアライメントテスター ホークアイWA470
・イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト

こちらを使用してホイールアライメントを調整。
キレイに整ったので走りやすいアテンザに戻りましたね。



ここからいつものテストコースで試運転を繰り返します。
振動や異音等が無いか?ブレーキの効きや加速フィーリングを確認します。



数日後にユーザーさんに納車しました。


納車時には作業中の画像約250枚を見ながら、作業内容を説明。
また今後の整備アドバイスや注意点もお伝えしてます。

後日ユーザーさんからレビューをメールでいただきました。



ミナト自動車○○様リフレッシュプランありがとうございました。
仕上がりは最高です。
通勤で75km/日利用していますので整備前との改善状況を報告します。

①高速のみ燃費(大阪⇔神奈川470km):整備前17.8km/L、整備後18.9Km/L

②加速:昇りでの加速が大きく改善

③アクセルオンのレスポンス:低回転からの伸びが良くなる。前より踏みこまずにスムーズな加速です

④アクセルオフのレスポンス:回転数がすぐ落ちなくなっていたが、すみやかに低下するのでエンジンブレーキが利きやすい

⑤高速でのハンドルのぶれ:100km/Hと115km/Hで発生したハンドルのぶれがなくなる


⑥高速でのふらつき:100~120km/Hでの路面状況変化でのふらつきなくなり直進性改善

⑦コーナーのふらつき:カーブを曲がるときの車体のふらつきがなくなりふんばれる

大変満足しています。今後もご活躍をお祈りいたします。△△



・DSC、マルチサーブやDSCオプション整備などは1泊2日で納車が可能。

・ATF交換やATFオプション整備などは基本的には日帰り作業で納車可能。

・3部のブログのようにDSC・ATF交換・マルチサーブに加えて車両全体を整備するリフレッシュプランの場合は約2週間のお預かりになります。




DSC・ATF交換・マルチサーブ・リフレッシュプランのご相談・御見積・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。



どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!




2022年11月6日

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