レクサスIS250 ATF完全圧送式交換とDSC。玉石混交からの見極め方。
大阪府堺市から来店されたのはレクサスIS250 GSE20 走行距離10万キロ
ATF完全圧送式交換とDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)の依頼をいただきました。
入庫日を決めて予約入庫してもらいました~。
令和になって4年目ですが未だに(ATF交換は必要か?不要か?)の問いがありますが、答えは(必要です。)
ATFは使用すれば劣化します。それはどのオイル・フルードでも同じ。ただ交換サイクルが違うだけ。
オイルやフルードが酸化するとゴムシールを痛めて、オイル漏れの原因になります。
またATケースとオイルパンの間にあるガスケット。これも年数が経過すると硬化し密着不良からオイル漏れになる。 そうするとフルードの量が減り、ATの不具合が発生しだします。
劣化し潤滑性能が低下すれば、機械摩耗もするし密着摺動も低下するでしょう。
適切な作業で最適な機器を使用すれば、故障もなくほぼ完全にATFは交換出来るんですけどね。
それでも世間では(ATF交換をすると壊れる or しなくてもよい)となるのは、先ほどとは矛盾するがある意味で正解になりつつあるのが現状。
残念ながら最近巷のATF交換事情は雲行きが怪しいですね。
(他社でATF交換したけど不具合が発生したんですけど・・・。)
(中古車購入時から違和感があり、どうもフィーリングが悪い。)
こんなメール相談が近年増えてきて、弊社でATF交換を依頼されるのが増えています。
(正しい交換方法で確実な手順で行えば、過走行車のATF交換でも問題ありません。)と長年かけてアナウンスしていましたが、どうやら一部の業者のせいで(やっぱりATF交換はギャンブルなんだ)となっていく流れになりそうですね。
ATF交換を依頼するなら実績もそうですが、(その整備工場がATF交換以外の整備をどのようにしているか?)を見た方が良いかと思います。 信頼できる整備工場なら、その他の整備も相応にレベルが高いと思いますので。
それでは作業を始めますね。
入庫していただいて問診をし、試運転を行います。
そこからATFの状態をチェックし、問題が無ければオイルパン外しますね。
オイルパンを洗浄し磁石に付着した鉄粉を除去し、ストレーナーも同時交換します。
オイルパンには新しいガスケットを使用して、ATに装着。
・レクサスIS GS LS
・トヨタ クラウン マークⅡ
のATF交換依頼は非常に多いので、ガスケットとストレーナーは常時在庫しています。
ATF交換に関しては日本全国から依頼をいただいているので、消耗交換部品の在庫切れを無くすために常にストックしています。
http://minato-motors.com/blog/?cat=8
密封式ATにアダプターを装着し、ATFチェンジャー(トルコン太郎)を接続。
圧送式交換が出来なかった密封式ATでも、確実にATF交換が出来るようになりました。
もちろんアダプターは自社で製作です。
2013年に世界で初めてトヨタ・レクサス密封式AT用のアダプターを製作し、ATF圧送式交換を実施していた弊社には、全国各地からATF交換の依頼が来ました。
その様子をブログで見た多くの整備工場からは、(そのアダプターを売ってくれ!)と問い合わせが激増。
でも(お売りする事出来ません)とお断りしていました。
正直これぐらいの物を知恵を捻って独自に作れないようでは、(ATF交換なんてしちゃダメでしょう)という考え。
今ではどこかで製作されたアダプターが市販化され、全国にばら撒かれ玉石混交
アダプターの普及は広がったが、正確な技術までは広がらなかったのかな??と思っています。
そういう意味で(ATF交換をするとミッションが壊れる)というのは、お店選びを間違えると現実になるんですよね。
閑話休題
アダプターを装着してトルコン太郎を接続し、まずはプレ洗浄。
プレ洗浄に使用したATFはアイシンAFW+。
IS250のATはアイシン精機製ですからAFW+ならバッチリですね。
左奥の新油に比べるとまだまだ汚れていますが、中央ビーカーの廃油と比べると少しキレイになりましたよね。
このまま15分ほどアイドリングタイム。
このあともう一度全量圧送式交換を行います。
肉眼で見るとこんな感じ。
ほぼ完璧に入れ替わりました。
