ハイエースKZH100 リフレッシュプラン その1。 サスペンション、ハブ、ブレーキをリフレッシュ!!
兵庫県からお越しいただいたのはハイエース KZH100 走行距離18万キロ
予算に合わせて車両全体を整備するリフレッシュプランのご依頼で入庫しました。
リフレッシュプランについてはこちらのブログを参照にしてください。
http://minato-motors.com/blog/?p=31370
(お問い合わせフォーム)からご相談をいただいて(整備予算・不具合不満点・お預かり期間等)をお聞きし、数か月後の入庫となりました。
時期によって変わるのですがリフレッシュプランはオーダーをいただいてから入庫まで(1か月待ち)の時もあれば、(数か月待ち)の時もあります。
順番に1台ずつ入庫してもらい整備作業をしているので、オーダーが多くなると数か月ほどお待ちいただく事があります。
メール相談時には車両の不具合点・不満点・改善したい箇所などをお聞きしています。
今回メールでのお聞きしたのは、
・エンジンの振動が大きい(始動時・アイドリング時)
・左に流れていく (直進安定性が低い)
・足回りから異音がある。 カタカタ コトコト
・エンジンのパワーがないような気がする。
・エアコンの冷えが悪い。
その他イロイロあるのですが距離・年式相応に愛車が劣化し、気になる点が多くなってきたようです。
過去の経験と不具合箇所から判断して、入庫1か月前に交換予定部品を先行発注します。 入庫し見積が出来てから部品を発注しても、部品はスグには集まらないので。
問診をして試運転。
数十メートル走行するとスグに症状が確認できました。
交差点で曲がるたびにユラユラ揺れて、ショックの収まりが悪い。
またブレーキの効きが非常に甘く、制動力低下・コントロールがしにくい。
試運転後に事前ホイールアライメントを測定して、サスペンションの状態を確認。
リフトアップして点検をし車両の状態を確認して、整備プランの御見積を制作。
整備プランを提示しオーナーさんと相談しながら、どこまで整備をするかを協議します。
整備プランが決まれば追加部品を発注して、作業を始めますね。
フロントサスペンションやブレーキ等から始めますね。
まずは足回りをバラバラに分解します。
フロントロアアームブッシュ交換
油圧プレスと治具を使用して、ブッシュを打ち換えますね。
ストラットバーのブッシュやスタビライザーブッシュ・バンプも交換します。
アッパーアームはASSY交換。
ハイエースは100系200系問わずアッパーボールジョイントにガタが出ますので、必ず交換しています。
下の画像のように指で上下に揺すると、カタカタとガタが確認できました。
ショックアブソーバーは完全に劣化しているので、もちろん要交換。
ハブベアリングもリフレッシュ。
内部のグリスを洗浄し新しいグリスとベアリングやシールで組み立てます。
ハブから分解したブレーキディスクローターを研磨。
ハイエースは乗用車と違い、ハブを脱着しないとディスクローターが外れない構造です。
研磨機にセットして慎重に研磨しました。
耐熱塗装(500℃)をしてあげれば完成。
フロントサスペンションをバラバラにすれば、エンジンを支えているサブフレームが簡単に外れます。
サブフレームが外れるとエンジンのハーネスやホースに負荷を掛けずにマウント交換が出来るのですよ~。
左右のエンジンマウントとミッションマウントの計3点を交換しました。
始動時にガタンと異音がしていたのは、エンジンマウントの劣化ですね。大きく裂け目がありました。
ガタが出やすいステアリングのラックエンドを交換。
ここにガタがあるとステアリングの遊びが大きくなり、直進安定性が低下します。
直進安定性が低いと高速で長距離移動時には、常にハンドルが取られるので疲れるんですよね。
ナックルのロアボールジョイントも交換して、ハブやサスペンションを組み立てますね。
ハイエース100系のハブを組み立てる時には、2点の注意が必要。
・ディスクローターの振れ点検
ディスクローターを正確に研磨しても、ハブとの組み合わせが悪いと高速走行時のブレーキングで振動が出ます。
・ハブベアリングのプレロード調整
ロックナットの締付調整は、バネ測りでプレロード測定しながら調整します。
ブレーキキャリパーとブレーキパッド交換。
キャリパーを完全洗浄してシールを交換しO/H。
ブレーキパッドはWAKO’S BPR高性能ブレーキパッドグリスで組立。
これでフロントの下回り・足回りの整備がとりあえず完了。
(ホイールアライメント等は最後に行いますのでご安心を。)
これで整備プラン全体での30%ぐらいが終わりました。
次回ブログではリアのサスペンションやハブなどの整備を紹介しますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!