スバル レガシィ ランカスター6 リフレッシュプラン 後半編。ATF交換やホイールアライメントも実施。新車の乗り心地を取り戻そう!!
前回ブログで紹介した埼玉県からお越しのレガシィ ランカスター6 リフレッシュプランの続きです。
陸送プランで川口市から入庫したランカスター6 平成13年 走行距離は僅か2万キロ。
点検から整備プランを御見積し、サスペンションなどの足回り・下回り系の整備を前半編のブログで紹介しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=29573
後半ブログはエンジンやAT・ホイールアライメント調整などを紹介します。
パワステのオイルホースからのオイル漏れ。
エキゾーストの横にあり熱劣化しやすいP/S高圧ゴムホースを新品ASSYで交換します。 また定番に漏れるリターンホースやP/Sポンプのオーリングも同時に交換しますね。
サスペンションがバラバラに分解されている状態からのP/Sホース類交換は比較的簡単。その分工賃も安くなりますよ。
サブフレームとステアリングギアボックスごと分解して、ホースASSYを交換しました。
サブフレームを外せば交換しづらいエンジンマウント左右交換も楽勝。 同時に整備をすると作業が重複する個所は、工賃重複分は安くなる。
ある程度使用した車両はバラバラに個別に無計画に整備しても、お金が掛かるばっかりでいつまで経ってもコンディションが回復しない。
何度も整備工場に預けて、お金が頻繁に飛んでいくと、旧車を乗る事を諦めるのがほとんどじゃないですかね。
それって整備のプランニングとお金の掛け方が間違っている可能性がありますよ~。
リアのATマウントやチッピングロッドも同時に交換しました。ゴムが硬化してクラックがありますね。
定番のエンジンオイルクーラーからのオイル漏れ。
オーリングと周辺ホースを交換します。
ラジエター下側の錆が酷く、ホースの状態も悪いので全て交換しますね。
・ラジエターASSY
・ラジエターホース
・ATFオイルホース
古く硬化したゴムホースのホースバンドを締め上げても、オイル漏れは止まらない。素直に交換しましょう。
熱劣化して変色したラジエターは破損や漏れの前兆ですので、早めに交換しておきますね。
朝一に引っ掛かりがあるアクセルワイヤーも交換しました。
アイドリングを微調整するISCVもモータまで分解して、内部のシャッターバルブを清掃。 ISCVにカーボンが蓄積するとエンジン回転数がフラフラしますし、エンジン微振動も発生するので定期的な清掃は必要ですね。
ATのオイルパンを脱着洗浄して、磁石の鉄粉も除去。
スバルATには外部ATFフィルターが装着されていますので、こちらも交換しますね。
オイルパンとATとの合わせ面を清掃し完全脱脂、液体ガスケットで再装着します。
ATFを補充して漏れチェック。
フロント・リアのデフオイル交換。
NUTEC NC-70 75W90 全化学合成ギアオイル
LLCも圧送式で全量交換。
ラジエターリフレッシャーを冷却ラインに接続し、脈動圧送でLLCをリフレッシュ。回収したLLCを高密度フィルターでLLCに浮遊する汚れをキャッチし、またラインに戻す。
劣化した添加剤等はLLC再生強化剤を注入して、防錆・消泡性能を強化します。
完全暖機が出来たところで、ATFを圧送式で交換します。
ATFチェンジャーを接続して、まずはNUTEC ニューテックNC-RFでプレ洗浄します。 全量イッキに交換しますね。
真っ黒なATFがここまでキレイになりました。
このまま15分間アイドリングタイム。
次に使用するのが本命ATFです。
NUTEC NC-65 ニューテック史上最高峰ATF 全化学合成ATF(エステル系)
こちらをATFチェンジャーに入れ替えて、もう一度圧送式で交換します。
完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は6万キロ。
その時はオイルパンの脱着洗浄は不要です。
試運転後にフルードレベル調整を行いました。
整備リフトからアライメントリフトに移動して、1G締付を行います。
アームブッシュの黄色いテープはボルト仮止めの印。
アライメントリフトで4輪接地した状態にし、一度ブッシュ固定ボルトを緩めます。 ブッシュの捩じれを解消し、もう一度ボルトを締め付けるのが1G締付。
