陸送プランでスカイアクティブDの煤除去作業。 インテークとインジェクターとDPFをクリーニング。 警告灯点灯には要注意!!
富山県(石川ナンバー)から入庫したのはマツダ アテンザGJ2FP。
DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)とマルチサーブ洗浄システム(インジェクター洗浄とDPF洗浄)のご依頼です。
富山県から大阪府堺市にあるミナト自動車までの来店は、ちょっと遠い。
そこで弊社で陸送手配をする(陸送プラン)での入庫となりました。
・富山県から弊社までの高速料金は通常料金が片道¥9,400-ぐらい。
・北陸道から近畿道を使った走行距離は片道350km。
・渋滞がなければ連続運転で片道約4時間。
・1泊2日となると往復の高速代とガソリン代、宿泊費用に2日間の外食費。
・往復8時間 700km連続運転を完遂する体力と疲労。
これらを考慮すると(陸送も悪くない選択だ)とお伝えして、今回は自走ではなく往復陸送での入庫となりました。
全国主要都市に陸送会社の基地があり、ユーザーさんに直接搬入してもらいます。弊社が陸送手配してユーザーが直接持ち込んで、作業後にまた取りに行くという感じですね。
金沢CS搬入から5日ほどで無事到着したアテンザ。
搬入基地に入庫した時には車体360°からの画像を撮影してもらい、弊社に到着した時も同じく撮影しています。
普段は入庫車両の外装チェック撮影はしませんが、陸送の時はユーザー・弊社以外の第三者が運転するので、トラブル防止の為に画像を残すようにしています。(陸送で何かあった時の立証責任は被害者側にあるのが原則ですから)
試運転をしてコンディションを確認し、DSCの作業を始めますね。
インテークマニホールドと水冷EGRクーラーを外しました。
煤の状態を確認します。
インテークマニホールド入り口のEGR導入パイプと吸気シャッターバルブに煤が堆積していますね。
特にEGR導入パイプの出口が塞がっているので、これでは欲しいタイミングでEGRが導入できなくなりますね。
導入パイプを180度回すと、裏側の導入口が辛うじて空いていました。
これが完全に塞がるとエンジン警告灯が点灯し、車検には不合格になります。
EGR系統が煤堆積で詰まってくると、弊害として水冷EGRクーラーも煤が堆積しやすい傾向があります。
EGRクーラーが煤で詰まり気味になれば、冷却が出来ないので効果的にクールドEGRが使えなくなるのですよね。
ディーゼルのNOxとPMの発生はトレードオフ。
スカイアクティブDは低圧縮化・大容量EGR導入と燃料噴射制御等で両方とも抑えたという技術。
その柱であるクールドEGRが効果的に使えなくなるとどうなるでしょうかね?
DSCと同時にオプション整備(水冷EGRクーラー洗浄)も行います。
新品交換より洗浄の方が遥かに安価ですよ~。
SKY-D2,2の場合は全部で4つの堆積パターンがある事が分かっています。
今回のアテンザはエンジンヘッドのポート内や吸気シャッターバルブには、あまり煤が堆積していないようで、最近増えているEGR導入口が詰まるパターンのようですね。
それでもポート奥にあるバルブ傘部を確認すると、ガッチリ煤が固着していました。(画像では映らないですが)
弊社が開発したDSCで堆積している煤固着を完全除去しますね。
宜しければDSC紹介動画をご覧ください。
・圧縮空気でドライアイスペレットを高速噴射。
・熱収縮と昇華爆発力
・複数あるDSC専用ノズルと専用アダプターを組み合わせ。
・正確なノズル操作と技術で完全除去。
(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)
ドライアイス洗浄機を用いて全ての煤を除去しました。
新車時同様の状態に戻りましたね。
圧縮上死点にセットして1気筒ずつ作業をしていますので、燃焼室に煤やペレットが混入する事はありません。
純正ガスケットを使用して、元の状態に組み立てますね。
オプション整備の(インタークーラー洗浄)も行いました。
DSC作業前に外しておいて吊るしておきます。
自重でオイルが排出されてから、洗浄剤とパーツクリーナーで完全脱脂しました。