ATFクーラーを洗浄してから、一度冷却。
そこから規定温度でATFのレベル調整。
この時にスキャンツールからATFの油温を見ながら調整してはダメです。(その方法ではトヨタレクサスの適切なフルードレベル調整は出来ません。)
弊社では正しい手順で確実にフルードレベル調整を行いました。
試運転をして無事納車となりましたが、数日後ユーザーさんからお連絡が・・・。
交換後からは非常にATのシフトフィーリングが向上したので、ブログで見たDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)も追加依頼したいと・・・。
体感していただいてありがとうございます。
そんなわけで後日再入庫してもらいました。
依頼を受けたDSCとスパークプラグ交換を行います。
レクサスIS・GSやトヨタクラウン・マークⅡに搭載されているGR系直噴エンジンはインテークバルブにカーボンが堆積します。
これがエンジン吸気効率が低下し、燃焼状態を悪化させます。
手作業で除去するのはほぼ無理ですが、弊社が開発したDSCなら(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)除去が可能です。
インテークバルブの傘部やシャフトに、カマキリの卵状にカーボンが堆積。
これでは理想的な吸気渦にはならず、ガソリンと空気の撹拌が悪くなり、燃焼状態が悪化します。
カーボンが発生するのは燃料が完全燃焼していないから。 当然パワーダウン・燃費悪化に繋がりますよ~。
カーボン堆積をエンジンをO/Hせずに除去する方法として、世界で初めて実用化したのがDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
弊社が開発した唯一無二のオリジナル整備。(商標登録取得済み)
ドライアイス洗浄機に弊社が開発した特殊DSCノズルとアダプターを装着し、一気に除去していきますね。
・ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射
・熱収縮と昇華爆発力
母材金属やシール類を傷付けずに固着したカーボンを完全除去。
車両をマスキングして飛散するカーボンからボディを完全防備。
DSC作業中は完全非公開で工場の扉も閉めてシャットアウト。
いわゆる企業秘密という奴ですね。
ドライアイス洗浄機にペレットを投入し軽くワンショットすれば、強固に固着したカーボン塊が剥離します。
シャフト傘部やシャフト裏までキレイになるように、複数あるノズルとアダプターを組み替えて洗浄していきますね~。
全6気筒12ポート全てキレイに除去完了。
ペレットが燃焼室に入らないように圧縮上死点にセットして作業をしていますよ。
これで本来の吸気渦が発生し、燃焼室内でガソリンが均一に撹拌されるでしょう。
(良い混合気)(良い圧縮)(良い点火)ガソリンエンジンの3要素
DSCをGRエンジンに行うならスパークプラグ交換時期も近いでしょう。
NGK謹製プレミアムRX 高性能スパークプラグで全数交換しました。
https://www.ngk-sparkplugs.jp/ngk/sparkplugs/products/rx/
スパークプラグが劣化した状態で使用し続けると、イグニッションコイルの要求電圧が高まりコイル故障の原因に。
スパークプラグも定期的に交換しましょうね。
樹脂製サージタンクに吹き返したカーボン粒や、スワールコントロールバルブに固着したカーボンも除去しました。
ガスケット類は全て新品に交換し、スロットルボディ清掃初期化を行います。
全ての部品を組み立ててから、エンジン始動で完全暖機。 試運転をしてから無事納車となりました。
エンジンの吹け上がりもスムーズになり、アイドリング時の微振動も解消されましたね。
これで本来のGRエンジンに回復したと思います。まだまだ長く乗れそうですよ~!!
DSCは弊社しか施工が出来ませんが、ATF交換に関してはお店選びは慎重に。
玉石混交を見極めるのは、結局のところ自分自身ですよ。
ATF交換とDSCのご依頼・お見積りはHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。 必要事項を記入して送信していただければお返事をさせていただきます。
それではHAPPY CAR LIFE!!