マツダ CX-5 KF系 ドライアイスでインテークの煤除去作業。 DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
和歌山県からお越しいただいたのはマツダ CX-5 KF2P 平成29年 走行距離7万キロ。
スカイアクティブ-2.2Dのインテーク系等に蓄積する煤除去作業を依頼されました。
2017年から初代CX-5(KE系)から2代目CX-5(KF系)にモデルチェンジし4年が経過しましたね。
整備工場あるあるですが新車から3年目までは、故障や不具合で民間整備工場に入庫する事は基本的に少ない。(メーカー保証が有るので)
新車4~5年ぐらい経つとハッキリ分かる不具合なら、ディーラーさんに相談するはず。
ですが微妙なレスポンスやパフォーマンス低下などユーザー自身しか気が付かない違和感などは、なかなか整備を相談・依頼をしても改善や対処できない場合も多くなります。
SKY-Dの煤蓄積は初期軽度の場合はそんな感じで、ユーザー以外には違和感が分かりずらく伝わらない。 そして症状が進むと警告灯点灯や加速レスポンスの低下などが目に見える形で現れる。
今のクリーンディーゼルは昔のディーゼルとは全く異なり、非常に敏感なエンジンとなっています。 ですが(ECUの学習能力)が大幅に進化しているので、多少の不具合が起きたとしても、エンジンが止まらないように(あの手この手で)制御し動き続ける優秀な機械となっています。
違和感や性能低下が起きないようにECUが学習制御するのですが、それも限度があるのですよね~。
試運転をしてから作業を始めますね。
試運転をすると(普通に走れる感じ)ですが、(ちょっとレスポンスが鈍いな?)とファーストインプレッション。
リフトアップしてインテーク系の部品を順次分解していきますね。
ユーザー自身が装着した社外部品がありましたので、ユーザーさんにどうされますか?とお聞きすると(DSC後は不要なので再使用しないでください)と要望がありましたので作業後は純正ノーマルに戻しますね。
インテークマニホールドが外れましたので煤の蓄積状況を確認します。
エンジンシリンダヘッド側の吸気ポート。
ポート内径への蓄積は5mm程ですが、奥に見えるバルブシャフトには煤が固着し、また最深部のバルブ傘部にはガッチリと煤が固着していました。
インテークマニホールド側も確認します。
吸気シャッターバルブを分解しますね。
そこそこ吸気シャッターバルブに煤が蓄積しているようですね。
インテークマニホールドの入り口は、空気の通り道が約半分まで狭くなっていました。
またEGRの導入パイプも煤で塞がりそうになっています。
クルリと導入パイプを180度ほど回転しますよ~。
EGRの導入口が完全に塞がると警告灯が点灯しますよ~。
次はインテークマニホールドの出口を見てみます。
インテークマニホールドの出口付近も徐々に蓄積が進んでいますね。
軽くホジホジしてみると、お茶碗1杯分の煤が出てきましたね。
こうなると(空気を吸ってナンボのディーゼルエンジン)が空気を吸いづらくなっています。
例えるなら(吸引力に定評のあるダイソン掃除機のノズルを少し塞いだ状態)でしょうか?? 折角の高性能が発揮出来ていない(モッタイナイ状態)ですね。
それらの煤を完全除去するのが弊社が開発したオリジナル整備 DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
インテークやエンジン内部に蓄積する強固に固着した煤塊を(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)ドライアイスを使用して除去します。
元々はトヨタ・レクサスのGR直噴ガソリンエンジンのカーボン除去用に開発しました。それのSKY-Dに応用しています。
http://minato-motors.com/blog/?cat=169 (過去のDSC施工事例)
ー76℃のドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。
(熱収縮と昇華爆発力) ドライアイスの特性を利用した洗浄方法
サンド・クルミブラストのように硬いメディアを使用せず、指で潰せる程柔らかいドライアイスペレットで母材金属から異物を剥離させます。