整備リフトで足回りを整備して1G締付せずに走行すると、交換したブッシュが早期に破損します。
地味なようで必須作業の1G締付は、サスペンション整備後には必ず実施しましょう。
1G締付後に軽く試運転をしてブッシュ等を馴染ませてから、ホイールアライメント調整を行います。
組付けてスグの状態だと、調整カムボルトを中立の位置に合わせてもこんな感じでバラバラです。
ハンター社 アライメントテスターのメーカー推奨数値に違和感があったので、整備書で確認し再修正入力。
左右のバランスを整えながら、ホイールアライメントを調整しました。
(この日は風が強い日だったので、工場の扉を全閉にしても数値が揺れる揺れるで大変でした。)
カーエアコンリフレッシュαでAC冷媒ガスをリフレッシュ。 年々減少する冷媒ガスは定期的にメンテナンスしましょう。
デンゲン社製エコマックスjrをAC配管に接続し、充填量をセットしてスタート。
冷媒を回収再生充填を全自動で行います。 最後にNUTEC NC-200コンプブーストでコンプレッサーオイルを同時注入し、潤滑・気密性を強化しますね。
最終チェックの為にいつものテストコースを約1時間ほど走行します。
異音はないか?振動は大丈夫か?集中しながら走り回ってから、リフトアップし何度もボルトナットの締付やオイル漏れ等を確認しています。
納車の連絡をして数日後に埼玉県から引き取りに来てもらいました。
作業内容は全て撮影し、納車時に画像をモニターで見てもらいながら説明をしています。 また画像が必要な方にはコピーを記録用にお渡ししています
ちなみに今回は250枚以上は撮影画像をコピーし、DVDでお渡ししました。
納車後に自宅まで走行し、レビューをいただきました。
お世話になりました。○○です。あの後、家まで走った感想ですが、ハンドルの妙なアシスト力が無くなって自然になり、アクセルがだいぶ扱いやすくなってました。ペダルが以前より少し重くなっており、踏みすぎず、踏んだ分だけ反応するような感じです。
そして、乗り心地はかなり良い感じになってます。音、振動も抑えられて、丁度良い堅さのゴムに乗っているような感じで、柔すぎず固すぎず。ガタンとかバンって感じのショック、音もほぼ無く心地よくなりました。
色々細かい所まで、この度は本当にありがとうございました。失礼致します。
2部に分けて紹介したスバル レガシィ ランカスター6のリフレッシュプラン。
何故まとめて整備した方が(費用的にも効果的にも)良いのかが、このブログを見れば分かるのではないでしょうか。
ある程度年式が経過し走行した車両は、今後良い状態で使用するならどこかのタイミングでガッツリとしたリフレッシュ整備は必要でしょう。
逆に言えばここまでの整備をすれば、今後数年間は整備する個所は無くなり、快適なカーライフが送れると思います。
(20万円の予算で3回に分けてリフレッシュ整備をしたいんですが・・・)とよく相談されるのですが、経験上やんわり止めた方がいいですよとお伝えしています。
それなら60万円を貯めてから一度に整備した方が、3回に分けての整備より出来る範囲も広いし、多くの部品を交換出来るし、出来栄えが全然違うのです。
作業工賃の重複は思っている以上に比重が高いので、ある程度予算を貯めてからの方がいいですよ!とお答えしています。
そう伝えると(なんだ!安い仕事は引き受けないのか!!)と苦情が来る事が多々ありますが、『ブログに書いてもなかなか弊社の考え方が伝わらないんだな~』と困惑しています。
また3回に分けてと言いますが、ほとんどの方は2回ぐらいでリフレッシュ整備を辞めると思います。
何故なら1回目・2回目で劇的な変化が無ければ、恐らく3回目の出費は躊躇しますよね。
(2回整備してもそんなに体感出来るほど良くならない)(はたして3回目の整備で良くなるのかな??)疑心暗鬼になれば3回目の出費は出さないでしょう。
弊社では(ある程度走行した車両は、一気に整備した方が結果的には経済的)とアナウンスしています。 間違った整備プランを計画しても愛車のコンディションは良くならないですよ~。
リフレッシュプランの本質は(整備プラン)ではなく、(リフレッシュ整備のプランニング)です。
リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
どうぞ宜しくお願い致します。HAPPY CAR LIFE!!