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スバル レガシィ ランカスター6 リフレッシュプラン 前編。ゴム部品の経年劣化は乗り心地低下。足回り・下回りをリフレッシュ!!

埼玉県からお越しいただいたのは、レガシィー ランカスター6 BHE 走行距離2万キロ。

リフレッシュプランのご依頼です。
メールからお問い合わせをいただいて入庫しました。


弊社は全国各地から提案型整備リフレッシュプランのご依頼を受けています。

よくメールで質問されるのが(遠方の方はどのようにして車両を持ち込んでいるのですか??)と。

1・自走で来店し、飛行機や新幹線等で帰る。(代車無し)
2・自走で来店し、代車で帰る。
3・陸送で入庫し、後日引き取りに来る。(片道陸送)
4・往復ともに陸送で、来店はしない。(往復陸送)


日帰りや1泊ぐらいではリフレッシュプランの整備規模を完了するのは無理なので、基本的には2週間ぐらいのお預かりになりますから自宅から2往復する事になります。



1・2は代車の有無の違いですが、リフレッシュプランの場合は基本的に日産キューブorホンダフリードスパイクをお貸ししています。(ナビETC付)

フリードスパイクは5人乗り車で2列目シートをフラットにすると広大な荷室が生まれますので、業務使用のハイエースにはこちらをお貸ししています。


3・4は片道or往復を陸送にて車両を持ち込む事になります。陸送手配は弊社で行いますので、ユーザーさんは最寄りの陸送基地に搬入してもらいます。



陸送会社の搬入基地は全国各地の主要都市にありますので、そこまで自走で搬入してもらい、手配番号を事前にお知らせしますので受付にて申告するだけ。

ミナト自動車までは遠いし、代車も要らない方は、陸送プランで依頼される場合が多いですね。


ちなみに料金は業者価格をそのまま請求しているので、一般の方が陸送依頼するよりかは安価にしています。(利益は取っていないので。)


イメージ的には(ガソリン代と高速代と消費体力と時間)を考慮すると、トントンぐらいの価格だと思ってください。



今回は片道を陸送で入庫し、引取は後日来店という流れでスケジュールを組みました。


陸送到着後に全周の傷等をチェックして、(無事到着しましたよ~)とメール連絡しています。


陸送での入庫はメリット・デメリットはありますので、こちらは予約時にご説明させていただいています。

今回のランカスター6は走行距離は僅か2万キロ。 ですが年式は平成13年で20年経過。 

外装は雨染みもなくピカピカで、内装も新車同然のミントコンディション。恐らく新車から室内保管されていた極上車両。



最近中古車購入したランカスター6を、新車時に近づけるよう整備を依頼されました。



外装や内装など弊社守備範囲以外は作業をしませんので、エンジン・AT・サスペンションなどを中心にリフレッシュ整備していきます。


予約時には(どのような整備を希望するのか?)(予算はどれくらい確保しているのか?)それをお聞きして予約を受け付けています。


今回の提示された整備予算は、中古のランカスター6をもう2台買える予算で整備していきますよ~。


試運転をして状態を確認し、エンジン点検の基本(排気ガステスト)を行います。これで燃焼状態が分かるのである程度のコンディションは把握できます。

距離が少ないのでアイドリング時の燃焼状態は良好でした。



ホイールアライメントを測定してサスペンションの数値を確認。
乱れは多いですがこれなら今回の整備で完璧な状態に戻せるでしょう。



弊社ではリフレッシュプラン時のみホイールアライメント調整を作業しています。  (ホイールアライメント調整のみの単品依頼は不可)


何故かはこの後の整備を見ていただけると分かるのですが、ブッシュやショックアブソーバーの状態も気にせずに、数字合わせだけの調整をしても意味が無いと思ってます。

静的ホイールアライメントより動的ホイールアライメントの改善が、新車時に近づける秘訣ですよ。



当初にお聞きしていたほど酷い錆はありませんが、そこそこ錆はある感じ。

錆5段階の3ぐらいでしょうか。


P/SやLLC等のゴムホースは経年劣化で状態は良くないですね。細かな部品もメーカーに在庫が有るうちに交換したいと思います。


タイヤを外し車両全体を点検して、整備プランの御見積を制作。
ユーザーさんに御見積書をメール送信し、協議して作業内容を決定します。



それでは作業を始めますね。

前後の足回り等をイッキに分解します。


スバルの場合はアーム等のブッシュを単品供給してくれるメーカーで旧車乗りにはありがたい存在。

全数打替えしていきますね。



フロントブッシュを油圧プレスで打替えて、ボールジョイントを交換します。

ロアアームリアブッシュはバックリ亀裂が入っていました。
ゴム部品は走行距離と年数で劣化するので、走行距離は少なくても劣化している場合が多いのですよ。


こんな破損したブッシュ状態を無視して、高精度なホイールアライメント調整をする意味があるのでしょうか?