またドライアイスは常温でスグに昇華しますので、エンジン内部に残留する可能性はゼロ。作業後に不具合が起きる事もありません。
3M社製の高性能マスカーで完全防備。
(飛散する煤からボディをガード。)
ドライアイス洗浄機にペレットを投入し、ガンに弊社が自社製作したDSC専用ノズルとアダプターを装着。
まずは軽くワンショットしますね。
爆音と共にペレットが噴射され、直撃した箇所だけキレイになりましたね。
複雑な形状のポート内部やバルブ等を完全洗浄するために、複数あるDSCノズルとアダプターを使い分けて作業をしています。
4気筒全8ポートを全て除去完了。
シャフト裏や傘部も全てキレイになりましたね。
ショット時はクランクを回して圧縮上死点にセットし、1気筒づつ作業をしていますので、燃焼室等には煤やペレットは混入しませんのでご安心を。
インテークマニホールドや各EGRバルブ、吸気シャッターバルブ等もDSCで完全洗浄を行いました。
ワイヤーブラシなどでガリガリ擦るとアルミの部品に傷が付きますが、DSCなら無傷でここまでキレイになるのですよ~。
再使用出来ないのがガスケットのみ。
ガスケット自体は安価なのでこちらは純正新品に交換しています。
並行して洗浄した定番DSCオプション整備の(水冷式EGRクーラー洗浄)
これが詰まりだすとクールドEGRが使えなくなりますよ~。
ちなみにEGRクーラーが詰まり新品交換だと高額になりますが、DSCと同時の洗浄なら安価で作業が出来ますので予防整備としては非常にオススメです。
こちらも定番のオプション整備(インタークーラー洗浄)
内部に溜まるブローバイオイルを排出し、内部を洗浄しました。
サラサラの煤とブローバイのオイルミストがインテークで合流すると、煤が固まりやすくなるので定期的な除去は有効ではと思っています。
インテークマニホールド等を組付けて、LLCを注入しエア抜き作業。
劣化しやすいラジエターキャップは要交換となっております。
各学習値をリセットして燃料噴射量も再学習。
マル秘作業をゴニョゴニョとして試運転後に納車となります。
DSC作業は完全非公開で行っておりますので、ユーザーさんでもお見せする事は出来ません。 ですがそれでは作業内容が分からないので作業中はデジカメでバンバン写真を撮影していますよ。(今回は100枚ほど撮影)
引き取り時にはその画像を見ながら作業内容を説明させていただいており、必要な方には画像のコピーをお渡ししています。
また同時にメンテナンス等の質問があればお答えしています。
後日レビューをメールにていただきました。
和歌山県の○○です。
今回はCX-5のDSCで大変お世話になりました。
正直、整備していただく前は定期的な燃料添加剤注入やエンジンオイルの交換など煤蓄積予防にはプラスになっているのではないかと思っていましたが、
特にEGR合流部はなかなかの蓄積具合で驚きました。
さて、DSC後のエンジンですが、とてもフィーリングがよくなりました。
街中でのパーシャルスロットでじわっと加速する時のいわゆるアクセルのつき
が気持ちよく、高速ランプ合流や追い越し加速もスムーズに感じます。
新車時の感覚に戻り、これでしばらくは気持ちよく乗れます。ありがとうございました。
このたびは弊社をご利用いただきありがとうございます。
煤でパフォーマンスが低下していたSKY-Dが本来の高性能を発揮できる状態に戻ったので安心しました。
もともとアグレッシブでトルクフルなSKY-Dですから、燃焼状態も良くなり走りやすい車両になったと思いますよ。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。
DSCは一泊お預かりが基本で朝9時半入庫の翌日午前中納車になりますが、お時間の無い方には(特急日帰り作業)もお引き受け可能です。
(日帰りの場合は当日19時頃の納車予定)
各オプション整備を多数ご用意していますので、DSCのご相談があればメールにて案内をしています。
DSCの御見積・予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
必要事項を記入してもらえれば返信をしています。
それではHAPPY CAR LIFE!!