部品を組み立て後にLLCを注入し、暖機しながらエア抜き作業を行います。
また劣化しやすいラジエターキャップは要交換です。
次はマルチサーブ洗浄システムでインジェクター洗浄とDPF洗浄を行いました。
まずはDPF洗浄から始めます。
DPFクリーナー(1液目)1000mlをマルチサーブに投入し、ホースをDPFに接続します。
次にDPFフラッシュ(2液目)1000mlをマルチサーブに投入。
DPF洗浄は一時中断し、次の作業に移ります。
マルチサーブ インジェクター洗浄で噴射ポンプやデリバリーパイプなどのフューエルラインを洗浄しますね。
フューエルポンプに直接ホースを接続します。
ディーゼル システムパージ1000mlを投入して作業を進めていきます。
ゆっくり60分以上掛けてアイドリングしながらフューエルラインを洗浄。
燃料を高圧にすると必然的に発生する超微細なスラッジ。
そのスラッジ同士が結束したりライン内やニードル内部に付着。
メーカーもそんな事は分かっているので、インジェクターの噴射量学習でなんとかエンジンのバランスを精密に制御していますが、補正制御も限度があるのですね。
マルチサーブのケミカル群は微細なスラッジを溶解している訳ではありません。超微細なスラッジの結束を緩めて、再結合しないようにしています。
結束さえ緩めば燃料に流されて、燃焼室で燃えます。
DPFの煤・アッシュも排気で排出されます。
詰まり気味だったインジェクターのノズル内部の汚れも除去すると、噴射量の気筒間バランスも整い、理想的な燃料噴射が出来るのですよね。
マルチサーブ インジェクター洗浄・DPF洗浄が終われば、DPF内のケミカルと煤・アッシュを強制排出します。
猛烈な白煙と異臭が出ますので、除去装置を接続して排煙作業を行いますね。
マルチサーブのインジェクター洗浄・DPF洗浄の基本料金内には、各アフターケミカルが付随しています。
・ディーゼルエクストリームクリーナー
・DPFリジェネレーター
こちらは作業後に燃料タンクに投入していただいて、遅効的に煤・アッシュ・スラッジを除去してくれますよ。
弊社が言うのもなんですが、マルチサーブ施工料金は決して安くはない。
なぜならこの専用ケミカル群が結構高額なんですよね。
皆さんがイメージしている価格より2~3倍は高いと思いますよ~。
本国でもこのマルチサーブ専用ケミカルは一般販売はされておらず、マルチサーブのプロショップオンリーの取り扱いになります。
ちなみに作業工賃はリーズナブルしていますので、ご安心ください。
最後に試運転をして各学習値もリセットし、再学習させます。 またマル秘作業もゴニョゴニョして作業は完了。
スキャンツールからDPFとインジェクターのライブ数値を確認。 入庫時には堆積量が多く、噴射バランスも悪かったですが、作業後はほぼゼロになりバランスも整いましたね。
(どうも噴射の具合が悪いのでインジェクターを交換した。)
(DPFが詰まってしまって、リビルトDPFなどに交換した。)
どちらも予算があるのなら、特に問題はありません。
ただ本当にそのインジェクターとDPFが悪かったのか?
交換しないといけないほどダメージがあったのか?
そもそも何故?悪くなったのか?
弊社は部品交換という選択をする前に洗浄という選択肢を一つ増やして、新しいメンテナンス提案をアナウンスしています。
作業後に完了連絡と請求書をメールで送信しました。
銀行振込で入金確認後にはスグに陸送手配を行います。
数日後には金沢CSに到着し、ユーザーさんが引き取りに行ってもらいました。
お車には作業時の画像コピー(100枚以上)とアフターケミカル各1本ずつを入れておきました。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。
DSCやマルチサーブについての実績は過去のブログを覗いていただけると幸いです。 http://minato-motors.com/blog/?cat=169
DSCやマルチサーブのご予約・御見積はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!