正常な状態のブッシュやジョイント、ベアリングじゃないとダメですよね。




リア側はアームとナックルにブッシュが打ち込んであるので、全て交換します。

ブッシュの向きや位置決め、挿入の深さなどがあるので間違えないように慎重に。

何十台も作業しているので、もう慣れましたけど・・・。
SSTを使用してサクサク交換していきます。



スタビライザーのブッシュも交換しました。



フロントハブベアリングは距離を考慮すると優先度は低いのですが、フロント側はこのようにナックルを分解しないと交換出来ない構造。

今回は一緒に整備しておきますね。 B/Gとオイルシールを交換しました。


ちなみにリア側B/Gは構造上車上で交換が出来るので、慌てて実施する必要はないので保留としました。


この年式スバル車定番のグリス漏れやブーツ破損が多いフロントドライブシャフトはIN・OUTともにブーツグリスをO/Hします。

耐久性の高い純正ブーツグリスKITで作業しました。


構造上エキゾースト直下にブーツがあるので、熱でのゴムの劣化が早いのでしょうね。


リア側ドライブシャフトのグリス劣化度はもともと少ないのですが、ゴムブーツの年式を考慮してO/Hを行いました。

・リアドライブシャフトブーツは全バラシをしないと交換出来ない。
・リアハブベアリングは後で車上交換が簡単に出来る。

限られた予算で何を実施し、何を保留するかがリフレッシュプランのメインテーマになります。



ブレーキキャリパーもO/Hしブレーキパッドも交換します。

表面の錆はありましたが、ピストン内部までの錆進行はありませんので十分O/H可能です。


ディスクローターは錆がありますが、これぐらいなら研磨にて再生出来ますよ。

ダストの多いフロントブレーキパッドはディクセル Mタイプをチョイス。
リアは負荷が少ないのでノーマルにしています。

薄~く薄く研磨して、凹凸や振れを修正し、500℃の耐熱塗料で化粧直し。

厚みと振れさえ問題なければ、研磨したディスクローターで見た目だけではなく、性能も新品同様に戻りますよ。

ショックアブソーバーを今回は純正品で交換します。

こちらも走行距離は少ないが年数が経過していると、充填ガスが抜けてショックアブソーバーは劣化しているのです。

オイル漏れだけが交換時期の判断基準ではないですからね。

リアのショックアブソーバーはレベライザー付きになります。
純正品は高額で純正製造メーカーのKYBなら少し安価です。

今回はどちらにしますか?とお聞きすると、(せっかくなので今回は純正を試したい)とオーダーされました。


純正品でスプリング以外の一式交換しますね。


こんな感じでサスペンション・ブレーキ・ドライブシャフト・ハブベアリング等の足回り・下回りを整備しました。 やっとこの時点でリフレッシュプランの半分が終了。



画像を見ていただけると分かるのですが、かなりの点数の部品を交換していると思います。 ですがこれらの部品はメーカーに発注して、すぐに揃うものではありません。(特にサスペンション系)


つまり入庫して点検し、見積をあげてOKを貰ってから発注しているようでは遅いのです。

毎週リフレッシュプランの車両がゾクゾクと入庫してくるのに、限られたリフト数でどう整備しているのか?



過去の経験から整備予算と希望改善個所をお聞きして、車種特有のウィークポイントを把握し、交換予定部品は入庫1カ月前から先行発注して部品を集めています。

もちろん部品代金は前金で振込いただいてからの発注になります。(入庫1カ月前に振込案内し、部品発注)




・長年のお付き合いがある訳ではなく、初めて利用する整備工場。
・しかもかなりの遠方で、私の顔すら知らない状態。
・もちろん車両自体をまだ診ていない。


そんな状況で数十万円の前金を払って、リフレッシュプランの予約をする。
普通なら考えられないかもしれませんよね。


ですが何年もリフレッシュプランの予約が途切れることなく、皆様から依頼をいただけるのは恐らく弊社のブログを過去に遡って見ているからだと思っています。

http://minato-motors.com/blog/?cat=12
ほんの一部の実施車両ですが参考にどうぞ!!


弊社のブログは(整備のデジタルパンフレット)みたいなモノですから、不安や疑問がある場合はブログを見てもらいメールにて質問していただけると解消させていただきます。


(何年何月の○○の整備ブログはいくら掛かりましたか?)と聞いていただけるとお答え出来ますよ。予算の参考にしてくださいね。    ただ古すぎるブログはあまり予算の参考にならないので新しいブログから見てください。






次回ブログではランカスター6の後半リフレッシュ整備を紹介しますね。

エンジン系・AT系・1G締付にホイールアライメント測定などを整備していきます。

それではHAPPY CAR LIFE!!







2021年9月15日

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